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26日目 仁木バイト11日目

20070502075006
6時10分、おやじさんの「おはよー」という声で目が覚める。一緒に布団をはずして朝食。
8時より本日の仕事は細かな作業と畝たてなど苗移植の準備。今日、敷地の一番奥にあるビニールハウスに苗を植えたら、暫く苗の移植作業がなくなるらしい。午後一、パートさん2人でそこに苗を移植して完了。自分は移植した後の苗のポットを回収したりして、夕方布団かけ。休憩中に畑に撒く堆肥のことを話していたら、おやじさんが馬の糞が一番なんだと言った。牛糞や豚糞よりも栄養価が高いのか。そういえば、以前もそんな話を聞いた記憶があるがよく思い出せない。牛飲馬食と言うように、馬は草ばっかり食べているから出すものもいい肥やしになるのだろうか。馬糞か・・。馬糞の話をしていて思い出したことがある。
ちょっと話が逸れるが、自分は高校時代に競走馬を育てていた。一風かわった高校で、授業のカリキュラムの中に「競走馬の育成」という項目があり、名誉なことに自分がその飼育担当の一人として役割を与えられていた。自分が担当した馬の名を桜蘭(おうらん)と言い、桜蘭というのは全校生徒から募集して選ばれた名前なのだけれど、顔立ちのすっきりした美形の女の子で自分は高2、高3と、この子の出産からセリ市に出すまでを立ち合った。馬房の中でブラッシングしていたら蹴りで殺されそうにもなったけど、この子が自分の青春であり、高校時代そのものだった。やがて、セリ市にて80万円で落札された彼女は島根県の益田競馬場という地方競馬場へと旅立つ。彼女はそこで強かった。破竹の勢いで勝利を重ね、連勝連勝で臨んだ益田優駿という地方ダービーで優勝した。自分は高校を出た後も時々彼女のことが気になり、益田へ会いに行こうと思ったのだが、そんな時に益田競馬場が閉まってしまったんだな。不況続きで。彼女もどこか違う競馬場へと連れていかれたらしい。自
分は益田市役所に連絡して、益田競馬場で彼女を飼育していたという調教師まで突き止めたが、そこから連絡がとれなくなって諦めていた。でも、今回の旅で実はその益田を通過する。その時に直にコンタクトがとれれば、もしかして、と思っている。馬齢からして、もう競走馬を引退してお母さんになっているかもしれない。せめて居場所さえ分かればいいな、なんて考えている。
話は戻って、休憩中に柏餅を食べていて思ったのだが、柏餅とあんころ餅ってどちらの方がファンが多いのだろうか。餅が中か、あんこが中か。自分はどちらも平等に愛している。アイラブ餅なのさ。さっきDr.コトーを10巻まで読み終えたのだけど、11巻を読みたい。奥さんに言えば母屋にあるかな。

天候
曇り
気温
朝12℃ 昼17℃ 夕14℃
歩数
計測なし
出費
なし
食事
朝・・ご飯、味噌汁、目玉焼き、ハム、ウドの煮付けと焼肉、キャベツ、たくあん、オレンジ、ふりかけ、ほうじ茶
昼・・ご飯、揚げ魚(カレイ)、かき揚げ天ぷら、そば(冷)、薬味、ふりかけ、ほうじ茶
夕・・ご飯、ハンバーグシチュー(ハンバーグが3つも!)、菜っぱの漬物、オレンジ、シフォンケーキ、ふりかけ、ほうじ茶
晩酌・・缶ビール×3、スナック菓子
休憩時・・柏餅、べこ餅、バナナ、せんべい、麦茶、コーヒー
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27日目 仁木バイト12日目

20070503222717
今日は朝から一日雨。6時半、おやじさんの挨拶で起床。支度して布団はずしへ。朝食後、8時からビニールハウスの中でおやじさんと奥さんと3人で作業。雨のため、パートさん2人には休んでもらったらしい。第2弾の苗の準備で、ポット5000個にひたすら土入れをした。おやじさんが出掛け、2人で作業をしている時に奥さんが言う。
「高沢くん、中国からの研修生が来てもうちにいていいんだよ。今、家の部屋が一つ空いてるから、そっちに荷物移せばいいわ。高沢くんいなくなったら、おじさん(おやじさん)も寂しがるわ」
自分は5月の中旬にやってくるという研修生と入れ替りで、このバイトに区切りをつけようと考えていた。というのは、最初におやじさんと奥さんと3人で話し合いをした時に5月の中旬で仕事が一旦落ち着くということと、自分の旅の向後もあって、そういう話になっていたのである。しかし、蓋を開けてみれば自分にとってここは居心地がいい、おやじさんと奥さんにとっても自分がいれば仕事がはかどるようである。お二人には大変かわいがってもらい、自分は休憩中にアイスやらケーキをたらふく食べさせてもらっている。だから奥さんがそう言った時、心が揺れ動いた。1年くらい居ようかな、と思ってしまう。けれど駄目だ。自分は旅の途中である。自分にはこの旅を終えて、やりたいことがある。うまく返答出来ずに言葉を濁しながら、「8月までに沖縄に行きたいんですよ」と辛うじて伝えた。すると奥さんは言った。「高沢くん旅立つ日は、おばさん、おにぎりを山ほど持たせてあげるわ」
16時作業終了。後、またおやじさんが温泉へ連れていってくれた。山奥の温泉で、露天風呂が気持ちいい。脱衣所にあった体重計に乗ったら体重がスタート時より2kg増えている。ここの食堂でチャンポンメンと生ビールをご馳走になったのだが、家に帰ってからも夕食を頂いた。
自分の寝床にはよく毛が落っこちている。今日の昼休み中、その中に変な毛があるのを見つけた。最初、3本くらいの毛が重なっているのかと思い拾いあげてみたら1本の毛である。よく見ると、その毛は枝毛の先がまた枝毛になっていた。Yの字様になった毛先がまたYの字様になっていたのである。Yの先がY。自分はこのブログを書いていくに当たって、なるたけ卑猥だとか低俗、野蛮な言葉は謹もうと思っていた。だがしかし、庶民たる自分の生活は大部分が低俗かつ野蛮、卑猥であり、そういった部分を書かずに過ごしてしまえば、このブログは全く嘘偽りの話になってしまう、というか生活感という大事な要素を欠如させてしまうのであって、だからこそ自分は勇気をもって、今、ここに告白するのだが、この毛は陰毛である。この縮れ方からして間違いない。十中九十、自分のビニールハウスの中で生育されたものだろう。まあ、でも、偏に陰毛といっても人間の体にはそういった毛が上にも下にもある。上にも下にも、というのはつまり上半身と下半身のことだ。それでこの毛はど
この毛かって言われると、恐らく脇毛である。なんで分かるかというと、これはもう勘なんだけど脇毛というのは短いからね。余計な話かもしれないけれど、以前パン屋でアルバイトをしていた時に、「パンの中に毛が入っていた」というお客さんが結構あって、そういうお客さんというのはレシートと一緒に現物を持ってきて「ほらほら、これこれ」と商品を見せるのだけど、見るとそれは髪の毛ではなく大抵が陰毛なんだよね。これ、何故陰毛なのかと言うと、頭髪というのは帽子を被っているから実はそんなに落ちない。問題は脇毛で、パンを作る人というのは腰程の高さの台の上でパン生地を練るから、その時に服の袖裾から脇毛がハラリと落ちて、気づかずパン生地に練り込んでしまうということがよくあるんだな。だから、気合いの入ったパン職人は毎日脇毛を剃っているらしい。ここだけの話。
夜、おやじさんが本を2冊持ってきてくれた。奥さんが小説が好きで重松清を読むと言っていたので、貸してくださいと頼んでいたものだ。2冊とも重松清かと思ったら1冊は重松清「ビタミンF」で、もう1冊はリリー・フランキーの「東京タワー」だった。小説を読み始めると、ふわっと別の空間へ運ばれていくような気がして心地いい。自分は小説を読むのが遅いので、このバイトが終わるまでに読みきれるだろうか。

天候

気温
朝13℃ 昼16℃ 夕14℃
歩数
計測なし
出費
なし
食事
朝・・ご飯、味噌汁、きんぴらごぼう、ハムサラダ、納豆、たくあん、ほうじ茶
昼・・まぜご飯、長いも、ひやむぎ(温)、菜っぱの漬物、ほうじ茶
夕・・チャンポンメン、生ビール、ご飯、焼き魚(鯛)、水菜のお浸し、たくあん、ふりかけ、麦茶
晩酌・・缶ビール、スナック菓子
休憩時・・菓子パン、せんべい、麦茶、コーヒー、玄米茶
※先日まで(ニラ?)と書いていた食品は、奥さんに確認したところ全て行者にんにくだとのことです。失礼致しました。

28日目 仁木バイト13日目

20070504075404
6時起床。昨日はほとんど布団かけをしなかったので、今日の朝は布団をはずす作業がなかった。7時過ぎに朝食を頂き、パートさん1人が来て8時より仕事。自分は一日、ビニールハウスを作る作業をしていた。
10時休憩の時、奥さんに「昨日の小説は読んだ?」と聞かれたから「東京タワーをちょっとだけ読みました」と答えたら、この小説の話になった。東京タワーという映画やドラマが人気である。原作はリリー・フランキーさんの小説だが、この小説を読み終えると涙がこぼれ、母が恋しくなるのだという。「お母さんに電話したくなるよ」と奥さんは言っていたが、どうだろう。旅が始まってすぐに親父と約束をしたので、自分は毎日母親にメールを送っている。タイトルに元気と書いて、本文はちょっとした近況報告を綴る。母もこの旅に対してだいぶ安心してくれたようだ。自分はメール嫌いで、ほとんどメールを使わないので毎日同じ人にメールをするというのはおかんが初めてである。
何かが恋しくなる。自分は今、一体何が恋しいのだろうと考えた時、パッと思いついたのはやはり酒だ。酒は毎日恋しい。あとは、音楽が恋しい。時々、人肌が恋しい。ほかは・・・あんまりない。夏とか。でも夏はもうすぐ来る。しかし、これは良いことである。恋しいということは、足りないということだから、今自分に足りてないものは上記の3つ4つということになる。たった3つ4つで済むのだから自分は金のかからない男だ。バブルが恋しいとか言い出さない。ハワイが恋しいとか言い出さないのだ、自分は。
午後、奥さんが出掛けていった。札幌の実家に親族が集まり一泊してくるのだという。「札幌に行ったら、古本屋でDr.コトーの続きを買ってくるわ」と言っていた。夕方、今日も布団かけはなし。最低気温が上がってきたので、布団は要らないそう。
そして今現在、ビールが切れたのでコンビニに買いにいってこようと思う。ついでに便所も借りてこよう。外のトイレは和式で電気がないから真っ暗闇の中で大をするのが大変でね。ケツ拭けたのか分からんし。帰ってきたら、ビール飲みながら小説を読もうと思う。

天候
晴れ
気温
朝11℃ 昼20℃ 夕18℃
歩数
計測なし
出費
缶ビール×6・・650円
スナック菓子×2・・196円
計846円
累計73390円
食事
朝・・ご飯、味噌汁、だし巻き玉子、ウインナー、菜っぱの漬物、キムチ、納豆、ポンカン?、ほうじ茶
昼・・ご飯、お雑煮、肉野菜炒め、だし巻き玉子、ねぎの酢味噌和え、ほうじ茶
夕・・親子丼、味噌汁、焼き魚(さんま)、冷や奴、緑茶
晩酌・・缶ビール×3、スナック菓子
休憩時・・アイス、バナナ、せんべい、磯部もち、麦茶、コーラ

29日目 仁木バイト14日目

20070506064848
7時、朝食を持ってきたおやじさんの声で起床。8時よりビニールハウスを作る作業、苗の水やり等。苗に自動的に水をやる給水システムが故障したらしい。電気トラブルということで、おやじさんが知り合いの電気屋さんを呼んだ。昼、電気屋さん来たる。
その電気屋さんはおやじさんの古くからの知り合いらしく、家族ぐるみで交流があるとのこと。昼休み中におやじさんに誘われ、缶ビールを頂いて飲みながら3人で話しをした。おやじさんはその電気屋さんのことを陽水と呼ぶ。陽水さんは昔、音楽の道を目指して東京で仕事をしていた。渋谷にある事務所に所属して、美空ひばりの地方公演などにスタッフとして付いてまわったらしい。けれど自分自身はデビュー出来ずに地元である北海道に帰ってきて電気屋をしているそうだ。今でもススキノにあるビートルズバーで月1、ソロで出演してギターを弾いているのだと言う。それで、なんでおやじさんがこの人のことを陽水と呼ぶかというと、このおっちゃんが井上陽水の大ファンで井上陽水がアンドレ・カンドレだった頃からの曲、二百数十曲を全てギター弾き語りでコピーしているからだそうだ。以前、今自分が寝泊まりしているプレハブの納屋でコンサートを開いてもらったこともあるのだという。自分が見た感じではメガネをかけていてジョン・レノンに似た渋いおっちゃんだ。
夕方、「高沢くん、手ぇ洗ったらうち来い」とおやじさんが言うので、言われた通り、手を洗ってつなぎを着替えてから母屋にお邪魔した。陽水さんはまだいて、これからおやじさんの妹親子も来るのだという。3人でビールを飲んでいると、奥さんと娘さん(この家は四姉妹で、この前一緒に麻雀をしたのが四女。二女のお姉さんが家にいて、今回奥さんと一緒に札幌へ出掛けていた)も帰ってきて、しばらくすると家の中はパーティーのように賑やかになった。ビールと焼酎をたくさん頂いて、自分の旅の話で盛り上がった。そんな中、自分はおやじさんと陽水さんと3人で芸術の話をした。おやじさんは油絵を描くそうだ。自分は芸術の中にある普遍の正体はなんなんですかね?というようなことをお二人に質問した。
「例えば、音楽でも十年前の歌謡曲がやけに古い音に聞こえたりするのに、カノンなんていつ聴いてもみずみずしいじゃないですか。絵もそうなんでしょうけど、あの普遍なものと、そうでないものって何の差があるんですかね」
3人とも、その答えが見つけられなかった。自分だって今日急に気になったことでなく、だいぶ考えてるけど分からない。仕方がない、わずかなヒントでもいい、何か手掛かりを得るためにおやじさんの甥っ子さんも連れて4人でパーティーを抜け出して、ハイヤーでスナック「修子」へと向かった。男4人、ここで芸術について熱く語らいながら、普遍の歌を歌ってみようという作戦である。「修子」に着いて、自分はまず陽水さんと一緒に井上陽水の「傘がない」を歌った。この曲は普遍である。次におやじさんが吉田拓朗の「落陽」を歌った。超うまかった。甥っ子さんは社会人一年目ということなのだけれども、中学、高校とバンドでギターを弾いていたらしい。グレイやハイスタをやっていたと言っていたが、彼が歌ってくれた中島みゆきの「糸」という歌に痺れた。めちゃくちゃいい曲である。「なんだ。みんな普遍ばっかりじゃん」と思いながら自分は焼酎の水割りとマイクを交互に持ち続けた。10曲くらい歌っただろうか。普遍普遍と唱え続けていた頭が段々フワンフワンとして
きた。それを見計らったかのように、おやじさんが「よし、帰るか」と言い、お開きに。今夜、普遍の正体がちょっとだけ分かった気がする。

