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464日目 鹿児島~屋久島

20080720051813
7月12日。7時10分起床。
朝、船内アナウンスで
「シャワールームに財布を置き忘れて、お困りのお客様がいらっしゃいます。お気づきのお客様がいらっしゃいましたら、どうぞフロントまで御連絡をお願い致します」
と、何度か繰り返していた。
恐らく、誰かが置引きに遭ったんだろうと思う。
もし、そうだとしたら犯人は同じ船の中にいる。鹿児島港に着く前に、全員、身体検査をすれば出てくるかもしれない。
自分が被害者であれば、そのくらいのことをしたい。さあ、財布の主はどうするんだろう、と思っていたのだが、別に何もなく、船は鹿児島港に到着。皆、何事もなかったように下船していった。
財布はどうなったろうか。見つかったんだろうか、諦めたんだろうか。気になる。

港から少し歩き、屋久島行きのフェリーターミナルへ。
12:20発の高速船を予約した。
受付の人が
「出発1時間前になりましたら、座席指定をして頂き発券となりますので、その時間にもう一度こちらにお越しください」
と言うので、それまで時間を潰し、いざ1時間前、受付に行ってみると人が大勢並んでいる。
それだけ屋久島に行く人がいるのだ。
「混んでるなぁ」
と思いながら順番を待っていると、なんだか自分の前に並んでいたおっさんが落ち着かない。
時計をチラチラ見ながら、
「それにしても、おっそいなー」
とかブツブツ言っている。

と、そこで、それまで閉まっていた受付の窓口が一つ開いた。
それを見るや、フォーク並び(ATM並び)をしていた前の人を追い抜いて、窓口に向かうおっさん。
だが、おっさんはその受付の女性に
「先にお待ちのお客様がいらっしゃいますので」
と、ピシャリ、帰されてしまった。
スゴスゴと戻ってくるおっさん。自分がどこに並んでいたのかも分からなくなってしまったらしく、辺りをさ迷っている。
可哀想なので、自分は
「ここですよ」
とおっさんの還る場所を教えてあげた。
チケットを買い終え、船に向かう。
船内に入ってみると、あら?思ったよりも船内はガラガラであった。
どうやら混んでいたのは、窓口だけだったようだ。
3人席の窓側を独り占めして快適快適と思っていたら、さっきのおっさんが目についた。
おっさん、何か変な席に座っている。
おっさんは、4人掛けの席の端っこにチョコンと座っていた。隣には男3人のグループがいて、窮屈そうだ。
なんでこんなに席が空いているのに、おっさんはあんな席に座っているのだろうか、考えていて思い当たる節があった。

さっきの受付の女性である。

受付の女性が、おっさんにあの席を選択したのだ。きっと、先ほどのおっさんの態度が気に食わなかったのだろう。わざとその席を与えたようだ。おっさんの次にその窓口に行った自分がこんな良い席なのだから、おかしい。

少し複雑な気分である。
得をした自分と、損をしたおっさん。さらに損したおっさんの隣の男3人組。
受付の女性とおっさん、ひどいのはどちらだろう。そして、自分は誰に感謝しなければいけないのだろう。

自分は、ただ単におっさんが可哀想であった。
「おっさん、可哀想に」
自分は一人、快適な席でそう呟いた。
この事実を誰か自分以外の人間も見ていただろうか。気になる。

屋久島は、この『徒歩で日本一周』のルートには含まれない。ただ自分が個人的に行きたいから行くだけである。
よって、島を歩いて回るようなこともせず、ただ、縄文杉を見てくるだけの旅行だ。
屋久島について、何の情報も得ていなかった自分は、とりあえず島内の宿に泊まることにして、そこで様々な情報を得た。
明日のルートを考える。
荷物を準備する。

夜、自分の泊まった民宿で飲み会。こんなところでも、ゆんたくである。
外国人やら、東京の劇団員やら、神戸の消防士やらと様々なメンツが集まった。
屋久島の焼酎『三岳』を飲みながら、ワイワイ騒ぐ。
稚内から来たという一人旅の男性と知り合い、明日は彼と一緒に山へ登ることになった。

天候
晴れ
気温
朝31℃ 昼32℃ 夜27℃
歩数
7283歩
累計7089771歩
出費
飲料×5・・834円
高速フェリー往復チケット代・・9000円
宿代・・3000円
おにぎり・・110円
ハムマヨサンド・・250円
都こんぶ・・100円
りんご・・90円
カップラーメン×2・・210円
ポテトチップス・・60円
カロリーメイト×2・・210円
ガブリチュウ・・30円
缶ビール×2・・420円
計14314円
累計937248円
食事
朝・・おにぎり、ハムマヨサンド、野菜ジュース
夜・・缶ビール×2、ポテトチップス、カップラーメン、刺身、焼魚、カレーライス、焼酎
道中・・レモンティー、コーラ
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465日目 縄文杉へ

20080725183135
7月13日。4時起床。
昨日の夜に友達になった『たにもっちゃん』は、航空会社で気象予報士の仕事をしているそうだ。
昨夜、
「先に起きた方が互いを起こそう」
と約束して、たにもっちゃんは今朝の4時に自分の部屋のドアを叩いて、起こしてくれた。
自分は二日酔いである。結構、重い感じだ。ヘビーと言ってもいい。吐き気を伴う類のやつである。吐けば楽になるやつだ。
「こんなんで、山登れるのか?!」
と思ったが、屋久島まで来て、二日酔いで縄文杉を断念するのは悔しすぎる。うつ向き、扇風機にあたりながら調子を整えた。
とりあえず朝食を食べなくては、と昨日買っておいたカップラーメンを食べる。
とんこつ味がさらに胃をヘビーにさす感じに耐えながら、5時発のバスに乗り、いざ登山口へ。やはり登山客は多いようである。バスの中は結構賑わっていた。
たにもっちゃんも二日酔いらしい。しかも寝不足だ。気づけば二人揃って、登山前にやっちゃいけないことをやっている。
周りにいる登山客は皆、ガイドを伴っているのだが、自分達はガイドを付けていない。別にガイドがいなくても縄文杉までは行けると聞いていたし、何よりガイド料が一人1万強と高価なので、敬遠したためである。地図すら持っていない。

二日酔い、寝不足、ガイドなし、地図なし、そんな一人旅の男二人組が一体どこまで行けるのか分からないが、とにもかくにも自分達は縄文杉に向け歩き出した。

一応、自分の装備を簡単にご紹介挙げると・・
・ハーフパンツ
・Tシャツ
・サンダル
・キャメルバック
・デジカメ
・カロリーメイト
・おやつ
である。
情報誌などを見ると、雨具だの着替えだの弁当だの、あれもこれもとたくさんの装備品を提示しているが、自分は最小限の荷物で登山を敢行した。
理由は『勘』である。
なめている、と言われればそれまでだが、自分は今までの旅の経験で身につけた勘と、地元の方からの情報によって、荷物はこれで十分だと判断したのだ。

そして、結局これが当たりであった。

自分はたにもっちゃんと
「旅の中で見た一番好きな山は何だったか?」
なんて話をしながら、景色を楽しんで順調に歩いた。
利尻富士、羊蹄山、岩木山・・。開門岳もいい。そんな話に夢中になりながら、タイムスケジュールで5時間かかるという縄文杉への往路を3時間で歩いてしまった。結果、一行から頭抜け出すことによって、人があまりいない中でゆっくりと縄文杉を観察することが出来たのである。

