スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

270日目 そんな大晦日

9時50分、起床。喉に違和感がある。やな予感。
寮に人がいない。正月の帰省で、だいぶ帰ったらしい。洗濯機が使い放題なので、よろしい。11時からファミレスのバイトがあるので、飯を食べて準備。さあ、出ようと思ったら、寮の管理人のおばちゃんが来室。ポットを頂いた。この前、親父が福岡からやってきた時に渡された明太子をあげたので、そのお礼らしい。丁寧な人だ。こっちがお礼だったのに。
外に出ると、雪。積もってはいないのだが、結構降っている。道中、すれ違ったおっちゃん二人組みが
「吹雪くなんて思わんかったよ」
と話していた。
自分は北海道に5年住んでいて、吹雪がどういうものか、なんとなく知っている。つい「吹雪ぃ?こら雪が斜めに降っとるだけやんけ!」とツッコんでしまった。心の中で。卑しい奴である。
バイト開始。今日はファミレスが夕方の5時に閉まる。本来は深夜2時閉店なのだが、大晦日ぐらい皆家でゆっくりしよう、という上層部の計らいだそうだ。自分は4時まで勤務予定。
今年一年、このファミレスではミスばっかりだったな。
お客さんの前で味噌汁の椀をひっくり返して、あやうくかけそうになった。
「すいませんで済む問題かよ!」
と怒られた。
食べかけのたこ焼きを間違って下げて、厨房までやって来たお客さんに
「おう!あれまだたこ焼き3個残っとったやないけ!」
と怒られた。
ハンディと呼ばれる、お客さんのオーダーを通す電子手帳みたいな道具の使い方がよく分からず、謝りつつ何度も注文を聞き返したら、
「おい、お兄ちゃん、3回言ったからって、3つ同じもの持ってこなくていいからな。なあ?アハハ」
「ハハハ。だから、これだって言ってんだろ!」
と、おっさん達からからかわれた。謝りつつも、この時は少し気持ちが高ぶった。
ボーッとしてしまうことが多く、皿も割ったし、グラスも割った。仲間には迷惑をかけ続けであったが、今日でなんとか今年は終わりである。
仕事中、朝の予感が的中。体調不良、咳。
3時52分、これで今年は終わりかー、とラストの仕上げに入った時、汁の入った小鍋をひっくり返す。呆然と立ち尽くす。皆、何もなかったかのように各自の仕事をしている。情けなさから叫んだ。くっそう!
ファミレスバイト終了。よいお年を、と言って上がる。近くの薬局で喉の薬と栄養ドリンクを購入し、コンビニへ。
5時より、コンビニバイト開始。今日は暇だ。年末なのでお客さんが少ない。ちらほら買い物に来るお客さんは、酒やカップそばをよく買っていく。
あーこのまま今日は暇かなー、と思っていると、7時頃、何故か団体バスが店前の国道に路駐して、ぞろぞろと人がやって来た。一気に店内が初めて見る混み様。レジにお客さんが10人超並ぶ。一段落したら、店の奥で自分を呼ぶお客さんが。行ってみると、アルコール臭。ビールを床に落として破裂したらしい。辺り一面、びしょびしょである。そのお客さんは自分を呼びつけた後、「まあ、いいか」と独り言を言って、どこかへ行ってしまった。
体調、悪化。咳、悪寒。
明らかに仕事中の警備員姿のおっさんがワンカップを買っていった。明らかに自分で持ってきたビニール袋に店の売り物であるところの、つまみ、乾き物を大量に詰め込んだおっさんが個室トイレに入ったまま出てこない。警備員のおっさんが2本目のワンカップを買いに来た。気を利かし、お疲れ様です、と言って、電子レンジで熱燗にしてあげた。あまり喜んでくれなかった。
ボールペンをなくした。
シフトを確認すると、明日入っていないはずのコンビニバイトが何故か入っている。
全て年末である。今日は年末なのだ。
裏で仕事仲間のおっちゃんとタバコを吸っていたら、おっちゃんが
「さあ、カウントダウンやな」
と自分の腕時計を見て言った。秒針が見たい。
あけましておめでとう、2008年。年が明けたその時、店にはお客さんが一人もいなかった。
0時半。お客さんがタバコを買いに来る。外の自販機、売り切ればっかりやないか、と怒っている。見に行くと、確かに全て売り切れである。自販機がそう出来ているのだ。深夜11時を過ぎると、買えない仕組みになっているのだ。
0時45分。警備員のおっさんが3本目のワンカップを買いに来た。今度は、そばどん兵衛と一緒である。今日はカップそばが本当によく売れる。
1時、コンビニバイト終了。体調、最降下。寒気がひどい。全身に鳥肌が立つ。インフルだけは勘弁。1月6日まではこんなシフトなのだ。7日は、バイトを両方休むことにした。何も予定のない休日は、9月以来である。何をしよう。8日が工場の仕事始めなので、ここまでには治さないといけない。また寝れない日々に入る。
いや、しかし、とりあえず、今年一年お疲れ様でした。子年で会いましょう。
そんな大晦日。
スポンサーサイト