天候
曇り
気温
朝16℃ 昼22℃ 夕19℃
歩数
計測なし
出費
なし
食事
朝・・ご飯、味噌汁、とろろ、玉子焼き、じゃことクルミの佃煮、キムチ、梅干し、アスパラガス、緑茶
昼・・ご飯、ラーメン、サバ煮、ウドの茹でたもの、塩辛、らっきょう、ふりかけ、緑茶、ビール、ドーナツ
夕・・パーティー食(ビール、焼酎の麦茶割り、つまみ)、スナック食(焼酎の水割り、つまみ)
休憩時・・せんべい(ぽたぽた焼き、他)、麦茶、ペプシコNEX

30日目 仁木バイト15日目

20070506080250
6時起床。二日酔い。二日酔いレベルの自己判断では5段階中のレベル2。比較的軽度。ちなみにレベル5は脱水症状である。
昨日の夜中は雷と雨が凄かったらしい。自分は爆睡してしまったので知らなかった。「あんな雷の中、よく寝られたね」と言われたが、自分はこの旅で国道脇のバス停で安眠する術を獲得している。音に関しては、たぶんどこでも寝れる。
8時より仕事。午前中、陽水さんが手伝ってくれてビニールハウスを作る作業。午後は一人で続きをやった。高所での作業だったが、自分はバカか煙か、高い所が好きである。夕方、「今日は冷え込むから」と布団かけ。
昨日、このブログを見ている友達から電話があって「そこの娘さんを紹介してくれ」などと阿呆なことを吐かす。「美人だけどさ」という一言が余計であった、友達もますます本気になり、「いや、おやじさんに俺の紹介を」なんて言い出して、あまりの押しに自分は最終的にこの頼みを引き受けてしまった。岡っ惚れもいいとこである。自分は一体、おやじさんになんて言えばいいんだろう。
「あの、おやじさん、僕の友達がですね、おやじさんの娘さんを気に入ってしまったらしくてですね、それで・・、いえいえっ!顔は見たことないのに何故か気に入ったらしくてですね・・」
無理である。自分がおやじさんだったら、まず高沢くんを殴るかもしれない。だからね、本気なら住所を教えるから菓子折持って訪ねてきてくれ。君が来ることだけは、おやじさんに伝えておくよ。
夜、おかんからメールがあり、今日自分の亀が行方不明になったのだという。旅に出る前まで働いていた職場の先輩から譲り受けた亀で、おかんに預かってもらっていたのだ。名を「りんたろう」という。水瓶から出して松の木の下で甲羅干しをさせていたところ、どこかへ行ってしまったらしい。うちの犬を使って捜索したら無事見つかったらしいが、よくあの犬が見つけたなと思う。こいつは「クマ」という名の犬で、しょっちゅう自らの尻尾を追いかけてグルグル回り、その都度イライラするのか、ギャンギャンと甲高い声で鳴いているような犬だ。しかし、無事でなにより。帰ったらゴルフボールでたっぷり遊んであげよう。

天候
曇り一時雨
気温
朝13℃ 昼13℃ 夕13℃
歩数
計測なし
出費
なし
食事
朝・・ご飯、味噌汁、ローストチキン、ウインナー、納豆、水菜のお浸し、ミニトマト、奈良漬け、麦茶
昼・・カレーライス、唐揚げ、ウインナー、ゆで玉子、水菜とハムの酢味噌和え、ほうじ茶
夕・・ごはん、鮭フライ、ポテトフライ、筋子、サバ煮、ウドの茹でたもの、ミニトマト、キャベツ、奈良漬け、ほうじ茶、ドーナツ
晩酌・・缶ビール×3、スナック菓子
休憩時・・飴、笹団子、アイス、せんべい、抹茶カステラ、麦茶、玄米茶

31日目 仁木バイト16日目

20070507100020
6時起床。6時半より布団はずし、朝食、8時からビニールハウスを作る作業。引き続き今日一日、高所での作業だった。天井部のビニールを張っていたら、どこから上がってきたのであろうか、オチョンとニャオンが今張ったばかりのビニールの上を歩いている。こいつらは怖くないんだろうか。ビニールは透明で下の地面は4m近く下に見えるのだ。まるで雲の上を歩くようにフワフワと歩いては、ビニールハウスの骨となるパイプの間にボスッと窪みを作るようにして寝そべってかまって欲しげにしている。その様子に見入ってしまった自分に気づいたのか、「すごいでしょ、うちの猫ちゃん達」と奥さんが言った。
夕方、布団かけ。夕食後、自転車で風呂屋へ向かった。そんな寒くない湿気った風が吹いている。家から風呂屋までは1km弱の距離だけど、途中、盛り上がって小高くなった橋の上から街の明かりがちらほら見えて、何故か地元を思い出した。全然似ていない景色なんだけど、どこか、何かが似ていた。ゴーイングステディの峯田和伸が好きで、高円寺の純情商店街を夜中自転車で走ったんだと語っていた友達のことを思い出して、懐かしくなった。その日は一体どんな夜だったのだろう。
この旅に出て、やっぱり正解だったと思う。いや、正解だ不正解だ、なんて言ってたら、なんだかこの旅がインチキくさくなってしまうのだけど、これから迎える何百もの夜がきっと楽しいものであると心のどこかで確信している。旅に出る前のワクワクが、さらに増したような気がする。
4日ぶりの風呂は、頭も体も泡立たなかった。やけに頭髪が抜ける。髪の状態が悪いのだろうか。「あれ、俺禿げんのかな?」と思ったけど、別に禿げたら禿げたでいい。風呂帰り、コンビニへ。ビールを買って、初日におやじさんから教わった近道で帰宅。空が曇っていて真っ暗な農道。500mほど先にある外灯の明かりを目指して進む。自転車の前カゴもよく見えない闇の中、道が行き止まりになったところで自転車を担いで踏み切りを渡り、家へとたどり着いた。外付けのライトがあるのだが電池が切れているのだ。月明かりがあれば、だいぶ明るいんだけどなと思う。この前、小便をしようと思って外に出たら木造の納屋のトタン屋根が月明かりに照らされて輝いていた。それを見た時、美しい夜だと思った。
ここにバイトに来て、「何故、旅をしているの?」と皆に聞かれる。自分は「猫も雄猫は旅に出たりするじゃないですか。それと同じなんだと思います」と答えたら、パートのおばちゃんが今日の休憩の時に言った。
「昨日、主人と話してたんだけどさ、高沢くん去勢しちゃえばいいんじゃないかって」
それは勘弁である。皆一斉に笑う中、自分一人が苦笑いを浮かべ、去勢した自分の姿を想像してみたがうまく想像できなかった。

天候
晴れ
気温
朝12℃ 昼21℃ 夕16℃
歩数
計測なし
出費
風呂代・・400円
缶ビール(極旨)×6・・650円
ポテトチップス・・145円
計1195円
累計74585円
食事
朝・・ご飯、味噌汁、玉子焼き、ウインナー、ミニトマト、キャベツ、菜っぱの漬物、きんぴらごぼう、ふりかけ、ほうじ茶
昼・・ご飯、焼き魚(カレイ、さんま)、鮭フライ、行者にんにく玉子焼き、そば(温)、麦茶
夕・・ご飯、掻き玉、刺身、きゅうり、シラスとくるみの佃煮、塩辛、ナムル、発泡酒
晩酌・・缶ビール×2、甘栗(修子のママにもらった)
休憩時・・飴、アイス、カステラ、せんべい、バナナ、麦茶

32日目 仁木バイト17日目

20070508063114
7時起床。外は雨が降ったり止んだりしている。今日気づいたのだけど、この辺りの雨の降り方や風の吹き方は地元埼玉とだいぶ違う。埼玉は平野だからだろうか、あまり雨や風に抑揚がなく、一日中サァーッと雨が降っていたりするが、ここ仁木では雨が降っていたかと思うと急に晴れだしたり、突風が吹いたりする。空を見ると、雲がきれぎれになっている。
今日はおやじさんが小樽に用事があるらしく、ついでだから自分も小樽に連れていってくれるということで仕事は休み。8時から布団はずしだけして、支度をした後、9時に車で家を出た。途中、散り始めた桜の木を眺めながら10時前にマイカル小樽に降ろされた自分は「11時半位に迎えにくるから」と言うおやじさんを見送ってマイカル小樽の入り口へ向かった。10時の開店までベンチに腰かけて待ち、10時きっかりに警備員が開けたドアをくぐって入店した。
自分は靴が欲しかった。この靴、もうソールが磨れて、いつ壊れるか分からない。バイト代も入るし、旅の続きに向けて靴を新調しようと思ったのだ。ATMでお金をおろしてマイカル小樽内の靴屋へ。途中、靴屋へ向かう通路でシュワッチする女性を2人見掛けた。いかに作り物でも、もう少し恥じらいを持って欲しい。さて、いざ靴屋に行き商品を見回してみると欲しい靴が見つからない。段々、この靴のままでいいか、という想いが強くなり自分は店を出た。よく考えてみれば、この靴はまだ半月分くらいしか履いていない。安物ではなかったし壊れるまで履くか、という結論に至ったのである。自分はこういうお金を使う時、節約というか吝嗇というか、財布のチャックに鍵がかかる。とーこーろーが、自分はこの建物の中に、ある興味深い施設が入っているのを知ってしまっている。場外馬券売り場「アイバ」。靴屋を出た自分の足は真っ先にそこへ向かっていた。悔しいことに、こと賭けごとに関しては財布のチャックがバカになる。今日は名古屋競馬とばんえいが開催していた。
売店で発泡酒を買って、予想をする。名古屋を買うことにして1Rの買い目を出す。決めた、これにする、マルブツラスター。父親はラムタラである。ラムタラって馬は40数億円で海外から輸入した種馬として一時世間を騒がせたが、産駒が走らずに種付け料が暴落して、安値で買い戻されてアラブへ帰ってしまったんだ、たしか。だけど今日はコイツが勝ちそうな気がする。自分は8番マルブツラスターから3番、4番へ500円ずつ馬単で流した。レースが始まるまで辺りを見回すと、おっさんの群。Dと書かれたキャップ、だけど中日ドラゴンズではない。どこかの草野球チームだろうか、野球帽をかぶったおっちゃんがワンカップと競馬新聞を持って歩いていた。
1Rの結果は、8-6-3であった。この時、自分は今日キテると思った。1Rを外したわけだけれど、幼稚園にあがる前から親父に手を引かれ競艇場に通っていたギャンブラーとしての勘である。今日は勝てると思った。時間的に次のレースが最後だろう、もうおやじさんが来る時間だ。名古屋2Rで勝負に出ることにした。2、3、8の馬複BOX買い。1点1000円で3000円買った。これで取り戻すつもりだった。結果、3-8。ズッポシである。「へっ、頂き」と呟いて払い戻し機の前に立ち、換金して本当にガックリきた。配当が260円である。つまり、2600円の払い戻しで、差引き400円の赤、1Rの負けと合わせて1400円の赤である。あーアホらし、と呟きながらおやじさんとの待ち合わせ場所に向かった。
おやじさんは昼食に食べ放題の店へ連れていってくれた。ランチ1480円なんだけど、にわかには信じられない、「えっ?これも食べ放題なんですか?」と聞いてしまった。毛ガニがトレイの上に何杯も置かれていたのだ。全部、食べ放題なのだという。
小樽には北一硝子という有名なガラス細工の店がある。せっかく小樽に来たのだから、金のあるうち、と思い、自分はおやじさんに頼んで北一硝子の前で降ろしてもらい、店に入った。切子のグラスがたくさん並ぶ中で、自分が気に入った月見グラスという、グラス側面の満月に見立てた透明な窪みから反対側のウサギの切子が透かせて見える細工が施されたグラスをペアで買って実家に送った。親父には桜を愛でるウサギが描かれた青のグラス、おかんには雪と戯れるウサギが描かれた橙のグラス。これでうまいビールを飲んで欲しい。
後から気づいたことだが、もうすぐ母の日らしい。自分は毎年、父の日も母の日も忘れ、新聞に折り込まれた広告やスーパーの一角に設けられた「Mother’s Day」などという看板を見て「ああ、そうか」と気づく。何か贈る時もあれば贈らない時もある。そもそも父の日だの母の日だの由来がよく分からないのだ。面倒臭いから自分は自分の誕生日にまとめて親にプレゼントを贈ることにしている。これなら忘れない。生まれた日を祝ってもらうのではなく、生んでもらったことに感謝する日として、去年から始めた。
自分には他に、人に言われないでも思い出す日が3つある。一つは正月。これを忘れたら自分は部屋に閉じこもる。一つはバレンタインデー。ホワイトデーは忘れがちになる。サイテー。最後の一つはクリスマス。3日ともスケベなことばかり考えている。
帰宅後、母屋にお邪魔して談笑。夕方、布団かけ。夜、缶ビールを飲みながら読書。

天候

気温
朝13℃ 昼12℃ 夕11℃
歩数
計測なし
出費
馬券・・4000円-2600円(当)=1400円
発泡酒・・220円
ペアグラス・・10500円
ペアグラス送料・・1470円
計・・13590円
累計88175円
食事
朝・・ご飯、味噌汁、筋子、目玉焼き、ハム、アスパラガス、キャベツ、ポンカン?、たくあん、ふりかけ、ほうじ茶
昼・・食べ放題(海鮮、焼肉、カレー、ジャンクフード、デザート、ソフトドリンク等)、生ビール
夕・・親子丼、味噌汁、たくあん、ほうじ茶
晩酌・・缶ビール×4
その他・・発泡酒、ウィンナーコーヒー、缶コーヒー

33日目 仁木バイト18日目

20070509130228
6時起床。布団はずしをして朝食。8時より1日ビニールハウスを作る作業。ビニール張りやリブラントチューブと呼ばれるビニールを巻きあげて換気をするための用具設置。夕方、布団かけ。休憩の場所が変わった。今まではビニールハウス内だったり、外だったりでビールケースを裏返した椅子に座っていたが、プレハブ納屋の中に大きなテーブルと畳が用意された。快適。
夕食に発泡酒をつけてくれた。食後にポテトチップスをつまみにして飲むかな、と買い置きしてあったポテチの袋を手に取り壁に立てかけるようにして置く。その袋の背中がこちらを向いており、なんとなく見ていて「ん?」と体を乗り出してしまった。このポテトチップスの原料となったじゃがいもの産地、生産農家等が袋に記載された製造日、生産ラインの番号などをインターネット上で入力するだけで確認出来るそうなのだ。これはすごい。すごいが、分かったところでどうだというのだろう。「より安心して、お召しあがりいただけるよう」と書いてあったが、そこまで気にする消費者もいるのだろうか。産地を思い浮かべながらポテトチップスを?
「食の安全」という言葉が叫ばれて久しいが、自分はいつもラジカルな部分で疑問に思うことがある。というのは、日本の国内自給率はとっくの父ちゃんで半分の50%を切っている。自分達の飯も自分達で賄えない国の国民が「食の安全」なんてヨユーぶっこいてていいんだろうか。「いいんだよ、日本は裕福なんだから」と言ってしまえばそれまでだが、それでは世間に拝金主義と罵られ、葬られていったホリエモンと同じである(ホリエモンはリターンしてきそうな気もするが)。中国産は食べたくないとか、賞味期限があーだこーだなどと駄駄をこねる前に、もっと食への感謝の気持ちを持って然るべきじゃなかろうか。
夜、読書。昨日ビタミンFを読み終わり、今日から東京タワーを読み始めた。リリー・フランキーは「プレイボーイ」に連載しているコラムも時々読んでいる。小説の裏表紙を開いたら、サインペンでローマ字書きされた娘さんの名前、その下に日付とLOVEという文字があった。どうやらこれはサイン本のようである。でも、おかしいのはリリーさん本人のサインがないことで、そういう人なのかもしれんなあ。汚さないようにして読むのに緊張する。