二日酔いは治っていた。
山の空気が清々しい。
自分はたにもっちゃんと二人、大きな、大きな縄文杉を見つめて、ため息をついた。

この木は、まだ人間が石器を使っていたような時代から、ここにあったのである。
卑弥呼の先輩であり、聖徳太子の先輩であり、織田信長の先輩だ。
今を生きる全ての人の大先輩は衰えることなく、この世の中を生き続けているのである。
なんて力強いのだろう。
なんて温かいのだろう。
なんてどっしり構えているのだろう。

しばらく、その場でボケーッとした後、段々に後続の人達で場が混み始めてきたので、自分達は折り返した。
復路を歩き始めると、往路で追い抜いてきた人達とすれ違う。しばらく、そんなことを繰り返しているうちに、誰ともすれ違わなくなった。時計を見ると、まだ正午である。
自分はたにもっちゃんと別れ、一人、白谷雲水峡方面の『もののけ姫の森』へと向かった。ここは、ジブリ映画『もののけ姫』のモデルになった、屋久島の森である。
縄文杉に次ぐほどの屋久島観光スポットで、時間があったらハズせない、と踏んでいた。
たにもっちゃんは昨日見たらしいので、自分はたにもっちゃんにオススメの太鼓岩というスポットを教えてもらい、併せて見学し、宿へと帰ってきた。太鼓岩からの景色は絶景であった。

夜、宿ではまた宴会である。
素泊まりのみの宿なのだが、夕食と焼酎をご馳走してくれる主人の心意気がカッコイイ。
屋上のテーブルで星空を眺めながら、打ち上げと称して杯を傾ける。
今夜もまた、皆、笑顔で話に耽った。

天候
晴れ
気温
朝27℃ 昼33℃
歩数
37465歩
累計7127236歩
出費
宿代・・3000円
バス代・・1860円
缶ビール1パック+ポテトチップス+カップラーメン(割り勘)・・1020円
計5880円
累計943128円
食事
朝・・カップラーメン、りんご、メロンソーダ
夜・・鹿カレーライス、豚しゃぶサラダ、きびなご、焼魚、ポテトチップス、缶ビール×3
道中・・都こんぶ、ガブリチュウ、パン×2、ミネラルウォーター、湧水

466日目 屋久島~枕崎

20080726133051
7月14日。6時50分起床。
朝、自分はたにもっちゃんとお別れの挨拶をしてから二度寝。12時発の高速フェリー『ロケット』で屋久島を発つことにした。
フェリー待合室のベンチに腰かけながら、ボーッとTVを見ていると、ワイドショーがとてもショッキングなニュースを伝えた。

『忌野清志郎さん、ガン転移』

つい、この前、復活したばかりである。全てのツアーはキャンセルになったそうだ。
自分は望んでいる。ストーンズのように、還暦を過ぎても表現することをやめぬ、ロックンローラー忌野清志郎の姿を。
この旅の中で何度と、自分を支えてくれたキヨシローである。
「頑張れ、キヨシロー!大好きだ!!」
帰りのフェリーの中で、自分はRCサクセションを聴き続けた。

鹿児島に到着したのは、14時近く。その足で自分は、枕崎へと向かった。枕崎、というのは、旅の途中で出会ったお坊さんのところである。
実は先日、お寺に電話したところ、お坊さんが修行から帰ってこられている、とのことだったので
「枕崎に向かわせて頂きたい」
とお願いしてあったのである。
お坊さんはこれを快く了解してくれ、自分は調子に乗って、もう一つのお願いをしてみた。

「実は・・」
「うん」
「お寺で10日間ほど、修行させて頂きたいんですが・・お願い出来ませんか?」
「え?」

ちょっと師匠に確認してみないと分からない、とのことであったが、とりあえず顔だけでも、ということで向かわせて頂いた。
一旦歩いてきたルートだし、歩きだと時間がかかるので電車を使う。旅自体は鹿児島でストップしたままである。

枕崎に到着したのは18時過ぎ。駅前のスーパーでお土産を買って、お寺に向かう。駅からお寺までは5kmほどの道のりだ。
電話をして
「これから歩いて向かいます」
と連絡したのだが、途中まで歩くと、お坊さんが車で迎えに来てくれた。

久しぶりの再会。

「おお~!ごくろうさん。あれからどやった?」
「いやぁ、あれからカクカクシカジカ・・」

早速、話が弾む。
車はお茶畑の間をどんどん山の上に登っていく。そして、やがて一軒のお寺に着いた。
『国見山・大国寺』
ここが、お坊さんが修行するお寺である。境内から、枕崎の夜景が綺麗に見渡せる。角度を変えれば、開門岳も一望できる景色の良さだ。
10人ほどのお弟子さんが自分を迎えてくれる。男性よりも、尼さんの方が多いらしい。自分は皆さんに自己紹介をして、ご飯を頂いた。お風呂にも入らせてもらう。
お坊さんは、自分のために道場を空けて寝場所を用意しておいてくれた。どうやら、修行もさせてもらえるようだ。

「明日はとりあえず6時頃にここへ来て、コウゼンさんに水行(みずぎょう)へ連れて行ってもらうといいよ」
お坊さんがそう言ってくれたので、自分はお礼を述べ、よろしくお願いします、と頭を下げた。
案内された道場は、お坊さんが断食行をする時などに使う道場だそうだ。少し前にチャリダー(自転シャー改め)のおっちゃんも泊まっていったらしい。
部屋を軽く掃除し、蚊取り線香をつけて眠。

天候
晴れ
気温
昼33℃ 夜29℃
歩数
12027歩
累計7139263歩
出費
コーラ・・120円
せんべい・・840円
野菜ジュース・・84円
おにぎり×2・・210円
電車代・・1770円
計3024円
累計946152円
食事
朝・・カップラーメン
昼・・おにぎり×2、野菜ジュース
夜・・皿うどん、中華丼、白飯、ビール、麦茶
道中・・コーラ、スイカ

467日目 枕崎修行初日

20080726173223
7月15日。5時半起床。
修行、と言ったって、たった10日間お寺に籠っただけで、果たして自分の何が成長するだろう。
だから、
「10日間だけ修行させてくれ」
というのは、なんだか相手にしたら
「ふざけた奴だ」
という印象を与えてしまうんじゃないか、という思いがあった。
それもあって、今回、自分はある目標を持って、お寺へとやってきた。

まだ先のことになるが、自分は四国へ行ったら『お遍路さん』をやってみるつもりである。八十八ヶ所参りというやつだ。
これは簡単に言えば、四国中に八十八あるお寺を巡る、というものだが、これには正しい巡り方、みたいなものがあり、正式には各お寺でお経をあげなくてはいけないらしい。
と言っても、もちろん皆がやっているわけではない。皆が皆、お経を知っているわけではないからだ。
しかし、せっかくだから自分は四国八十八ヶ所であげるお経を覚えてから行きたいと思う。
それで、そのお経をお坊さんに教えてもらい、10日間のうちに暗記しようと思ったのである。
その意思をお坊さんに伝えると、お坊さんが教えてくれたのは『般若心経』というお経であった。これを10日間のうちにマスターすることが自分のここでの目標だ。

