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62日目 函館~大間

20070607101534
6日、9時半起床。M君の家を出た後、K君の車で北大函館キャンパスへ。F君にキャンパスを少し案内してもらった。
今日は13時50分のフェリーで大間に渡る。函館から出ているフェリーはいくつかあるけれど、函館~大間はその中でも最短であり、料金も片道1170円と安い。ただ、朝からの大雨。青森もここ2、3日は雨が続くようで、向こうに着いてからが心配だ。一つ訂正があって、先日自分は白神岬~竜飛崎を北海道と本州の最短距離だと書いたが、それは誤りで大間からもっと近いところがあるらしい。函館~大間間のフェリー所要時間は2時間弱。
13時40分、乗船。これで北海道ともしばらくお別れだ。乗客はまばらで、それでも30人くらいいたろうか、自分は室外のサンルーフがついた箇所の椅子に座り、昨日K君に土産でもらったハンバーガーを食べながら出航を待った。空では時折雷鳴。カッと一瞬光ったかと思うと、わずかに間を置いて破裂音がしている。雨は止みそうにもない。
フェリーが港を出てからは、天井の雨漏りがひどくなってきたので荷物を持って室内へと移動した。他の乗客は皆、室内の小上がりに座ったり、横になって、もう寝ている人もいる。自分もその中に入ると横になった。昨日の夜更かしもあり、すぐに眠りについた。
「お客さん、着きましたよ」誰かにそう言われ目を覚ますと、他の乗客はもう一人もいない。清掃のおばちゃんがせかせかと動いているばかりである。自分は荷物をまとめ、急いで船を降りた。外はやはりザーザー降りの雨。
15時30分、本州上陸。
心なしか、北海道とは空気が少し違う気がする。とりあえず目の前にあったフェリーターミナルへ向かい、そこでこれからの予定を考えることにした。実は自分は青森に渡ってからの予定をほとんど立てていない。というか、立てられなかったのだ。大間から下北半島を日本海ルートで回ると、むつ市まで峠を含んだ100kmほどの道が続く。話を聞く限りでは、大間を出てしまうとむつまでほとんど町はないと言うし、あと2日は雨らしい、頼りのバス停小屋もあるか分からない。つまり、本州に渡ってしょっぱなからの難所で、予定を立てるのが困難だったからである。
フェリーターミナルのベンチに腰かけて考えあぐねていると、やや、どうやらこのフェリーターミナルももう閉まるらしい。今自分が乗ってきたフェリーが折り返しで函館に向かう乗客を乗せたらお終いのようだ。さっきの清掃のおばちゃんが船から降りてきて、今度は自分のベンチの周りを掃除し始めている。参ったなあ、とカッパを装備してとりあえず外を歩いてみることにした。駄目だ。やはりこの雨の中、予測のつかない道を進むのは危険すぎる。フェリーターミナルから国道まで出てくるとスーパーが見えたので、ここへ避難。別に買うものはないが、店内をぐるっと一周して店を出た。スーパーを出た自分が向かったのはホテルである。フェリーターミナルにあった看板を見て、視野に入れていたことではあったが出費を嫌っていた。だが、こうなっては仕方ない。今日はホテルに泊まることにした。
青森の天気が回復するまで函館にいた方がよかったかもしれない。しかし、これ以上函館にいると自分はあの町に甘えてしまいそうだったから出てきた。そして、今日はホテル。良いのか悪いのか分からないが、あてがわれた部屋は快適だった。きれいなベッド、消毒済みのトイレ、有料放送。思わず「ホテル最高」と呟いていた。
夕方、ホテルの食堂で夕食。大間と言えばマグロで、この食堂にも御多分に洩れず大間のマグロがあった。自分としてはメッチャ食いたいところ。大間丼3150円。某牛丼が10杯食べられる。・・・。カップラーメンが30個。・・・。あのーすいません、大間丼一つ。と喉まで出かかったが、それは今夜夢の中で言うことにして、ビールを飲んでラーメンを食べた。
明日の予定は依然として立たない。今、ホテルの部屋で地図とにらめっこをしている。どこかの部屋からイビキが聞こえてくる。明日もしどしゃ降りだったら自分は大間から出られない。せまりくる大間丼の誘惑、そいつとまた闘わなくてはいけなくなる。嬉しいような苦しいような悶々とした時間。仁木バイト残金はあと13万円強である。

天候

気温
朝20℃ 昼20℃ 夕23℃(室内)
歩数
7350歩
累計1343260歩
出費
発泡酒×2・・360円
ジュース・・120円
フェリー代・・1170円
ホテル内夕食(イカバター、塩ラーメン、瓶ビール)・・1605円
宿泊代・・6195円
テレビ代・・400円
計9850円
累計155515円
食事
昼・・ハンバーガー×2、発泡酒
夕・・イカバター、塩ラーメン、瓶ビール
夜・・アクエリアス、水、発泡酒
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63日目 大間~牛滝

20070608184228
7日、8時半起床。朝、目が覚めると8時半。やっばぁ!と朝食カードを手に取り見てみると、朝食7時~8時半とある。うああ、朝食があぁ、と慌てふためいて寝起きのまま食堂へ走った。ギリギリセーフだった。しかし、自分が最後で他に食べている人はいない。急いでおかわりして食べた。
部屋に戻って落ち着いてみると、そういえば雨の音がしない。携帯電話の天気予報を確認してみると、予報が昨日と変わり、雨から曇りになっている。やった、雨が止んだのだ。緑茶を飲んでからホテルをチェックアウトして国道338号線を南下。歩き出してすぐ、大間のスーパーでパンとジュースを購入。道路標識には、むつまで113kmとある。
町中でハイロウズTシャツを着ている人を見た。ハイロウズというのは自分の好きなバンドで、そのTシャツというのはリラクシンTと呼ばれる、記憶が正しければハイロウズが1999年6月9日、ロックの日に発売したCDのタイトルで、そのツアー会場で物販されていたもの。ついつい、「うおー!」と叫んでしまい、話しかけようとしたが相手は仕事中のようだったのでやめた。しかし嬉しいなあ、自分は地元にいてもハイロウズTを着た人とまず出会ったことがない。今度会ったら、近くのお寺で一緒に地ビールを飲みながら音楽話をしたい。
大間の町を出るといきなり峠だった。これはパッと見の意見なのだが、この辺りは北海道に比べて道路幅が狭く歩道もない。道路自体が古い感じがする。峠道も北海道のそれはどちらかと言うとなだらかで、谷間を縫っていくような道だったが、こちらは一つ一つの山を乗り越えていくという感じでアップダウンが激しい。今日も自転シャー(これから自転車の旅人のことを自転シャーと呼ぶ)とすれ違ったが、自転車をこいだり押したりするには困難な坂だろう。また、ここにも熊は出没するらしく、出没注意の看板があった。森の中ではウグイスとカッコウの鳴き声が聞こえ、湿度が高いのか、歩いているとムシムシする。ただ、足の調子はすごくよくて、この旅にほぼ順応した感じ。夏装備への切り替えも正解だったと思う。
まだなんとなく北海道を歩いている感覚が抜けていなくて、時々「そういえば、ここは本州なんだよな」と思う。「どこまで行くんですか?」と聞かれると「函館です」と答えそうになってしまう。この辺りの人達は大きな病院へ行く時、フェリーで函館に行く方が近いのか、町の通りには函館の病院案内の看板が立っていた。そして夕方、仏ヶ浦着。
今日はここの公衆トイレに泊まろうか、それとも日没まであと少し歩こうか考えて、結局歩くことにしたが、次の町にたどり着いたのは19時半になってしまった。もう暗い。一軒だけあった商店で買い物をして、公衆トイレで眠。電気がつかない真っ暗なトイレ。「昔、トイレの花子さんって怪談があったな」と思い出す。それはそれで怖いが、現実的に問題なのは床を這うゲジゲジである。

天候
曇り
気温
朝21℃ 昼23℃ 夕17℃
歩数
61355歩
累計1404615歩
出費
パン×3・・330円
ジュース・・98円
カップラーメン・・126円
スナック菓子・・150円
発泡酒・・150円
計854円
累計156369円
食事
朝・・ホテルバイキング
昼・・パン、ジュース
夕・・カップラーメン、スナック菓子、発泡酒
道中・・水

64日目 牛滝~脇野沢

20070609080649
8日、8時半起床。予期していた問題が、予期しているよりも早く訪れた。蚊である。これから夏に向け、何か対策を講じなければいけないが、何をすればいいんだろう。バルサン?駄目だろう。蚊取り線香?使えんだろう。あ、あの、携帯用の腰につけるやつ!費用がなぁ。アースノーマット!電気は?発電機をしょって。ああ、なるほど、ついでに携帯電話も充電して、ってしょえるかっ!求む、あまり金のかからない蚊対策。例えばほら、にんにくをぶら下げておくだけで蚊が寄ってこないとか、ってそりゃドラキュラじゃあああぁぁぁ・・・!!
この前、函館で出会った北大の3人が話してたんだけど、北大の寮生がハンバーガー屋のドライブスルーで、乗り物なら何でもOKか試しに騎馬戦でハンバーガーを買いに行ったんだと。そうしたら、買えたことは買えたんだけど「次からはもう売りません」って言われたらしい、という話を聞いて自分は爆笑した。いいよなあ、そういうユニーク。最近、自分が失いかけているものだと思う。嫌味に聞こえるかもしれないけど、社会に出るとどうしてもハンバーガー屋の店員の心境になってしまうよね。でも、それって同時につまらない大人になるってことのような気がして、そこらへんのバランスって難しいよなあ。
今日は一日、峠越えだった。二日に渡る峠越えである。はっきり言って自分は青森をなめていた。北海道がイケたんだから大丈夫だろう、と安易に考えていたけど、正直今までで一番か二番の難所だった。まあ、地図を見る限りもうしばらくは大丈夫そうだが、これからは更に暑くなるし気を引き締めていこうと思う。
それにしても峠は怖かった。今日の昼休み、道端の砂利の上で休んでいたら、滅多に車の通りがない道を一台の車がやって来て、自分の近くに止まった。正確に言うと、自分の後方50m位のところに止まったんだけど、自分は道端の少し引っ込んだ所にいたから向こうは気づいていないはず。何にもない山道で、何故止まることがあるのか気になっていたら、声が聞こえてきて「この辺でいいか」か何か言って、ついでドアを開け閉めする音、何かガサゴソする音が聞こえた。自分がフッと首だけ出してそちらを見ると、車だけあって人がいない。どうやらガードレールを乗り越えて何かやっているようだ。ただ、その車が一般の人は乗らないようなVIP車で、外車だと思うけど、自分はこれはきっとヤクザが山へ人を埋めにきたのだ、と思って恐ろしくなった。ガードレールの脇は誰も入らないような林で、これは聞き間違いだと思うけどパンという乾いた小さな音がした。うっそ、もしかしてサイレンサー?と、さらに怖くなった自分は「知りません、見てません、サスペンス?嫌いです」
と言い切ることにして、その場を立ち去ることにした。下手にコソコソして呼び止められても嫌なので、全くそしらぬ顔をして歩き出した。向こうが自分に気づいたかは知らない。去り際、車の後ろにいた頭の禿げたおっさんがチラッと見えたが、追っては来なかった。
その後はその後で歩いていると急に横の草やぶがガサガサし始めて、自分は本気でツキノワかと思って構えたら、これもおっさんであった。おっさん、何してたんだろう。自分には、このおっさんが幽霊屋敷の幽霊役にしか思えない。きっと人を脅かすためにあそこにいたんじゃなかろうか。そして、その恐怖を何が一番もり立てていたかって、昨日の夕方からずっと携帯電話が圏外なことである。恐るべし青森。恐るべし恐山。
そんなわけだから、峠を抜けて道の駅に着いた時は嬉しかった。携帯もやっとつながるようになったし。この道の駅ではBGMにT-BOLANの「離したくはない」が流れていた。コアだ。でも、この曲に思い出を持ってる人って案外いて、自分もその一人だから懐かしい。相変わらずいい曲だ。
バイカーが自分を追い抜きざまに左手の親指を立てた。自分も真似して立てた。バックミラー越しに見えたろうか。そして道路はまた海岸線へ。今日はその手前、脇野沢(わきのさわ)の町でSTOP。公園のベンチの上で寝ていたら雨が降ってきたので、近くの公衆トイレへ移動。だから、今日もまたトイレの花男さん。

天候
晴れ
気温
朝15℃ 昼26℃ 夕20℃
歩数
43310歩
累計1447925歩
出費
惣菜×2(コンブの煮物、焼き鮭)・・267円
パン×3・・300円
ジュース×2・・245円
チョコ菓子・・53円
スナック菓子・・105円
カップラーメン・・105円
発泡酒・・200円
計1275円
累計157644円
食事
朝・・パン×2、水
昼・・ウイダーインゼリー、缶コーヒー
夕・・カップラーメン、ジュース、チョコ菓子、惣菜×2(コンブの煮物、焼き鮭)、スナック菓子、発泡酒
道中・・水

65日目 脇野沢~むつ

20070610073944
写真速報・・プレイステーション5(ホワイトリミテッド)が発売。新機能は新聞入れの模様。
9日、7時50分起床。昨日の夜、雨が止んでベンチに戻って寝たのでベンチにて起床。朝4時頃、近くのトイレを使いにきた一団が「うわ、すっげ」と言いながらベンチで寝ている自分を遠巻きに見ていた。自分は起きていたが反応しなかった。ペットショップで愛想をなくして客をシカトする犬や猫のように目をつぶっていた。
朝食に昨日買っておいたパンを食べて出発。してすぐ
「ハイカーさん?乗ってく?」
「大丈夫です。歩きます」
「おう!そっか。おやつもねえしなぁ・・、じゃあ頑張ってな!」
「ありがとうございます」
軽トラックの運ちゃんであった。
海岸沿いの道が続く。海を見やると砂浜。水がきれいで遠浅な様子がよく分かる。泳ぎたくなったが、温度計を見ると24℃。これが30℃くらいになったらにしようと、やめておいた。海パンを持ってきているので、泳ごうと思えばいつでも泳げるのだ。
海の中にラッパが沈んでいた。何かに打ちひしがれた音楽家が捨てたのだろうか。波間に光る銀色のそれはなんだか今にも壮大な夢を語りそうであり、絶望を奏でそうでもある、シュールな光景だった。どんな物語が秘められているのだろう。自分は石原裕次郎の「錆びたナイフ」を歌いながら歩いた。
昼食に立ち寄った商店でタコ刺しを購入。安い。地元の3分の1の値段である。足のまま売っていたのを店奥で捌いてもらって、さらにワサビと醤油をつけてもらい、同じ値段で。店内のテーブルにて食事。タコを捌いてくれたおっちゃんが来て、小一時間話しをした。
午後、自分の前に大型トラックが止まり、運転手が降りてきた。自分を乗せようとして、わざわざ止まってくれたらしい。その後、15時過ぎだったか、これまた自分の先に止まっていた軽自動車からおばちゃんが降りてきて、「大間のほう歩いてなかった?」と言う。「はい」と答えると「いや、おんなじ子だなと思って」と言い、ペットボトルの飲み物を2本くれ「はい、差し入れ。今、冷たいの買ってきたからさ、飲んで」と加えて言った。おばちゃんに聞かれ、旅の話をすると「あたし、そういうの大好きなの。応援してるわ、頑張ってね」と言い、去っていった。そういえば今日、ペットボトルに詰めておいた公衆トイレの水を飲んだら、腹にじんましんが出てきた。どうやら飲用禁止の水だったらしい。
むつ市街の10km手前で青森初のコンビニがあった。サークルK。大湊(おおみなと)という町に大きな海上自衛隊があり、町中でセーラー服を着た男の人が歩いていた。セーラー服は元々水兵さんの制服だと聞いたことがあるが、それが何故女子学生の制服になったんだろう。スカートだって元は男性の衣装だと言うし、ファッションとはよく分からないものだ。
コンビニに立ち寄ったら、レジで自分の前に並んだ少年がゲームのカードを大量に購入していた。男の子ってどうしてか人生に一度はカードにハマるよね。自分はビックリマンシールとカードダスにハマった。もらった小遣いとか、すぐ注ぎ込んでさ。大事よな。いくつになっても、すっげえカードって。あと、ガチャガチャ。あれもよくやったなあ。だのに、自分は今でもガチャガチャを見るとやりたくなってしまう。今日、そのコンビニにあったやつをついついやってしまった。スーパーマリオのマリオが、キノコをゲットした時の効果音が出るキーホルダーを手に入れたよ。はは、やった。
夜、パチンコ屋に3時間位いた。でも、パチンコもスロットもやっていない。何をしていたかというと、マッサージ機を借りて漫画を読んでたんだ。今や、パチンコ屋はプチ漫画喫茶だからね。パチンコをやらないという意思があれば、どんどん活用していきたいところさ。それで今、何をしてるかというと24時間営業のスーパーの前に座っている。目の前にマックとガストがあって入りたいような気分。スーパーのBGMからジュディマリの「イロトリドリノセカイ」が聴こえてくる。今日はこのスーパーの前で寝ようと思うんだ。