天候
晴れ
気温
朝13℃ 昼21℃ 夕17℃
歩数
計測なし
出費
なし
食事
朝・・ご飯、味噌汁、玉子焼き、チーズ、ハム、キャベツ、菜っぱの漬物、たくあん、塩辛、ふりかけ、ほうじ茶
昼・・ご飯、お雑煮、焼き魚(カレイ)、菜っぱの漬物、ポテトサラダ、梅干し、ほうじ茶
夕・・ご飯、ヒレカツ、キャベツ、筋子、もやし和えサラダ、行者にんにくのお浸し、発泡酒
休憩時・・アイス、パン、せんべい、マドレーヌ、麦茶、コーラ、べこ餅、バナナ、飴

34日目 仁木バイト19日目

20070510080254
6時10分起床。布団をはずして朝食。布団をはずしている最中におやじさんが「明日の夜は焼肉だ」というので、布団をはずすスピードが1.2倍くらい上がった。
8時より、1日ビニールハウスを作る作業。夕方17時半頃、布団かけをしている最中におやじさんがやって来た。おやじさんと奥さんは16時から中国研修生との立ち会いで出掛けていたが、その研修生2人を連れて帰ってきたのだ。自分は「ニーハオ」と独り言で挨拶の練習をしながら布団かけをしていたので研修生は見ていないのだが、おやじさんは僕を見るなり「今年の子は体格がいいわ。高沢くんと変わらん。・・いや、高沢くん以上かもな」と言った。ちなみに自分の身長は175cmで体重は今66kgである。
昨日、21時過ぎにもう眠いから寝ようとしたら、おかんから電話がかかってきて散々小言を言う。「うん、うん」と聞いていたら、最後に「早く寝なさいよ」と言って電話を切ろうとした。さすがに自分は納得いかず「いや、今寝るとこだったんだけど」と返したら、おかんは「あら、そう。それは悪かったわね。おやすみ」と言って電話を切った。
夜、風呂屋へ。その帰り道、コンビニへ。こんなこと、出来れば書かずに隠しておきたいが、コンビニではビールとエロ本を買った。俵万智に「自転車のカゴからぴょんとはみ出して何か嬉しいセロリの葉っぱ」という短歌があるが、自転車のカゴの中で、ビールと一緒に袋の中で、立ち上がったエロ本は何か面映ゆかった。昔、飯島愛が「エロビを売る奴は最低だけど、それを見る奴も最低だよ」とTVで言っていて、自分は飯島愛が言うそのセリフにだいぶヘコんだが、今思う。自分を正当化するわけじゃないが、性に目覚めた中学生へ、エロを嫌う女性達へ、マグロじゃいられない男にとってエロ本はロマンチックの教科書だ。

天候
晴れ
気温
朝15℃ 昼22℃ 夕18℃
歩数
計測なし
出費
風呂代・・400円
缶ビール(ジョッキ生)×6・・650円
雑誌・・290円
計1340円
累計89515円
食事
朝・・ご飯、味噌汁、筍の煮物、ウインナー、塩辛、ポテトサラダ、かにかま、菜っぱの漬物、チーズ、ふりかけ、ほうじ茶
昼・・ご飯、冷やし中華、菜っぱの漬物、ゆで玉子、ふりかけ
夕・・まぜご飯、焼き魚(ホッケ)、ウドの茹でたもの、サバ煮、冷や奴、行者にんにく、緑茶
晩酌・・缶ビール×2、ポテトチップス、甘栗
休憩時・・アイス、マドレーヌ、せんべい、菓子パン、麦茶、カステーラ、飴

35日目 仁木バイト20日目

20070511193247
6時起床。布団をはずして朝食。8時より1日、おやじさんと2人でビニールハウス内の堆肥撒き。おやじさんがトラクターで運んでくる牛糞をひたすらスコップで撒き散らす。しんどいがこういう作業は好きだ。汗がたれて働いたという実感がある。夕方、布団かけ。
10時の休憩中に知らないおじさんが来た。近所の人か、仕事仲間か。そのおじさんは国士舘大学の応援団に所属していたそうで、滅茶苦茶よく喋る。休憩時間はいつも2、30分なのだけど、それを振り切って10時42分まで喋ったところで「そろそろやりますか」と奥さんに打ち切られた。最初、奥さんに飲み物はコーヒーか麦茶かと聞かれ、自分で「麦茶で」と答えたそのコップに一口も口をつけず42分間喋り通しであった。激しい噴水のような人だった。
そのおじさんが話の中で林屋屯田兵という言葉を口にした。ハヤシヤトンデンヘイ?はて、どっかで聞いたような・・・あっ!そうだ。卓ちゃんが電話で言ってた人である。どうやら、林屋屯田兵という北海道を代表する落語家さんがいて、そのお兄さんがリヤカーを引いて日本一周したことがあるらしい。そういう人がいた、というのは旅の途中で噂にも聞いていたが、全く世の中色んな人がいる。
昼食。初日から段々と増えていった食事の量が、ついに今日自分の胃の許容を超えた。先に食べた分の消化を待ってから、ゆっくりと食べた。そして、自分には最近親不知歯が生えてきた。この旅の先行投資として、歯医者で全ての歯を診てもらい悪いところは治療してきたが、このタイミングで生えてくるとはなかなかやる。悪さをしなければいいが。
先行投資と言えば、自分は音楽教室でギターを習っていた。ギターを習得して旅先で稼ごうと思ったのだが、結局ギターは荷物になるのでやめた。だから未だに弾けないままだ。
夜、焼肉。この前、一緒に焼肉を食べてお酒を飲んだ宗教の偉い先生とまたお会いした。というか、その先生の家で焼肉を頂いたのだ。車で40kmほど向かった倶知安(くっちゃん)という町の自宅兼教会である。そこには陽水さんも来ていた。その先生がまた面白いんだな。「ここだけの話だけどな、わしゃあこの前、70歳の婆さんを抱いた。顔なんかしわくちゃでな」と言う。話を進めていくと、それは先生から婆さんへの施しだったようだ。「婆さん、滅茶苦茶喜んでたよ」と言っていた。息子さんが自衛隊にいて、この前帰省してきた折り、息子に「人に向けて絶対に引き金を引くな」と言ったのだという。殺られるから殺る、という考えでは絶対に世界平和はこない。「じゃあ、俺死んじゃうじゃねえか」という息子に「その時は死ね」と教えたそうだ。他にも真面目な話から笑える話まで色々と話してくれた。でも、先生は一度も自分の宗教のことを話さなかった。つまり、自分に「うちの宗教はどうだ」ということを一切言わなかった。これは尊敬する。自分はある程度構えてた
んだ。信者を勧誘する宗教は全て詐欺である。言い切ってもいい。その信者はよかれと思って勧誘活動を行うかもしれないが、それを指導する人間の腹の中にはまず自己犠牲の精神などないだろう。先生が続ける。
「高畑くん」
「あ、高沢です」
「高畑くん」
「はい」
「君には初志貫徹してほしいなあ」
旅を是非やり遂げてくれと、そう言っていた。
自分は帰りの運転を任されていたので酒は飲まなかったが、自分以外皆、日本酒やビールを飲んでいた。おやじさん曰く「高沢くんは一人修行」。教会には酒好きばかり集まって、毎晩お神酒を棚からおろして飲むらしい。
帰宅後、母屋で風呂を借りて、おやじさんに缶ビールを2本も頂いた。それを飲みながら眠。時々、部屋の上で猫が騒ぐ。

天候
晴れ
気温
朝13℃ 昼20℃ 夜13℃
歩数
計測なし
出費
なし
食事
朝・・カレーライス、味噌汁、焼き魚(ホッケ)、アスパラガス、かぶの漬物、牛乳
昼・・まぜご飯、冷や麦(温)、かぼちゃの煮付け、焼肉、野菜さつま揚げ、筍の煮物、アスパラガス、かぶの漬物、らっきょう、ほうじ茶
夕・・焼肉パーティー、ソフトドリンク
晩酌・・缶ビール×2、魚の珍味
休憩時・・アイス、菓子パン、せんべい、麦茶、コーヒー、飴

36日目 仁木バイト21日目

20070512075653
6時起床。布団はずし後、朝食。8時より、布団片付け。一番最初に苗を植えたビニールハウスの布団は、もう使わないらしく片付けた。段々と気温も上がり、また苗自体が生長したので布団は要らないとのこと。そういえば最近苗を間近で見ていなかったが、今日よく見てみたら苗にミニトマトくらいの大きさのトマトの子供が出来ていた。まだ青くて、触ると硬い。
午後から引き続き、布団の片付け、ビニールハウス側面のビニール張り、トラクターでの肥料撒き手伝いをした。肥料を撒く時は、トラクターの後ろにつけたでかいバケツのような容器に米糠などを入れて、走りながらシャカシャカ散布するのだけれど、それがバケツの中でよく詰まる。自分は1mくらいの棒を持ってトラクターの後を歩き、バケツが詰まると中にその棒を突っ込んでグリグリと回すのだ。
夕方、布団かけ。ビニールハウスの戸を閉めて作業終了。夜、部屋でうたた寝していたら親父から電話があった。先日送ったコップが届いたのだという。「オレンジの方がいい」と言うので、「どっちでもいいよ」と言った。そして、会話は次第に犬の話へ。
「犬が大変だよー、亀ちゃん亀ちゃんでよ」
「えっ、何?どうしたの?」
「んー?里詞の亀、りんたろうっつーのか?」
「うん」
「この前いなくなった時にお父さんが散歩の帰りに犬連れてよ、芝桜の中で見つけたんだよ」
「うん」
「その時にクマ(犬の名前)をすげぇ誉めたんだよ」
「うん」
「したらよ、それから散歩から帰ってくると、亀んとこ行ってくわえて持ってくるんだよ」
「ブハハハハハハハハハハハハハハ」
「いいっつってんのにさ、散歩から帰ってくると亀のとこ行ってくわえてくるのな」
「ヒィーヒッ、クックックックッ、ブハハハハハハ」「全くよ、よっぽど嬉しかったんだろうな。すげぇ誉めたんだよ」
だって。あー、おもろかった。帰ったら、クマを抱きしめてやりたい。クマという名前の由来だってふざけていて、クマは元々、クロという名前だった。ペットショップで半年くらい店番してた犬だから人間みたいな犬で、優しいトリマーが好きだったんだろう、人間も女性にばっか寄っていく。黒かったから親父がクロと名付けたんだけど、半年くらいして「立ち上がった姿が熊に似てる」ということでクマに改名したんだ。犬の名前を改名したなんて話は聞いたことがない。
電話を切ってからもしばらく笑って、読書。あーおもろ。

天候
晴れ
気温
朝15℃ 昼20℃ 夕16℃
歩数
計測なし
出費
なし
食事
朝・・パン、ピンクグレープフルーツ、バナナ、行者にんにくのお浸し、牛乳、コーヒー
昼・・ご飯、味噌汁、焼き魚(カレイ)、焼肉、とろろ、かぶの漬物、梅干し、アスパラガス、ほうじ茶
夕・・ご飯、ザンギ(鶏唐揚げ)、ベーコンと行者にんにくの玉子とじ、塩辛、シラスとクルミの佃煮、キャベツ、ふりかけ、ほうじ茶
晩酌・・缶ビール×3、ポップコーン
休憩時・・アイス、せんべい、ポップコーン、バームクーヘン、麦茶、飴

37日目 仁木バイト22日目

20070513173816
6時半起床。布団はずしをして朝食、8時から仕事。今日から中国研修生の女の子二人が加わった。一人は7歳の子のお母さんだという。
中国には戸籍が2種類あるそうだ。都市戸籍、農村戸籍と呼ばれ、農村戸籍の人は上海などの都市で長期間働き続けることが認められていないそうだ。まさに格差社会。今回、この仁木に研修に来たのは総勢67名で、皆それぞれ一人か二人ずつに分かれ町中の農家に散らばったようだが、全員が農村戸籍なのだという。中国ではこの研修の希望者が多くて、抽選だか順番待ちなんだとか。簡単な日本語を勉強してからこちらに来るようだが、まだ会話が出来るほどではない。休憩中に辞書を開いたりして二人で何事か話しているのだが、時々聞かれたくないことがあるのだろう、声のボリュームを落としてヒソヒソ喋る。しかし、大声だろうと小声だろうと自分には彼女達が何を話しているのかさっぱり分からない。彼女達が日本語が出来ないように、自分も中国語が出来ないのだ。
午前中、おやじさんに言われ、向かいのぶどう農家へビニールハウスのビニールかけを手伝いに行った。ここの家の夫婦は埼玉から移住してきたらしく、埼玉話で少し盛り上がった。埼玉の人間って、何故か全国各所に散らばっている。
その後、家に戻って布団の片付け。布団は一棟分だけ残して、あとは全て片付けた。夕方、その一棟分の布団かけ。
部屋の外、休憩に使っているテーブルで夕食を頂いていたら、猫が兄弟喧嘩をしている。昼休みの時からやっていたから何時間やってんだろう。オチョンがこっそりニャオンの背後から近寄っては襲いかかったり、互いの顔を猫パンチで引っ掻き、背中を咬み、もみ合いになっては遠くに離れ相手をじっと観察している。そしてまたゆっくりと、小走りになって寄っていく。面白いから、それを眺めながら飯を食べた。
部屋で読書をしていたら、眠くなったので眠。早い。まだ19時半であった。

天候
晴れ
気温
朝15℃ 昼18℃ 夕15℃
歩数
計測なし
出費
なし
食事
朝・・ご飯、味噌汁、ザンギ、ベーコンと行者にんにくの玉子とじ、かぶの漬物、パイナップル、ふりかけ、ほうじ茶
昼・・ご飯、そば(冷)、焼き魚(サバ)、サバ煮、ウドの茹でたもの、菜っぱのお新香、ほうれん草のゴマ和え、ほうじ茶
夕・・炊き込みご飯、掻玉、ウインナー、塩辛、ポテトサラダ、チーズ、フルーツ杏仁、ほうじ茶
晩酌・・缶ビール、スナック菓子
休憩時・・飴、アイス、チョコ菓子、せんべい、バームクーヘン、ソフトキャンディー、コーヒー、麦茶

38日目 仁木バイト23日目

20070514061524
6時起床。7時朝食。8時より仕事開始。布団はずしはなかった。1棟だけだったから、自分を呼ばずにおやじさんが一人でやってくれたのかもしれない。
本日の仕事内容はビニールハウス内の針金を調整する作業。この針金はビニールハウス内の鉄パイプにくくりつけられて畝の上、自分の目線程の高さを畝と同じように走っている。1畝には交互に2列の苗が植えられていて、苗1列に対して針金が1本ずつ通っている。それがちょうどその苗の真上にくるように微妙な調整をする作業だ。この針金はトマトの苗が生長してきた時に、苗が寝てしまわないよう紐でしばって吊しておく為のもので、最初に苗を植えたハウスではもう、その吊し作業がパートさんの手で始まっている。今回、針金を調整したのは2棟だけだったのだが、この2棟は冬の間に雪の影響で元の位置からズレてしまったんだそうだ。と言っても、この2棟を終らすのに今日一日かかった。針金をとめる紐をほどいたりしばったりの細かな作業で案外手間取ってしまったのだ。
昼休み、いつも弁当持参のパートさんが今日は休みで、自分は研修生二人と休憩所にて昼食を食べた。彼女達の食べている弁当を覗くと、米とおかずが少ししかなかったので自分はふりかけを勧めた。(自分のものではなく、奥さんが持ってきてくれたものだが)
「はい、ふりかけ。かけるとおいしいよ」
と差し出したそれを、彼女達は手を横に振って拒んだ。しかし、ただ拒むのも悪いと思ったのか一人がそのふりかけの袋を見て言った。
「ご、ま、し、お?」
「そうそう、ごましおごましお。ゴマと塩よ」と返したのだが、もう聞いてなかったのが少し寂しい。
夜、「今日は母の日スペシャル」と言って、奥さんが夕食を持ってきてくれた。スペシャルなものを用意しなければいけないのは自分の方なのに、と思いながらも腹いっぱいに頂いた。後、読書して眠。