朝焼けの開門岳が美しい。お寺での一日は、『朝のお勤め』から始まる。

ここのお寺にはお墓がない。
「お墓がない寺って、何じゃそら」
と思われるかもしれないが、そういうお寺は結構あるものらしい。
祈願寺、と呼ばれるそうで、『開運、厄除け大師』として、合格祈願、交通安全祈願などをするのがお勤めだそうだ。
お寺なので、もちろん住職さんがいるわけだが、今は北海道へ出張中なんだそうである。その住職さんが、お坊さん(以下、シンジョウさん)のお師匠さんだそうで、お弟子さん達からは先生と呼ばれている。
お帰りが8月とのことで、残念ながらお会いすることは出来ないのだが、自分の修行を許可してくれたのは先生だそうだ。
後から知ったことだが、本来はここで行をするのには、お金を払わなければいけないらしい。『おこもり』と言って、よそから来る行者とはそういうものなんだそうだ。自分は何も知らないで、ただお寺に行けば色々教えてくれるのかな、ぐらいに思っていたが、よく考えてみればもっともな話である。
だが、先生は
「お金が無ければ、少しお寺の仕事を手伝ってくれればそれでいいよ」
と認めてくれたんだそうだ。ありがたい話である。

コウゼンさんは、去年からこのお寺に修行に来たお坊さんで、自分よりも10歳年上のハーフの方である。
朝食の後、コウゼンさんに連れられて、自分は水行場へと向かった。

お寺の修行と聞いて、皆さんはどういったものを思い浮かべるだろう。
自分は道場で座禅を組んで、お坊さんに長い棒で肩をベシッと叩かれる画を思い浮かべる。
あと、もう一つ。
一心に滝に打たれているお坊さんの画を思い浮かべる。
水行は、後者と思って頂いて差し支えないと思う。

自分はコウゼンさんとお寺を出て、山の中へと入っていった。獣道のようなところを進んでいくと、小さな滝壺があり、ここで水を浴びながら、ひたすらにお経をあげるという修行であった。
山の川の水は、夏といえども冷たい。そこに肩まで浸かり、可能な限り、お経を繰り返す。ヤメドキは自分で決める。もうヤメようかな、と心に浮かぶ甘えをすり潰し、ひたすらお経を繰り返すのがこの修行である。
これを1年365日、毎日続けるのだそうだ。
「冬は本当に死にそうになる」
とコウゼンさんはおっしゃっていた。

水行を終えた後、自分は自分に気合いを入れる意味でも、頭をボウズにした。坊主頭にするのは、広島ボウズ事件以来である。
シンジョウさんは
「そっちのがエエよ~」
と言ってくれた。

夜、夕食を頂いて、道場にて眠。泥のように眠。

天候
晴れ
気温
朝27℃ 夜29℃
歩数
計測なし
累計7139263歩
出費
なし
累計946152円
食事
朝・・お粥、お茶漬け、ナスの味噌汁、キムチ、緑茶
夜・・白飯、あさりの味噌汁、餃子、とろろ芋、キムチ、緑茶、麦茶
間食・・サイダー×2、コーヒー、ソーメン、パン×3、チーズ

468日目 枕崎修行2日目

20080729180027
7月16日。5時半起床。
道場にて起。
シンジョウさんは、毎朝2時に起きているそうである。そうして水行に行くそうだ。
シンジョウさんは本当にすごい人だと思う。
旅中に出会った時にも、1日6、70km歩くと聞いて度肝を抜かれたが、何事もやることが人間離れしている。
例えば、お寺に大きなカメがあり、ここに水を張って浸かり、般若心経を21回唱える『カメ入水行』という修行があるのだが、これは真冬にやるとヤバいそうだ。
ところがコウゼンさん曰く、シンジョウさんは冬にこそ、これを毎朝やる。しかも、ただやるのではない。近くの港まで車で出掛け、大きな氷を買ってきて、それを砕いて水に浮かべ、その中に浸かるんだそうである。
冗談でなく、普通の人間なら死ぬ。生存率の問題である。だから、シンジョウさんは本当に人間離れしていると自分は思うのだ。
シンジョウさんを見ていると、自分がどこをどう甘えて生きているかがよく分かる。なんだか、自分でも気づかなかった自分の中のちっぽけな怠け心みたいなものをすぐに見透かされてしまうような気がする。
また、シンジョウさんは色々とありがたい話も聞かせてくれる。今日、印象的だったのは『感謝』についての話だ。

「自分に良いことがあって、ありがとう、ゆうのは簡単なことや。それは出来て当然やな。感謝ゆうのはな、自分に起こった悪いことに対しても、ありがとう思う気持ちを感謝言うんよ」

しっかり感謝が出来ていれば腹もたたないそうだ。一言に『感謝』と言っても難しいものである。

「人はつい自分の力で生きていると思ってしまいがちやな。でも、違うで。生かされてるんやで。だから、全てに感謝せなあかんよ。本当に自分が生かされていると気づいた時、人は自然と感謝が出来るようになるんよ」

シンジョウさんはそうおっしゃっていた。
そのことが、お寺にいるとよく分かる。朝の挨拶からして違うのだ。
膝を折り、額を床に付けて
「おはようございます、本日もよろしくお願いします、ありがとうございます」
と言う。
自分がじゃない。全員が自分に対して、そういう挨拶をしてきてくれるのだ。
目上だから、目下だからそういう挨拶をする、というのではない。相手が誰であろうとそうなのである。
だから自然、自分もそういう挨拶になる。すると、何か心が洗われるような不思議な心地よい気持ちになってくるのだ。これが挨拶、これが感謝だとよく分かってくる。

今日は水行の他に、八十八ヶ所参りとお百度踏みという行をさせてもらった。
八十八ヶ所参りは、境内にある八十八体のお地蔵さんに短いお経を唱えて回るというもの。
お百度踏みというのは、10m間隔ほどに建ったお仏像と石柱の間をお経を唱えながら100往復するというものである。
どちらも、腹の底から声を出してやるのだが、これがまたバテる。頭痛がしてくる。

朝と夜は、皆集まって食事をする。夕食が終われば、お風呂を頂いて、一日が終わりである。
やはり今日も爆睡な感じで寝入った。

天候
晴れ
気温
朝27℃ 夜28℃
歩数
計測なし
累計7139263歩
出費
なし
累計946152円
食事
朝・・お粥、味噌汁、お茶漬け、昆布、たくあん、麦茶
昼・・ソーメン、おはぎ、パン、サイダー
夜・・白飯、味噌汁、カツオのフライ、キャベツ
間食・・アイス、枝豆、チンジャオロース定食、バナナ

469日目 枕崎修行3日目

20080731162618
7月17日。5時起床。
お寺では毎朝、朝食の際に各人がその日の目標と行動予定を発表する。
自分の隣の席にいたシンジョウさんが、本日の予定を述べる時に
「お寺の前の焼却炉に灰が溜っているので、今日はそれを掃除しようと思います。で、彼にもそれを手伝ってもらおうと思います」
と自分を指して言われた。
というわけで、今日の自分の予定は、焼却炉の掃除と水行、お百度、八十八ヶ所参りである。
まあ、自分は行者とは呼べない居候の身で、何かお手伝い出来ることがあればどんどん言って頂きたく、これを遠慮されると返ってここに居づらくなる。シンジョウさんのお言葉はありがたかった。

ところが・・。

今日は朝からの大雨である。天気予報によると、台風が近づいているらしい。
シンジョウさんは外に焼却炉の掃除をしに行く。自分は後を追いながらも、何故、こんな天候の中でわざわざ外の作業をするのか、気にかかる思いもあった。