天候
晴れのち曇り
気温
朝17℃ 昼26℃ 夕21℃
歩数
57902歩
累計1505827歩
出費
ジュース×4・・486円
カップラーメン×2・・296円
タコ刺し・・180円
唐揚げ弁当・・318円
缶ビール・・165円
ポテトチップス・・98円
ガチャガチャ・・200円
計1743円
累計159387円
食事
朝・・パン×3、水
昼・・カップラーメン、タコ刺し、野菜ジュース、コーラ
夕・・カップラーメン、弁当、ポテトチップス、缶ビール、ジュース
道中・・ジュース×2、水

66日目 むつ~横浜

20070611075621
10日、6時10分起床。スーパーの警備員が「6時ですよ」と起こしてくれた。24時間営業のスーパーなので、そのまま店内へ。買い物して朝食。
今日は朝から暑い一日だった。下の気温はさほどではないが、瞬間最高は30℃近くいったんじゃないだろうか。朝から結構へばってしまって、ラーメン屋だの酒屋だの寄り道ばかりしてしまった。最近、出費が激しい。「次の商店行ったら休憩してアイス食お」と言いつつ、その商店にたどり着いたら「やっぱこの次(の商店)まで我慢しよ」と自分を騙し騙し進んだ。思わず、商店を覗きこむようにして見てしまう。多分、うーとか、あーとか言ってたと思う。バイカーが時々、クラクションを鳴らしたり、手を振ったりしてくれた。
歩きながら、iPodが欲しいなあと思った。よく「何か音楽聴くものは持ってこなかったの?」と聞かれるが、充電の疎ましさを思って用意してこなかった。でも、これだけ音楽を欲するのだったら準備すればよかった。No music No life。音楽の力って偉大だ。
あと、タバコが吸いたくなる。これは、自分は禁煙して1年半になるのだけど、今でも時々吸いたくなる。別に吸ってもいいのだけど、タバコは色々と面倒臭い。何でやめたかというと、その面倒臭さが嫌だったからで、購入、喫煙場所、ライターと煩わしいんだな、タバコは。
立ち寄った酒屋のおばあちゃんと話しこんで、ところてんをご馳走になり、「豆腐と納豆を持ってかんか?」と言うので断ったら、「じゃ、これ」とお菓子を頂いた。一緒に写真を撮ったので、あとで現像して送ろう。
歩道に1m位の青大将がいたので、足でつついてみたら死んでいた。干からびてしまったようだったが、まだテカりがあってまるで生きているようで、自分は頭がボーッとしていたので「こいつを道路の真ん中に置いとけば、みんなビックリするだろうな」とヘビを道路に運びかけたんだけど、その途中我に返ってやめた。
暑いということは、夜も暖かいということでこれはいいことだ。もうバス停小屋のようなものを探すこともないかもしれない。建物の脇で十分な気がする。今日はコンビニ脇。さっき、ここでこれを書いていたら、高校生くらいの男の子が自転車でやって来て、店から出てきたと思ったら自分に袋をよこして、「はい、おなかとか減るでしょ」と話しかけてきた。何かと思って袋を覗くと、今コンビニで買ったと思われるおにぎり2個と緑茶である。とっさのことで自分は礼しか言えなかったが、彼は自転車にまたがると颯爽と闇に消えていった。情けは人の為ならず。彼には必ず良い報いがあると思う。
「人を見たら泥棒と思え」そう教わったこともある。用心て大事だけど、盗まれたら与えたのだと、騙されたら教えられたのだと、そう思えればオーライなのかもしれない。渡る世間に鬼はなし。橋田壽賀子さん、自分はあなたのドラマ好きだけど。
温泉で出会ったおばちゃんが「あんた何で大間のマグロ食べてこなかったのさぁ、バカァ」と言っていた。やはり食べるべきだったか、大間丼。

天候
晴れ
気温
朝17℃ 昼25℃ 夕21℃
歩数
44883歩
累計1550710歩
出費
延長コード・・105円
ボタン電池・・105円
ボタン電池キット・・105円
パン・・93円
ラーメン・・450円
発泡酒・・150円
風呂代・・350円
ジュース・・110円
アイス・・103円
カップラーメン・・158円
野菜ジュース・・116円
計1845円
累計161232円
食事
朝・・パン、ジュース
夕・・カップラーメン、野菜ジュース
道中・・ラーメン、発泡酒、アイス、ジュース

67日目 横浜~白砂

20070612092342
11日、6時半起床。仁木から1Dayのコンタクトレンズをつけっぱなしで、そろそろパサついてきた。もう交換時期だ。この旅を終えたら自分は地元のメガネ屋で新しいメガネを買って、基本メガネで行こうと思う。いよっ、メガネでゴー!
この前、蚊が出てきたという話をしたけど、あれはどうも蚊じゃなかったらしい。だって、あの時刺された数箇所がまだ腫れてるんだもの。アブだったんだろうか。でも、確かに耳元でプーンって飛んでたんだ。
昨日から国道279号線を歩き、野辺地を通過。後、国道4号線にかわり、夏泊半島を回るため県道9号線へ。この辺りには、違法なバスの運行があるらしい。バス停の張り紙にそんなことが書いてあった。違法なバスとはどういうものだろうと、その張り紙をよく見てみるに、どうも本家の路線バスよりも安い値段で客をかっさらっていく自家用バスがあるらしい。競馬のノミ屋みたいだ。
一昨日の大型トラックの運ちゃんとまた会った。今日は休日だったらしくマイカーに奥さんを乗せて運転していた。軽自動車を運転していたので初め誰だか分からず、「俺だよ、俺」と言われて頭を高速回転させ符合した。
歩きながら、越冬中のバイトについて考える。自分は恐らく今のペースでいけば予定通り、秋の終わりに北九州市辺りで落ち着くと思う。そこで住まいを見つけ、短期の仕事を探し、旅の後半戦の資金を稼ぐつもりだ。問題なのは住まいと仕事で、手っ取り早いのは住み込みの仕事である。だが、住まいと仕事を分離させるパターンも考えている。住所がなければ職にもつけないだろうし、まだどうなるか全然分からないが、色々と思案してその場に行ったら最適な方法を当てはめようと考えている。
期限切れのパンを半額で売り出しているコンビニがあった。いや、ありがたい。他のコンビニもこういうことをすればいいのだよ。人の為にも、資源の為にも。企業だって偽装して売るくらいの根性があるなら、「これ、昨日で賞味期限切れちゃってるんだけど、まだ食べられるから半額でいいよ」と言えばいいじゃないか。保身ばかり考えていたって、傷もつかなきゃ成長もないだろう。
夕方、夏泊半島にある白砂という町に着。商店で買い物をしていたら、地元の人が集まってきた。自分の存在が珍しいようで、商店の外から4、5人が自分の買い物の様子を眺めている。店のおばちゃんに寝床の情報を聞いて移動。松林奥の浜辺にて巣づくり。海を見ながらカップラーメン食べて発泡酒飲んで、夜、寝袋入って空を見上げればスパンコール。真上に北斗七星が輝いて。でも、やっぱり蚊が・・。暗闇の中、4匹ほど仕留めたけど、まだプーンという。寝袋に深くもぐって眠。明日は青森だ。

天候
晴れ
気温
朝20℃ 昼27℃ 夕20℃
歩数
66614歩
累計1617324歩
出費
パン×4・・223円
カップラーメン・・150円
カップ焼きそば・・105円
カップワンタンスープ・・92円
ジュース×2・・215円
発泡酒・・210円
計995円
累計162227円
食事
朝・・おにぎり×2、カップワンタンスープ、緑茶
昼・・カップ焼きそば、惣菜パン、梅ソーダ
夕・・カップラーメン、発泡酒
道中・・菓子、水、パン×2、野菜ジュース

68日目 白砂~青森

20070613104949
12日、6時50分起床。アリがすごい。夜は蚊、朝はアリ。浜辺に腰かけていたら股にチクッとする痛みがあり、まさかとトランクスの中を覗いてみるとキショー、陰毛の中をアリが走っていやがる。「コノヤロ、ごま塩が!」とつまみ出した。よく見るとアリだけじゃない、周りにはなんだかダニのようなヤツまでいて退避退避、自分は出発することにした。
歩き始めてすぐ、夏泊の海岸で渚百選の三つ目を発見。名を椿山海岸という。それにしても今日もまた暑い一日で、最近飲料代がバカにならない。当然ながら夏に向かうにつれ水分補給の回数も増えるわけだから、この問題も早いとこ手を打たねばならない。1.5PETの出番だろうか。しかしあれを持つと単純に荷物の重量が1.5kg増しになるんだよね。まあ、でも・・仕方ないか。
今日はコインランドリーにも行った。青森に到着したんだ。町中にあったコインランドリーをどうやって見つけたかというと携帯電話でなんだけど、あれは便利だねー。自分はドコモを使っているからiモードなんだけど、その中にタウンページのサイトがあって、例えば「コインランドリー」と入力すると今自分の近辺にあるコインランドリーを探してMAPまで出してくれるんだ。無料でだよ。いい世の中だ。生来、メカに弱い性質、っちゅうか体質で、オサイフケータイもさっぱり意味が分からないけど、なかなかやるじゃないドコモ。電波事業っていうの?
そんなわけで、青森で服を洗って風呂に入って、さっぱりした自分は現在青森のインターネットカフェにてこれを書いているわけなのだけれど、本当にここ最近は出費が激しいね。で、決めたんだ。明日は一日、青森観光をする。といっても、ただの観光じゃない。青森には青森競輪という競輪場があるんだけど、そこへ行く。ちょっと稼いでくるよ。実は自分は競輪場へ行くのは初めてのことで、競輪の買い方ってよく分からないんだけど、そのためにインターネットで勉強さ。脚質とか出目とか、一番よく分からないのが地元勢のグループとかそこら辺のことなんだけど、たぶんビギナーズラックでいけるだろう。インターネットカフェの向かいから無料の往復バスが出てるからね、それに乗るんだ。もう、調査はバッチリだよ。かつては、さすらいのギャンブラーと浮名を流した自分さ。旅打ちはお手の物、まかしといてよ。じゃあ、行ってくる。

天候
晴れ
気温
朝23℃ 昼25℃ 夕23℃
歩数
57561歩
累計1674885歩
出費
飲料×5・・580円
チョコ菓子・・50円
カップラーメン・・150円
風呂代・・390円
シャンプー・・160円
ボディーソープ・・190円
コインランドリー代・・400円
缶ビール×2・・335円
ポテト×2・・378円
計2633円
累計164860円
食事
朝・・パン、カップラーメン、チョコ菓子、サイダー、水
夕・・フリードリンク、パフェ
道中・・コーラ、ラムネ、ポカリスエット、マウンテンデュー、缶ビール×2、ポテト×2

69日目 青森滞在

20070614093007
13日、5時半起床。昨日は深夜までインターネットで遊んでいた。ユーチューブというサイトで色々とレアな映像が見られるので、自分はINUやタイマーズといったバンドのPV、ライブ映像を見ていた。I LOVE PUNK!しかも今日は69日目、やほーい、ロックの日だ!って、勇んでインターネットカフェをチェックアウト。競輪場行きのバスに乗ったの10時頃。そして・・。
あかん。8万負けた。ほらーー、あきませんよーーーー。だらっ、競輪!くそっ!!一応全レース結果を掲載。
1R=+1600円
2R=-7000円
3R=-3000円
4R=-3000円
5R=-1000円
6R=-10000円
7R=-11000円
8R=-20000円
9R=-10000円
10R=-10000円
11R=-7000円
TOTAL-80400円
(参考までに解説を加えると、1Rを当てた自分はまず調子に乗った。これがそもそもいけなかったんだけど、転機は6Rと8R。6Rの賭け額が10000円と一気に跳ね上がったのは、そこが自信のあるレースで一発で巻返しを図ったから。これが外れ、そこからレートが上がりっぱなしになってしまい、8Rへ。このレースは2人レベルの抜け出た選手がいて自分はこの車単の裏表を10000円ずつ買った。これが当たれば+であったが、1着3着。これで自分は今日の勝ちをほぼ諦めて、赤字回収に入った。つまり少しでも赤字を減らすべく、より無難な勝負に出たのだがこれがすべて裏目。あっちと読めばこっち、こっちと読めばあっちで、ツキが最悪。結局、1Rから当たりはなくドン負け、ベコ負け)
ぐっそおおおお!!!!!今日から自分はこの日記にギャンブル手帳をつける。今までの負けと合わせて、この旅が終わるまでに全て黒にしてやるからな、胴元!パチンコはやらないと誓ったが一つ訂正する。マルハン岩内店で負けた2万。全国各地にあるどこかのマルハンでキッチリ返してもらう。それ以外のパチンコ屋ではやらない。それから競馬、これも取り返す。ぐぞーーーっ!!!
それにしても今後の資金、どうしたらいいものか。うーん、なんて考えていたら卓ちゃんから電話があった。「おう、元気か?」と言うから、「ついさっき競輪で8万負けたところだ」と答えたら、「相変わらずだな」と言って笑っていた。いや、しかし、どうしたもんだろう。残り3万である。先に進むか、それとも青森で僅かでも仕事を探すか。思案するため、情報収集のため、また同じインターネットカフェに来ている。

天候
晴れ
気温
朝24℃(室内) 昼25℃ 夕24℃(室内)
歩数
7687歩
累計1682572歩
出費
インターネットカフェ代(飲食費含む)・・3724円
競輪新聞・・450円
たこ焼き・・400円
フランクフルト・・200円
ネギラーメン・・650円
コーラ・・150円
車券代・・80400円
計85974円
累計250834円
食事
朝・・トースト、サラダ、ゆで玉子、水、フリードリンク
競輪場内・・たこ焼き、フランクフルト、ラーメン、コーラ、お茶
夕・・カツカレー、発泡酒、フリードリンク