天候

気温
朝14℃ 昼16℃ 夕14℃
歩数
計測なし
出費
風呂代・・400円
缶ビール(のどごし生)×6・・650円
スナック菓子×2・・480円
チョコレート・・428円
計1958円
累計91473円
食事
朝・・ご飯、味噌汁、目玉焼き、ナスとベーコンと行者にんにくの炒めもの、アスパラガス、シラスとくるみの佃煮、杏仁フルーツ、ふりかけ(ごましおを置いていってくれた)、ほうじ茶
昼・・カレーライス、いなりそば(油揚げの中に飯ではなく蕎麦が入っていた)、お新香(きゅうり、かぶ、キャベツ)、らっきょう、ほうじ茶
夕・・北海ちらし寿司、味噌汁(あさり♪)、オレンジ、お新香(きゅうり、かぶ)、ビール(黒ラベル〓)
晩酌・・缶ビール
休憩時・・飴、チョコ菓子、せんべい、饅頭、コーヒー、お茶

39日目 仁木バイト24日目

20070515075336
6時起床。7時朝食。であったが、なんとしたことか、研修生二人が自分が朝食を食べるよりも早くやって来た。すごいやる気だ。研修生は近くの寮で生活しているらしく、奥さんから借りた自転車で通勤している。自分はと言うと、6時に起きてから読書をしつつ、おやじさんが呼びに来ればそのまま布団はずしに出るのだけど、今日もおやじさんが来なかったので昨日買ったチョコを食べながら読書していたら、そのチョコを食べ過ぎてしまい、朝食を食べた後胃が痛くなってきてしまった。
8時から仕事で、午前中はポットの土入れ。午後はビニールハウスの骨組み。草刈りもちょっとした。この家にはかっちょいい草刈り機があって、あの、なんてんだろう?ビルクリーニングの時に業者が清掃かワックスがけで使う手押しの機械に似ている。まあ、でも、何事にもちゃんと上には上がいるもので、隣の家のおっちゃんはプロ野球でリリーフがマウンドにあがって来るときに乗っている車のような草刈り機を持っている。たいした草もないのに毎日運転しているので、夏場になるとあのエンジン音が腹立たしいのだと奥さんが言っていた。
15時休みの時、先日向かいの家でビニールかけを手伝った際の謝礼を頂いた。わざわざそこの家の奥さんが持ってきてくれたのだった。
夜、夕食にいちごワインを頂いた。よくは分からないが、娘さんの手作りで母の日プレゼントに貰ったものなんだとか。すごく上手に出来ていておいしかった。麻雀がしたいなーと考えていたのだけど、おやじさんと奥さんに言い出すタイミングを失ってしまい読書。20時半眠。

天候
曇り時々雨
気温
朝15℃ 昼16℃ 夕17℃
歩数
計測なし
出費
なし
食事
朝・・ご飯、味噌汁、玉子焼き、ウインナー、明太子、きゅうりとキャベツの浅漬け、ふりかけ、ほうじ茶
昼・・ご飯、クリームシチュー、玉子焼き、ウインナー、ほうれん草のお浸し、ウドの茹でたもの、シラスとくるみの佃煮、お新香(きゅうり、かぶ、キャベツ)、ヨーグルト、ふりかけ、ほうじ茶
夕・・ご飯、玉子スープ、焼き魚(コマイ)、塩辛、ウドの酢味噌和え、バナナケーキ、いちごワイン、玄米茶
晩酌・・缶ビール×2、チョコ
休憩時・・アイス、せんべい、パウンドケーキ、チョコ菓子、和菓子、飴、チョコ、麦茶、緑茶

40日目 仁木バイト25日目

20070516125714
6時起床。6時50分朝食。8時より仕事。研修生の二人は昨日よりさらに早く来た。
今日は一日のほとんど畝たてをした。今までで一番でかいビニールハウス、直線で100mの畝が9つ、50mの畝が9つある。そこをビーッと機械でマルチ張りするんだけど、途中でよく曲がるんだな。本当は曲がっちゃいけないんだ。
昼休み、パートのおばちゃんが本を貸してくれた。面白いから、と言って持ってきてくれたのだけど、どういう本かと言うと耕うん機で日本を縦断した旅人の話である。著者はシェルパ斉藤という人で著者本人が旅人でもある。この人の本は自分が旅に出る前に兄貴にも見せてもらった。自分はそれを見て、旅に三脚が必要だということに気づいたのだ。これから旅(旅行も含め)をする人は、カメラを持っていくなら三脚も持った方がいい。自分(達)を撮ってくれる人が常にそばにいるわけではないし、買いに行って初めて知ったのだが三脚は意外とコンパクトで安価なものが売っている。本はまだ読み始めだが、読みやすくて面白い。
夕方、「今日こそは」とおやじさんに麻雀の誘いをしてみたら、快く了解してくれた。夜、母屋で密かに麻雀大会。墓場で運動会。それは鬼太郎だが、そうそう、自分は最近鬼太郎のようになってきた。前髪がやたらと長い。メンツはおやじさんとおばあちゃんとおじいちゃんと自分。先に言っておくけれど、北海道のお年寄りは皆麻雀が出来る。そして強い。何故かというと、冬の間豪雪で家にずっと居るから。自分は前回、このおばあちゃんにコテンパンにやっつけられて悔しい思いをした。80歳を過ぎているらしいのだけどカクシャクとしていて、まるで森光子のような人である。今回は負けらんない。
東場1局、自分の親から始まった試合はしょっぱなに自分がおやじさんからロンあがりして順調な滑り出しを見せた。
東場3局、おばあちゃんの親が続いていた。リャンシになった闘いは熾烈をきわめ、この時点で自分の残点は1200点である。一体どんな手を作っていて、何順目のことだったのだろう。自分が捨てた白で下家のおやじさんがロンした。チートイに振り込んだのであった。東3局で自分はハコった。
うぬぬぬぬ、と唸りながら自分は卓の上に突っ伏したが、時間的にもう一半荘出来るということでまた新たな闘いが始まった。今度のメンツはおばあちゃん、おじいちゃん、自分、それに奥さんである。
北場4局オーラスまで進んだ試合は、やった、自分は万歳したさ。おばあちゃんに直撃も食らわせて一人勝ちを収めた。これで心残りがなくなった。
部屋に戻り、おやじさんにもらった焼酎を飲みながらみーん。あみーん。

天候
晴れ
気温
朝15℃ 昼21℃ 夕18℃
歩数
計測なし
出費
なし
食事
朝・・ご飯、味噌汁、玉子焼き、ウインナー、水菜とベーコンの炒めもの、シラスとくるみの佃煮、ヨーグルト、ほうじ茶
昼・・ご飯、味噌汁、焼き魚(サバ)、行者にんにくのお浸し、ふりかけ、ほうじ茶
夕・・ご飯、豚の角煮、チンゲンサイの炒めもの、明太子、きゃうりの浅漬け、ほうじ茶、(もう一品、おかずに創作料理。挽き肉と水菜を混ぜたスクランブルエッグの上にポテトを敷きつめ、さらにその上にとろけるチーズ&マヨネーズ。生地なしのピザのよう)
晩酌(麻雀中)・・缶ビール×2、クッキー、チョコ菓子、ゼリー菓子
休憩時・・飴、チョコ、せんべい、クッキー、チョコ菓子、麦茶、寝酒(焼酎)
※今まで「ウドの茹でたもの」と書いていたのは、「ふきの茹でもの」の間違いでした。お詫びして訂正致します。

41日目 仁木バイト26日目

20070517075936
5月16日、6時40分起床。朝食。8時より、本日はリブラントチューブの調整及びビニールハウス側面のビニール張り、新たなミニビニールハウスの作製。トマト以外に坊っちゃんカボチャなるミニカボチャも栽培するらしく、ミニビニールハウスはその坊っちゃんカボチャ用のもの。先日自分が作ったポットに、今日パートさんが種を植えていた。
昨日の麻雀で運を使ってしまったのか、今日の自分は失敗続きだった。水をかぶり、ビニールを突き破って、アルミパイプに顎をはたかれ、泥が目に入った。頭にきてパイプをグーで殴ったのだけどパイプが謝ってくれるでなし、後半なんかRCサクセションの「いい事ばかりはありゃしない」を歌いながら仕事をしていた。いつもと変わらぬ車の運転をしていても警察に捕まる時は捕まる。自分など1日に2回、JRにキセルで捕まったことがある。あの日は最悪だった。徹夜明けのバイトが終わって、いつも通りに家へ帰ろうとしたら汽車の中で寝てしまってね。・・あの日は長かった。忌野清志郎は元気だろうか?早く復活してくれればいいな。
庭に大きなクルミの木があって、たくさんクルミがなるという。カゴいっぱいにクルミを入れて「いつでも食べなさい」と奥さんがテーブルの上に置いてくれた。また、今日の夕食にタコ刺しが出た。以前、自分が「タコが好物で、ここに来るまで海岸はどこもタコの誘惑で大変でした」と奥さんに話したことがあったので、それを覚えていてくれたのだ。最上級のミズダコであった。
夜、友達に電話。大阪に住む友達で、自分が旅に出る前から「もう少ししたら結婚するかもしれない」と言っていたので、日取りは決まったのか確認してみたのだ。すると、まだ決まってないと言う。「それなら俺たぶん冬の間なら出席出来るから、12月か、来年の1月、2月で組んでくれよ。友人代表挨拶考えておくから」と言ったら、「バカか君は」と一蹴された。その期待通りのツッコミに満足して電話を切った。後、読書。そして、「東京タワー」を読み終えた。
この小説のラストでは鳴咽してしまった。これほど丁寧に紡がれた家族の話が、親子の話が他にあるだろうか?あなたも、自分も、人の一生とは全てきっとどんなドラマよりもドラマチックなんだろう。

天候
晴れ
気温
朝15℃ 昼22℃ 夕18℃
歩数
計測なし
出費
風呂代・・400円
計400円
累計91873円
食事
朝・・ご飯、味噌汁、玉子焼き、ウインナー、チーズ、キャベツ、きゅうりとカブの浅漬け、ふりかけ、ほうじ茶
昼・・親子丼、玉子スープ、大根ツナサラダ、きゅうりとカブの浅漬け、ほうじ茶
夕・・ご飯、タコ刺し!!!、つま大根、野菜と鶏肉の玉子とじ、魚と野菜の酢の物、ほうじ茶、発泡酒
晩酌・・缶ビール
休憩時・・アイス、飴、チョコ、チョコ菓子、せんべい、麦茶

42日目 仁木バイト27日目

20070518225303
17日、6時40分起床。朝食。8時よりビニールハウス建て、米糠を撒く作業。苗が植わったビニールハウスの畝と畝の間、普段は通路になっているところに米糠を撒いた。何故、こんなところに米糠を撒くのか気になっておやじさんに聞いてみたところ、病気を防ぐためだという。なんでも、米糠を撒くことによって微生物の働きが生まれ、苗が病気にかかりにくくなるんだとか。その病気の発生源が土でもあるらしく、だから通路に撒くそうだ。そういえば、この前も「何故、ビニールハウスの中で栽培するんですか?」と聞いた。と言うのは、ビニールハウスがなくてもトマトは育ちそうだったから聞いたんだけど、そうしたらおやじさんは「雨に当てないためだよ」と言った。この答えは意外だったな。自分は雨に当たって野菜は育つというイメージがあったから、「何故、雨に当たっちゃいけないんですか?」と重ね重ね聞いてみた。まるで、どして坊やみたいだけどおやじさんは答えてくれたさ。
「雨に当たると病気になるんだよ。雑菌が入ってるからね」
これも意外だったなぁ。雨が病気の発生源になりうるとは知らなんだ。スーパーで売ってる野菜というのはこうやって一つ一つ手をかけられているんだ、と思い知った。四角いバケツに紐をつけて首からぶら下げ、距離にして1.5kmくらい米糠を撒いてまわった。初めは力士が塩を撒くように米糠を撒いたが、そのうち自宅前に打ち水をする老人のようになった。そういう作業なんだ。
昨日、おやじさんに「仕事を19日までと考えているんですけど・・」と話をしたら、21日で丁度1ヶ月になるから21日までということになった。実は19日にプレハブの中に特設会場を作って、陽水さんがライブをしてくれることになっている。酒と食事をとりながらのコンサートと聞き、とても楽しみでその日まではお世話になろうと考えていたのだ。
しかし、それにしてもこの1ヶ月間、自分はおやじさんと奥さんに本当にかわいがってもらった。色々と気にかけてもらい、必要なものは持ってきてくれた。流しのタオルはこまめに替えてくれていつもきれいだったし、作業着は汚れると洗濯してくれた。そして、いつの間に生けたのだろう。自分が食事をとるテーブルの上には色鮮やかな花々が飾られている。花を見ていると心が豊かになる気がする。自分もこうやって花を飾れる人になりたい。そういう余裕と優しさを心に持ちたい。
夕食にまたタコ刺しを出してくれた。食後、発泡酒を飲みながら読書をしていてそのまま眠。レムとノンレムの交錯。

天候
雨(時々曇り)
気温
朝17℃ 昼18℃ 夕18℃
歩数
計測なし
出費
なし
食事
朝・・ご飯、味噌汁、目玉焼き、ウインナー、キャベツ、明太子、たくあん、水菜のお浸し、生トマトジュース、ほうじ茶
昼・・チャーハン、焼き魚(カレイ)、じゃがいも、行者にんにくのお浸し、たくあん、梅干し、ほうじ茶
夕・・ご飯、タコ刺し、つま大根、野菜スープ、たくあん、発泡酒
晩酌・・缶ビール、ポテトチップス
休憩時・・飴、チョコ、アイス、チョコ菓子、せんべい、バナナ、キャラメル、麦茶