271日目 あだ名

あけましておめでとうございます。
埼玉県行田市出身、高沢里詞です。射手座のB型、得意技はロケット、得意科目はロケット、得意すぎるくらいロケット、苦手なものはスケート、スケートするとコケッと、曲がれないので、そこどけっと、どいてくれんとフワッとなるだろっと、インターネットという屋根裏をネズミのごとく走り回る。今年の抱負は「なる!小回りがきく男」です。よろしくお願いしまチュー。
最近、バイト先で自分のあだ名がタッカーになっていて、これは高沢の高をね、弾ませた感じの発音なんですが、タッカー、なんだかカッターみたいでカッコイイや!タッタカターと行きますかね、今年も。
今まで自分にはあまり定着したあだ名というのがなくて、一番多いのは「高沢くん」なんだけど、これは実は一番気に入っている呼ばれ方かもしれない。自分が人を呼ぶ時も「○○くん」と名字で呼ぶのが好きで、仲のいい友達でも、○○くんと呼んでいる人が多い。
ところがこれ、女性には○○くんが使えなくて、○○さんと呼ばざるを得ないんだけど、○○さんは相手にしてみればちょっと親近感が湧いてこないものらしい。目上の方であれば別にいいのだけど、同級生などに○○さんはなんだか遠慮っぽい印象を与えるようである。でも、自分は今まで○○さん呼びを励行してきたのであって、その理由を挙げろと言われたら、一つしかないから簡単だ。
恥ずかしいのである。さん付け以外で女性を呼ぶのが。その人に定着したあだ名があっても、自分はなかなかそれに乗れない。何故ならば、恥ずかしいから。
ちゃん、くらいならまだいいが、特に下の名前、アンダーネームを呼び捨てにするのは、教室で屁をこくのより恥ずかしい。
例えば、ミカという名前の女性がいたとする。
「ミカはさぁ」
とか、ムリムリムリムリ。ジョジョ並に無理である。口が裂けても言えなくはないが、裂けるまで無理である。何故ならば、自分は日本男児だから。名前を呼び捨てするくらいなら、ユーと呼ぶ。って、それ英語やんけ!
時々、出会ったばかりの女性でもサラッと下の名前で呼ぶ男性がいるが、あの人達は何を考えてるんだろうか。何も考えていないんだろうか。外国の影響だろうか。それとも、やはり自分と同じような恥ずかしさを感じつつ、それを乗り越えて話してるんだろうか。疑問である。

272日目 回復

いやあ、体調がいい。実にいい。つい、先日、体調が悪いと書いて、年末から新年に向けて風邪を引いたバカなのだけど、まだ風邪は引きずっている。3日現在も、タンの絡んだ咳をしている状態だが、体が、体が、体が、体が、体が、体が、体が、フワッとして、力がみなぎってくるようだ。
何故だかは分かっている。
睡眠だ!間違いない!!この年末年始で自分は毎日6時間は寝ている。これがすごい。何がすごいって、やはり人間、睡眠は大事なのだね。しっかり睡眠をとる生活になってから、風邪のマイナスを差し引いても、体調がいいのだ。信じられない。ブラボーだ。バイトが、ス、ス、ス、スムーズぅぅ!走り回れる。動きが速い。出来る!これだ、見たか!これが俺の力だ!これが俺の動きだ!見たか!いつもみたいなドンガメじゃないぞ!おぉぉ!動ける!かなりイケる!跳ねるようだ!実際、バイト中にトレー持って跳ねた。軽い、軽い!体が軽い!トレー持った俺がとろくない!
すげぇ。
って、そんな新年。

273日目 小遣い

今さらながらクロマニヨンズのセカンドアルバムを買った。久しぶりのCD購入。CD屋に行ったら、欲しいCDがたくさんあった。
本屋とかCD屋とか、まあ今は両方やっている大型店が多いけど、好きだ。自分はほとんど服に金をかけることがなく、小遣いを何に使うかと言ったら、まず酒、次にギャンブルなのだけど、3番目はCDや本かもしれない。
そういえば服だけど、自分は若者であるから、一応ファッションには気をつかっている。しかし、この広島で秋と冬を迎えた自分の服装は2パターンしかない。
一つは、福岡のユニクロで買ったジーパンに、広島のユニクロで買った灰色のパーカーを着て、その上に家から送られてきたユニクロのフリースジャケットを羽織るというもの。
もう一つは、福岡のユニクロで買ったジーパンに、家から送られてきた深緑色のユニクロのスウェットを着て、その上にやはり家から送られてきたユニクロのフリースジャケットを羽織るというもの。
見た目は大して変わらないかな。自分はユニクロの宣伝塔かっ。
服装っていうのは、自分には憧れるパターンが二つあって、一つは毎日、違う趣味の服装をすること。
もう一つは、毎日同じ服装をすること。
前者は金があればやってみたい。後者は、ルパン3世みたいに、あの人と言えば、この服装、この髪型、みたいな定着したものの欲求。
出来れば、カッコイイ服をカッコよく着こなしたいなあ。