ギャンブル手帳
競馬・・-4200円
競輪・・-86400円
パチンコ・スロット・・-20000円
計-110600円

70日目 青森~平舘

20070615123518
14日、8時10分起床。今日の日程をどうしようか考えながらインターネットカフェを出て、町中にある公園にフラフラと足を運び、東屋の下のベンチに腰かけフーとため息をつき、地図をひろげフーとため息をつき、そこへ仰向けに寝転がった。近くで小さな子と戯れるお母さんの声が聞こえ、また別の方向にはサラリーマン風の中年男性がベンチに深く腰かけ、虚空を見つめていた。起き上がった自分は、とにかく当てもなく歩いてみることにした。昨日の傷は思ったより深く、なんだか体の芯が抜け落ちてしまい、ふにゃふにゃになったような心持ちである。少し歩くとそこに見えたのはピラミッド、ではない、アスパムと呼ばれるピラミッド形の建物。自分はこの建物の中にハローワークが入っているのをインターネットカフェで知っていた。
「行ってみるか・・、ハローワーク」
呟いてとぼとぼ歩いた。
実は自分は青森に来るのは初めてのことではない。覚えている限り、過去に3度来ている。1度目は高校生の時、青春18キップというフリーキップを使って北海道から地元埼玉まで鈍行列車の一人旅をした時、1日目がここ青森駅で終着となり、駅の待合室で一晩を過ごした。外は雪が降っていたのを覚えている。2度目と3度目は大学生と社会人になってから。両方ともハイロウズのライブを観るためだった。これはおまけの話だが、この時自分は青森空港から発つ飛行機の中でハイロウズのメンバー全員に出会った。同じ便で北海道へ移動するところだったのである。今でも思い出すと胸にチーズフォンデュを流し込んだような気持ちになる。マーシーと数十秒間、目が合った。自分は固まっていた。
まあ、そんなわけでアスパム。これを訪れるのも初めてではない。ここの3Fに若者向けのヤングハローワークなるものがあり、そこへ向かった。しかし、パソコンの求人情報で数日間の仕事を検索してみるが、やはりそんなに都合のいい仕事もあるわけがなく、自分は大体考えをまとめて退出した。青森にあるマルハンで今日の夕方6時から新台入替のスロット抽選がある、という情報を手に入れていた。しかし、これも今手負いの自分には勝てる自信がない。だから歩くことにしたのだ。がむしゃらに先へ進むことにした。「初めっから、そうすりゃいいじゃないか」と思われるかもしれないが、昨日のことを引きずって、青森という地に別れを告げることに踏ん切りがつかなかったのだ。
夕方、平舘という町に着。ひたすら歩いた。平舘にある温泉に入り、マッサージ機にかかった。地元の人同士が何か喋っているが全く聞き取れない。青森出身の友達が「自分でも津軽弁は何を言ってるか分からない」と言っていたが、あれが津軽弁だろうか。「梅雨」という単語だけが時々耳に入る。そんな調子だから話しかけられると困ってしまった。
それにしてもここの温泉は贅沢な温泉で、シンプルだが掛流しの湯船に、シャワーまで温泉。これで入浴料は300円である。歩いていると、こうやって全国各地の温泉に入れるのも一つの楽しみだ。
夜、雨が降ってきたので、温泉の番頭さんに屋根がかかっている場所を聞き、海水浴場の東屋へ。そこのテーブルの上に一礼してシートを広げて眠。虫がいるが、この前ほどではない。

天候
曇り
気温
朝20℃ 昼(忘) 夜18℃
歩数
62933歩
累計1745505歩
出費
インターネットカフェ代(飲食費含む)・・4604円
カップラーメン・・176円
アイス・・105円
ジュース・・120円
缶ビール・・200円
風呂代・・300円
計5505円
累計256339円
食事
朝・・トースト、サラダ、ゆで玉子
昼・・カップラーメン
夕・・缶ビール
道中・・アイス、ジュース、水

71日目 平舘~今別

20070616072646
15日、9時半起床。昨晩から早朝にかけて雨脚が強くなり、吹きつける風と雨の音で目が覚めた。見ると、リュックがびしょ濡れである。急いで風下へと荷物を移動して、それからまた寝た。寝袋の方にもいくらか雨が吹きつけたが、それは知らんぷりをした。
次に目が覚めた時、雨はあがって曇り空だった。自分は荷物をまとめて出発した。その際、東屋のベンチで600円を拾ったのでこれを財布に収めて。
歩き出したのはもう昼近くだったので、近くにあった食堂で昼食。ここで自分は生ビールを2杯飲んだ。生を飲むのは仁木以来だろうか。生ビールは値段が高くて控えていたのだが、半ばヤケである。まだ一昨日の負けをどこかに引きずっているのだ。
心に開いた穴に悪魔は住み着く。悪魔は、自然に塞がろうとするその穴につっかえ棒をして仲間を呼び込む。それはとても迅速で、そして的確に。その穴に悪魔の村が出来た頃、人はもう抜け出すことの出来ない自堕落な生活を送っている。悪魔にタガを外されてしまったのだ。
それはとても恐ろしいことだが、その場にある者はそれが快楽とさえ思っているもので救いようがない。その穴を塞ぐ方法、例えばそれが自分の場合は歩くことなのだけれども、穴に悪魔が住み着いて、こんなところで昼から高価な生ビールなど飲んでいる。しかも2杯。会計の時、レジ打ちが誤って正規より安い値段を要求してきた。いつもであれば、「会計間違えてますよ」と言えるものが、いかんせん悪魔が住み着いているもので、これも流してしまった。情けないことだ。
夕方、親父から電話があった。
「お前、競輪で8万すったんだって?」
「うん」
「そういうギャンブルじゃダメなんだよ」
「うん」
「お父さんの買い方を見てたんだから、それぐらい分かってると思ったけどな」
「そうなんだけど、俺もまともに競輪やるのは初めてだったから、つい熱くなっちゃったんだよ」
「ま、過ぎたことはしょうがないからよ」
「うん」
「あまり落ち込んでてもよ」
「うん、大丈夫だよ」
「金は大丈夫なのか?」
「まあ、なんとかするよ」
「自分で稼いだ金だからよ、まあ、いいんだけど・・」
「うん」
「いいんだけどよ、ご飯出してくれたり、おにぎり持たせてくれたりまでして、くれたものなんだから、8万すったなんて言ったらガッカリするぞ」
「・・うん」
「じゃあ、まあ気をつけてな」
「はいよ」
そうやって電話を切ったのだが、全く親父の言う通りで自分はそのお金をくれた仁木のおやじさんと奥さんに何と言えばいいのだろう。これによって別に仁木での思い出まで泡になるわけではないが、あのお金には旅の成功を祈る気持ちも含まれていただろう。負けた勝ったというよりも、その浅はかな自分の行動を反省する。
夜、今別という町のコンビニにたどり着き、そこで休んでいたら、おじちゃんに話しかけられた。車で旅をしているようで、今日これから竜飛まで行くのだと言う。群馬の高崎から来ているそうで、自分の地元とさほど離れていない。その人が言うには、青森からここに来るまでの間、竹馬に乗った旅人に出会ったという。青森からここまでは国道一本なので、おかしい、自分はそんな人見なかったと考えていたら、そうだ、もしかしたら今日の午前中にすれ違ってしまったのかもしれないと気づいた。生ビールなんか飲んでいる間に、面白い出会いのチャンスを一つ失ってしまったのかもしれない。「じゃあ、頑張ってな」そう言って、おじちゃんは国道へ消えていった。もう明日からは悪魔も追い出して真面目に歩こうと思う。

天候
曇り
気温
朝21℃ 昼21℃ 夕21℃
歩数
29772歩
累計1775277歩
出費
東屋で拾った金・・-600円
昼食代(牛丼、牛タンつくね×2、あげ餅、生ビール×2)・・1280円
カップラーメン×2・・308円
マシュマロ・・105円
パン・・105円
コーラ・・198円
爆竹・・198円
計1594円
累計257933円
食事
昼・・牛丼、牛タンつくね×2、あげ餅、生ビール×2
夕・・カップラーメン、パン
夜・・カップラーメン
道中・・水、コーラ

72日目 今別~小泊

20070617085610
16日、6時起床。出発して数km行くと三厩という町に出た。ここに義経寺(ぎけいじ)という寺があり、義経はこの辺りから北海道に発ったらしい。本当なんだろうか。自分はこの旅の途中で幾度も義経伝説を見てきたが、話がちゃんと一本の筋で繋がっているので、段々と自分の中で信憑性が増してきている。
午前中、「あれが竜飛岬か」と思いながら進んでいたもの。それは竜飛岬ではなかった。彼方に見えた大陸は、先へ進むごとに海を隔てていることに気づき、あれっと思った。そうか、あれは北海道である。何故、そんな単純なことに気付かなかったのだろう。もう何日前になるか、「あれが本州だ!」と叫びながら青森を見ていた土地。あの時、見えていた竜飛の近くに今自分は居て、あの時、自分が立っていた白神岬を今見つめていたのだ。そうか、そうなんだよな。自分はここまで進んできたのだ。函館山までキレイに見渡せて、函館の3人は元気だろうか、また会いたくなった。。
今別から国道280号線は国道339号線にかわった。といっても道路に何か変化があるわけでもない。相変わらずのシーサイド。その途中、立ち寄った公衆トイレにメモ帳をちぎったような張り紙があった。自分のような人間がここで携帯電話を充電していたらなくしてしまったらしい。皆、考えることは一緒なんだな。
昼、竜飛に到着。竜飛岬というのは有名な岬である。何故、有名なのだろう。景勝地だからだろうか?石川さゆりの歌で?ウィンドファーム?その全てかもしれない。でも、何よりも竜飛に来たら見て欲しいものが一つあった。青函トンネル記念館である。竜飛岬の地下には青函トンネルが通っていて、岬の近くに青函トンネル記念館という見学施設がある。ここで青函トンネル工事の概要や模型などを見ることができるのだが、中でも目を引くのが海面下140mのトンネルへと続くケーブルカーで、これに乗るのは1000円必要なのだけど、自分は試しに乗ってみた。
青函トンネルは3本あるそうだ。一つは本坑と呼ばれる電車が通るトンネル。一つはそのトンネルを造る時に掘り出した石などを運ぶための作業坑と呼ばれるトンネル。もう一つは、その二つのトンネルを掘り進めていくに当たって地質がどうなっているかなどを調べる先進導坑と呼ばれるトンネル。今回、自分がケーブルカーで降りていったトンネルは作業坑で、その中は軽自動車がすれ違えるほどの大きさであった。案内人の話を聞きながら、展示物を見て回る。そこを歩いていると、ひっきりなしにトンネル内を水が流れているのが分かるのだが、これは地下水と海水が混じったものらしい。
記念館を見学してみると、このトンネルが当時のあらゆる技術を結集した建造物であるということが分かる。スプリンクラー、避難通路、発電、排煙、ガタンゴトンという音がしないレール。海底の調査開始が戦後間もない昭和21年、完成が昭和63年とのことだ。よほどの大事業である。この記念館には数々の労働者の写真が飾られていて、その写真の中のおっちゃん達はドロドロの作業着を着て、歯なんか抜けていたりするのだが、皆一様に誇り高き顔をしている。自分はそれを見ていたらなんだか泣けてきてしまった。こういう人達が今の平和で豊かな日本を作り上げてきた立役者であり、ヒーローなのだ。決して、この工事の書類に署名して命令を下した大臣だとか、金を出した銀行だけが偉いのではない。その下にいて、名前も残らないが、この工事を見守り、現場で汗を流してきた人々を自分は心の底から尊敬する。この工事では34名の方が殉職されたそうで、近くにあったその慰霊碑に手を合わせ、お礼を言って、ジュースを置いてきた。
そして何より、この記念館での「いつか新幹線を」の合言葉。青函トンネルの夢は、まだ終わってないらしい。
その後、峠を越え小泊という町へ。峠からは岩木山が望めた。うわっツチノコ!と思ったら、ただのヘビだったし。道の駅に終着してトイレにて眠。やった、蚊がいない。

天候
晴れ
気温
朝15℃ 昼24℃ 夕20℃
歩数
52957歩
累計1828234歩
出費
おにぎり・・110円
ハムサンド・・240円
野菜ジュース・・116円
青函海鮮丼・・1575円
ジュース×4・・490円
青函トンネル記念館入館料&ケーブルカー切符・・1300円
風呂代・・500円
計4331円
累計262264円
食事
朝・・おにぎり、ハムサンド、野菜ジュース
昼・・青函海鮮丼
夕・・マシュマロ、ジュース
道中・・水、ジュース×4

73日目 小泊~車力

20070618082937
17日、6時起床。道の駅から小泊の町まで移動して、ここの洋菓子店へ。町の情報を聞きつつ、パンを買ったら、おまけにどら焼きをくれた。後、町中のスーパーへ。
ここで早い昼食をとっていると、おばちゃんに話しかけられ、この町には太宰治の記念館があるから是非寄っていけ、と言われた。このおばちゃんが記念館の関係者らしい。自分が進む道とは逆方向だったのだが、まあ折角誘われたので行ってみることに。太宰治というと、自分は「走れメロス」しか読んだことがない。この小泊という町は「津軽」という小説の舞台になっているらしく、その記念館には「津軽の像」と呼ばれる銅像があり、だからこの記念館の名前も「津軽の像」記念館となっている。どういう小説かというと、太宰治が自分の生まれ育った津軽の町々を訪れ、ここ小泊にて乳母とも呼ぶべき女性との再会を果たす、という内容のものらしいのだけれど、読んでいないのでよく分からない。ただ、ファンにとっては堪らない場所だろう。記念館の中を見学していると、この小説の舞台が青森から小泊までずっと自分のルートと重なっていることを知った。そういえば、今思い出してみればだが、自分が歩いてきた町の中で太宰治という文字を時々見かけてきた。だから、これは小
説を読んだらきっと面白いんじゃないか、そう思って自分は受付で売っていたその小説を買ってみた。
海沿いを歩いていると、海の所々が鉄錆が混じったような朱色に染まっている箇所がある。赤潮というやつだろうか?道路に面した民家の花壇にホタテの貝殻が刺さっていて、そこにこう書かれていた。
「アイス
3年と6ヶ月生きた。
ハムちゃん」
その下には飼い主であろう女の子の名前があったのだが、自分はこれを見て思い出したことがある。自分は高校の頃寮生活をしていたが、ある日教師に内緒で町のペットショップでハムスターを買ってきた。自分はこのハムスターをワッフルと名付けて部屋で飼っていたのだが、間もなく死んでしまい、その遺骸を寮前の木の下へ埋めたのである。夏の暑い日だった。学校が終わり、寮に戻ると墓の周りを草苅機をしょった後輩が草刈りしていた。見ると墓が無惨にも墓標ごと刈り取られて地表が露になっている。
「バカ!ここにはハムスターの墓があったんだ!」
自分は思わず怒鳴ると、彼は
「あっ、そうなんすか?!すいません」
と言ったのだった。あの墓はまだあるだろうか。寮を訪ねることがあると、手を合わせている。
午後、国道339号線から県道12号線へ。青森を歩いていると、ちらほら茅葺き屋根の家を見かける。すごく失礼なことだが最初見た時、重要文化財か何かだと思っていたら、さにあらず、人が住んでいたのであって、これには軽いカルチャーショックを覚えた。
県道12号線は一時、十三湖をなめるようにして走り、それから南へと進路を変えていく。この十三湖ではシジミが特産であり、シジミ汁が好物の自分は湖沿いの食堂でこれを食べた。この辺りにはシジミを売る店も多く、金を払えば自分でもとることが出来るそうだ。
夜、日が暮れてしまったがいい寝床が見つからない。仕方なく道路脇で寝る準備を始めたが、それに反して自分はワクワクしていた。何故かというと、タバコを買ったのである。自分は今日より禁煙を解いた。早速吸ってみる。発泡酒と共に空を見上げながら吸うタバコはうまかった。今度はいつまで世話になるか分からないが、旅の間は思う存分吸おう。道路を照らす街灯の下で、小説「津軽」を読みながらそう思った。