猫は知っている


猫は知っている
僕がもうすぐいなくなってしまうことを
影が斜めにこぼれる部屋に
窓から外を眺めては
時折ハエを目で追うような仕草をして

猫は知っている
だからもう
僕に決して寄りつかないのだ
いつものように
キャットフードをかじっても
いつものように
僕にはもう甘えてこない

猫は知っている
見送るものの寂しさを
去ってゆくものの勝手を
「自由に希望に満ち溢れ
自由にそこを出ていって
置いていかれたのはこの私」

猫は知っている
信用と信頼に
大きな隔たりがあることを
動くものに期待はしない
信じているのはこの家と
窓から見えるこの景色だけ

猫は知っている
そんなそぶり
僕には決して見せないが

‘07.5.17

43日目 仁木バイト28日目

20070519080254
18日、6時50分起床。朝食。8時よりビニールハウス内の針金の調整、苗を吊す紐の準備。この紐は、よく荷物を梱包する時に使うような玉になったビニール紐だが、吊し用にこれを切り揃える作業だ。2本の鉄パイプを地面にぶっ刺して、一方に紐を結び、そこからパイプを両極端にしてぐるぐると回す。輪になった紐が幾重にもなる。ある程度回したら、最初に紐を結んだ鉄パイプの側で紐を全て切る。すると、長さの揃った紐が一気に出来るという寸法だ。今日は一日雨が降っていて、ずっとビニールハウス内での仕事だった。
夕方、おやじさんと奥さんと3人でスーパーへ向かった。自分がカートを押して、奥さんが品物を選んで、おやじさんは車の中で待っていた。なんだか本当の家族のようで、自分はつい実家の母と間違え「これも食いてえなぁ」とカゴにマンゴープリンを入れてしまいそうになったが、慌てて思い直した。思えば、おかんとこうして買い物に行きカートを押してあげた最後はいつだったろう。成人してからあっただろうか。あったかな。小さい頃はよく、お菓子売り場の前に座りこんで駄々をこね泣いていたのを覚えている。あれは嘘泣きであった。おかんも慣れたもので知らんぷりをして買い物を終えレジへと進んでいく。自分が慌ててそれを探して追っかけて、カゴの中にお菓子を捻じこめれば任務完了である。少しでも遅れると、おかんはもうレジを終えてビニール袋に買ったものを詰めているのだった。
カートを押しながら奥さんの後をついて回り、明日のコンサートのための買い出しをした。ピザを作るのだという。ビールもたくさん買い込んだ。レジを終え、重い荷物を持ってあげたら、奥さんは「楽チン楽チン♪」と言って喜んだ。嬉しいという字は、女が喜ぶと書く。恋人であれ、見知らぬ年寄りのおばあちゃんであれ、こういうことで喜んでもらえるなら自分は男として嬉しい。帰宅後、夕食。眠。
自分は中学の頃から詩が好きでよく書いている。旅を始めた当初は何故か全く書けなくなったのだが、最近は余裕が出てきたのか自然と書けるようになってきた。それらの詩を気まぐれでブログに更新していこうと思う。

天候

気温
朝15℃ 昼19℃ 夜16℃
歩数
計測なし
出費
なし
食事
朝・・ご飯、味噌汁、玉子焼き、ウインナー、魚と野菜の酢の物、ほうれん草のお浸し、たくあん、ほうじ茶、発泡酒(昨夜の飲みかけ)
昼・・ご飯、とろろそば、焼肉、アスパラガス、玉ねぎとニンジンのサラダ、たくあん、梅干し、ほうじ茶
夕・・ご飯、玉子スープ、ハンバーグ、キャベツ、ピーマン、かにかまツナサラダ、たくあん、ほうじ茶
休憩時・・チョコ菓子、クリームサンドケーキ、せんべい、キャラメル、飴、ポテトチップス、麦茶

44日目 仁木バイト29日目

20070521232140
書き忘れてしまったが、昨日の写真は自分が庭で拾ったクルミの種。昨日の朝、見つけておやじさんに見せると「こりゃ面白い」と言っていた。砂利の上に落ちていたのに芽が出ていて、ちょっとマニアックな話になるが聖剣伝説の「マナの木」を思い出した。そして、それを今日の朝ポットに植えた。おやじさんと奥さんと話をして、これが成長したらかつてここに阿呆な旅人がやってきた記念樹にしようと目論んだのである。ところが・・。
6時起床。7時半朝食。8時より仕事。今日は16時から陽水さんのコンサートがあるし、また雨も降っているから昼まで仕事をしてあがろうということになり、まず9畝に苗移植用の穴開け。引き続き、昨日途中だった吊し紐の準備をした。
10時休憩の時、自分を呼びにきた奥さんがプレハブの所で言った。
「あれー、高沢くんクルミなくなっちゃってるよ」
見てみると、確かにない。朝、自分がプレハブ前に置いておいたポットからクルミだけが忽然と消えていた。
「きっとカラスだわ」
と奥さんは続けた。どうやら、カラスがポットに植えてあったクルミをめざとく見つけ、くわえていったようである。この辺りでは、庭にあるクルミの木やプレハブ内のお菓子を狙ってカラスが数羽飛んで来る。以前もプレハブの中に置いてあった柏餅を食べられたらしい。自分は激しい憤りを覚え、カラスを呪った。とっつかまえて首を締め、カァと鳴いた口に爆竹を投げ込みたい衝動に駆られた。奥さんとおやじさんは「カラスに恨まれると怖いよ」と言っていたが、なんの、人間の恨みの方が怖いのだとカラスに教えてあげなければいけない。そう思ったものの、そのイタズラをしたカラスがどいつなのか分からない。対峙するカラスと自分。
しかし、次第に自分の心の中に余裕が生まれてきた。カラスと共存の道を歩もうとする気持ちが芽生えてきたのだ。それはこんなものだった。
自分が危険な目にあう→カラスが騒ぎ出す→鬼太郎が助けに来てくれる
これである。自分はカラスにクルミをあげた、これにより自分はカラスに一つ貸しをつくったのだ。カラスはこれをいつか返してくれるだろう。そうして自分はカラスを許して、かわりにテーブルの上にあったクルミを5個、新たにポットに植え直したのである。芽が出るかは分からない。
夜、陽水さんのコンサート。奥さんのリクエストでマイペースの「東京」という歌から始まり、様々な歌手の有名な曲を何十曲もやってくれた。自分もおやじさんと一緒にステージに上がり、吉田拓郎の「落陽」やアリスの「チャンピオン」を歌った。20人程集まったその会場で皆が自分の旅を応援してくれた。後、またスナック「修子」へ。ここで虎舞竜の「ロード」とベン・E・キングの「スタンドバイミー」を歌唱。終いに春日八郎の「お富さん」を熱唱して帰りしな、ラーメンを食べて酔っ払って帰宅。帰りのハイヤーの中で陽水さんが「何年かかってもいいから日本一周しろよな。俺は挫折しちゃったけど」と言った。自分は「はい」と返事した。自分は陽水さんが好きだ。かつてプロのミュージシャンを目指し挫折したと本人は言っているが、挫折しているようには思えない。ギターそのものを投げ出してしまえばそれは間違いなく挫折だけど、陽水さんは今でもギターを持ってこうやって人前で演奏するのだ。世の中には人のそういう姿を笑う人もいるが、そういう人はかつて同じ
ような夢を挫折した人だったりする。家に着き、部屋に帰ってバッタンQ太郎。

天候

気温
朝15℃ 昼14℃ 夕(忘)
歩数
計測なし
出費
なし
食事
朝・・ご飯、味噌汁、筑前煮、ウインナー、アスパラガス、菜っぱの漬物、シラスとくるみの佃煮、納豆、ほうじ茶
昼・・親子丼、お雑煮、きゅうりの浅漬け、ほうじ茶
夕・・宴会食、ビール、ワイン、修子にてお通し、焼酎水割り、ラーメン屋にてラーメン、ビール
休憩時・・せんべい、カステラ、コーヒー

45日目 仁木バイト30日目

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早朝、目覚めるといきなりメリーゴーラウンド。もしくはミラーハウス。二日酔いレベル4で、水をのんで横になったら吐き出した。外まで間に合わず、部屋のドアを開けたところでやった。気持ちいいくらい出た。様子を見に来たおやじさんが「今日は仕事休みだから寝てていいよ」と言ってくれ、助かったと思い二度寝。
昼に起きた時はだいぶ回復していた。おやじさんは「仕事休みだから」と言っていたが、もしかしたら自分の体調を考慮して休みにしてくれたのかもしれない。そう思い、外に出ると晴天。ますますその思いは強くなり、申し訳ない気分になってきた。最近、雨続きだったのだが今日は晴れて苗移植日和だったのだ。パートさんと研修生もお休みにしたらしい。
昼、おにぎりとシャーピンという中国の料理を頂いた。シャーピンは韓国のチヂミのような料理で、中国研修生の子が午前中に作ってわざわざ自分の分まで持ってきてくれたらしい。胃が回復していなかった自分はこれが食べられなかったが、昼から仕事を始めて15時休憩の時に頂いた。餃子に似た味がした。
朝からニャオンの姿が見えないらしい。自分は昼起きだったので気付かなかったが、そう言われて辺りを見回すと確かにオチョンがポツンとしているだけであった。一体、ニャオンはどこへ行ってしまったのだろう。夕飯の時間になってもニャオンは帰ってこなかった。奥さんが名前を呼ぶ声が寂しく響く。こんなことは初めてなんだと言う。
それから少しして、ニャオンは帰ってきた。ニャーニャー鳴いて、あれは飯を催促してたんだろうか、それとも謝ってたんだろうか、奥さんがあげた缶詰にがっついていた。それを見ていたら、なんだかニャオンと自分が重なって見えた。
夜、おやじさんがプレハブにやって来た。一緒に飲もうと言う。自分は一も二もなくこれに飛び付き、そしておやじさんと話をした。部屋に戻ると、友達から電話。別の友達が結婚するのだという。その結婚する両人とも大学時代のサークル仲間であり、「結婚式に来ないか君にも聞いてくれと頼まれた」というのだ。「ちょっと考えさせてくれ」と答え、電話を切って眠。

天候
晴れ
気温
朝(忘) 昼18℃ 夕13℃
歩数
計測なし
出費
なし
食事
朝・・なし
昼・・おにぎり、シャーピン、スポーツドリンク
夕・・ご飯、味噌汁、ベーコンと行者にんにくの玉子とじ、冷や奴、カクテキ、梅干し、みかんゼリー、シフォンケーキ、ほうじ茶
晩酌・・缶ビール、ポテトチップス
休憩時・・アイス、シャーピン、スポーツドリンク

46日目 仁木バイト最終日

20070522125336
「純」とはなんだろう。ある人は「汚れを知らないことだ」と言う。自分は違うと思う。そうではないと思う。汚れを知らないことではなく、汚れや自己嫌悪の中でもがき苦しみ、それでも尚健気に生きようとする気持ちを純というのだと思う。例えば子供の頃、青い目の少女も黒い顔の少年もみんな仲良く手を繋げた、これを純というのではなく、大人になって国際社会を知り、法律を知り、自分の立場、相手の立場、世間を知って尚、それらを振り払う強い力でその手を握れた時、その時の気持ちを純というのだと思う。
21日、6時40分起床。朝食。7時半より苗移植。今日は植えたよ。パートさん、研修生、隣の家のおばあちゃん、みんなで植えて午前中で50m畝18本植えた。自分は畝の穴開けと苗運搬をした。午後からはビニール張りやハウス内針金の調整作業。
昼休み、パートさんに「これ、よかったら旅の途中で食べて」とカロリーメイトを頂いた。助かりますと言って、ありがたく頂いた。また、中国研修生の子がプレゼントと言って包装紙で包んだ小さな箱をくれた。「謝謝(シェイシェイ)」とお礼を言うと小さく笑った。奥さんは、自分に「ウナギは食べられる?」と聞く。「はい」と答えると奥さんは「おじいちゃんがね、高沢くん頑張ったから、ウナギでも食べさせてやれってお金くれたのさ」と言った。様々な人に世話になり、迷惑をかけ、それでもまだ自分を応援してくれることに感無量だったが、一つ気にかかることがあった。というのは、中国研修生の子からもらった小箱である。「何故?別に普通じゃない」と思うかもしれないが、彼女達は明日自分がいなくなることを知らないはずだ。それよか自分が旅人であることもよく理解していないだろう。15時休憩の時に「明日出発するんだよ」という話をして理解したようだった。もしかしたら、このプレゼントは自分に好意を持って渡してくれた物かもしれない。せっかくそうやっ
て仲良くなり始めたところなのに、明日急にいなくなってしまう。そう考えると、なんだか自分の方が切なくなってきた。箱の中身は携帯ストラップだった。自分は携帯電話を取り出して、今まで着けていたストラップをはずして早速これを着けてみた。
夜、自分のうっかりミスで銭湯が休みだったため、母屋にてお風呂を借りて、その後給料を清算した。この1ヶ月で16万強と、それに餞別までくれた。毎日三食、食事から寝床の世話までしてもらってこれはもらい過ぎだが、「これはもらい過ぎですよ」と言えない自分が情けない。でも、誓う。自分はこのお金で沖縄まで行く。旅の間、酒もギャンブルもやめるつもりはないが、ここで稼いだ資金で折り返し地点まで行ってみせる。清算後、お礼を言って乾杯。地図を見ながらこれからのルートの話をした。(ちなみに現時点での予定は秋に沖縄を回り、北九州で越冬)おばあちゃんにキビダンゴを頂いて、部屋に戻り明日の準備。まとまらない荷物。明日の朝8時、ここを発つ予定。

天候
晴れのち曇り、雨
気温
朝15℃ 昼23℃ 夕18℃
歩数
計測なし
出費
なし
食事
朝・・ご飯、味噌汁、サラミ、アスパラガス、シラスとくるみの佃煮、シラス大根、納豆、パイナップル、ほうじ茶
昼・・ご飯、野菜炒め、アスパラガスの天ぷら、焼き魚(ホッケ)、カクテキ、梅干し、ほうじ茶
夕・・うな重、味噌汁、行者にんにくのお浸し、たくあん、いちご、缶ビール
晩酌・・缶ビール×2、カルパス、クッキー
休憩時・・アイス、せんべい、カステラ、麦茶