横殴りの雨。着ている服は瞬時にビショビショである。カッパなど着ても意味がないからか、シンジョウさんはカッパを着ようともしない。

作業をしながら、ふいにシンジョウさんが口にした。

「なんで、こんな雨の日に焼却炉を掃除してるか分かるか?」

それが分からぬ自分。

「え?・・いやぁ、分からないです。何でですか?」

聞いた。
すると、シンジョウさんは言われた。

「晴れてる日にやったら、灰が飛ぶやろ。皆さんに迷惑かける。だから、こういう仕事は雨の日にやるんや」

自分は、そこに立ち止まってしまうくらいのショックを受けた。

つまり、自分が雨に濡れるからとか、風邪をひくかもしれない、とかそんなことよりも、シンジョウさんは他人を優先して考えていたのである。しかも、ここは山の中で、誰も迷惑をかけるような人もいない。
その数少ない迷惑を考えて、自分を風下に立たせる。これは、なかなか出来ないことだ。

例えば、人というのは勝手なもので、ある晴れた日に車で道路を走っていて、横の畑から埃が飛んできた、とあったら文句を言いたくもなるだろう。しかし、これが雨の日に畑で作業をしている人を横に見て、埃が飛んでこないことに
「ああ、ありがたいな」
とは、なかなか思えないものである。下手したら、
「こんな雨の中で仕事してるなんて、変わり者だな」
くらいに思ってしまうかもしれない。

気づけないものである。自分が経験したことでもないと、人の奥深い思いやりには、なかなか。
そうして、人の思いやりに気づけないと、自分の中に感謝が生まれてこない。
だから、普通は思いやる方も疲れてくる。

「私はあなたのために雨の中で作業しているんですよ」
と言いたくもなるだろうし、
「もう、晴れの日にしてもいいんじゃないかな。誰も感謝してくれないし」
なんて思ってきてしまうものである。

ところがどうだ。シンジョウさんにはそんな見返りを求める心もない。
この思いやり。むしろ、人に気を遣わせぬよう配慮しているようにも見える。
シンジョウさんは昨日の言葉通りの動きなわけだ。自分はそんなシンジョウさんの心に気づけなかった己を恥じた。雨に濡れることばかり、自分の損得ばかり考えていたことを情けなく思った。
「思いやりとは、感謝とはこうなのだ」
頭を叩かれたかのようだった。

自分という人間のレベルなんて、まだまだちっぽけだ。
驕り、自惚れ、甘え。
ふと見渡せば、そんなエゴで今まで見過ごしてしまった大事なものが沢山あったかもしれない、と反省させられた1日であった。
(ちなみに、この後、シンジョウさんは自分を風呂に入れ、着替えの服を貸してくれて、洗濯した服を乾燥しにコインランドリーまで連れて行ってくれたのだった)

天候

気温
朝27℃ 夜26℃
歩数
計測なし
累計7139263歩
出費
チョコ・・100円
計100円
累計946252円
食事
朝・・お粥、味噌汁、お茶漬け、昆布、キムチ、玉子焼き、さつまあげ、たくあん、麦茶
昼・・ソーメン、ピザパン
夜・・白飯、味噌汁、フライドチキン、かぼちゃの煮付け、漬物、麦茶
間食・・コーヒー、源氏パイ、アイス、チョコ、冷やし中華

470日目 枕崎修行4日目

20080801152822
7月18日。5時起床。
このお寺には、サイゴウさんというご高齢のお坊さんがいらっしゃる。やはり尼さんである奥さんと一緒に住んでおられるのだが、このお寺に来たのは7年ほど前のことなのだという。
それまでは、日本にとどまらず、世界にまで『真の教え』を求めて行脚していたそうで、このお寺の住職さん(先生)に導かれて、ここに落ち着いたのだそうだ。
聞いてみると、他のお弟子さん方も、皆、口を揃えて
「先生は不思議なお方なんです」
と、住職さんのことを言う。
どう不思議なのか、それを自分も色々と聞いて回ったのだが、話が霊的なものなので、ここではうまく伝えづらい。なにぶん、自分は会ったこともないのでよく分からないが、とても尊敬されている先生のようだ。

ところで、このサイゴウさんであるが、なんと、あの西郷隆盛の子孫にあたる方なのだという。『正式』な子孫ではないらしいのだが、西郷隆盛の曾孫になるそうだ。
それだけで個人的には驚きなのだが、サイゴウさんはその後、もっとビックリするような話を自分にしてくれた。

皆さん、西郷隆盛の最期はご存知だろうか。
西郷隆盛は歴史上、西南戦争にて官軍に追い詰められ、鹿児島は城山の洞窟にて自害したことになっている。学校ではそう教えられた。

が。

サイゴウさん曰く、西郷隆盛は自害などしていないそうである。それよか、城山の洞窟で死んでもいないそうだ。

じゃあ、どうしたのか?

西郷隆盛は、なんと鹿児島南方にある徳之島へと逃がされたのだという。
そして、その逃亡劇には元々仲間であった官軍側の大久保利通や西郷従道などの手もあったんじゃないかと、サイゴウさんは語っていた。

有名な話だが、西郷隆盛の写真はほとんど残っていない。上野にある西郷隆盛像は本人とはかけ離れたものであると言われている。
では何故、写真が残ってないかと言うと、この時に別の死体を官軍へと渡す為、偽物とバレないように処分してしまったからなのだそうだ。
実は最近、西郷隆盛の写真というのが、当時の志士の集合写真という形で日の目を見たのだが、そこにある本物の西郷隆盛はサイゴウさん曰く、
「自分の若い頃にそっくり」
とのことである。

サイゴウさんは徳之島出身なのだが、小さい頃から祖母に、祖母の父親である西郷隆盛の話を聞かされていたのだという。
西郷隆盛は、もう自分が死んだことになっているから、迷惑をかける故、本土へ帰ることが出来ずに徳之島で亡くなったそうだが、いつも本州のある方角の海を眺め、日本を憂い、男泣きしていたそうだ。

と、まあ、これがサイゴウさんから聞いた話の全容なのだが、自分も俄かには信じがたい話である。

「全然、歴史が違うじゃないっすか!!」

とサイゴウさんに言うたれば、

「歴史なんて、そんなものなのよ。残った者の手で、いくらでも書きかえられてしまうんだから」

と淡々と話しておられた。

驚愕である。
しかし、考えてみればその通りだよなとも思うのだ。
歴史なんて、一番あやふやなものなのだろう。歴史ミステリーなんて言って、謎だらけの謎は、そうやってねじ曲げられてきた歴史にただボロが出て、説明がつかなくなっただけの話なのかもしれない。源義経の死体も、織田信長の死体も、ヒトラーの死体も見つかってはいないのである。

ただ、本当の歴史なんて、もう確認する手だてなどない。
サイゴウさんのこの話、信じるか信じないかは、聞く人間の好き好きなのだろう。
自分はロマンがあって好きだけれども。

天候
雨のち曇り
気温
朝25℃ 夜27℃
歩数
計測なし
累計7139263歩
出費
なし
累計946252円
食事
朝・・お粥、味噌汁、玉子焼き、たくあん、お茶漬け、キムチ、麦茶
昼・・ソーメン、メロンパン、アイスコーヒー
夜・・カレーライス、サラダ、コーラ、麦茶、びわ酒
間食・・コーヒー、レモンティー、チョコ