天候
晴れ
気温
朝22℃ 昼(忘) 夕21℃
歩数
47184歩
累計1875418歩
出費
パン・・100円
鶏皮5本パック・・160円
カップラーメン・・100円
ジュース×5・・483円
チョコ菓子・・53円
「津軽の像」記念館入館料・・200円
小説・・420円
アイス・・60円
刺身定食(しじみ汁付)・・980円
発泡酒・・155円
タバコ・・300煙
計3011円
累計265275円
食事
朝・・ジュース
昼・・カップラーメン、鶏皮×5、ジュース×2、チョコ菓子、どら焼き
夕・・刺身定食(しじみ汁付)、ジュース
夜・・発泡酒、菓子
道中・・アイス、ジュース、水

74日目 車力~鰺ヶ沢

20070619062453
18日、6時起床。起き抜けにタバコを一本吸っていると友達から電話があり、青森出身のその友達とこの辺りの地元話で少し盛り上がった。また、今朝仁木の奥さんからもメールが届いており、自分はこれによって気が楽になった。何となれば、自分はもしかしたらこの前の一件で仁木のおやじさんと奥さんに呆れられてしまったんじゃないかという観念があったから。
これらのこともあってか、午前中は岩木山を眺めつつ、予定しているよりも早く目的地へと進むことが出来、昼、うまい具合いに見つけたラーメンショップで昼食、コンビニでの買い物という段取りに至った。
午後、県道12号線から国道101号線にかわるに当たり、地図を見ていると気になる箇所を発見。通り道ということもあり、そこへ寄ってみることに。そこ、とは高沢寺という名前の寺である。ブログのTOPにあるのでご存知の方も多いと思うが、自分の名字は高沢という。ふりがなは「たかざわ」である。この高沢寺という寺、もしかしたら自分の出生、ひいては高沢家代々に何か所縁のある寺かもしらん、ということで行ってみたのだが、実際にはなかなか見つからなくて困った。実はこの寺に赴く前に、運よく見つけたスーパーで冷凍ミカンを購入して、寺の境内で食べながら住職とお話ししようか、などと考えていたのだがそれも途中で堪えきれずに食べてしまったほどで、ついに、畑で野良仕事をしていたおっちゃんをつかまえて聞いてみたのだった。
「あの、お尋ねしたいんですが」
「えっ?」
「(地図を見せながら)このタカザワデラに行」
「コータクジっつーの、それは」
「え?」
「コータクジ」
「ああ、すいません、コータクジ?高沢寺に行きたいんですけど、どうやって行くんですかね?」
そうやって、そのおっちゃんに教えてもらった道を1kmほど歩くと、やっとコータクジは見えてきた。「ここが高沢寺かあ」と早速境内に入ってみるが、誰もいない。ただの寺である。別に予想していたほどの感動もなく、軽く一回りしてすぐ帰ることにした。だが、折角ここまでして訪ねた寺である。ここは一つ、旅人らしく流暢に一句詠んでみようかしらんと思い、自分はしゃがみこんで石を手に取り、少し頭をひねってから地面にこう書いた。
「食べたいな 五目炒飯 八宝菜」
これを見た住職はどう思うだろう。自分でも何故そんな句が出てきたのか知らないが、とりあえず満足してその場を後にした。行きがけに「待てよ。八宝菜、五目炒飯、食べたいな、の方がよかったかな」と思ったが、まあ、どっちでもいいやと先へ、先へ。
鰺ヶ沢の町を過ぎて海沿いを少し行くと、イカ焼き通りなる通りに差しかかった。イカ焼きの店がズラリと並んだ通りなのだが、文字通り、イカ焼きしかない。ここを通った者なら、果たしてイカ焼きの店がこんなに必要だろうかとまず思うだろう。それほどイカ焼きのみなのである。しかし、これだけイカ焼き屋が並ぶと不思議とイカ焼きが食べたくなるものであって、自分も一つ買ってみることにした。店のおばちゃんと話をしていると50円まけてくれ、近くにあった酒屋で発泡酒も買い、海辺へ。今日はここで寝ようと、防波堤に荷物を置き、腰をおろした。
なんて贅沢な時間なのだろう。真正面に沈みゆく太陽と広大な海を眺めながら、自分は先ほどのイカをつまみに酒を飲んでいる。誰の邪魔もない。この旅を終え、また普段の生活に戻れば自分はこんな時をひどく恋しく思うのだろう。寝転がって上を見れば、もうそこには待ち構えていたかのように釣り針のような月、空に浮かんで・・、うっわぁと感じ入っていたら、自分の目の前にカブが止まり、一人の青年が話しかけてきた。この青年は旅仲間であった。弘前大学の大学院1年生だそうで、なんだか函館と展開が似ているが、彼にこれからのルートの情報を色々と教えてもらった。
彼と別れたあと、さあ寝る準備をするか、と思ったのだが、なんとしたことかいつの間にか自分の周りをたくさんのブヨが飛んでいる。もうブヨは懲り懲りであった自分は即座にここを退避。「雨が降ったら、あそこに行くといいよ。あそこは無人駅だから」と彼に教わった情報が早速役に立ち、自分は近くの駅舎に避難した。だから、そこで今こうやってこれを書いている次第である。全く快適。

天候
晴れ
気温
朝20℃ 昼27℃ 夕22℃
歩数
48309歩
累計1923727歩
出費
ジュース×3・・419円
パン・・105円
ラーメン(中盛り)・・550円
携帯灰皿・・525円
タバコ・・300円
冷凍ミカン・・100円
目薬・・560円
イカ焼き・・200円
発泡酒・・200円
計2959円
累計268234円
食事
朝・・パン、ジュース
昼・・ラーメン、ジュース
夕・・イカ焼き、発泡酒
道中・・ジュース、水、冷凍ミカン

75日目 鰺ヶ沢~ウェスパ椿山

20070620083817
19日、6時起床。目を覚ますと口のまわりがベチョベチョである。口を開けたまま寝ていたらしく、ヨダレまみれであった。ふがー。
今日は、目的地を黄金崎不老ふ死温泉と決め、歩き出した。この不老ふ死温泉というのは青森の有名な温泉らしく、「あそこは行ってみるといいよ」とは、函館のF君から聞いた。ごつごつした岩場の波打ち際に湧き出ている野趣満点の露天風呂らしい。朝食の用意がなかったので、とりあえず商店が開く時間まで歩いていたら、1時間ほどしてコンビニを発見。ここで朝食にした。
実は昨日、防波堤の所で出会った彼にこの不老ふ死温泉のことも聞いていた。これは未確認情報だということだったが、不老ふ死温泉の先にウェスパ椿山という温泉施設があり、そこから浜辺に下りると、自然に温泉が湧き出ている箇所があるらしい。彼の後輩が行ったことがあるそうなのだ。これは大いに興味をそそられる情報で、自分は無難に不老ふ死か、それともこの自然に湧き出る温泉を探してみるか、悩みつつ歩いた。
昼、通りがかった道の駅で休憩。道の駅とは、あれ、何なんだろう。今や全国各地にあるが、その町々で経営するドライブインといったところだろうか。各駅によって特色があるが、ここの駅は今までの駅より活気に溢れているように思え、店内では海鮮やらファーストフードが売られていた。自分はここでタコ寿しというものを買ったが、このタコ寿しとは究極のタコ料理であった。タコ好き以外にはオススメしない。自分でさえ、一気に食べられないほどタコが入っているのだ。タコ刺しの山に餅米をわずか絡めた感じである。
夕方、深浦の町を歩いていると、ここでも魚屋の軒先で歩道にまではみ出してタコが一匹丸ごと売られていたが、こういうものが地元にも売られていればと思う。埼玉というのは海無し県であるから、新鮮な魚介類を見るとつい欲しくなるのだ。
トンビが翼を羽ばたくことなく気持ちよさそうに空を泳いでいる。それを見て気づいてみれば、風がそよそよと吹くとても気持ちのいい空である。ヒョロロロロ、という鳴き声が聞こえてくる。
日本の渚百選四つ目を発見。「岡崎海岸」という。ここは日本の夕陽百選でもあるらしい。歩道を歩いていると一台の車が止まり、「乗せてくよ」と言われたが断った。運転していたのはおばちゃんであったが、後部座席にいた小さな女の子と手を振りあいながら別れた。また、別のおばちゃんにも声をかけられ、このおばちゃんには不老ふ死温泉への近道を教えてもらった。「国道から横の農道に入るのさ、目印は自販機だ」と。
ところが、その農道で道に迷った。自分の周りをうろつく犬があり、この犬について行ったら田んぼの畦道に抜けてしまったのだ。「おい」と振り向くと、そこにもう犬の姿はなかった。それでも、なんとかしてたどり着いた不老ふ死温泉であったが、その玄関で自分はうなだれた。うなだれ小僧。日帰り入浴客の入浴時間が今年の4月から繰り上げられ、16時までだったのである。現在18時。
その後、また道に迷いつつウェスパ椿山に到着したのはもう夕陽が沈んだあと。この辺りの温泉は夕陽を見ながら風呂に浸かるというのが目玉なのだ。昨日の彼に聞いた自然の温泉を探す時間もなくなり、このウェスパ椿山という温泉に入浴。風呂からあがり、他の入浴客と話していたらコーラを奢ってもらったが、そこも閉店時間になり、今現在、近くの無人駅のホームの上にいる。今日はここで眠の予、うわっタヌキだ。

天候
晴れ
気温
朝22℃ 昼27℃ 夕18℃
歩数
64455歩
累計1988182歩
出費
飲料×4・・472円
パン・サンドイッチ×6・・839円
タコ寿し・・400円
おにぎり・・105円
チョコ菓子・・52円
うまい棒×6・・60円
発泡酒・・280円
計2208円
累計270442円
食事
朝・・おにぎり、ハムカツサンド、カレーパン、チョコ菓子、野菜ジュース
昼・・タコ寿し、チキンドッグ、コーラ
夕・・うまい棒×6、発泡酒
道中・・メロンパン、ジュース

76日目 ウェスパ椿山~八峰

20070621082041
20日、6時起床。駅のホームで寝ていたら、思っていたよりも早い時間に列車が来るというアナウンスが聞こえ、飛び起きた。急いで荷物をまとめ、逃げるように階段を駆け降りたら、寝ぼけまなこで段を踏み外しそうになった。そんな怪我の仕方をしたら丸々バカである。しかし、年季の入ったホームレスだって駅のホームなんかで寝やしないだろうから、元々バカなのかもしれない。しばらく、近くのベンチでぼーっとしてから歩き始めた。
今日は白神山地のすぐ脇を通った。白神山地というのは有名である。でも、何が有名なのかは知らなかった。ただ、世界遺産に登録されている、というのは聞いたことがあったが、では白神山地が他の山地とどう違うかと聞かれれば、そんな知識はとんと皆無で、「さあ」と言うしかない。けれども今日知りましたよ。いいっすか。白神山地は、世界に誇るブナ林の宝庫なのだ。
「ブナ林って?」
「さあ」
今度いつか、白神山地をゆっくりと歩き回ってブナ林が何であるかを確かめたい。
最近、道路端でタヌキの死骸をよく見かける。車にひかれたのだろうけど、そのほとんどがミイラ化していて、出くわすとビックリする。汚い話だけど、今日見かけたその内の1体に信じられないほどのウジが湧いていて、思わずまじまじと見てしまった。あの、汚いものとか臭いものとか、恐ろしいものって、見たくないし近づきたくないはずなのに、顔を覆った指と指の間から見てしまうみたいなのは誰にでもある心理なんだろうか。自分はついついそういうものに近づいてしまう癖がある。
今日はなんだか出会いの多い一日であった。まず、初めて自分と同じような歩き旅をしている人に出会った。自分が歩いている反対側の歩道を向こうから歩いてくる自分みたいな人。鏡かと思った。けれど違う、鏡ではない。自分より若干リュックがでかかった。この人は石川県から来ている人で、お互い今まで通ってきた道の情報を交換しつつ、ブログも書いているということで、そのアドレスも教えあった。互いの健闘を祈り、握手をして別れたのだった。
その人と別れてすぐ、ポツポツと雨が降り始めた。すると今度は車が止まってくれた。今日は何台も車が止まってくれたのだが、この車、どんな車かというとタクシーである。タクシーがウインカーをたいて自分の前方に止まり、ドアが開いたのである。むろん、自分がタクシーを呼ぶはずもないし、そこは家も何もない海沿いの道。近づいて中を覗き込んでみると、運転手は「雨が降ってくるよ」と言い、にこやかに笑ったのだった。思う。世界中の人間がこの運転手であれば、この世にはきっと争いどころか、金さえも必要なくなるだろう。それが愛というもので、この運転手にはその愛というものが溢れていた。
後、秋田侵犯。
秋田に入ってすぐの道の駅、ここでも出会いがあった。どんな出会いかと言うと、おっちゃん3人組である。話しかけられたのだが、その中の一人が自分と同郷であった。森牛乳、っちゅってもローカルすぎて分からないだろうけど、実家にかなり近いところまで話が通じる。なんだか心強かった。
一つ皆さんに謝らなければいけないことがある。と言うのは、旅の資金のこと。自分は以前、このブログの中で「仁木のバイト代で沖縄までたどり着いてみせる」と豪語したが、それが叶わなくなった。腑甲斐ないことであるが、今日自分の貯金から新たな資金をおろした。御免。
雨である。雷雨である。八峰町にあるハタハタ館という施設までやってきたが、夜になってかなり強く降り出した。この旅中で一番強い雨かもしれない。明日まで続くという。これからは梅雨の季節だし、しばらく雨との戦いになりそうだ。ハタハタ館と道路を挟んだ向かいの駅をつなぐ陸橋(覆いがされている)で眠。

天候
晴れのち曇り、時々雨
気温
朝20℃ 昼26℃ 夕22℃
歩数
41981歩
累計2030163歩
出費
絵ハガキ×3・・300円
50円切手×3・・150円
タバコ×2・・600円
カップラーメン・・150円
チョコフレーク・・105円
発泡酒×2・・410円
つまみ・・100円
計1815円
累計272257円
食事
朝・・パン×2、ジュース
昼・・カップラーメン、チョコフレーク、発泡酒、ウーロン茶
夕・・発泡酒、つまみ
道中・・ウーロン茶、水