47日目 仁木~積丹町婦美

20070523075800
6時起床。6時40分、豪華な朝食。お盆に乗り切らないほどのおかず、デザートを持ってきてくれ、ビニール袋を渡された。中身はおにぎり10個。約束通りに奥さんは出発の朝、食べきらないほどのおにぎりを持たせてくれたのだ。
7時10分、奥さんがコーヒーを持ってやってきた。今日は天気は良いのだけれど風が強くって、「宮沢賢治にこんな話があったわよね。あっそうそう、風の又三郎!高沢くん、それみたいね」と奥さんは笑った。おやじさんは、ワラを一本持ってきてくれた。これでわらしべ長者を目指して綺麗な嫁さんを見つけてまた来るんだぞ、と言った。
そして、8時。パートさんや研修生、おじいちゃんおばあちゃん、おやじさん奥さん、ニャオン、みんなで並んで記念写真を撮って(オチョンは出かけていた)、そしてみんなに見送ってもらった。遠くの曲がり角を曲がるまで奥さんの手を振る姿が見えた。
歩き出してすぐ、近くのサクランボ畑からこちらに走ってくる人がある。奥さんの親友のおばちゃんであった。自分は一体ここで何人の人と知り合い、何人の人に背中を押してもらったのだろう。そのおばちゃんは自分と少し話すと「そこであなたの旅の無事をお願いしておくから」と言い、近くの神様でゲンを担いでくれた。
国道5号線を30分くらい歩いて余市駅に到着。自分はここで「そういえば万歩計がない」ということに気づいた。駅のベンチで荷物を引っくり返して調べたのだけど、やはりなかった。どうやらなくしてしまったらしい。仕方なく新しいものを買うことにして、駅前にいたタクシーの運ちゃんに万歩計が売ってそうな店を聞いた。その店が分かったのはいいのだけど、話の成り行き上、タクシーに乗ることになってしまった。どうやら、線路をはさんですぐ裏のホームセンターに置いてあるらしい。初乗り料金でそこに到着して、様子を見ると開店までまだ15分ある。「ここで15分待ってみますわ」と運ちゃんに言って、金を払おうとリュックのポケットを開いたら、そこから万歩計がポロッと落ちてきた。グワシッと自分は叫んで、5分後また駅のベンチに座っていた。タクシーの往復料金610円が自分の凡ミスで泡である。自分は自分のこういうおっちょこちょいなところが嫌いだ。
気持ちを入れ替え、万歩計をセットして歩き出す。この1ヶ月で足は完調である。行きがけにお世話になった余市のハローワークに寄ったが、1ヶ月前に担当してくれた人はいなかった。国道229号線を積丹(しゃこたん)方面へ。この1ヶ月間、食べまくって少し体が重い気がする。しかしこれは長期間の食い溜めといった感じ。で、ある時ハッと気づいたら手にワラがない。どこかに落としてしまったんだろうか。ベンチ?タクシー?途中で休んだ地べた?リュックからカメラを取り出した時?さっぱり分からない。あたー、どうしようかなと思ったが、自分はワラ以外にもおやじさんからもらってきたものがあるのを思い出した。クルミである。どちらかと言うと、わらしべ長者よりクルミ長者の方が現実的だ。自分はこれからクルミを求める人を探すことにする。それにしても気持ちのいい晴天。昼、奥さんにもらったおにぎりを食べながら地面を見ていたら、アリが一生懸命働いていた。仲間を運んでいるようである。負傷したんだろうか。
また一人になってしまった。けれど、それほど寂しさはない。自分はとことん風来坊なんだなと思った。いつの間にやら道路にはバイカーも増えている。北海道も完全に春である。しかし、ここら辺のトンネルはおっかないね。今日は何度トラックに追われ走ったことか。歩道が全くないのだ。映画「スタンド・バイ・ミー」で主人公の少年達が機関車に追われて橋を走るシーンがあるが、あんな感じである。友達から電話があり、結婚式の出欠の返事を求められた。日時が7月末であり、会場は北海道である。自分の想定ではその頃石川県辺りにいる予定だ。「出たいけど、フェリーターミナルがうまい具合いにあるか分からんし、金もなぁ・・。迷うなぁ。」と言葉を濁していると、なんだか出席する方向で話がまとまっていた。
風が吹くと海にサァーッと小さな波が立ち、風紋が出来る。それがキレイだ。積丹町からは山道。登板車線が続く坂道を越えて、少し行ったところで自分はキツネを見た。写真を撮ろうとしたら逃げられてしまったけど。そこからさらに少し行った婦美(ふみ)という所でバス停を発見しサザエさん。久しぶりのバス停だが、1ヶ月空くとこうも違うもんか。寝袋が暑い。今現在、ううんと唸っている。そしてこれは失敗した。いやに喉が渇くのである。

天候
晴れ
気温
朝20℃ 昼23℃ 夕23℃
歩数
40801歩
累計645960歩
出費
タクシー代・・610円
アクエリアス・・125円
缶ビール・・135円
計870円
累計92743円
食事
朝・・ご飯、味噌汁、目玉焼き、ウインナー、アスパラガス、キャベツ、タコ刺し、たくあん、いちご、ふりかけ、カスタード菓子、ほうじ茶、コーヒー
昼・・おにぎり×4、アクエリアス
夕・・おにぎり×3、缶ビール、水
道中・・アクエリアス、水

48日目 積丹町婦美~神威岬

20070524122232
7時起床。朝食におにぎりを食べたが、水がほとんどなくウイダーインゼリーの登場。これで手持ちの水分はなくなった。昨日からの喉の渇きもあり、早く水分を確保したいところ。バス停を出て、すぐ国道を右折、道道913号線を積丹岬へ向かう。国道を外れて岬まわりのルートになるが、そこから見える島武意(しまむい)海岸の景色はオススメだと、おやじさんと奥さんに聞いていたのだ。日本渚百景にも選ばれているそうだ。
スタートして4、5km進んだろうか、今日も気持ちのいい晴天でTシャツで歩いているのだが汗をかく。段々唾液がネバついてきた。水分がなくなってきている。岬まではあと5、6kmだろうか。どこか途中に自販機でもあればいいが、と思いながら歩いているとそれからすぐカーブを曲がったところに町が現れた。幌武意(ほろむい)の町であった。この町の自販機でコーラを購入。で、がぶ飲み。ゲップ。うんめぇー!この町に小さな小学校があって、体育館を併設した平屋の小学校だったんだけれど、ここに一体何人の児童が通っているのだろう。入学式の名残だろうか、「ようこそ」と書かれ星の切り抜きが貼り付けられた手作りのボードが玄関に見え、日本の教育事情ってきっと素晴らしいんだろうなと思った。そこから2kmほど行ったところにもまた小学校があり、ここでは小学生達が校庭でヨサコイを踊っていた。もうすぐ運動会のようで、その出し物の練習らしかった。後、島武意海岸へ。
丘を登ると、人がすれ違えばいっぱいになるような小さなトンネルがあり、そこをくぐるとトンネルの奥の方から少し磯の香りを含んだ風が吹きつけてくる。トンネルをぬけると眼前に小高い丘から美しい海岸の景色が広がった。崖からの景色と言ってもいいかもしれない。そこから下の浜におりるには、急斜面に面した長い階段を下りていかなければならず、自分の先を歩いていたカップルは躊躇なくそこを下っていった。トンネル出口のベンチに腰掛けていたおばちゃん3人がその様子を見て言う。
「ほら、若いカップルが。若い時は帰りのことを考えんからねー。あたしはダメだわ。エッヘッへ」
しばらくそこで休憩していたら、後からバスガイドと観光客がやって来て「これがシャコタンブルーなんです」とバスガイドが説明していた。なるほど、この透明度の高い海は写真で見る沖縄の海なんかとまた違った何色もの青の海だ。シャコタンブルーとはいい名前である。そしてここにも、北海道の観光地には付き物の義経伝説があった。源義経は兄頼朝から逃げて北海道へ来て、何人の娘を食い物にし裏切ってきたのだろう。各地に悲恋話が残っている。終いにはモンゴルに渡ってチンギスハンになったというのだから大したものである。
観光客の一人が自分に声をかけてきた。
「兄ちゃん、どっから来たんだ」
「宗谷です」
「自転車か」
「いえ、歩きです」
「歩き?かぁー、若ぇから出来るんだよな」
「そうっすね」
若さ、ということをこの旅でしょっちゅう言われる。確かに自分は若い。生涯の中で一番体力がある時なのかもしれない。何も束縛されるものがなく自由である。ローンにも追われていない。妻子もない。だから、こんなことが出来るのかもしれない。それは思う。でも、あなた方が自分に出来ないことの全てを若さのせいにするのはどうかと思う。口幅ったいことを言うようで申し訳ないが、「あなたに足りないものは若さではなく気概なんじゃありませんか?」と言いたくなってしまう。リヤカーを引っ張って日本一周した人の話、あれはおじいちゃんだと聞いた。脱サラして日本一周したおじさんもいたと聞く。本気でやる気なら歳は関係ないはずである。しかし、まあ「若いくせに」と「若いっていいな」というのはいつの時代の若者も言われるんだとこの前聞いたし、あと30年したら「情けねぇな、おっさん」と自分が言われているかもしれないので、その時はその時、素直に老いを認めようとも思う。それにしても日本渚百景、自分はこの先いくつ見られるだろう。なんせこの旅はず
っと海岸線なのだ。自分はスピッツの「渚」を歌いながら歩いた。
再び国道229号線にぶつかって南下。途中の商店を一度通りすぎたが、思い直して引き返した。引き返して正解である。この先しばらく商店がなくなると言うここで飲酒、カップラーメン。お湯を沸かしてもらい食べている間中、店のお姉さんと話をしていた。昨日、自分を見かけたらしい。ここから先の情報をたくさん聞いていると、干しタラ2匹を剥いて食べさせてくれた。店を出る時にはおばあちゃんがグレープフルーツとワサビ柿ピーまでくれた。そして、神威(かむい)岬へ。
何故神威岬へ行ったかというと、だいぶ前から道路標識が神威岬まであと何kmとやけに神威岬を推すからで、そんなに推すならちょっと寄ってこうと思ったからだ。これも正解。行って正解。皆さんもぜひ一度行ってミソラシド。カムイというのはアイヌ語で神の意味らしい。その岬は確かに神の領域といった感じだった。面白いことにここにも義経伝説があったが、娘の名前がまた違う。18時にゲートを閉めるらしく係員のおじさんに呼び止められたのだけれど、自分は車でなく歩きだったので「じゃあ、ゲートは閉めて帰るから見終ったらゲート脇からでも出て。あと、ここはキャンプとか出来ないから。警察も夜見回りに来るし」とおじさんは言って帰っていった。誰もいない神威岬はさらに神々しさを増していた。次第に夕暮れ。係員のおっちゃんはああ言っていたものの、商店の情報では神威岬から先しばらく何もないと聞いていたから、岬駐車場にあった自販機裏で寝ることにした。屋根はないが、多少風は防げる。そこに寝転がってグレープフルーツの皮を剥いて丸ごと食べた。
時折、眠れ眠れと神の息吹。空は満天の星。自分は神の懐に抱かれて寝た。

天候
晴れ
気温
朝20℃ 昼25℃ 夜13℃
歩数
45397歩
累計691357歩
出費
コーラ・・150円
発泡酒・・211円
カップラーメン・・160円
計521円
累計93264円
食事
朝・・おにぎり×3、水、ウイダーインゼリー
10時・・コーラ
昼・・クッキー、水
15時・・発泡酒、カップラーメン、干しタラ×2
夕・・グレープフルーツ、ポテトチップス、水
道中・・水

49日目 神威岬~盃温泉郷

20070525103628
24日、6時半起床。ここ神威岬の入口ゲートは8時に開くらしいから、その前に荷物をまとめて出発しようと7時過ぎに発ったら、さすが神の領域だけあって見てんだろうね、悪いことは出来ねえなと思った。ゲートに向かう途中で車がやって来た。運転していたのは昨日の係員のおじさんである。
「なに、泊まったの?」
「寝させてもらいました」
「どこで?」
「自販機の裏です」
「アレレ・・」
「すいません」
それから4kmくらい歩いて道路脇のトイレで朝食。このトイレでは携帯電話を充電したりしながら昼まで過ごした。携帯を充電する場所にはいつも苦慮する。一番手っ取り早いのは食堂に入ってしまうことだが、これでは何か注文せねばならず出費が痛い。時々、コンビニの外で充電させてもらうのだが、コンビニ前に数時間やることもなくアグラをかいているのは気が引ける。で、ついに行き着いたのが公衆便所であり、公衆便所のコンセントで携帯を充電しながらアグラをかいて唸っている人を見掛けたら、たぶん自分だ。でも、ただもらうのも悪いから軽く掃除とかしている。ついでにペットボトルに水ももらってるんだけど。
そのトイレにいる時に、一人のおじさんが話しかけてきてくれ、そのおじさんは「すぐそこのトンネルを抜けたところで釣りをしているから寄ってけ。コーヒーやる」と言う。数十分後、言われた通りそのトンネルを抜け歩いていくと、おじさんは路肩に車を停めて歩道の防波堤から釣りをしていた。自分の顔を見ると、「おー、待ってろ、今お湯沸かすから」と言って車に向かった。おじさんは札幌の人であった。釣りが大好きでこの前はわざわざ四国まで釣りをしに行ったほどだそうだ。今夜は泊まりがけで夜釣りをするという。聞くところによれば、この辺りではカレイとホッケが釣れるらしい。ホッケという魚は関東の方では馴染みが薄いが北海道では大衆魚であり、脂が乗ったホッケは大変ウマい。だから、あんなにウマい魚がそう簡単に釣れるものかと思うのだが、これが簡単に釣れるらしい。シーズンであれば入れ食いなのだという。自分も釣りをしたかったが、実は残念なことに増毛(ましけ)での荷物整理の際に釣りざおを実家へ送り返してしまった。だから、ただコーヒーを飲
んで見ているだけであった。釣りをする様子を眺めながら話をしていると、そのおじさんが自分の親父と同じ年齢であることが分かった。会社を早期退職して今は大好きな釣り三昧なのだという。薬品卸売の大手会社で働いていたそうで、ちょうどいい、自分はかねてからの疑問であったジェネリック医薬品について聞いてみた。ジェネリック医薬品とは最近TVCMなどでよく宣伝しているワケのわからない医薬品で、各製薬会社が「ジェネリックを指定したら、効力が同じなのに安いんだよ」と訴えているのであり、会社が何かを訴えているという以上これは金儲けに違いないのであるからして、では何故そんな効力が変わらない薬を安価で提供できるのか自分はあのCMを見る度に疑問に思っていたのだ。果たして、そのカラクリが分かった。まず、薬というのは発明品と同じで特許があるんだそうだ。だから、その薬を発明した会社(仮にA社)以外の会社(仮にB社C社)がその薬を作る時は特許料が発生する。しかし、この特許の期間が短くて6、7年したら切れるそうなんだ。つまり
A社が開発した薬の特許が切れると、そこにB社C社がやって来て開発費を一切かけずに同じ薬を作ってしまう。もちろん、コストが少ない分B社C社はこれをA社製より安く売っても儲けが出るのであり、これがジェネリック医薬品なのだという。だいたい従来の7割の値段で出るそうだ。しかし、唯一の弱点はB社C社がA社ほどのれっきとしたノウハウを持っていない点で、そこはやはり猿真似、総体的に本家には品質がわずか及ばないのだそうだ。「効くことは効くけどね」と言っていた。
おじさんと別れ、一路、盃(さかづき)温泉へ。途中、職人さんの15時休憩にお呼ばれされ、ここでもコーヒーをご馳走になった。歩道を歩いていると、時々鎖が歩道ギリギリまで延びて吠えかかってくる飼い犬があってビックリする。前にも書いたかもしれないが、あれは本当に心臓に悪い。この海岸線というのはトンネル工事が頻繁に行われていて、使われなくなった古いトンネルが新しいトンネルの隣でよくほったらかしにされているけど、あれを見ると冒険心が駆り立てられる。そして何故かトンネルの中にドラゴンボールのカードダスが延々と落ちていた。あの、また話が脱線するけど、「えっ、なんでこんなところにこんなものが?」というゴミをたまに見かける。以前、地元の農業用水路の土手に「ドラえもん」の台本が大量に打ち捨てられてたことがあって、あれもおかしなもんだった。
18時半、盃温泉郷に到着。国民宿舎「もいわ荘」にて入浴。ここではゴミを処理して、洗面所にてボディソープで洗濯をして、ペットボトルに水を入れて、携帯電話の充電をさせてもらった。缶ビールが高かったのでスプライトとアイスで我慢して、ここを出たらすぐ近くに新築のトイレがあったからあそこに寝てと、なんて算段しながら休憩所でアンマ機にかかろうとして100円を入れたらアンマ機が動かない。あれっと、よく見たらコンセントが抜けていた。おいー、とうなだれて係員を呼ぼうと思ったが、自分も上記のように幅広くやらせてもらっている手前、たかが100円でケチをつけるのも気が憚られ、黙ってプラグをコンセントに差してからもう100円入れた。ウイ~ンと動き出すアンマ機。10分経って止まり、温泉入って気持ちいいし、アンマもかかって気持ちいいし、隣の部屋には何があるんだろうなと思い覗いてみたら、同じようなアンマ機が無料で置いてあった。おいっ、ふざけんなよ!とツッコんだ。当然である。なんでこっちが有料で、そっちが無料なのか分か
らない。悔しいので無料のにもかかった。久しぶりにテレビも見たが、最近時事が周りより遅れてきた気がする。自分のニュース情報源は今のところ携帯電話のみである。
後、公衆トイレへ移動。ちゃんと名前があるトイレで、その名も公衆トイレ「ヨットイレ」。電気がオートで人の出入りがなくなると自動的に消灯するハイテクなトイレなんだけど、さっきから真っ暗な室内はすごくホラー。薄明かりに洗面台の鏡が浮かび上がって、そこから誰かが覗いてそうな気がするけど、自分はタフに生きようと思う午前0時48分。