471日目 枕崎修行5日目

20080802183221
7月19日。5時起床。
シンジョウさんは米倉涼子が好きである。

え?
坊主って、そうゆうのいいの?
と皆さんは思われるかもしれない。自分はそう思った。

お寺で修行をするのだ、という思いで、自分は初めてお寺で生活をさせて頂いたのだが、ここでの生活は、なんだか自分が思い描いていたお寺のイメージとは若干差異があって、時々ショックを受ける。
しかし、よく考えてみれば、自分の中のお寺に対するイメージのほとんどは先入観である。恐らく、これは『一休さん』の影響が強いんじゃないかと思われる。
これは、お坊さんにしてみれば、案外うざいことなのかもしれないな、とふと思った。
きっと、今はお坊さんだって、夏は海、冬になればスノボーをするし、夜は部屋でmixiをやったりしているのである。結構、現代的であろう。
聞いた話では、京都のお寺の住職さんなんかは、普通に外車を乗り回し、祇園に遊びに行くらしいし、
「え?それって浄財なの?」
とかは思うけど、きっとお坊さんも色々なのだろう。
お坊さんだから世間と離れて慎ましく生きてるんだろうな、という自分の中の観念は、なんと言うか、つまらぬイメージだったのかもしれない。

それで、シンジョウさんは米倉涼子が好きなんである。
コウゼンさんに、米倉涼子が出演しているTVドラマの録画を頼んでいた。
シンジョウさんは、普段はそんな様子などおくびにも出さず修行に没頭したりしているので、こういうギャップが、見ている方としては面白く、逆に魅力的である。
旅中に出会った時、それまでに経験したたくさんの苦行の話を聞き、
「それで、煩悩はなくなりましたか?」
と自分が質問したのだが、
「いや、なくならない」
と答えていらっしゃったのを覚えている。
多分、ここらへんのことなのかな、と今思う。
だって、米倉涼子って、なんか、モロ煩悩って感じがするんだもの。

煩悩と言えば、シンジョウさんはこんなこともおっしゃっていた。

「煩悩はなくならんで。そう簡単になくならん。でもな、よく考えてみ。煩悩があるから悟りがあるんやで。煩悩がなかったら、人間、何も悟れんよ。だから煩悩は・・少しくらいあった方がいいのかもしれんなあ」

食欲、性欲、睡眠欲。これらは人間の基本的な煩悩だけども、確かにこういった欲がなくなってしまえば、それは素晴らしい人間かと言うと、違う気もする。
欲が己から噴き出る『悪』ならば、その悪のおかげで今日の人間の活力が生まれてくるんじゃないか、というような気もする。

「煩悩って、難しいですね」

自分はそう言った。

そういえば、シンジョウさんは『白熊』という鹿児島名物のアイスも好きなんだ、と話されていた。
この白熊、バカでかいカキ氷らしいのだが、実は自分も鹿児島にいる間に一度食べてみたいと目論んでいる。

午前中、八十八ヶ所、物置掃除。午後、お百度、水行般若心経暗記。

天候
曇り
気温
朝26℃ 夜27℃
歩数
計測なし
累計7139263歩
出費
なし
累計946252円
食事
朝・・お粥、お茶漬け、さば、たくあん、カレーライス、麦茶
昼・・カレーライス、コーラ
夜・・スパゲティ、白飯、麦茶
間食・・チョコ、焼きイカ、コーラ、オレンジジュース

472日目 枕崎修行6日目

20080802183849
7月20日。4時半起床。
自分の寝ている道場の窓を網戸にして寝ていたら、夜中、やけにそちらの方がうるさい。しきりに、ブビビ、ブビッという音がする。
何かと思い、確認しに行ったら、全長8、9cmはあろうかという巨大なスズメバチが網戸の向こう側でこちらに腹を見せていた。
たまげた。世の中にはこんなにでかいハチがいるのかと思った。普通のスズメバチなど、あれに比べればかわいいものである。絶対に刺されたくない。

刺された、と言えば、実は沖縄で海に潜った時に、これまた直径30cmはあろうかという巨大なウニに刺された(自分的には、あれはどうも、ウニが毒針を発射したんじゃないかと思う・・)のだが、この傷がようやく癒えてきた。
なんか紫色の針を手に打ち込まれてしまって、しばらく指先が紫色であった。

今日はお寺で月1の大掃除日らしい。自分は本堂の扇風機掃除をした。
本堂の中は、いつも線香を焚いているので、部屋が全体的に黒くすすけてしまっている。扇風機は、それを吸い込んで吐き出しているわけだから、そのススの量ったらすごい。本体を水拭きすると、雑巾がすぐ真っ黒になる。
また、このススというのが、煙だけに至る所に忍び入るらしく、今日、米倉涼子のビデオを見ようとしたシンジョウさんが、ビデオが見れないとコウゼンさんに訴えていた。
どうやら、ビデオデッキがススにやられたらしい。
どこからか持ってきたビデオヘッドクリーナーを二人で何度も何度も試していたが、こういうシーンを見ると、シンジョウさんもやっぱり人間なんだなあ、と思って安心する。やっと同じ目線になれる所を見つけられた、というのか。
で、ようやく見えるようになった米倉涼子は、時々ノイズに邪魔されて、ナイスバディが一際魅力的であった。

境内には野良猫が多い。10匹くらいいる。いつの間にかお寺に住み着いたらしいが、どうにも幸せな野良猫達である。
まず、食べ物に困らない。ここの猫達は皆、餌をもらっている。なついているわけでもないのだが、お弟子さん達があげているのだ。それから寝床。基本的に外であればどこで寝ても、お寺の人は怒らない。広い境内が使い放題である。自分がもし野良猫であったら、お寺に住み着きたいとさえ思う。
だからか、野良猫のくせにせっぱ詰まった感じがしなくて、いつも玄関先に横になって伸びている。
この前、背後からソーッと近寄り、寝ているところを小突いたら、仲間の猫だと思ったのか、余裕ぶっこいてこちらに寝返り、開いた目で自分を確認すると、文字通り、飛び上がって逃げていった。その様子が面白く、自分はイッシッシと意地悪に笑ったのだった。

修行は残すところ、あと4日。
今日は他に水行、お百度、八十八ヶ所、般若心経の暗記と写経などをした。

天候
晴れ
気温
朝27℃ 夜28℃
歩数
計測なし
累計7139263歩
出費
なし
累計946252円
食事
朝・・お粥、味噌汁、お茶漬け、キムチ、漬物、昆布、麦茶
昼・・ソーメン
夜・・白飯、味噌汁、おでん、カツオのたたき、麦茶
間食・・アイス、スティック菓子、チョコ、コーヒー

473日目 枕崎修行7日目

20080802184634
7月21日。4時半起床。
TVでロボコンを見る。
ロボコンて何の略だろうか。ロボットコンテストでいいんだろうか。ずっと見ているとハマってしまう番組である。
気がついたら、番組を熱中して見ているのは、シンジョウさんとコウゼンさんと自分の3人だけであった。
きっと男は根本的にロボットとか、そうゆうものが好きなのだろう。女性はと言うと、たいして興味もなさそうである。なんとなく、不思議だ。