77日目 八峰~能代

20070622233504
21日、8時起床。朝、起きてみると雨が止んでいる。思うに自分は晴れ男の気がする。旅を始めて77日。仁木でのバイト期間を除くと約1ヶ月半になるが、歩いている途中こっぴどい雨に降られた記憶はないし、雨の回数自体も少ない気がする。しかし、雨は確実に降っているのであって、ではどんな時に降っているかというと自分が寝ている間に降っている。つまり、別に雨が降っていてもいい時に降っていて、歩き始める時には止んでいることが多い。
今日は二つばかし用事がある。一つはコインランドリー。もう一つは旅行代理店へ行かねばならない。旅行代理店というのは、フェリーの手配である。前にもちょっと書いたが、7月の28日に友達の結婚式があり、自分はそれに出席することになっている。その式場が北海道であり、自分は計画を練って7月26日に一旦旅を中断し、福井県の敦賀港から苫小牧東港へ渡ることにした。そのチケット予約の代金を旅行代理店で支払うことになっているのだ。
旅行代理店、というと失礼なことを言うようで申し訳ないが、小さな町ではあまり見かけない。大きな町、栄えた町まで行かなければいけない。そこで自分は地図を見ながら検討したのだが、うまい具合いに今日は秋田県北部の都市、能代市へ入ることになっている。
「こりゃ都合がいい」
携帯電話を使って能代市の旅行代理店を調べ、そこへ向かうことにした。途中、コインランドリーも国道沿いにあり、予定通り夕方には旅行代理店に着いた。
しかし、しかしだ。その旅行代理店に入った時、自分は受付にいたおじさんに思いがけない言葉をかけられた。
「あー、君、ごめん、先言っとくけどお断り」
そのおじさんは自分の風体を見るなり言った。
「は?」
と自分は返した。当然である、何がお断りなのか分からない。不動産屋や銀行では客を身なりで判断するという話を聞いたことがあるが、旅行代理店で門前払いを受けた人の話など聞いたことがない。第一、自分はそんなに汚ならしい恰好はしていないつもりだ。このでかいリュックが目に入らぬのか、いかにも旅に縁がありそうじゃないか。旅to旅よ。トゥギャザーしようぜ!とルー大柴も言ってるじゃないか。
そう思い、何も言わぬおじさんに強く理由を問うため、もう一度「え?」と聞くとおじさんは言った。
「あんた、何か売りにきたんでしょ?ダメダメ、今社長いないから」
どうやら、おじさんは自分を乞食とでも勘違いしているようだった。仕方なく、自分が何故ここにやってきたのかを一から細かく説明するとおじさんはバツが悪そうに
「そこ、座って下さい」
と言ったのだった。
どうやら、少し前に自分と同じような恰好をした人間が変な物を売りにやってきたらしい。
「ちょうど、あんたみたいなバッグを持っててさ。いやー、あんたよく似てるよ」などとまだ言っている。
「見ませんでしたか、そんな人?」と聞くので「見ませんでしたね」と答えると、「見たでしょ?最近よく見ますよ」と、弁解なのか正当化なのかよく分からぬ発言を繰り返した。20分位してフェリーのクーポン券を発行してもらい、その店を後に。
そして、見つけた。マルハン能代店。ここで逢ったが百年目。岩内店での借りは能代店、あんたに返してもらう。
「マルハン!今日はテメェを斬る!!」
叫んで、近くのコンビニで腹ごしらえをした後、目下敵陣へ単体で勝負を仕掛けた。外では雨が降り始めていた。

ザザザッ
ビュッ シュバッ

ザザザザッ
ビュビュッ バシュッ

ザザザザザッ
ビュビュビュッ
バチッ
バシッ
キンッ
ビシュッ

ドサッ

痛ぇ。

店を出ると、駐車場から一人の女の子が寄ってきて言う。
「今、カンボジアで手足をなくした子供達がいっぱいいて、その子達に靴下やハンカチを送る活動をしてるんですけど」
「はい」
「それで協力して頂きたいんですけど・・」
「お金ですか?」
「・・そうです」
「ありません」
「全くですか?!」
「はい」
「全くですか?!」
「はい、今負けてスッカラカンです」
「明日、どうするんですか?」
「明日は歩きますよ」
「食事は?」
「買って食べますよ」
「あるじゃないですか」
「それは食費ですからね。食べなければ僕が死んじゃうじゃないですか」
例え自分が大富豪になっても、パチンコの閉店時間に合わせて待ち構え、寄付を求める人に自分は寄付などしない。近くのスーパーのベンチで眠。

天候
曇りのち雨
気温
朝23℃ 昼26℃ 夜21℃
歩数
36704歩
累計2066867歩
出費
パン×4・・725円
おにぎり×3・・340円
ハンバーグ弁当・・540円
フライドチキン・・130円
野菜ジュース・・116円
タバコ・・300円
ボールペン・・105円
発泡酒×2・・330円
コインランドリー代・・500円
フェリー代(クーポン)・・19000円
スロット・・7000円
計29086円
累計301343円
食事
朝・・おにぎり、パン、水
昼・・おにぎり、パン、レタスハムサンド、野菜ジュース
夕・・おにぎり、野菜サンド、発泡酒
夜・・ハンバーグ弁当、フライドチキン、発泡酒
道中・・ウーロン茶、水

78日目 能代滞在

20070623083228
22日、6時50分起床。朝目覚めると荷物をまとめ、そのまま敷地内のスーパーへ。ここでパンと牛乳を買って朝食。後、しばらく考えてから昨日のマルハンへ。
マルハンは今日、50周年大創業祭という冠イベントの日であり、自分は昨日負けているもののこれは勝負時と考え、今日一日は能代に残って打つことにした。午前中に整理券をもらい、昼からの開店を待つことに。
入場待ちで自転車置き場にしゃがみ込んでいると、パチンコ屋の食堂が今日は50周年記念プライスということで定食を200円で出しているらしく、知らぬおっちゃんに「おう、食い行こう、食い行こう」と誘われ、食べに行った。普通に食べたら800円はしそうな定食である。こんな安食堂が町にたくさんあればなと思いながら食べた。
そして入場。自分の整理番号は67であったが、前の人がほとんど欠番だったため2、30人目で入れた。ほぼ迷わず昨日と同じ秘宝伝というスロットへ。自分が選んだ台というのは前日、前々日とも底、つまり一番出ていなかった台である。そこに腰かけ、後は12時の開店を待つばかり。(パチンコ屋は開店前に客を中に入れるが、打ち始められるのは開店時間きっかり)
12時をまわり、果たして自分の選んだ台は正解だったと思う。開店1時間もしないうちに10連チャンしたのだ。投資額は千円である。だが、自分はどうしてこうもツキがないのだろう。ここからはスロットをやる人にしか話が分からないと思うが、その10回中9回がレギュラーであった。スロットには大体の機種で2種類の当たりがあって、俗にビッグとレギュラー(バー、バケ)と呼ばれている。だけど、レギュラーじゃ稼げんのよ。勝つためにはビッグ、いわゆるスリーセブンを引かなければいけない。それが証拠に、その時点で自分の出玉は1箱にも満ちていない。ちなみに、当たりがビッグになるかレギュラーになるかというのはその機械の確率の問題だから、あとは打つ人の引きである。
その後も自分の当たり回数は周りに比べ群を抜いているのに、出玉は自分より上の人がちらほらいるという状況。結局、夕方にビッグ17レギュラー27でその台をあとにしたが、残ったメダルはたった1箱であった。しかし、これを換金すれば約2万の勝ちであったものの、後引きの悪さから閉店まで他の台で打ち始めてしまいグダグダ。終わってみればたった4600円の浮きであったのよさ。アッチョンブリケ。
それにしても、どの台見ても辛いよね。パチンコもスロットも。最近、規制が厳しくなったみたいで「駄目だね、当分パチンコは」って夜友達と電話して、あまりふざけてもいられない、とっとと次なるマルハンで負けの23400円を回収してパチンコとオサラバしなくては、と気を引き締めた。
ガガガSPというバンドの曲に「明日からではなく」という曲がある。帰り道、それを口ずさみながら「明日は明るい日と書きます」と言っていた高校の先生を思い出した。コンビニで牛カルビ弁当と発泡酒を買って、昨日と全く同じベンチの上で眠。怪獣グースカ。

天候
曇り
気温
朝21℃ 昼(忘) 夜21℃
歩数
5543歩
累計2072410歩
出費
パン・・148円
牛乳・・78円
チキン竜田定食・・200円
ジュース・・100円
タバコ・・300円
牛カルビ弁当・・495円
発泡酒・・195円
スロット・・-4600円
計-3084円
累計298259円
食事
朝・・パン、牛乳
昼・・チキン竜田定食
夕・・牛カルビ弁当、発泡酒
スロット中・・ジュース

79日目 能代~男鹿温泉郷

20070624104512
23日、6時20分起床。起きて、昨日と同じように敷地内のスーパーで朝食。歩き始めた。
能代市街で一旦国道101号線が途切れ、国道7号線へと移る。今日の目的地は男鹿半島北部にある男鹿温泉郷という所で、能代からスタートすると、ルートが3つある。一つは国道、もう一つは県道、そして一番海沿いを通る道、これも恐らく県道であるが地図には記載されておらず、メロンロードと名付けられていた。
自分は悩んだ末に、メロンロードを選んだ。距離的には大した差はない。ただ、海沿いという理由で選んだのであるがこれが失敗であった。やはり基本的には国道を行くべきである。何が失敗だったかというと道に迷ったのだ。県道レベルというのは、国道の裏道みたいなものが多く、地図上では一本の簡単な道に見えても、実際に歩いてみると、どれが正解か分からないような交差点があったりして、土地鑑のない人間には厳しい。それを今日痛感したのだった。
何の癖か知らないが、自分は最近「いやはや」という独り言を口にする時、必ず「いやはや」を「平原」と言い換えて、「平原あやか、どうしたもんか」などと言っている。最近といっても、ここ1年位は言っているような気がする。こんなところを誰かに見られたら、きっと自分は顔から火を噴射するんじゃなかろうか。
一人のおっちゃんに話しかけられた。こうやって気軽に話しかけてくれるのは有難いのだが、その人が話し好きな人であった場合、ちと参る。行き先を聞かれ、「男鹿の温泉郷です」と答えると、何度も何度も繰り返し道順を教えてくれ、「分かりました」と言うのだけど、自転車を止めて、やおら道端の草を抜き、その草の茎を道路になぞらえて縁石の溝と交差させ、歩道に簡単な地図を作り上げる。大丈夫です、もう分かりましたよ、と言うのだが話はやまない。自分はひどいことを言うようかもしれないが、このおっちゃんはただ話が長いだけでなく、呂律が回っておらず何を言っているのかさっぱり分からなかったのにも参った。その後、道の途中で秋田県の人に秋田の道を聞かれた。地図を見せてあげたのだが、自分が埼玉の人間だと言うと笑っていた。
道路は、また国道101号線へと戻り、県道55号線につながる。男鹿温泉郷はこの55号線沿いにあり、思っていたよりも大きな温泉街で立派なホテルが立ち並んでいた。その一つ、男鹿グランドホテルにて日帰り入浴。そこの女将さんがいい人で、風呂からあがった自分を宿泊客用のサービスである、なまはげの和太鼓演奏会に誘ってくれた。「折角だから、観てらっしゃい」と言われ、「いいんですか?!」と自分は飛びついた。バスに乗せてもらい、移動したのは温泉街の中心にある会館。
中へ入ると、ホールに人が収まりきらず、ドアを開け放して外からそれを眺めている人もいる。ものすごい活気だ。自分もそのドアの外の観衆に加わったが、見えるのは黒山ばかりである。正確に言うと茶山や金山もあるが、まあそれは置いといて、皆さんは和太鼓の演奏を間近で観たことがあるだろうか?あの、一つの太鼓を一心不乱に叩く人の姿というのは、観る者の心を揺さぶるものがある。今日はあまりよく見えなかったが、自分がホテルに戻ってからも聞こえてくる小気味よい太鼓の音色は、夜の温泉街をより一層賑やかで華やかなものにしていた。
やがて夜も更け、自分は寝床を探すために温泉街入り口にあった、なまはげのモニュメントまで移動。そこのベンチで眠。

天候
曇りのち晴れ
気温
朝20℃ 昼27℃ 夜18℃
歩数
63578歩
累計2135988歩
出費
タバコ・・300円
パン×2・・365円
ジュース×3・・320円
発泡酒・・150円
風呂代・・735円
計1870円
累計300129円
食事
朝・・焼きそばパン、リンゴジュース
昼・・レタスハムサンド、ウーロン茶
夕・・発泡酒、ピーナッツ
道中・・ウーロン茶、ジュース×2

80日目 男鹿温泉郷~戸賀

20070625044224
24日、8時30分起床。ここ最近にはなかった冷え込みで午前3時頃から起きては丸まって寝て、起きては丸まって寝てを繰り返した。それが朝になると一転、日差しが急に強くなり夏用の寝袋でも暑い。夜は寒さで起こされ、朝は暑さで起こされたのだった。
準備をととのえ、出発したのは昼近く。当初の予定では、今日は男鹿半島の入道崎を回り、「てんのう」という道の駅へ行くはずだった。しかし、出発時間の遅れから、目的地をその手前の男鹿市街に変更した。
だが、結果から言うと、今日はこの男鹿市街にも到達できなかった。理由は簡単である。道を間違えのだ。しかも峠道を。エッサホイサと上り下りして数km歩き、たどり着いた展望台にあった看板地図を見て気がついた。最初、ウソだと決めつけて信じず、アクエリアスを飲んでタバコを吸って、自分の地図を見てみたら、間違いなく間違えていた。もう今から引き返しても男鹿市街に着くのは夜中であったし、このショックで歩く気力を失った自分は、目的地さえ失ったままトボトボと今来た道を引き返したのだった。厭世的な気分にもなり、変な山の中の森の道も歩いた。(これはまるで獣道のようであった)
と、そこに現れたのはいい感じの食堂である。これに吸い込まれて、うはっ!飲んでしまった。もう完全に今日一日の予定はガタガタである。そして今現在、さあ明日はどうするかなと近くにあった水族館の駐車場で早々と寝る準備をしながら考えている。本日、以上。
で、ここからは旅の余談なんだけど、自分がここでジュースと書いているもの。あれは色々なんだけど、その中で多くを占めるのが500mlの缶コカコーラである。夏になると、よく自販機で見かけるが、これは350と値段が同じなのに量があってお得。あと、チョコ菓子だけど、これも自分が買っているのはいつも同じで、リスカのスーパーBIGというチョコバー。これは好物で、類似品に「どでかばー」というものがあるが、あれはダメだ。味が落ちるのさ。これは50円なのにボリュームがあり、オススメ。ちなみに今日もそのチョコ菓子を買ったのだけど、レジに出したら100円と打たれてショックだった。田舎の商店は値段設定がいい加減である。あとビールはね、どの銘柄でも好き。でもキリンで言うと、夏はラガー、冬は一番しぼりかな。夏のビール、冬のビールってあるよね。よくビールメーカーが春と秋に、春のビール、秋のビールを売り出すけど、あれはうまくないなぁ。春と秋にうまいのは、つまみの方だよね。
自分の体は、酒とギャンブルとロックンロールがそれぞれ33、3%で成り立っている。で、残りの0、1%が水分だ。水分は大事だからね。
えーと、あと何かあったかな?タバコは以前と同じ、マイルドセブンライトを吸い始めた。このタバコが一番吸いやすく飽きないと思う。好きな野球チームは特にありません。自分はノーコンだし。好きなスポーツは、えっと、スキー?
関係ないね。それじゃあ、この辺で。

天候
晴れ
気温
朝25℃ 昼25℃ 夕22℃
歩数
27958歩
累計2163946歩
出費
ジュース×3・・360円
カップラーメン・・175円
チョコ菓子・・105円
飲み代(ビール、つまみ)・・2050円
計2690円
累計302819円
食事
朝・・カップラーメン、チョコ菓子、ジュース
夕・・瓶ビール×2、お通し、みそおでん、殻つきウニ、冷や奴
道中・・ジュース×2、水