天候
晴れ
気温
朝13℃ 昼16℃ 夕19℃
歩数
45430歩
累計736787歩
出費
風呂代・・500円
アンマ機代・・200円
スプライト・・150円
アイス・・105円
計955円
累計94219円
食事
朝~昼・・きびだんご、カステーラ、わさび柿ピー、チョコバー、飴、水
夕・・スプライト、アイス
道中・・コーヒー×2、水

50日目 盃温泉郷~岩内

20070526185748
25日、9時10分起床。昨日、自分の寝床を侵略してくる虫があり二度その虫を遠くへ追い返したのだけど、三度目に念仏を唱えてはたき殺した。フナムシのような虫とクモであったが、今朝どこからともなく一匹のアリがやってきてそのクモを持っていった。自然ってすげーなーと思った。
今日は朝からうっすらと曇りだったが、歩き始めてしばらくすると黒くて重そうな雲が空を覆い始め、気づいたらアスファルトに点々と水玉が出来ている。天気予報では15時から雨の予報。やばい、急がねば。雨が強まってきたので、一時バス停に避難。一瞬、雨が収まったところを見計らって先へと進む。
途中、泊原発という原子力発電所の脇を通過。鉄柵のゲートに守衛が立っていて通行車の動向を見守っている。物々しい雰囲気。そこから少し先に「原子力PRセンターとまりん館」という社会科見学用の施設みたいなものがあり、自分は先を急ぎたい気持ちもあったのだけど、ちょっとここで原子力について学ぶことにした。展示室では、原発がどういうもので、チェルノブイリ原発と泊原発がどう違うかといったことなどが紹介されていた。自分はソファに座って休んでいたら、いつの間にか寝てしまった。後、原子力で発電した電気で携帯電話を充電して週刊新潮を読み、17時出発。結局ここに3時間程いたことになるが、原子力がなんなのかはさっぱり分からなかった。だって理数系は苦手さ。平日にこんなところに来ている大人は自分くらいだろうと思っていたら、作業着にペンキがついた職人さんが二人、施設内のゲームで遊んでいた。
外は雨こそ降っていないものの暴風であった。岩内まではあと7km。「うあーー、俺は岩内でぶっ倒れるくらい寿司を食うんだーー!!」と自分自身にハッタリかまして奮起させ、はったり川を渡る。岩内に到着したのは18時過ぎだった。岩内では様々な誘惑が自分を襲った。スーパーがあり、精肉店があり、居酒屋があり、回転寿司があり、ラーメン屋があり、パン屋があった。岩内の街は大きい。自分の腹はそれらを「食いたい食いたい」と訴え泣き叫んでいたが、自分の口は「ダメだ、我慢しろ」とたしなめていた。この時の自分の顔はきっと修羅のようだったろう。しかし、そんな自分も最後の最後で捕まってしまった。よりによってパチンコ屋にである。
10円20円をケチって、たまたま見つけた100円ショップで缶ビールを買い、スーパーで半額になった中華丼とザンギを買った。そんな自分が、街の外れ、もうここまでくれば大丈夫だろう、もう誘惑はないさと安堵した瞬間にやられた。マルハン岩内店。マルハンというのはパチンコ最大手の会社である。ちょっと覗いていこうかなというのはタブーであるが、覗いてしまった。店内の休憩所で中華丼やらビールを飲み食いしたら、気分が良くなって「どれ、ちょっと揉んでやるかな」と赤ら顔で立ち上がり、荷物をカウンターに預けて、秘宝伝というスロットに座ったら1万飲まれた。あのヒリヒリするような焦燥感。台を離れパチンコへ。海物語でもう1万。マリンちゃんリーチが外れ、マリンちゃんに「ゴメンね」と謝られた。自分はすり潰された。
店を出たのは21時。不細工な負けである。もうパチンコはしない。これからは公営ギャンブル一本にする。そう誓いながら寝床のバス停を探した。外は雨が降り始め、辺りは暴風雨の様相を呈していた。パチンコ屋から2kmくらい歩いただろうか、3軒目にしてようやくまともなバス停を見つけた。今日はここで寝ようと思い、中に入ると地面に小さなガラスの破片が散乱している。ええ、なんで?と思ったけど、外は暴風雨。仕方なくそこにシートを敷いて寝ることに。そして深夜。
自分は寝られなかった。こんなことは旅を始めて初めてのことである。何故か?パチンコの負けが悔しかった?違う。むしろ自分はふて寝しようと思っていたのだ。何故寝られなかったか?物凄い風で寝られなかったのである。バス停が地震のように揺れる。自分は風によってバス停のドアが外れて吹っ飛びそうになるのを三度防いだ。今夜ここで自分が寝ていなければ、このドアはおしゃかである。そう思いながらも、こうしていてはいつまで経っても寝られないので、もうほったらかして寝ることにした。寝袋に潜って5分くらいしただろうか。自分が寝よう寝ようと努力をしているところに、バリンッ、ビュゥゥオーという音がして、ついに一対になった引き戸のドア1枚が姿を消した。恐れていたことが起こってしまったのである。自分はゆっくりと起き上がり、ウルフルズの「事件だッ」を歌った。こんな時でも歌を歌うのは自分の良い癖か悪い癖か。その歌が歌い終わらぬ内に今度はもう1枚、ガラスが割れ枠がひしゃ曲げられて海の方向へすっ飛んでいった。目の前で起こった映画の
ワンシーンのような光景。ちょうど映画「ジョーズ」で海水浴客がジョーズに食われる瞬間のように引き戸は海へと消えた。正方形の枡を横に倒したような形になったそのバス停の中で自分は体育座りをしてボーッとしていた。もし、次この小屋が飛ばされれば、風の向きからして自分は小屋もろとも5m脇の海である。そこに待っているのは死だ。雨も吹き込んでくるし、ここに留まるのは危険だと判断した自分は荷物をまとめカッパを着て「南無」と叫んで暴風雨の中に飛び出した。深夜0時半のことである。
自分は街の方へ戻ることを嫌い、先へ進むことにした。途中、建物の柱が折れたり、壁が倒れていたり、ゴミ集積カゴが歩道を遮ったりしていた。「世紀末かよ?!」とツッコンだが、よく考えてみたら世紀末はもう過ぎているのであって、少し恥ずかしくなった。どこのバス停も破壊されていた。足を踏み入れてみると、中が浸水していて靴が濡れる。行けども行けどもバス停はダメで、ついに民家がなくなり、明かりが途絶えた真っ暗な暴風雨の道路を一人歩いていた。見えてきたのはトンネルである。もういい、自分はトンネルの中で寝ようと決心しトンネルへ進入したが、そのトンネルは歩道が狭かった。時々通るトラックの運ちゃんをびびらせまくったことだろう。深夜1時、薄暗いトンネルの狭い歩道で自分は途方に暮れしばし体育座りをしていた。
その後、立ち上がった自分はさらに先のトンネルで寝場所を確保できるだけのスペースを発見。そこに落ち着いて、トンネルの壁に寄り添うようにして眠。トンネル内に反響する爆音トラックも先ほどのバス停に比べたらオルゴールである。濡れた靴、湿った衣類とリュック、しぶきをあげるトラック。衣食住って大事だなと痛感した。

天候
曇りのち雨
気温
朝20℃ 昼20℃ 夜16℃
歩数
34462+4537(深夜分)=38999歩
累計775786歩
出費
カップラーメン・・150円
菓子パン・・105円
ポテトチップス・・105円
ジュース・・105円
缶ビール×2・・210円
サラミ・・105円
かにかま・・105円
中華丼・・149円
ザンギ・・97円
パチンコ代・・20000円
計21131円
累計115350円
食事
朝・・きびだんご、カロリーメイト、飴
昼・・カップラーメン
夕・・中華丼、ザンギ、かにかま、缶ビール×2、飴
夜・・ポテトチップス、ジュース
道中・・水

51日目 岩内~蘭越

20070527090245
(いわない~らんこし)
26日、9時起床。昨夜寝損なった分長く寝ていようと、トンネルの歩道で寝返りを打ちつつ睡眠。時々轟く大型トラックの音に負けじと睡眠。歩道といっても、自分はトンネル内では誰一人ともすれ違ったことはないのでゆっくり寝られる。睡眠に満足して起き上がり、荷物をまとめていると背後から声がした。
「おーい、大丈夫か?」
振り向くと、そこに立っていたのは警察官である。
「はい」
「旅してるのか?」
「はい」
「昨日の雨でか?(トンネルに避難してたのか)」
「そうです。立ち往生しちゃって」
「どっから来たのさ?」
「宗谷です」
「うわー!ここまでどのくらいかかった?」
「半月(実質)くらいです」
「風邪引かなかったか」
「大丈夫です」
「いやー、ここ(トンネル)通った人から通報があってさ、人が寝てるみたいなんだけどもしかしたら・・」
「死んでるんじゃないかって?」
「そうそう」
「はは、大丈夫です。生きてますよ。それはすいませんでした」
「いやいや。学生さん?」「いえ」
「じゃあ、仕事は?」
「土方をやってましたけど辞めました」
「お金貯めて?」
「はい」
「どんくらいの予算なのさ?」
「一応、80万です」
「それで旅してるんだ」
「そうですね」
「じゃあ、ちょっと悪いんだけどコレに名前と住所書いてもらえるかな」
「ああ、はい」
「生年月日は?」
「あと携帯番号もいいかな」
「はい」
「で、どこまで行くのさ?」
「とりあえず、沖縄に向かいます」
「えー!そっかぁ、じゃあこれから先も何回か警察にこうやって聞かれるね」
「はは、そうっすね。すいませんでした」
「じゃあ、気をつけてね」
「はい、ありがとうございます」
という会話。確かにお巡りさんの言う通り、自分はこの旅であと何回警察の尋問を受けるのだろう。もしかしたらパトカーに乗ることもあるかもしれない。別に迷惑をかけるつもりはないし、犯罪もないが、通報されてしまったら仕方ない。なるべく気をつけて行動しているけれど、昨日は仕方なかった。寝床の問題って意外とデリケートで、例えば公園で寝るにしても、ベンチの上ならOKだが、ベンチがなくてブランコの下とかで寝たらアウトである。これはもう第三者が見た時に「あんなところで人は寝ないだろう」というイメージがあるところは全てアウトである。だから、寝場所を探す身になって初めて気づいたが、街にはあまり寝床がないのだ。土手に住むホームレスの気持ちがよく分かる。本州へ行くとバス停も簡単なものになるので、寝床を探すのが大変になりそうだ。
それと、これはいつも書こうか書くまいか迷っていたんだけど、昨日のこともあったのでやはり書いておこうと思う。このブログの更新に関してのことだが、このブログが3日経っても更新されない場合は自分の携帯電話が故障したと思ってもらいたい。10日以内に対処して更新する。10日経っても更新されない場合は、自分がなんらかの原因でブログを書ける状態でないと判断してほしい。復帰し次第、更新する。1ヶ月経っても更新がない場合は、最終日の更新がエンディングであると思って頂きたい。松尾芭蕉は客死した。自分はもちろん生きて帰る。だけど、生死なんてものはいい加減なものであるし、神様はいつも気まぐれだから正直分からない。命ある限りは宗谷岬に着くまでブログを更新するのでよろしく。
午前中から天気は小雨だったが、午後に向かいさらに悪化。自分は昼から蘭越にある道の駅に滞在した。ちょっとここで態勢を立て直そうと考えたのである。実はこの道の駅に来るまでの間に雷電温泉という温泉があり、靴がびしょ濡れになってしまった自分は温泉につかってゆっくりしようと考えていたのだが、この雷電温泉が改築のために閉まっていた。そこで、その先の道の駅まで進んできたのだった。
夕方、17時にそこも閉まるというので、近くのバス停、商店情報だけ聞き移動。道の駅から1kmも行かないところにあった商店に入。そのしょっぱな。
「トンネルの中で寝てたろ?!」
店主らしきおじさんであった。どうやら、今朝自分をトンネルの中で見かけたらしく
「警察に尋問されてたろ?俺、見たんだよ」
と言っていた。どこでどう人が見てるかなんて分からないものだ。もしかしたら、この先九州辺りで長距離トラックの運ちゃんに「お前、北海道のトンネルでうずくまってなかったか?!」なんて言われることがあるかもしれない。その商店でカップラーメンとビールを買うと、「そこで食ってけ」と椅子を貸してくれ、そしてなんとタコ刺しをサービスしてくれたのである。帰りにお礼を言うと、「近く来たらまた寄ってけ」と言ってくれた。自分は旅をするにあたり周りの人から「世の中には悪い人もいるから気をつけて」と結構言われ、また自分自身も「そうなんだろうな」と思っていたけど、まだ一人も悪い人に出会っていない。これはすごくラッキーなことなんだろうか。悪い人って、どんな人だろうか?そう考えて、今までの人生を振り返ってみたら不思議なことに誰一人として悪い人が思いつかない。あれ。世の中には恐ろしいニュースが溢れていると思っていたのに、あれ。おかしいな。不思議だ。みんな優しい。今はみんな優しく感じる。
商店前のバス停で眠。今日は風に強いログハウス様の建物。

天候

気温
朝16℃ 昼16℃ 夜15℃
歩数
18601歩
累計794387歩
出費
ジュース×2・・300円
グミ・・31円
じゃがりこ・・157円
ポテトチップス・・126円
コアラのマーチ・・105円
カップラーメン・・145円
缶ビール・・160円
計1024円
累計116374円
食事
朝・・菓子パン
昼~17時・・ジュース×2、コアラのマーチ、ポテトチップス、グミ、じゃがりこ
夕・・カップラーメン、サラミ、缶ビール