今日はお寺にて、イベント的な行事があるらしく、本堂にお客さんが多い。ここは檀家さんがいらっしゃらないので、お寺に来られるお客さんというのは、主に信者さんということになる。
では一体、どういう方が信者さんなのかと言うと、まあ、至って普通の人々である。言ってしまえば、善男善女ということになろうか。
失礼を承知で書かせてもらえば、お寺といえど、ビジネスはビジネスである。お墓を持たずに、お弟子さんを10人近く抱え、食事代などを賄うには、それ相当の収入が必要になってくる。
では、その収入をどうしているかと言うと、ここは祈願寺であるから、祈願お礼などに頼ることになる。ちなみにその中身の大小は、祈願を受けに来た人の志である。
もちろん、祈願というのは、当たらないと客足も遠のくわけで、こう言ってはなんだが、合格祈願や商売繁盛祈願などをより多く叶えることによって、噂は口コミで広がっていったりする。
で、それがここの住職さんのすごい所で、尊敬される所以であるらしいのだが、住職さんが回復祈願をしたところ、忽ちに末期ガンが治ったとか、人生が好転した、みたいな人が大勢いるのだそうだ。しかも、ご自分の方針により、一人でも多くの人を救うため、お金が無ければ無いで、お礼を頂かずに施しをしているのだという。(ちなみに自分がその一人で、宿泊料など払っていないが、修行したい意思を認めて頂き、住まわせて頂いている)
結局、そういうことの積み重ねで、今では東京などからわざわざ訪ねて来られる方がいるほどの有名なお寺になったらしい。

それで、今日、本堂に集まった十数人の信者さん方と一緒にお経をあげたのだけど、事後、自分が前に出て挨拶をすることになった。
「あちらは高沢くんと言って、シンジョウさんの縁でお寺に修行にいらっしゃったのですが、行も頑張られていて、せっかくなので一言挨拶を頂きたいと思います」
と、自分にマイクが回ってきたからである。

挨拶ったって何を話せばいいのだろうか。無い頭を33回転させ、自分はしどろもどろに喋り始めた。

「あの、えー、いや、自分みたいな者がアレなんですが、では一言だけ失礼致します。・・シンジョウさんとは旅の途中で出会いまして、あの、今僕は歩いて日本を一周するという旅を個人的にしておるんですが、えー、シンジョウさんとは新潟で偶然出会いまして、その縁でここにお世話になっております。ここでは色々な行をさせて頂き、また、とてもありがたいお話をたくさん聞かせて頂いて、自分の人生観、みたいなものが、どんどん変わって、豊かになっていくのを感じています。あの、えー、ここには10日ほどお世話になる予定なのですが、短い間ですが皆さん、どうぞよろしくお願い致します。ありがとうございました」

不手際であったが、拍手を頂いたのでホッとした。しかし、サプライズなので驚いた。

今日のその他の行動
八十八ヶ所、お百度、水行、お手伝い、般若心経の暗記と写経。7日目にして、般若心経の読み書き暗記が完了。間に合って良かった。

天候
晴れ
気温
朝27℃ 夜29℃
歩数
計測なし
累計7139263歩
出費
なし
累計946252円
食事
朝・・お粥、味噌汁、漬物、味のり、お茶漬け、麦茶
昼・・笹寿司、おにぎり、巻き寿司、せんべい、源氏パイ、チョコ、スティック菓子、玄米茶
夜・・白飯、味噌汁、ピーマンの肉詰めシチュー、漬物、味のり、麦茶
間食・・キットカット、チョコ、せんべい、桃、たこ焼き、アイス、ニッキ飴、コーヒー

474日目 枕崎修行8日目

20080804225109
7月22日。4時半起床。
毎朝、お寺では出張中の先生と電話で連絡を取っている。
一人一人、短い挨拶をするのだが、自分も時々喋らせて頂いて、今日は先生に
「歩き行に行ってみなさい」
と言われた。

歩き行とは、普段自分がやっている、お百度、八十八ヶ所、水行とは別の行で、お寺から枕崎市街を抜けて、立神岩という海辺の景勝地まで往復20kmほどの道のりを歩くというお行らしい。
なんと言ったらいいのか、それならば自分は普段からやっていることなので、行というよりは、なんとなくピクニック気分である。
元々、今日、尼さんが3人でやられる予定の行に自分が追加された形で、一緒に歩かせて頂いたのだが、話をしながら楽しく歩いた。

尼さんは女性であるが、ちゃんと剃髪をされている。女性で剃髪をするというのは、それなりに覚悟のいることであると思う。
何故、仏門に入られたのか、そこら辺が個人的には素朴な疑問で、今日一緒に歩かせて頂いたエイショウさんにそれを聞いたらば、3年前までは大阪でOLをなさっていたらしい。
「また、すっごい転職ですね。きっかけは何だったんですか」
と聞けば、生活に疲れ、人のアドバイスでここを訪れたのが最初なんだと話していらっしゃった。

ところで、お寺と言えば、袈裟とか数珠といった仏具が欠かせない。
ここにお世話になってからは、お寺にあるものを借りていたのだが、今後は四国でも必要になることだし、お経の本と合わせて、お寺の物を買わせて頂いた。数珠や経文には、一応値段があるのだが、わずかな志と合わせて包ませてもらった。

マイ数珠。

って何か変な感じだけど、真新しいものは何でも気持ちがいい。早速、愛用。
ちなみに数珠の玉って、全部で108個あるらしいのだけど、これは煩悩の数を表しているそうだ。
念仏を唱える時に、手の中で数珠をこすり合わせるのは、煩悩が消えるよう祈るためらしい。
色々と勉強になる。

天候
晴れ
気温
朝27℃ 夜28℃
歩数
計測なし
累計7139263歩
出費
数珠(腕輪、二連)×2、経文・・10000円
アイス×2、ジュース・・330円
計10330円
累計956582円
食事
朝・・お粥、玉子汁、さば、お茶漬け、のり、漬物、納豆、麦茶
昼・・おにぎり×2
夜・・焼き肉、焼き野菜、白飯、味噌汁、ウーロン茶、コーラ
間食・・アイス、コーヒー、コーラ、緑茶、チョコ、ゼリー、飴、キットカット

475日目 枕崎修行9日目

20080805234921
7月23日。4時半起床。
お寺は、国見岳という山の8合目に建立されていて、ここからの景色はとても見晴らしが良い。
一方は開門岳、一方は枕崎市街が一望出来る風光明媚な土地なのだが、周りに民家もなく、静かで、夏になるとあちこちの花火大会が眼下に見通せるのだという。
また、この辺りはお茶の名産地であるらしく、お茶畑も多い。なんとも、のどかな場所である。

今日はシンジョウさんの手伝いで、チェンソーを使って、お寺の奥にあった、不要だという材木の片付け作業をした。

自分はメカに弱くて、機械を使わせたら、これ以上ないってくらいの下手な使い方をする。
それで、子供の頃からよく物を壊してきた、と以前、ここにも書いたことがあったと思う。
トラックに乗ればサイドミラーを壊し、サンダーを使えばコンセントを切断して、ホイルローダーに乗れば車体をひっくり返し、仕事でも私生活でも、とにかく物を壊すつもりはないのだけど、壊しまくってしまってきた。

で、今日もやった。

何をやったかと言うと・・

チェンソーを壊した。

もう、自分はやっぱり機械を使う仕事はやめようかな、と思う。例えば、日曜大工みたいなことをした所で、本物の大工より道具代がかさむかもしれない。
一時、真剣に車の運転免許を役所に返上しようかと考えたことがある。
普通、お年寄りが考えることなのだろうが、自分はいつ事故を起こすか分からないと思ったからで、まあ、自分の愛車はいつもベコベコであった。メーターとか見ないから、よくガス欠もした。それくらいメカに疎い人間なのである、自分は。完全アナログ人間と言ってもいい。まあ、だから歩いているのだろう。