81日目 戸賀~秋田

20070626092706
25日、4時起床。昨日の遅れ分を取り戻すべく、早起きして4時半に出発した。朝は快適だ。車は少ないし、歩くにはちょうどいい気候。ただ、しばらく歩かなくては朝食にありつけそうにない。今いる戸賀から25km近く先の男鹿市街までは、小さな集落が2、3あるばかりなので、一気に男鹿市街まで行ってしまいたい。峠道ということもあり、気合いを入れて歩き始めた。
小休憩を挟みつつ、渚百選五つ目鵜ノ崎海岸を通過。男鹿市街に到着したのは9時50分。順調だった。これで昨日の遅れは取り戻したことになる。あとはここから今日の分を進むだけ。目標地点は秋田だ。男鹿市街からは40kmの道のりになる。
だが、男鹿市街のコンビニにたどり着いた自分は、ここでへばってしまった。今日はやけに暑い。朝食もとってなかったからだろうか、頭痛もしてきて、熱中症のことが頭をよぎる。
この熱中症というのは、夏を歩くのに一番気をつけなければならないことかもしれない。まだ大丈夫と無理をして、汗がひき、寒気がしたら、もうその時はアウトである。今日だって自分は、飯を買ってコンビニ前に座り込んだら2時間半動けなくなってしまったほどだ。
でも、まあ、それはこの飯にも問題があった。久しぶりのコンビニだったので、焦って飯を買いすぎた。カップラーメンにパン、おにぎり3つとジュース2本。全部食べたら腹がいっぱいになり動けなくなってしまったというのも一つの原因である。
昼過ぎ、また歩き始めたが、やはりこの暑さが大敵であることに変わりはない。7、8km位歩いて、またへばってしまった。温度計を見ると33℃を示している。もう、これは日中に歩くのをよそうと決め、スーパーのベンチでごろ寝。
靴を脱いで横になっていたら、すぐ脇を通った若い女の子が「うわっ!くっさ!」と自分の方を見て言った。恐らく、靴を脱いだ自分の足の臭いだろう。納豆の臭いに似ている。だが、前にも書いたが、これは仕方のないことなのだ。とかく、中学生や高校生ぐらいの年頃というのは、思ったことをストレートに言葉にする傾向がある。自分はちょっぴり悲しかった。しかし、そんなことに負けてもいられない。自分は体力を回復しなければならないのだ。頑固にそのまま寝続け、17時半に起床。再度歩き始めた。
日が暮れ始めてきたが、ここまでくればもう都市間の道路になるので安心だ。それにしても、ああ、夜歩くのも快適。夜型歩行の利点はたくさんある。歩いている限り、蚊の問題もあまりないし、水分補給も少なくてすむ。これから、夜型でいったろうかしらん。
22時半、秋田市に入って一番最初に見つけたコンビニへ。ここからもう少し歩いて寝床を探そうと考えていたが、このコンビニに休憩スペースがあり、ちゅってもテーブルとイスなんだけど、ここに腰かけていたら眠気に襲われ、そのまま突っ伏して寝てしまった。
今日の歩数、78632歩。移動距離にして約60km。これは今までのところ、過去最高記録である。

天候
晴れ
気温
朝20℃ 昼33℃ 夜23℃
歩数
78632歩
累計2242578歩
出費
ジュース×6・・603円
アイス×2・・229円
タバコ×2・・600円
マックメガテリヤキバーガーバリューセット・・630円
チーズバーガー・・103円
カップラーメン・・105円
チョコ菓子・・53円
パン×2・・208円
おにぎり×3・・300円
発泡酒・・195円
計3026円
累計305845円
食事
昼・・カップラーメン、パン、おにぎり×3、チョコ菓子、ジュース×2
夕・・マックメガテリヤキバーガーバリューセット、チーズバーガー、アイス、ジュース
夜・・発泡酒
道中・・ジュース×3、アイス

82日目 秋田滞在

20070627184433
26日、7時起床。昨日の夜中に寝床を移動して、店の奥にあったベンチで横になっていたら、そこはイケナイ場所だったらしい。警備員がやってきて起こされたので、またコンビニのテーブルまで戻って寝ていた。学生の昼寝みたいである。机に突っ伏して寝ると、何故か寝起きにゲップが出る。
今日は由利本荘まで行きたい。コンビニで軽い朝食を済ませると、地図でルートを確認して出発した。外は暑かったが、昨日ほどではない。
歩き始めてすぐ、友達から電話があった。その電話の内容というのは、あるニュースのことだったんだけど、日本一周中の自転シャーのおっちゃんがゴールである自宅の20km手前でトラックにひかれて亡くなったというニュースである。そのニュースは自分も今朝、携帯電話のiチャネルという機能で知り、チェックしていた。全く最悪な事故である。自転車の20kmといったら時間にして1時間ちょっとだろう。自分にとっても他人事でなく、友達もそれを心配してくれてのことだった。
だが、だからこそ敢えて逆に強く言わせてもらうのだが、旅人というのはそういうことを覚悟していなければいけない。旅人にとって客死は常に隣り合わせである。大袈裟だと笑われるかもしれないが、旅というギャンブルの賭け金は命一つなのだ。
その電話でさらに強く気を引き締めて、由利本荘を目指して歩き始めた自分だったが、暫く行かぬ間にまた電話があった。これは兄貴からであった。
実は、兄貴も今バイクで日本を走り回っているらしい。というのは、先日親から聞いて知ったのだが、そのルートが自分とは逆で新潟から青森方面に向かっているようである。「どこかで会うと思うよ」とおかんは言っていたが、自分のブログを読んでいた兄貴の方からコンタクトがあった。
兄弟して旅人である。高沢家はどうなることやら、親の心中を察するに少々辛いものがある。希望と共に産み、ここまで育ててきた二男子が揃って雲助をしている。男の子は手がかかる子ほどかわいい、と言うがあれは何歳まで世話をかけていいんだろうか。ややもすれば愛情だって憎しみに変わるかもしれない。
兄貴からの電話によると、あと20分程で秋田に着くというから、自分は先に進むのをやめ秋田市街に入って兄貴を待つことにした。
それから間もなく、自分と兄貴は秋田の中心も中心、県庁と市役所に挟まれた大通りで会った。約2ヶ月半ぶりの再会である。旅を始めてから、自分はあまり家族のことは思い出さなかった。知っているのだ。自分は。この世で一番大切で必要なもの、尊いもの、それが家族だということを。旅などしなくても、そんなことは知っている。だから心安らいで旅が出来るのだ。旅を終え、家に帰る駅から自宅までの道の楽しさ、最後の数km、この旅の全てはそのための道のりなんじゃないかと思うほどである。思い出さずとも、いつも自分を強く支えている。
2ヶ月半なんて大した期間じゃないだろう。それでも、旅先での家族との再会に自分の心は踊った。兄貴と一緒に昼飯を食べに行った。きりたんぽ、ハタハタ、比内地鶏、稲庭うどん。秋田の名物を食いまくった。兄貴のバイクの後ろに跨って秋田の町を疾駆。風呂に行って、コインランドリーに行って、マルハンにも行った。そして、揃って負けた。夜は居酒屋で飲んだ。二人きりで飲むのは初めてのことだ。いつもは聞けなかった恋人の話や、旅先での話、旅を終えたあとはどうするのか、込み入った話までした。
その後、二人で町中にある千秋公園まで歩いて移動。野宿。兄弟寝袋。頭を寄せあって寝た。兄貴は歯磨きしていたが、自分はしない。面倒臭いから。酔いからか、心強さからか、ぐっすりと寝た。まるで家で寝るようにぐっすりと眠ることが出来た。

天候
晴れ
気温
朝27℃ 昼27℃ 夜(忘)
歩数
24869歩
累計2267447歩
出費
昼食代・・2350円
コインランドリー代・・500円
タバコ×2・・600円
パチンコ、スロット・・21000円
サンドイッチ・・240円
野菜ジュース・・116円
アイス×2・・210円
計25016円
累計330861円
食事
朝・・レタスハムサンド、野菜ジュース
昼・・きりたんぽ、ハタハタ寿司、冷や奴、比内地鶏稲庭うどん
夜・・居酒屋メニュー
道中・・水、アイス

83日目 秋田~西目

20070629081057
27日、7時50分起床。昨夜は図書館前で寝ていたらしい。酔っ払っていたせいで、ちゃんと寝床周りを確認しなかった。すぐ近くには高校もあるようで大勢の高校生が前の通りを歩いている。
荷物をまとめながら兄貴の寝袋を改めて見てみると、小さい。ダウンだろうか、いやにコンパクトにまとまる代物でうらやましくなった。兄貴も同じようなことを考えていたのか、「お前の寝袋、でけえんじゃねえか」と言う。自分の寝袋は函館で買った夏用の薄いものだから、これでもだいぶ小さくなったのだと答えると、「は?それで?」「それ、いくら?」と聞いてきた。
「980円」
鼻で笑われた。兄貴の寝袋は日本のアウトドアブランドのモンベルだかモンブランだかいう有名な会社の製品で、値段が25000円とからしく、あっ、これはやはり高いものほどいいんだな、と自分は現実的に思った。
朝マックしながらも、旅の装備の話をしていたが、兄貴の装備品は一品一品に金がかかっていて驚く。レインコートだって20000円以上するという。
「小さいってことは、すげぇいい事なんだよ」
兄貴はそう言う。確かにその通りで、旅をしていて、でかい荷物ほど自分の足を引っ張るものはない。寝袋もレインコートもマットも、兄貴のそれは自分のものより小さくまとまるのに、性能は上である。これが値段の差か、と痛感した。九州からの旅の後半は、装備を一新して臨みたい。
その後、兄貴と自分は北と南に別れて進むことになる国道7号線の交差点で、二人並んで写真を撮った。兄貴が三脚は持っていないと言うので、先ほどから装備品で負けてばかりだった自分は、ここぞとばかりにリュックからコンパクトな三脚をおもむろに取り出して、「三脚は持っていた方がいいよー、三脚は」と言いながら、その三脚を使って撮った自分の写真を見せてあげた。わずかであったが優越感に浸れた瞬間であった。
写真を撮った後、手を振ってお別れ。さすがにバイクは速い。あっという間に見えなくなってしまった。さてと、今日こそは由利本荘、と自分も歩き始めた。
昼過ぎに道の駅「岩城」に到着した自分は、今日も夜型作戦でいこうと、ここで夕方まで長期休憩。夕飯は、ご飯おかわり自由の文句につられて駅内の食堂で。
歩き始めた頃には外はもう暗くなっていた。夏至っていつだったろうか?最近カレンダーを見る機会もないので行事にどんどん疎くなっている。海の方を見ると、今日も相変わらず水平線にイカ釣り漁船の白い漁り火が見える。
「イカを追いかける人生か・・」
なんだかよく分からぬ独り合点をして歩いた。
そうそう、道の駅の売店に面白いものが売っていた。その名も、なまはげの○んこ。長さ1m位の黒いフガシなのだが、ギリギリのネーミングである。ちにしても、うにしても、黒くて長すぎだ。二人組の女の子が「見て見て、なまはげのんんこだって!」と言ってキャハキャハ笑っていた。ある男の人はそれを一本手に取り、彼女らしき女性に「ほれ」と見せて、「ハイハイ」と呆れられていた。
深夜、由利本荘を通過して道の駅「にしめ」に到着。南下するにつれ、道の駅が豪華になってきた。北海道ではトイレと自販機ぐらいしかない道の駅もざらだったが、この辺りの道の駅には温泉まで併設されている。この「にしめ」には、なんとスーパーやボーリング場まであるらしい。休憩所のイスに横になって眠。今日はちゃんとハミガキをしてから寝た。

天候
晴れ
気温
朝25℃ 昼30℃ 夜20℃
歩数
59068歩
累計2326515歩
出費
ジュース×3・・327円
タバコ×2・・600円
パン・・126円
トンカツ定食・・735円
計1788円
累計332649円
食事
朝・・朝マック(ソーセージマフィンセット)
昼・・パン、ジュース
夕・・トンカツ定食
道中・・ジュース×2、水

84日目 西目~鳥海

20070629120540
28日、7時起床。朝、道の駅「にしめ」にて朝食。カツ煮定食500円。安い!
そういえば昨晩、自分が歩いている道の脇にパトカーが隠れていて、スピード違反の車を張っていた。歩いている自分でさえ見落としそうなほどウマく隠れていて、いかにも車がスピードを出し過ぎそうな道である。
「こりゃ、すぐに捕まる車があるな」
と思いながら歩いていると、その10分後くらいに自分の脇をぶっ飛んでいく乗用車があり、前のトラックを追い越して消えていった。その直後にサイレンを鳴らしたパトカーがやってきたが、前のトラックと対向車に行く手を阻まれて先へ行けない。どの車もすぐに見えなくなってしまったが、あの乗用車は逃げ切れたのだろうか、気になるところである。
夕方、渚百選6つ目、象潟の道の駅へ到着。道の駅の中にその海岸はある。この道の駅で1時間半ほど休憩。今日の前半はどうも体調が優れず、休憩を多めにとったり、頭痛薬を飲んだりして対処していたが、後半になり回復してきた。夏バテだろうか。前日の疲れを引きずっている気がする。でも、最近「若さ」というものが段々と理解出来るようになってきた。きっと年を取ると、この回復力が衰えてくるのだろう。自分はまだまだイケる。体の奥から沸き上がるエネルギーがある。これが若さゆえの特権というやつかもしれない。
道中にあった100円ショップで耳せんを買った。これは蚊対策である。皆さんに様々な蚊対策の方法を教えてもらったが、考え方を転換して、蚊の羽音さえ聞こえなければ寝られそうだということに気づき、ならば、と購入してみた。うまくいくだろうか。
この辺り、自分が歩いている国道7号線は松尾芭蕉が奥の細道で歩いたルートらしく、至る所にそれに因んだポスターが張り出されていたり、芭蕉がそこで詠んだ句の碑などが建立されている。江戸時代にアスファルト舗装なんてあるはずないから、きっとここも凸凹の山道だったのだろう。草履で歩いた?!足袋かな。どっちにしろ土踏まずが痛くならなかったんだろうか。松尾芭蕉は毎日、今の自分と変わらぬ距離を歩いていたというから、昔の旅人はすげぇなあと頻りに思うばかりである。
21時13分、山形進出。
山形に入って数kmのところに本日の目標である道の駅「鳥海」はある。頑張れ、もう少しだ、と自分に言い聞かせながら真っ暗な山道を歩いた。時折、対向車がくると逆光で目の前が何も見えなくなる。そんな時は頭をうなだれ、今日買った麦わら帽子のツバでライトを遮り、辛うじて見える1mの視界を頼りに進む。
道の駅の手前には必ず、「あと2km」という看板が道路標識のように掲げられている。これが見えると本当に嬉しい。自分など、この看板を見た時と新しい県に入った時は、いつも万歳をする。そして、時計を見てカウントダウンを始める。2kmというと約20分だ。

あと10分。
あと5分。
あと3分。
見えた!