52日目 蘭越~寿都

20070528102031
27日、8時20分起床。今日も天気は小雨。道中でリヤカーを引くおばあちゃんとすれ違った。そのおばあちゃんに話しかけられ「おっかねえ人がいるから気をつけなさいよ。刺されっちゃうよ」とアドバイスをくれたのだが、おばあちゃんの瞳に自分がそういう人物に映らなかったのが光栄である。世の大人に、何もしていないのに「何かしそうな最近の若者、おっかない若者」という括り方をされるのは最近の若者として悲しい。特に自分は若干人相が悪い。無理に笑顔を作ろうとすると気持ち悪くなるので、最近は満面の笑顔を諦めて微笑み程度で生活している。ただ、以前本で読んだ瀬戸内寂聴さんの言葉が心にあって「わがんせ」、和顔施と書くのかな。「人間、どんなに貧乏して人にあげられるものが何も無くても、笑顔はあげられる。笑顔をあげなさい。それでいいのです」と仰しゃっていて、自分は「うっわぁ、なんたらいいことを言うんだろなぁこの人は」と深く感銘を受け、それ以来しかめっ面の自分に気づくと「わがんせわがんせ」とおまじないを唱えてはいる。だから、
もしかしたら今日ついにその効果が表れて、そのおばあちゃんは話しかけてくれたのかもしれない。
その後、親父から電話があり「一昨日は大丈夫だったか?」と言う。一昨日の暴風は、この辺りの住民にとっても驚くほどの暴風であったらしく、地元民の「凄い風だった」というセリフをよく聞いたし、仁木のおやじさんもビニールハウスが1本飛んでしまったと言っていた。親父の知り合いがたまたま一昨日北海道に来ていたらしく、そこから話が伝わったらしい。「大丈夫だよ」と答えたけど、いやぁ、あれは凄い風だったさホント。わやだべさ。にしても、この海岸線は本当に誘惑が多い。最近のつわものは「生ウニ丼」のノボリ。どこ歩いても生ウニ丼生ウニ丼生ウニ丼である。これじゃ1回くらい食べないと申し訳ない気もしてくる。旅の途中で聞いた話では3万円の生ウニ丼まであるらしい。バフンウニでご飯が隠れて、などと聞くと垂涎ものである。
午前中からカッパを着用して歩き、昼、ちょうどいい具合にコンビニを見つけ入ろうとしたところ、自分の脇に車が止まって「近くまでだけど乗ってきませんか?それとも歩き?」と雨の中をドライバーさんがわざわざ車から降りてきて聞いてきた。もう一度言うけど、自分はカッパを着ている。カッパを着ている人に声をかけてまで自分の乗用車に乗せてあげようと思うだろうか。自分は思わないだろう。何故ならシートが汚れるからだ。「歩きなんで大丈夫ですよ」と断ったら、「分かりました。あ、喉は渇いてない?」と言う。「飲み物いる?」と言うのだ。まるで聖者のような人である。我に固執する自分が生きてるのが恥ずかしくなるくらいである。しかし、これも成長だろうか。飲み物をもらう自分が卑しく思え、これも断れた。
午後から雨が強まったので一時バス停に避難して、収まってきたところを少し先の温泉へと向かった。その途中、やる気がありすぎて空回りしている自販機を発見。激写。その温泉から寿都(すっつ)の町までは5kmくらいだろうから、今日はこの温泉でのんびりしようという考え。風呂に入って、缶ビールを買って、などとしていたら休憩所のTVでちょうど競馬「日本ダービー」が始まるところであった。この日本ダービー、自分は鳥肌が立った。誰か競馬好きの人で見てた人いるだろうか?日本ダービーとは若男馬の祭典である。そのなみいる男達を抑えてウオッカ、牝馬(ひんば)が勝った。鳥肌みのる。四位(しい)だよ。四位ってのは、騎手の名前ね。すげぇ。すげえよ。ヒシアマゾンも駄目だった。エアグルーウ゛も駄目だった。って、別にダービーに出たわけじゃないんだけど、有馬記念というでかいレースで2着どまりだったんだ。女傑と呼ばれた馬達がやっぱり越えられなかった男達の世界で、今日は圧倒的な勝ち方をしたんだ。強ぇぇぇよ!この興奮はあまり分かってもら
えないかもしれないけど、隣のおっちゃんも興奮してた。だって戦後初なんだよ、ダービーで牝馬が勝つのは。その興奮覚めやらぬまま缶ビールを立て続けに4本飲んで、次は朝青龍対白鵬戦だったけど、これも良かったなぁ。これで白鵬は横綱だ。安心して自分はそのまま寝た。起きたのは19時半である。酔い醒ましにアイスを食べて、寿都町に向け出発。
途中、セイコーマートに立ち寄ったら、おにぎり全品50円引きセールなる恐ろしく割引率の高いセールをやっていて(105円のおにぎりが55円だよ)、5個買った。明日の朝食にする。会計をしている時に財布がなくて、慌ててリュックを探したんだけどなくて、ドキドキしていたらレジの店員が持っていた。カゴの中に入っていたらしい。そんな下手くそな主婦みたいな失敗すな、俺!まあ、でも明日から晴れるみたいだし、ハリキッテコーなのさ。寿都町のバス停で眠。

天候

気温
朝18℃ 昼15℃ 夜13℃
歩数
35153歩
累計829540歩
出費
カップラーメン・・108円
黒糖ふかしパン・・98円
風呂代・・500円
スナック菓子・・105円
枝豆・・200円
フライドポテト・・250円
発泡酒×4・・640円
アイス・・105円
ジュース・・146円
おにぎり×5・・340円
ゼリー・・80円
カップウドン・・88円
計2660円
累計119034円
食事
朝・・きびだんご、カロリーメイト、飴、水
昼・・カップラーメン、黒糖ふかしパン、水
夕・・スナック菓子、枝豆、フライドポテト、発泡酒×4
夜・・アイス、カップウドン、おにぎり×2、ジュース

53日目 寿都~島牧

20070529091541
(すっつ~しままき)
28日、9時20分起床。昨日買っておいたおにぎりを食べ、出発。カラスが見通しのいい直線道路で車のタイヤが通る辺りに何かを置いている。クルミだろうか。車が通り過ぎると近づいてなにやら確認していたが、自分が側を通ると森の方へ飛んでいってしまった。久しぶりにラジオをつけてみたらまたFMが入らない。AMも、あれなんでなんだろうか、英語のレッスンとか韓国だか中国だかの番組が入ってくるのに、肝心なラジオ局は一つも入らない。
歩き始めて1時間位で弁慶岬という岬に到着。ここには仁王立ちする弁慶の像があって、伝説によると義経と弁慶はこの岬でアイヌの人々と相撲に興じたのだという。弁慶が相撲をとったという土俵跡に石碑が建てられていた。今でこそ土俵自体無くなってしまったが、土俵があった時は弁慶が相撲をとった時の下駄の跡まで残っていたそうだ。看板にそうあった。また、この町では義経を守護した弁慶の気力と体力を神業とし、弁慶を神様として崇める風習があるのだという。
そこからさらにテクテク歩いていくと道が緩やかな上り坂になっているところがあり、道端に地蔵が1体あった。どうやら、交通安全の地蔵らしい。見ると、地蔵の両脇の花束が倒れている。まだ、みずみずしい感じのする綺麗な花で「誰が生けたのだろう、こんな山あいの地蔵に」と思い、直してあげることにした。花束を掴み、花瓶に挿そうと花瓶を見たら、あら、水が入ってない。それで、ツイと手に持った花束を見てみたら、なんとこの花束、造花であった。ここまで人の目を欺く造花を作った造花業者も造花業冥利に尽きるというものだろう。造花を花瓶に挿し、折角なのでリュックから飴ちゃんを2個取り出して御供えし「守ってちょんまげ」とお願いしてきた。時計を見ると、もう昼であった。
自分の脇にパトカーが止まり、お巡りさんが「乗ってくか?」と言う。勤務中だろうに、いいお巡りさんだ。小さな川で小さな魚が群れて泳いでいるのを見つけた。なんだろう?ヤマメじゃないだろうし。道路脇の森ではウグイスが鳴いている。歩いていると、時々こうやって自分が自然と調和出来ているような気がする。
コンビニが見えてこないので、道路脇のちょっとしたスペースに荷物をおろして昼食。仁木のおばあちゃんにもらったきびだんごで凄く助かっている。きびだんごと言えば桃太郎で、桃太郎は歩き旅だった。つまり、昔からきびだんごというのは歩き旅のお供だったんだろうけど、昔の人って本当にスゴいよね。きびだんごの利点をざっと挙げると
一、満腹感がある
一、日持ちがいい
一、糖分を摂取できる
一、持ち運びが楽
一、すぐエネルギーになる一、うまい
よほど考えて作られたのだろう。カロリーメイトでも、これほどの利点は挙がらないんじゃなかろうか。もしかしたらきびだんごは最強の携帯食かもしれない。そして、その昼休み中に初めて「仲間」を見た。これでもかと荷物を積んだ自転車が自分の目の前を走っていったのだ。自分も負けてられないと休憩を30分で切り上げて跡を追った。
今自分が渡っているこの川は百年後も淀みなく流れ続けているだろうか、海は変わらず波を寄せては返しているのだろうか、少し不安になるけど誰もそんなことは知らない。なんだかなあと呟きながら歩いていると、どこの家からかすっげぇいい肉じゃがの匂いがしてきた。腹が鳴る。ギュークルル、ズンズンチャッ。胃袋の中でマサイ族のような人達が雨乞いの踊りを踊っている。ズンズンチャッ。ズンズンチャッ。
夕方、道中で見つけたコンビニで缶ビールとカップラーメンを買った。自分がここで書いているビールというのは「第三のビール」というやつなんだけど、これはもはやビールじゃないんだね。原材料が、ホップ、糖類、エンドウたんぱく、カラメル色素だって。麦が入ってないんだよ。自分は今まで何を飲んでいたのか。あのビールのような色などカラメル色素だったのだ。どーなってんの、これ。ショック。カップラーメンを食べた後、また歩き出す。今日は気持ちのいい天気だし、行けるとこまで行こう。右手に江ノ島海岸という海岸が見えてきた。ここも日本の渚百選であるらしい。島武意とこれで2つ目だ。18時59分、日没。雲か大陸か、かすんでよく見えないが太陽は海の彼方の一線に顔を隠した。これから日本は夜になる。
ホテルはリバーサイド、バス停はシーサイド。いつものようにオーシャンビューのロイヤルスイート。カクテルはハニームーン。おーい、誰かーって叫んでも誰の耳にも届かないかもしれない。携帯電話は圏外だし。島牧のバス停で眠。洗濯物を外に干して、おやすみなさい。

天候
晴れ
気温
朝17℃ 昼21℃ 夕16℃
歩数
53408歩
累計882948歩
出費
カップラーメン・・88円
缶ビール・・118円
計206円
累計119240円
食事
朝・・おにぎり×3、ゼリー、コーラ
昼・・きびだんご、カロリーメイト、水
夕・・カップラーメン、缶ビール
道中・・飴、水

54日目 島牧~せたな

20070530093128
29日、8時起床。昨日干して置いた、というか看板に引っかけておいた洗濯物は靴下以外乾いていた。この靴下はもう捨てよう。函館に着いたら靴と靴下を新調しなければならない。旅出前は洗濯と入浴が一番心配だったが、やはり成せば成るというのか、どうにかなるもんだ。無理矢理感は強いけど。天気は曇りで朝から肌寒い一日。ずんずん進む。
昼、カンパンを食べた。これでリュックの中の食料は全てなくなった。これも旅出前は心配なことの一つだったが、食料問題。いざ歩いてみれば、保存食がなくても一日一回は商店に出会うことが分かり、なんとかやっていけることが分かった。山へ登るなら遭難した時の為に必要な保存食だが、自分はその危険もないだろうから思い切って荷物軽量化の為に保存食はこれでカットする。残っているのは飴だけである。昨日立ち寄ったセイコーマートの情報によると、次のコンビニはせたな町のセイコーマート。夕方着の予定。トラックの運ちゃんが「乗せるよ」と言うのを断ったら、この先せたなからの峠道がかなりきついと教えてくれた。せたなから20km位、国道が内陸に入っている部分があるのだけどそこが峠になっているらしい。海岸線にも道があるようだが、地図上では途中で切れてしまっているので国道を進む。
確かに情報通り、コンビニはここまで一軒もない。だが、これはいいことだ。コンビニがなければ誘惑されることもない。安心しながら歩いていると、巨岩のカーブを曲がったところに食堂があった。この旅で幾度となく自分を苦しめてきたものの集合体が見える。
「特製カレー」
「活ホタテ!!」
「冷え冷えのビールありますよ~!」
このノボリ群を前にして自分は立ち止まった。5分は考えた。いや、10分。腹の中でうなだれていたマサイ族がすっくと立ち上がり「雨かっ?!」と自分の喉の方を見上げている。自分は倖田來未のキューティーハニーの調子で「おなかがヒクヒクしちゃうのー」と歌って通り過ぎた。嘘じゃない。本当に胃がヒクヒクしたのだ。だが、頑張れた。マサイ族は意気消沈してまた腰をおろした。
せたなは日本女医1号者開業の地であるらしい。16時に予定より早くセイコーマートに着。カップラーメンとパンと缶ビールを買った。セイコーマートの特長はコンビニなのに商品を割引きして販売していることで、これは大変助かる。カップラーメンは88円からあるし、缶ビールも大抵数種類は値下げされている。しかし、今日自分が買った缶ビールは新発売のもので通常の値段であった。キリン「良質素材」、リキュール(発泡性)〓とある。原材料に発泡酒、大麦スピリッツ。発泡酒が原材料とはどういうことだろう。キリンだから淡麗が使われているのだろうか。味は良かった。
そこからさらにせたな北檜山区へ5kmほど歩く。道は相変わらずの国道229号線。途中、ガンタンクとミシュランが合体したアンパンマンの二刀流に「車はスピードダウン、お前はスピードアップじゃボケッ!」としばかれ、ずっと視線を感じながら進む。
北檜山のスーパー着。ここで食料を買い込んでからまた移動。セイコーマート着。パンを買って、店前で携帯電話を充電させてもらった。1時間半ねばったら体が芯まで冷えた。20時、バス停を探すためさらに先へ。町の外れにパチンコ屋があり、自分は前回の反省があるからもう同じ轍は踏まない。キショー、町の終わりに関のようにこんなもん作りやがって、と一瞥くれて先を急いだ。
大きな橋を渡ると、真っ暗な山道。歩道も街灯もほとんどない。自分は考えた、思い出した。そういえば、今日自分に話しかけてきてくれたトラックの運ちゃんは、せたなを過ぎるとしばらくは峠になるので集落はないと言っていた。そして、どうも先ほどからバス停を見ない気がする。ハッとした。もしかしたらここは路線バスが通っていないのかもしれない。町の中央に大きなバスターミナルがあったからあそこが終点だったのかもしれない。とすれば、この先いつまでたっても泊まれる場所はなく、このまま闇雲に進めばとんでもない目にあうだろう。自分は踵を返して今来た道を戻った。冷たい夜風の中を2kmほど引き返した。途中にさっきのパチンコ屋があった。ちょっと温まるかなと傾きかけた体をブルブルと頭を振って、いかんいかん、こういうのがいかんのだよ、と戒めてバス停を探した。町まで戻るとバス停より早く公衆便所が見つかり、ここで眠。思いっきり防犯カメラがこちらを向いているのだけど気にしないことにして、しかしあまり迷惑もかけられない、端っこの方で
うずくまって寝ている。

天候
曇り
気温
朝14℃ 昼15℃ 夕17℃
歩数
54711歩
累計937659歩
出費
カップラーメン・・88円
パン×2・・263円
缶ビール×2・・265円
焼きそば・・210円
ミートソーススパゲッティ・・208円
カツオチキンナゲット・・198円
ジュース・・188円
タコ刺し・・200円
ポテトサラダ・・70円
計1690円
累計120930円
食事
朝・・きびだんご、カロリーメイト、水
昼・・カンパン
夕・・カップラーメン、パン、タコ刺し、カツオチキンナゲット、ポテトサラダ、缶ビール×2、ジュース
道中・・水
04 | 2007/05 | 06
Su Mo Tu We Th Fr Sa
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール

高沢 里詞

Author:高沢 里詞
埼玉県行田市出身
S57・12・7生
26歳♂
B型
パンクロッカー・詩人
行田秘湯の会会長
S・O’S(スーパーアウトドアーズ)部長
行田不毛の会会長
行田死語の会会長

注※どの会も新規会員募集は行っておりませんが、もしも会員になりたい方がいましたら密談でどうぞ。

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