それで、その様子を見ていたシンジョウさんが、
「もう今日は、これで終わりやな」
と言われたので、謝って、本堂へと移動した。
幸いにも、故障がチェーン部だけだったので、チェーンを交換すればええ、とのことで、買い物に行くというコウゼンさんに、ついでにチェンソーのチェーンをお願いしますと頼み、自分達は少し休憩。
そこで、シンジョウさんがこんなことを話し始めた。

「・・もう坊主になりなさいよ」

「え?」

自分は、まんま、え?と聞き返してしまった。

「いや、あなたはお坊さんが向いてると思うよ」
「そうですか?」
「うん、あなた、普通の仕事は続かんと思うで」

そう言う。

「やはり、そうでしょうか」
「うん、続かんよ。勤め人なんか出来んね。続かん」
「出来んすか」
「出来ん、出来ん」
「そうですか・・」
「坊主はな、最終的に行き着くところや」
「どういう意味ですか?」
「色んな仕事しとる人間がおるやろ。生きている間に様々な苦境とかがあってやな、やっぱり年を取ってから行き着くところは仏様なんよ。信仰や」
「はい」
「だからな、若いうちからどうや」
「うーん・・」
「しばらくここに居てくれんか」

そう言う。

自分みたいなものにそこまで言って頂き、ありがたい限りである。やはり、自分は色々とシンジョウさんに見透かされていたのかもしれない、と思った。
自分としても、人間的なことでまだまだシンジョウさんに教わりたいことが沢山あり、出来るなら弟子入りしたい位であるが、まだまだ旅の途中である。

「しかし、旅が・・」
「そやな。まだ途中やもんな・・」

それで、話は流れた。
遅い昼食にソーメンを作って、皆で食べた。

そして、明日でいよいよ枕崎修行も終わりである。
たった10日間の滞在だが、ここまであっという間であった。ラスト1日は、10日間の中で一番頑張りたい。そう思った。

天候
晴れ
気温
朝28℃ 夜29℃
歩数
計測なし
累計7139263歩
出費
なし
累計956582円
食事
朝・・お粥、味噌汁、お茶漬け、納豆、漬物、昆布、麦茶
昼・・ソーメン、カレーパン、アイスコーヒー
夜・・白飯、味噌汁、鰻の蒲焼き、コロッケ、サラダ、ファンタ、缶ビール
間食・・菓子、アイスティー、アイスコーヒー、ウーロン茶、スイカ

476日目 枕崎修行最終日

20080807103024
7月24日。4時半起床。
何故、修行期間が10日間なのかと言うと、実は7月27日に東京で友人の結婚式があるからである。
それに合わせ、25日に鹿児島を発つから、修行は24日までということでお願いしていた。
移動費を抑えるために、今回はJRの5日間鈍行乗り放題切符「青春18切符」にて、4日かけて鹿児島⇔東京間を往復する予定だ。
当初の予定では、埼玉の実家に戻らず、東京に2、3日滞在、結婚式が終わればすぐに鹿児島へ戻ってきて旅を再開する予定であったが、8月6日にお寺へ帰ってくる先生に一度お会いして、お礼を言いたかったので、実家にて8月4日まで滞在することにした。
実家には、ついこの前帰ったばかりだし、自分としてはバツが悪いのだが、まあ、なんか、もう無理に流れに逆らわずやろうと決めた。今後も旅の間、地元での冠婚葬祭はあるかも知れぬし、素直にお世話になろう。

最終日ということで、朝食の時にサイゴウさんが
「10日間、どうでしたか?」
と自分に聞いてきた。
自分は今日の予定発表と合わせて、皆さんの前で、短く挨拶を述べて、お礼を言った。
「家に帰ったら、お墓へ行き、ここで覚えた般若心経をあげてあげたいです」
この10日間のうちに自然に思いついた、素直な心を述べた。
実家に行ったらまず第一に、今、自分があることを、自分が生きていることを、そして家族が元気で暮らしていることをしっかりと先祖に感謝しようと思う。

この10日間で色々なことがあり、ここに書ききれないことも沢山あったが、自分はいつもシンゲツさんという尼さんと一緒に昼食のソーメンを鍋で茹でて食べていた。
そのシンゲツさんと先日、
「自分はタコが好きなんです」
という話をしたのだが、それを覚えていたのだろう、シンゲツさんが
「今日の夕飯は、タコとカツオの刺身です」
と自分に伝えてくれた。
「せっかく枕崎にいるのだから、枕崎のおいしいカツオを食べていって下さい」
そうおっしゃる。

ここには書ききれなかったが、皆さんに本当にかわいがって頂いたのだ、自分は。
シンジョウさんが
「あなたはきっと、またここに来るよ。縁やからな。旅が終わったら、ここで修行するといいよ」
とおっしゃってくれた。

今日は、修理したチェンソーで昨日に引き続いての作業をして、いつもの行に加え、初めてカメ入水行もやらせて頂いた。
真水の中に50分浸かって、般若心経を50回唱えたら、指先の感覚が無くなった。夏でこれなのだから、益々シンジョウさんの冬の氷水行が信じられない。

そして、最後の夕食。刺身がとても美味しかった。
食事の後、食堂にてお別れの挨拶。床に膝をついて頭を下げた。自分は感謝の気持ちで一杯だった。

明日の朝の始発に乗って、東京へ向かう。次に会うのは8月6日か、7日か。
外に出ると、満天の星空が帰り道を照らしていた。うっすらと天の川がかかっているのが見えた。
自分は、寝床に使わせて頂いていた離れの道場まで歩き、室内とトイレを掃除し、仮眠して、始発に間に合うように駅まで歩き出した。
暗い夜道を、夜の茶畑を、縫うようにして進む。キヨシローを聴きながら、口ずさみながら歩いた。
キヨシロー、元気だろうか?大丈夫だろうか?ガンなんてクソッタレだ。またロックンロールを見せてくれ、キヨシロー。
ホロッと涙がこぼれた。お別れの涙か、キヨシローを案じての涙かは自分でも分からない。段々と白み始めた朝焼けの開門岳が美しかった。

別れってのはヤだな。何度経験しても、そう思う。でも、出会いがなくなってしまうのは、もっとイヤだ。
全く贅沢。
これもまた一つの煩悩だろうか。
なんて考えながら、ゆっくりゆっくり駅に向かって山を下った。

天候
晴れ
気温
朝27℃ 夜29℃
歩数
計測なし
累計7139263歩
出費
なし
累計956582円
食事
朝・・お粥、おすまし、漬物、お茶漬け、納豆、麦茶
昼・・インスタントラーメン
夜・・白飯、味噌汁、キムチ、カツオの刺身、タコの刺身、煮物、コーラ、ファンタ
間食・・アイスコーヒー、スイカ、スイスロール、アイス、コーラ、ガム

477~489日目 結婚式

20080808112035
※7月25日より、8月6日までの13日間は、友人の結婚式を中心として、主だった事柄を短く書かせて頂きます。

7月25日、枕崎より始発で広島を目指す。
これは、一日の枕崎からの鈍行での移動限界が広島だからで、深夜、糸崎という終着駅にて下車。
駅ベンチ眠。広島でお世話になったマツダの向洋駅なんかを通過して懐かしかった。
途中、電車がいつまで経っても動き出さない駅があって、何かと思ったら車内アナウンスで
「ただいま、車内で痴漢行為がありました」
と言い、パトカーがやって来て、グタグダになった高校生の男の子が警察官に連れていかれた。
車内はガラガラだったんだけど、一体彼は何をしたんであろうか。被害女性が苦笑いしていた。