22時半過ぎ、道の駅「鳥海」に到着。道路を挟んで正面にあるコンビニで缶ビールを購入。秋田から山形にかけては、デイリーヤマザキとローソンが多い。青森はサークルK、サンクスが多かった。セブンイレブンを久しく見ていない。
缶ビールを飲みながら道の駅で寝床の準備。酔ってないのに吐き気がする。しばしベンチに腰かけて、ぼーっとしてから眠。

天候
晴れのち曇り
気温
朝25℃ 昼27℃ 夜21℃
歩数
57991歩
累計2384506歩
出費
カツ煮定食・・500円
タバコ・・300円
パン・・210円
麦わら帽子・・210円
ハミガキセット・・105円
メッシュポーチ・・105円
耳せん・・105円
ジュース・・105円
缶ビール・・190円
計1830円
累計334479円
食事
朝・・カツ煮定食
昼・・パン
夜・・缶ビール、せんべい
道中・・水、ジュース

85日目 鳥海~酒田

20070630041718
29日、7時50分起床。目覚めると、外はすごいどしゃ降りであった。こりゃあ今日は移動出来ないかもな、と思い二度寝、三度寝を決め込んで、起きたのは8時近くである。
8時になると社会は動き出す。それは社会にある大体の会社が8時出勤17時退勤を基本としているからで、それは道の駅とて例外ではない。道の駅の中にある食堂の従業員がやって来て、支度を始めていた。
彼、または彼女らは自分のような人間を見て、どう思うのだろうか。自分のような、とは自分以外にも道の駅を旅の寝床とする人が多いからそう言うのだが、彼らにしてみれば、朝、職場に来たらベンチで人が寝ている訳である。
自分は自分で、迷惑料と言うわけじゃないが、なるべく一晩を世話になった道の駅では、食事をするなどして金を使おうと心がけている。そうすることで、自分のような旅人がただの厄介者ではないと認識してもらえればありがたいのだ。道の駅は旅人にとって重要なポイントである。これからそこを利用する旅人のためにも恥を掻き捨てた行動は慎みたい。ある道の駅では、携帯電話の充電を勝手に行う旅人が絶えないので、怒った事業者がその内の一人を盗電容疑で起訴したらしい。もちろん、それ以後の「盗電行為」は禁止になったようである。
汚い話かもしれないが、そういうことってのは挨拶をして、そこの食堂で飯でも食えば回避できる問題のような気がするのだ。そして、そういう場で金を出し惜しみすべきでない。彼らに、旅人は客なんだ、という意識を持ってもらえれば、これ幸いなことである。
で、自分はそこで何を買ったかというと、イカの天ぷらと発泡酒を買った。「なんだ、酒じゃねえか」と思わないでほしい。自分は酒を愛しているのだ。その店では鮮度のいい魚介類を売っていて、今日たまたまどこかのテレビ局が取材に来ていた。
結局、昼を過ぎても雨は止まず、小降り大降りを繰り返し、やがて霧雨になった雨が完全に止んだのは15時過ぎだった。その頃、雨が止むのを待ちくたびれた自分はベンチで昼寝をしていた。昼間から酒とつまみを飲み食いして、ベンチで寝ている。従業員は一体、自分をどんな人間だと思うだろう。
その後、今日はとりあえず目標地点との中間であった酒田市まで進もうと決め、夜、酒田市内のガストに着いた。そこで今こうして、ブログを書きながら飲食しているのだが、ああ、もうスープバーもドリンクバーも、それぞれ10杯目ぐらいである。欲張って両方頼み、交互に飲んでいる。ビールで慣れているせいか、自分の胃には水分がバカスカ入る。
バーって素敵。飲み放題って素敵。この店、何時までかしら。
そう思ったものの、あまり露骨に「この店、何時までですか?」と店員に聞いて、「ははあ、さてはスープバーとドリンクバーで閉店まで居座る気だな」と思われても癪なので、敢えて聞かないでいる。実は、ここだけの話だが、閉店まで居座るつもりなのだ。
と言っても、店員にしてみればそんなことはとうに勘づいているだろう、むしろ気にもしていないかもしれない。されども、飽くまで稚拙な心理戦を吹っかけている自分or自分。卑屈な態度ってのは、自己防衛の裏返しじゃい。見せてやれ、己の生き様。見栄を捨てた同時おかわり!ってな感じで。
全く救われねぇ。

天候
雨のち曇り
気温
朝25℃ 昼25℃ 夜23℃
歩数
21750歩
累計2406256歩
出費
飲むヨーグルト・・158円
焼きそばパン・・135円
おにぎり×2・・200円
タバコ・・300円
イカの天ぷら・・250円
発泡酒・・152円
ジュース・・120円
計1315円
累計335794円
食事
朝・・おにぎり×2、焼きそばパン、飲むヨーグルト
昼・・イカの天ぷら、発泡酒
夕・・目玉焼きハンバーグ、ライス、スープバー、ドリンクバー
道中・・ジュース、水

86日目 酒田~温海

20070701214212
30日。深夜3時にガストの店員が全てのテーブルのメニューを片付け始めた。3時閉店か、と思い店を出たが、店の外にあった看板を確認したら、4時閉店であった。
外はまだ暗い。とりあえず、近くのコンビニへ移動して夜明けを待つことに。3時半頃になると空がうっすらと白みはじめ、4時、自分は歩き始めた。
徹夜である。これはいけない。睡眠不足は大敵だ。しかし、今から寝たら昼に起きたとして、また日差しの強い日中を歩かねばならず、どうせなら昼まで歩いてから寝ようと決めた。昼までの目標地点は、湯野浜温泉に設定。温泉に浸かって休憩所で昼寝をしよう。我ながら名案、と頷いてリュックのベルトをキュッと締めた。
湯野浜温泉に着いたのは10時過ぎであった。ここは有名な温泉地らしく、付近一帯にはホテルや旅館が立ち並んでいる。その中から日帰り入浴が可能な施設を探す。これは案外難しい作業で、日帰り入浴をやっているホテルとやっていないホテルがあるのだが、地元の人に聞いても地元の人は近くのホテルで日帰り入浴などしないようで、「分からない」と言われることが多い。交番に聞きにいったら、「パトロール中です。緊急の場合は110番」なんてボードが置かれているだけであった。
えっと、ホテル海王、ちさごや?うーん、なんて探していたら、満光園というホテルを見つけた。満光園?!満光園とは、どう読むのだろう。危険な香りがする。結局、コンビニで聞いてみたら、自分のような人間のために日帰り入浴可能施設ガイドマップが置いてあり、助かった。やはり、コンビニはオアシスだ。
そのガイドマップの中から自分が選んだ温泉。入浴料がなんと90円である。これはこれで怪しいものだが、その安さに釣られて向かった。
建物の中に入ると番頭が一人、休憩所は見当たらない。券を買って、風呂の中へ。まず思ったのはシャワーがない。大きな浴槽が一つと、浴室の壁から蛇口が2つ、1m半ほどの間隔でニョキっと出ているだけであった。まず、浴槽に入る。
あつっ!あつい!!かなりの高温だ。江戸っ子が喜びそうである。我慢して体を沈めたが、毛穴がブアッと広がって1分も入っていられない。堪らず風呂から出て、体を洗おうと蛇口を前にして床に腰を下ろしたが、まさかな、と思いつつ蛇口を捻ってみると、つめてっ!つめたい!!まんま水道水である。
参った。目の前は冷水、振り返れば熱湯。正に前門の虎、後門の狼ってやつである。あぐらをかいたまま、蛇口の下に頭を突っ込んで、震えながら頭を洗う。体もその調子で洗い終え、風呂に入ると、縮まっていた毛穴がまたボンッと開く。毛穴ボンキュッボンである。昼寝どころか、ゆっくり入浴も出来ない。この旅史上、最速で風呂からあがった。
その後、どこか寝れるところ、ウァー、と睡眠ゾンビと化した自分が入っていったのは食堂である。飯を食って、小上がりで一睡させて貰おうと考えたのだ。ところが、この店の女将がなにやら急ぎの用事でもあるのか、やけに仕事を早く切り上げたそうな調子である。自分は自分で、その店が焼き鳥屋でもあったせいで、ビールと焼き鳥で一杯、いや何杯もやってしまった。食べ終って、うとうとし始めると、もう店を閉めるから、と追い出されたのだった。
酔っ払って睡眠不足。最悪である。とても歩ける状態でない。とにかく睡眠を、と思い「もう、どこでもいいや」と目の前の浜辺で寝ることにした。
夕方、寒さで目が覚めると、空が厚い雲に覆われている。おかしい、天気予報では雨のマークはなかったはずだが、今にも降り出しそうな勢いだ。自分は起き上がり、ゆっくりとタバコを吸ってから歩き始めた。

泣きながら歩け
泣きながら歩け
いつかそれが良かったと
思える日が必ず来るから
止まって泣くな
泣きながら歩け

これは自分がその時に考え、歩きながら口ずさんでいた詩である。酔いからくる喉の渇き、睡眠不足による疲弊、今日の目標地点までの30kmの道のり、雨が降りそうな空。本当に泣きが入りそうであった。
横を走っていくトラックがスピーカーから大音量で水前寺清子の「365歩のマーチ」を流していた。
♪ワンツッワンツッ休まないであーるーけぇー
うるさーい!うるさいうるさい!!余計なお世話だバカヤロー、と思ったが、確かに休んではいられない。自分は水前寺清子を口ずさみながら、笑って、そして歯を食いしばって歩いた。
深夜、目標の道の駅を目前にした海岸線で雨が降り始めた。自分は走った。歩道がない道路だったが、トラックの通りが激しい。ひかれるのも雨に打たれるのも嫌だったから走った。
その途中にバス停小屋を発見。ここで一時雨宿りしようと思ったのだが、雨は止まないし、そこが、まあ、A級のバス停小屋だったので、そこでそのまま寝ることにした。久しぶりのバス停で堕ちるように眠。

天候
曇り
気温
朝23℃ 昼26℃ 夜20℃
歩数
67732歩
累計2473988歩
出費
ガスト代(目玉焼きハンバーグ、スープセット、ドリンクバー)・・840円
風呂代・・90円
ラーメン・・580円
ジュース・・120円
タバコ×3・・900円
おにぎり×2・・200円
パン・・92円
昼食代(瓶ビール×2、焼き鳥×7)・・1730円
計4552円
累計340346円
食事
朝・・おにぎり×2
昼・・瓶ビール×2、焼き鳥(ぼんじり、ネギ間、つくね、皮×2、かしら、軟骨)×7
夕・・ラーメン
道中・・ジュース、水

87日目 温海~村上

20070704145433
7月1日、10時半起床。前日の徹夜があってか、目を覚ましたのは10時半。遅すぎである。しかし、実に寝心地のいいベンチであった。バス停のベンチというのは今まで、小屋と一体になった木製のモノが多かったのだが、ここのベンチは後から備え付けた合皮のもので、自分にとってソファーベッドのような感覚。寝床が柔らかいというのはいい事だ。立つ鳥跡を濁さず、小屋内に落ちていたゴミを持ち帰ってと、うっ、くせえ、このゴミ腐ってやがる。厳重に袋を縛ってリュックにぶら下げ、出発した。
昨日の目標であった道の駅「あつみ」には、間もなく到着。ここで昼飯。売店でタコめしと、この辺りの名物らしい、玉こんにゃくを買って食べた。
後、新潟進入。
男鹿半島を周った辺りから段々と海水が濁りはじめて、この辺りまでくると、もう海底を覗くことが出来ない。緑色をした海面からすぐのところに、わずかに藻が揺れ動くのが見えるばかりである。
海岸沿いを歩いていると海の向こうに島が見えた。これは粟島という島で、この島には去年の夏に友達と遊びに来た。外周数十kmの小さな島で、夏の海水浴シーズンともなると観光客で賑わう。火の中にくべて熱した石を椀の中に落とし、魚と一緒にぐつぐつと煮る「わっぱ煮」という汁物料理が名物である。 海は穏やか。奥のほうで静かにたたえている海面は、浜に近づくにつれ若干の起伏を伴い、波となり、白く泡立っては砂に消えてゆく。産まれては消え、産まれては消えを繰り返す、その波の光景を眺めていた。時折、気が早い奴もいて、浜までたどり着かずに沖で消えてしまう波もある。 「バカだなあ。あんなに早く産まれたら、早く消えちゃうじゃないか」
と、くだらぬ事をバカにしては、その波間に浮かぶサーファーに視線をずらし、思い直して、歩くスピードを速めた。
実は自分には、明日までに行かなければいけない所がある。というのは、新潟市内にある豊栄という町なのだけれども、ここに親の実家があるのだ。この旅の通過点であるので、前々から立ち寄ろうと考えていたのだが、その約束の日が明日なのである。もちろん、自分はある程度の算段をつけて、そこまでのスケジュールを立てたのだが、いかんせん一昨日の雨である。半日分の移動を損なってしまい、結果、そのツケを昨日と今日で被ることになってしまった。この2日間の移動距離は100kmを越える。いや、明日その家に着くまで、酒田からの3日間で150km以上を歩かねばならない。「1日遅れる」と言えば融通がきかないわけでもないが、自分で「2日に行く」と連絡した手前、それも気が引けるし、26日の敦賀にも影響しかねない。だから自分は昨日、今日と少し焦りながら歩いていた。
夜、新潟の名勝地、笹川流れを通過。今日は昨日と打って変わり、すっきりとした夜空である。月明かりでくっきりと影が出来るほど今夜の月はこうこうとしている。夜中、ちょっと休憩していこうと立ち寄った公園で、カップルが抱き合ってキスをしていた。自分はそのあまりの気まずさに即刻その場を立ち去ったが、向こうも自分の存在に気づいたようで、そそくさと車に乗り込んで自分の脇を走り去っていった。
仕方なく、そこから2、300mほど行った自動販売機の前で地べたに座り休憩していたのだが、間の悪いことにその前をパトカーが通りかかった。一度は通り過ぎていったのだが、Uターンして戻ってきて(この時、自分は面倒臭いから逃げようと思ったのだが、逃げるほうが面倒臭いことになりそうなので、気持ちとしてはパトカーがUターンしてくるのを待っていた)、職務質問が始まった。 「もうちょっと向こうに公園があったのに」 と、お巡りさんが言うので 「あそこはカップルが抱き合っていて、とても気まずくて入れなかったんですよ」 と言うと、ハハハと笑っていた。 別れ際、「世の中には悪い人もいるから気をつけてな」とは、いつも聞くセリフであったが、お巡りさんに言われるとさすがに説得力がある。具体的に、悪い人というのはどんな人のことを指すんだろうか?
金目当てに自分を拉致監禁しようとする輩があるかも知れぬ。
発狂したジャンキーが深夜の地下道で自分に凶刃を向けるやも知れぬ。
そういったとこだろうか。ああっ!しまった!こんなことなら合気道でも習っとくんだった。いざとなった時、自分は喧嘩が苦手である。どう対処したらいいか、悩むなあ。インスピレーションか。
パトカーが去った後、自分も行こうかとリュックを見やると、リュックの脇をゴキブリが這っていた。 「そっか、ここまでくるとコイツもいるんだよなー」 北国にゴキブリはいない。自分はゴキブリが苦手である。これからは頻繁に付き合うことになるかもしれない。一抹の憂鬱。でも、なんだか今は妙な仲間意識みたいなものを感じる。なんだろ、これ。
今日の目標地点である村上に到着したのは深夜2時。コンビニ前で眠。
天候
曇りのち晴れ
気温
朝23℃ 昼26℃ 夜20℃
歩数
66382歩
累計2540370歩
出費
タコめし・・200円
玉こんにゃく・・100円
ジュース×4・・437円
サンドイッチ・・240円
カップラーメン・・150円
おにぎり・・105円
タバコ・・300円
缶ビール・・140円
計1672円
累計342018円
食事
昼・・タコめし、玉こんにゃく、ジュース
夕・・サンドイッチ、ジュース
夜・・カップラーメン、おにぎり、缶ビール
道中・・ジュース×2、水

88日目 村上~豊栄

20070704182157
2日、6時半起床。村上のセブンイレブンから出発して今日の夕方までに豊栄の家を目指す。歩き始めてすぐ、道端に自分のものと全く同じ地図帳が落っこちているのを見つけた。多分、旅人が落としていったのだろう。旅人にとって地図帳は命綱、とまでは言わないけど、大事なものだから困っただろう。まあ、無くしたらまた買えばいいんだけど、そういう出費ってのは自分の凡ミスだから口惜しい。これは恐らくみんなそうだろうけど、その無くし物に気づくのが遅ければ遅いほど、探す気力、取りに戻る気力もそがれる。先へ進んでしまえばしまうほど、よほど大事なものでないかぎり諦めて溜息をつくしかない。
途中のコンビニで小休止をしていたら、自分に話しかけてくるおっちゃんがあった。齢60といったところか。これから粟島へ遊びに行くのだと言う。
「娘と、娘のボーイフレンドの3人でさ」
と言いながら、後ろをチラと振り返るので、自分もそちらに目を向けると、そのボーイフレンドらしき男性がいた。金髪の外人さんである。サングラスをしている。
口髭と顎鬚を蓄えたワイルドな感じのおっちゃん、サングラスをした金髪のボーイフレンド、そして娘さんはノースリーブのポニーテール。すっげ、なんか理想的。と自分は思った。
新潟では今、高速道路を建造中であり、自分が歩く道ではダンプカーの通りが激しい。この高速道路、どこまで延びるのだろうか。村上までか。自分が小学生くらいの頃から、豊栄の家にくると工事をしていた記憶がある。
東京から新潟までの高速道路建造を指示したのは、時の総理大臣、田中角栄だと聞く。小学校卒で、新潟の豊臣秀吉と言われた首相は、その姿なき今も地元で絶大な人気を誇るという。いや、人気と言うよりは畏敬だろうか。自分は政治のことなどとんと疎いが、もしかしたら今でも田中角栄の息は政治界で生き続けているのかもしれない。そう思うほど、新潟という町は今も目覚しい発展を続けている。今年の4月には政令指定都市にもなったそうである。
午後になると、朝から曇りだった空が一層どんよりとし始め、ついには雨が降り始めてしまった。天気予報は外れである。梅雨というのに今までが幾分調子よかっただけ、そのツケがまわったのか、ここで雨とは参った。ここから豊栄の家に着くまでは、どんなに急いでもあと3時間はかかる。すでに手には仏前に供えるための菓子折りを持っていたし、あまり雨の中を歩きたくはない。コンビニで雨宿りしながら、しばし悩んだ。
タクシーを使おうか、しかしタクシーを使うとなると、そこで旅は一旦ストップになるから、翌日またここまで引き返してきてスタートしなければいけない。それは面倒だし、タクシー代だってここからじゃ3、4000円はかかるだろう。往復で考えて、それは痛い出費だ。だが、どうもタクシーを使う以外に手はないようである。だが、本当か?本当にそれ以外手はないのか?どうなんだ、里ちゃん。自分は外を見ながらじっと待った。コンビニをウロウロしながらギリギリまでじっと耐えた。

1時間。

1時間半。

2時間。

もう、これ以上は待てない。すでに時計は3時半を越え、これ以上待つと夕方までにたどり着けなくなる。
2時間半が経った。その時。光明か!雨が止んだのだ。いや、正確に言うとまだ完全に止んではいなかったが、ほんのわずかな霧雨のような状態である。このチャンスを逃したら、もう後はないだろう。勢い勇んで外へ出た。雨の中を出来る限りの最速で歩く。少し降りが強くなると、商店の軒下を貸してもらって雨宿りしつつ進む。カッパを持っているが、こんな時に着用しては自分の汗の発散が逃げ切らず、蒸れて、逆に体を濡らしてしまうので、そのままの恰好で歩いた。
豊栄の家に着いたのは19時近くである。仏前に手を合わせ、線香をあげてから、風呂、食事の世話をしてもらった。自分の祖父と祖母はすでに他界してしまい居ないのだが、ここには伯父さん夫婦が住んでいる。小さな頃から、夏休みになると遊びに来ていた馴染み深い家である。晩酌までつけてもらい、自分の顔を見に来てくれた近所の人も交えて談笑したのだが、ここ最近の疲れからか、自分がウトウトし始めてしまい、解散の後、用意してあった布団に案内され、麻酔が効いたように眠。
薄れゆく意識の中で、天井を見つめながら「布団ってこんなに気持ちよかったんだあ」ニヒヒヒッと笑って、そのまま沈。

天候
曇りのち雨
気温
朝21度 昼(忘) 夕(忘)
歩数
54460歩
累計2594830歩
出費
チョコ菓子・・50円
ジュース×3・・319円
アイス・・51円
おにぎりセット・・258円
杏仁豆腐・・105円
パン×2・・227円
クッキー詰め合わせ・・1050円
計2060円
累計344078円
食事
朝・・パン、ジュース
昼・・おにぎりセット、パン、杏仁豆腐、ジュース
夕・・ご馳走、ビール
道中・・チョコ菓子、アイス、ジュース、水

89日目 豊栄~新潟

20070704223452
3日、7時起床。昨夜は22時前には寝たが、まだ寝たりないような感じがする。朝食の準備をしてもらって、頂く。
外では、昨日からの雨がまだ続いている。止みそうで止まない雨。おばさんと一緒に、散歩がてら昨日一緒にお酒を飲んだ近所の親戚の家へ行って挨拶したり、TVを見るなどしていたが、完全に止みそうもないので見切りをつけて、10時半頃出発。昨日の近所の親戚の人や伯父さんに餞別までもらってしまった。おばさんが、「ちょっと重いかも知れんけど、すぐ食べちゃうでしょ。持ってったらいいよ」と、おにぎりやらキュウリ、枝豆、トマトと色々持たせてくれた。
「里詞君もいい人見つかるといいねえ」
「あー、そっか。僕ももうそんな歳なんですね」
「そうよ。旅ん中でいい人見つけんかもねえ」
「うーん、そうですね」
「そうなったら、それが縁ってもんよ。本当よ。縁ってそういうもんなんさね」
そう言われ、自分は左手の手の平を見つめた。この旅に出る前、地元の公園で遊び半分に占い師に手相を観てもらったことがある。その時、占い師が「あなたはとてもいい結婚をしますよ」と言っていたのを思い出したのだ。
結婚ねえ。
出会いかあ。
どうだろうか?今の自分には微塵もそんな気配はない。何しろ、今の自分はとても家庭を持てる状況ではない。しかし、それでも出会ってしまったのなら、やはりそれはおばさんの言うとおり、縁なのかもしれない。自分だって人の子だ。親があまり歳をとらぬうちに孫を見せてやりたい気持ちもあるし、でも、それを兄弟に任せて自分はフラフラと好きなことをしていたい欲望もある。酒飲み、博打打ち、ロックンロールで踊ってる足臭、おまけに居住定まらぬこの風来坊に果たして縁などやってくるだろうか。疑問である。
そうそう、この手相占いだが、なんで自分が手相を占ってもらおうと思ったかと言うと、先にも書いたように遊び半分であるが、もう半分はちゃんとした理由がある。ここ2、3年で死相が出ていないか確かめてもらったのだ。と言うのは、この旅の間に自分にそういった危機があれば手相に出ているはずである。それを占ってもらった。
結果。
「アハハ、そんなこと言う人初めてですよ。死相なんて全然出てませんよ。ほら、ここ、生命線を見てください。ここ3年はまず健康ですね」
いやー、よかった。これは安心した。そして自分は旅の荷物をまとめたのである。
豊栄の町でコインランドリーに入り、昨日洗濯してもらった服が乾ききっていなかったので乾燥機にかけた。阿賀野川にかかる長い橋を渡り、新潟市街へ。今日はとりあえずここまでが目標地点である。携帯電話でインターネットカフェを検索して、夕方入店。とりあえずブログを書こうと思ったのだが、何故か「カイジ」を全巻読んでしまった。気づけばもう朝である。ああ、また徹夜してしまった。今日は天気予報で雨だと言っていたし、一日ゆっくりしようと決め、小さく仕切られた個室のマットに横になって、ぼーっとしている。

天候
雨のち曇り
気温
朝22℃ 昼23℃ 夕(室内)25℃
歩数
28370歩
累計2623200歩
出費
コインランドリー・・100円
タバコ・・300円
インターネットカフェ代・・3300円
ゲーム代・・2600円
計6300円
累計350378円
食事
朝・・家庭食
昼~夜・・おにぎり、キュウリの浅漬け、ドリンクバー
道中・・水

90日目 新潟滞在

20070705101943
4日。というわけで、今日一日ずっとインターネットカフェにいる。外に出たのは、先ほどビールを買いに行こうと思って出た時だけである。このインターネットカフェではビールを販売していないのだ。
しかし、そのビールを売っている場所も近くになく、あえなく断念。昨日、今日とビールを飲んでいない。もう、ドリンクバーのコーラとメロンソーダは飲み飽きてしまった。
それにしても、こうインターネットカフェ、と言うか個室という閉塞した空間にいると時間の感覚を失う。さっき、友達から電話があり、何気なく腕時計を見た自分は驚愕した。まだ昼過ぎくらいかと思っていたら、もう21時を回っているではないか。いや、冗談ではない。友達なんか、仕事中にでも電話してきたのかと思ったら、もう寝るところらしい。あじゃぱーでごじゃるよ、誠にもって。
翻って、それでは今日一日何をしていたかというと、思いつくことがない。これである。原因はこれだ。つまり、いつもに比べて時間の密度が遥かに薄い、これが自分の時間の感覚を狂わせているのだ。ああああ!ってことはいかん!!このままでは感覚的に昼過ぎ、仮に14時としよう、この14時から21時までの7時間、自分は丸々時間密度を損したことになる。その代償は・・皺0.2mmってとこか。くあー!自分はみすみす皺0.2mmを無駄に体に刻んでしまったのである。およよ、およよよ、およよんぱっと。
しっかし、インターネットカフェってのは快適だね。若槻千夏がTVで「以前、漫画喫茶に住んでいた」と言っていたのを見たことがあるが、それがよく分かる。ここには「住める」。生活空間として成り立っているのだ。
自分のいる部屋というのは、マットタイプの部屋で、これは寝床になる。部屋にはパソコンがあり、これによって情報を得ることが出来るし、空調だって完璧。個室なのでプライベートも確保されているし、ドリンクは飲み放題で、これは店によってマチマチだが、おやつや軽食を出してくれる店もある。もちろん無料で。また、この店にはないが、シャワールームがある店もある。ということは、あと必要なものは衣食住の衣だけであって、これは自分で準備すればよろしい。漫画などは、そこら辺の本屋を凌駕する豊富さであるから、全く完璧な生活空間である。イケる、イケるぞ、これは。
だが、もちろん弊害もある。その一つが先に述べた無駄な時間の経過であって、これは否めない。3日もいたら、まず人間は堕落しそうな気がする。もう一つが、これは過激な内容になってしまうが、さっきからすぐ近くの部屋で色事に戯れているカップルがいてムカつく。個室といってもその仕切りは簡易なもので、音が筒抜けの店内でスリルを味わおうというのか、声を殺しているようだが、漏れる漏れる、いやらしい音が。文体で表現するなら
ニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャニチャ
という感じである。ね?いやな感じでしょ。もうヤメテ、早くイッて!と心の中で祈った。
ここでは、道中で聴けない音楽も堪能できる。ヘッドホンをして爆音でロックを聴く。やはりロックは、こうやって爆音で聴くに限る。激しい曲もバラードも。いいなあ、実にいい。
明日はどうしようか。今夜もここでこのまま寝そうである。どうしようかって、そりゃまあ明日の朝にはさすがにここを出るが、天気予報では明日も雨なのである。カッパの準備をしなければいけない。心の平静を保つべく、また漫画でも読むかなあと店内をウロウロしている。

天候

気温
室内のため26℃一定
歩数
なし
累計2623200歩
出費
タバコ×2・・600円
計600円
累計350978円
食事
昼・・トマト×3、おにぎり×5(店のサービス)
夕・・メンチカツカレー
随時・・ドリンクバー

91日目 新潟滞在2日目

20070706101222
5日、9時半起床。インターネットカフェで目を覚まし、外の様子を見に行くと雨は降っていないようである。ドリンクバーの所にサービスの食パンとジャムが置いてあったので、これを頂きつつ、パソコンで音楽を聴いていたら、店員がやって来た。
「お客様、あの、24時間が経過しましたので、一旦清算して頂きたいんですけど」
24時間か。昔、そんな曲があったなあ。
♪24時間戦えますか、ビジネスマーン、ビジネスマーン、ジャパニーズビジネスマーン
あれは栄養ドリンクのCMだったか。
「あと1時間位で出るんで、待ってもらえますか」と言うと、「分かりました」と言って下がっていった。
その後、11時に清算。歩き始めた。新潟の町はでかい。歩いていると、面白そうな店がたくさんある。
「そういえば、携帯灰皿を買わなければいけなかったんだ」
この前、買ったばかりの携帯灰皿だが、リュックにぶら下げて歩いていたら、いつの間にか壊れていたのだ。たまたま通りがかった道にロフトという百貨店があったので、ここで買うことにした。
店の一角に携帯灰皿のコーナーがあり、まず、その種類の多さに驚いた。JTのCMで携帯灰皿のデザインを増やすんだ、とやっていたが、ははあ、これはもうファッションである。およそ灰皿とは気づかぬようなデザインのものが展示されている。一つ例を挙げるなら、板チョコの形をした携帯灰皿。想像しにくいと思うが、手に取り確認してみると、確かに灰皿(というか灰袋)である。他にも、布製のものや革製のもの多数。思わず迷ってしまいそうだが、自分は珍しく迷わなかった。実用的で一番安価なものを選んだのである。
その後、出発が遅めということもあり、新潟の町を抜けるべく先を急いだのだが、全く、新潟の町はでかい。また、駅前からの国道は商店街になっていて、活気に溢れている。その中をテクテク歩いているうちに一軒のアウトドアショップが目に入った。モンベルという店である。
「兄貴が言ってたのはコレか」
秋田で兄貴と会った時に、兄貴はこのメーカーの寝袋を使っていた。それが自分の使っている寝袋よりコンパクトにまとまるので羨ましかったのだが、こんな所で出会うのも、これ、何かの縁である。どれ、折角だからちょっと覗いていこうという気になった。
あったあった、これだ、兄貴の使っていた寝袋は。値段を見ると、23800円。高っけ。あ、この水筒いいなあ。初めは、ちょっと覗くだけのつもりだったが、そうして店内をウロウロして、様々なアウトドアグッズを見ている内に、自分の頭にそれらの装備で旅をする自分の姿が思い浮かんできて、欲しくなった。自分の装備品なんて安物の寄せ集め。こういった専門店で品定めをしていたら欲しくなるのは当たり前である。アレとアレがあればいいのになぁ、と子供の瞳で商品を矯めつ眇めつしていたら、ついに意識は買う方へと傾いた。どうせ、九州に着いたら装備を見直すつもりだったのだ、ここで買ってしまおう、と。
しかし、資金の問題がある。資金がないから九州まで持ち越すつもりだったんじゃないか。だが、それに思い当たるお金があった。
ここでこそ、使うべきである。皆さんに貰った餞別。自分は餞別というお金は、ギャンブルや酒などに使う金とは別のものとして、封筒のまま、お守りのようにして持っていた。野暮なことを言うが、これが4万円。あった。これをありがたく使わせて頂いて、装備チェンジすることに。
餞別を下さった皆さん、ありがとうございました。このように使わせて頂きました。
25Lリュックと、ズボン、寝袋、ブランケット、水筒。一品一品、本当に必要かと自分に問いかけながら選んだ5品。全部で4万4千円。足りない分は自費で。要らなくなった荷物は、店側がサービスで家まで送ってくれるという。店員に「頑張ってくださいね」と見送られ、店を後に。だいぶ悩んでいたから、外はもう夕方であった。
今、自分を町で見かけても、リュックを背負った学生くらいにしか見えないだろう。それほど装備が軽くなった。まるで日帰りの支度である。結局、今日も新潟に残ってしまったが、明日からこの装備で移動は楽になる。
夜、焼き鳥屋で一杯ひっかけたが、歩いていないせいか、ビールがうまくない。新潟の外れまで移動してコンビニの近くで眠。屋根のかかった駐輪場、新品の寝袋に潜って寝た。

天候
曇り
気温
朝(室内)26℃ 昼23℃ 夜22℃
歩数
31159歩
累計2654359歩
出費
インターネットカフェ代・・6090円
タバコ×2・・600円
携帯灰皿・・525円
ジュース・・126円
飲み代・・2500円
ズボン・・7300円
リュック・・8400円
寝袋・・23800円
ブランケット・・2184円
水筒・・2365円
計53890円
累計404868円
食事
朝・・食パン、ドリンク
夕・・瓶ビール×2、焼き鳥×6、フライドポテト
道中・・ジュース、水
10 | 2017/11 | 12
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プロフィール

高沢 里詞

Author:高沢 里詞
埼玉県行田市出身
S57・12・7生
26歳♂
B型
パンクロッカー・詩人
行田秘湯の会会長
S・O’S(スーパーアウトドアーズ)部長
行田不毛の会会長
行田死語の会会長

注※どの会も新規会員募集は行っておりませんが、もしも会員になりたい方がいましたら密談でどうぞ。

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