26日、広島始発で20時に地元に到着。昨日からの鈍行乗り換え回数約20回。もう、乗り鉄気分。
実家にて、ビール飲みーの、明日の準備。

27日、友人と東京お台場に移動。友人T氏は中学からの同級生で、今日は共通の同級生T女士の結婚式である。T氏の勤めているホテルにて挙式が行われる予定で、スーツを着て会場に向かったらデラ暑かった。
盛大な披露宴。
なんか、自分とT氏の席が新婦友人のど真ん中にセッティングされていて、自分達は蒼二点であったから、嬉しいような、落ち着かぬような心地であった。ドレスアップした女性に囲まれた自分は、自分の坊主頭を呪った。
二次会は夕焼けに染まるレインボーブリッジと東京タワーを眺めながら会食。三次会はカラオケへ。ほほ、楽しかった。T氏、どうもありがとう。T女士、末永くお幸せに。

28日、実家にて諸用。ブログ改造に乗り出すも気力落ち。暑し。また今度な感じで昼寝して焦り。

29日、諸用、墓参り、メガネ屋。

30日、諸用、ミュージックダウンロード。
80’sパンク・ニューウェーブのオムニバス、イヌ、コブラツイスターズ、大光寺圭、ノーモアソルト、ハイロウズ、ブルーハーツ、頭脳警察。
踊り出しそう。

31日、家業手伝い。夜、先日の結婚式でお会いした、中学時代の恩師とT氏の3人で飲み。場所は地元の居酒屋『かもん』。帰省すると、この飲み屋は必ず行く。
仏教と宇宙の話で激盛り上が、アガガ、ってアゴがはずれるくらい興奮した。実に面白いテーマだった。また飲みたい。

8月1日、諸用、家業手伝い。暑い。

2日、諸用、ダラダラ。連日のビールどんちゃん。オヤジのゴーヤチャンプルーはうまい。我が家の冬瓜汁は絶品だ。

3日、諸用。先輩と飲みの予定が、急遽、事情により変更となり、盟友のドラマ―『B』と飲み。かもん。いつものカウンター。徒歩で帰宅。

4日、諸用、家業手伝い。現場で桶川へ。途中、上越新幹線の側道を通るのだが、この延々と続く橋桁には、一体いくらの工費、費用が、で親父と頭を捻る。
親父曰く、1万円札を束にして、ちょうどこの線路と同じ距離になる位かかってんじゃないかということで、100万円1cmと計算し、300kmで30兆円。
そんなかかるかな、と反論したものの、結局分からず。

5日、吹上より電車で鹿児島へ。悪天候。東京では落雷で電車がストップしたらしいが、自分は寸前でかわせた。熱海方面へ。名古屋、京都、大阪、神戸。途中下車したい町はいくつもあるがダメダメ。姫路からムーンライトに乗り、夜行。
ムーンライト、便利やなあ。初めて知ったわあ。

6日、朝、九州入り。門司に到着。八代から『行き』とは別のルートで鹿児島中央へ。
20時過ぎ、鹿児島中央駅着。以前、チラと見かけた駅前のゲストハウスを探し、発見。1泊1500円。
那覇だけでなく、こういう宿が全国的にあれば助かる。楽しいし。満室だったが、リビングに泊めてもらえた。
明日は、枕崎までを往復し、明後日から旅、九州後半を開始の予定。

490日目 鹿児島⇔枕崎

20080809170525
8月7日。7時50分起床。
朝起きて、身支度をととのえていた自分に、ゲストハウスのスタッフさんが
「乗り合いの車に乗って、霧島の方へ行きませんか」
と言った。
なんだか、霧島観光をするためにレンタカーを借りた外国人のグループが、一人分席が空いてるのでどうか、とスタッフを通して自分に伝えてきてくれたらしい。
行きたいな、と思ったが、今日は枕崎に行こうと決めていたので丁重にお断りした。
ゲストハウスには、いつも楽しい雰囲気が流れている。どんな雰囲気かと言うと、修学旅行みたいな感じである。だから、こういうことがままあるのだが、正直、一泊ではつまらないので、いつか長期で訪れてみたい。
礼を言って宿を後にした自分は、電車に乗り、一路枕崎へ向かった。

今日は枕崎を日帰りする予定である。
10日間お世話になったお寺であったが、出張中ですれ違いになってしまった先生に挨拶へ行くのが目的だ。
鹿児島から枕崎までは、電車で片道2時間半ほどかかる。
枕崎駅に着いて、お寺に連絡し、テクテク歩いていると、シンジョウさんが車で迎えに来て下さったので、それに乗り、お寺へ。
そのまま、シンジョウさんに案内され、食堂にて先生と初めて対面した。
写真でお顔を拝見してはいたが、先生は柔和な笑顔で自分を迎え入れてくれたのだった。

「先生のいない間でしたが、10日間お世話になりました。ありがとうございました」
と自分が言うと、先生は
「いえいえ、よく頑張ってくれたそうで」
と、笑ってうなづいてくれた。

その後、これからちょうどお盆で多忙期を迎えるというお寺の手伝いをしたり、ソーメンを頂いたりして、皆さんに挨拶。
夕方、終電に間に合うよう、シンジョウさんの車に乗せて頂き、駅へと向かったのだった。

車の中でシンジョウさんは
「何事をするにも、まず心を清くせなあかんよ」
「心を清くするには、信仰しかあらへんのやな。また、いつでもお寺にいらっしゃい」
とおっしゃっていた。

近くのスーパーで、車内で飲むビールとつまみを買って、いざ鹿児島へとんぼ帰り。

ガタンガタン、ガタンガタン・・。動き出す列車。

ガラガラの車内で、自分は先ほど買ってきたつまみを広げた。
取り出したのは

タコ刺しだ。

うまそうだったから、買ってしまったのである。
さすがに、電車の中でタコ刺しを食べるのは初めてかもしれない。食べづらいことこの上ないが、まあ、仕方ない。
しかし、ふふ、このタコ、うまそうだなあ。
そう考えながら、箸を割って、ビニール袋をまさぐる自分。別添えの醤油とワサビを取り出そうとしたのである。

ところが。

醤油がない。
袋の中には、ワサビしか入っていなかった。
おかしい、確かに醤油も持ってきたはずであるが・・。買い物カゴから落ちてしまったのだろうか。

焦燥。
そして、絶望。

自分は席を立ち上がって、車掌の所に醤油を借りに行こうと思った。
が、やめた。
車掌が醤油を持っているはずない、と思ったからである。

生まれて初めて、電車の中で醤油なしでタコ刺しを食べた。ワサビが効きすぎて、むせこんだ。
空しい。
味気ないツマ大根をビールで流し込んで、車窓を眺めた。
外はすでに真っ暗で、遠くにいくつかの民家の灯りが見えるばかりであった。

鹿児島に戻った自分は、野宿をしようと思ったけれど、久しぶりの野宿は寝床を探す感覚が戻らず、雨も降ってきたので駅前のサウナに投宿した。
10 | 2017/11 | 12
Su Mo Tu We Th Fr Sa
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プロフィール

高沢 里詞

Author:高沢 里詞
埼玉県行田市出身
S57・12・7生
26歳♂
B型
パンクロッカー・詩人
行田秘湯の会会長
S・O’S(スーパーアウトドアーズ)部長
行田不毛の会会長
行田死語の会会長

注※どの会も新規会員募集は行っておりませんが、もしも会員になりたい方がいましたら密談でどうぞ。

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