274日目 自分探し

中学校の恩師から折り返しの年賀状が届いて、そこに「自分探しの旅、頑張って下さい」とあった。
自分探しの旅。
自分は、この旅に自分を探しに行ったつもりは毛頭なく、逆に、自分はもう見えているぐらいのつもりでいて、チルチルミチルの青い鳥は家にいました、みたいな、そんなんもう知ってるわ、はよこの旅をスイスイッと楽しんで地元に帰り、さあ仕事に取り掛かるか、ぐらいの気持ちでいたのだけれど、結果的に自分と出会ったってのは、これ、妙な話である。
いたのだ。まだ、そこに自分の知らなかった自分が。
旅をした後も、何も変わることはないだろうと思っていた。心の変化など何も求めていなかった。
けれど、変わるものである。変わるもんだなあ。
なんて言ったらいいか分からないけど、自分の心は以前より滑らかに、ツルッとした気がする。角が消えたわけではないのかもしれないけど、ゴツゴツしたものの上でも転がっていけるような。
悲しいな、考えれば、広島を離れるのが。職場の同僚が、おっちゃんが、旅を辞めて広島に住めばいい、と言ってくれる。住めばいいよ、高沢くん。と言ってくれる。会者定離。自分は旅立たなくてはならない。
こういうことの連続が旅の中で自分の心を滑らかにしているのかもしれない。
出会った者とは、いつか必ず別れるのだ。されど自分は生きなければならない。また人と出会わなければならない。傷つかないように体から分泌液がでるように、心から自然と分泌液が出て滑らかになる。
それがいいのか悪いのか分からないけど、自分の心は滑らかになったような気がする。

275日目 初運

1月5日。
今日は工場の方の休日出勤があり、一週間ぶりくらいになるだろうか、工場の仲間と会った。
仕事終わりに、T君とKさんと男3人で飯を食べに行くことになり、向洋駅という、自分が広島に来た時、降り立った駅の裏通りを歩き、ホルモン焼きの店に向かった。
自分はこの辺りの地理に疎いので、二人についていくように歩いていくと、二人はホルモン焼き屋を通り過ぎてしまった。ちょっと、この先にあるパチンコ屋を覗いてみよう、と言う。
はあ、はあ、そうですか、了解、了解。と、ついていくと、結局二人はそのパチンコ屋で打ち始めてしまった。まあ、自分も打ちたかったので、打ってみると、あっという間に財布の中にあった1万1千円がなくなってしまい、おもしろくねー、と二人を見てみると、なんと二人とも出している。
飯を食いにいけない。
ますます面白くないので、パチンコ屋を出てコンビニに行き、そこで金をおろして、また戻り、自分と相性のいいウルトラマンのパチンコ台に座ると、たんまり出た。結果、3人とも勝った。しかも、自分が一番出た。これは面白い。
なんだかんだで飯は食わずにお開きになって、自分はタクシーでバイト先へ。
そんな初運試し。

276日目 強盗

ファミレスでバイト休憩中に工場の同僚から電話があって、
「高沢くん、宇品のファミリーマートに強盗が入ったらしいけど、高沢くん大丈夫?」
と言うので、
「えーっ?!何それ?」
と、よく聞いてみると、ニュースでやっていたらしい。
ついに強盗かぁ。行くとこまで行ったな、あのコンビニは。ってか、大丈夫だったのか店員は!?
ただ、宇品のファミリーマートと言っても、自分がバイトしているファミリーマートか分からず、ヤキモキしたままバイトを終え、帰りに寄ってみると、どうやらうちのファミマじゃないらしい。
「ありゃ、カンダ店よ」
とバイトに入っていたおっちゃんが言っていた。
自分はカンダ店を知らないが、そっか、カンダ店かあ、なんて相槌打って、ところでカンダ店ってどこです?と聞こうとしたら、おっちゃんはもうレジに向かっていたので、黙って寮に帰った。
コンビニ強盗。
コンビニ強盗とか聞くと、いつも思うことがあるんだけど、犯人は盗った金を何に使うんだろうか。盗ったからには、何かを買うんだろうけど、何かを買うために金を盗むというのはおかしな話である。それならば、初めから、買おうとしているものを盗めばいいじゃないか、と言いたくなる。
こう言っちゃ悪いが、コンビニ強盗なんて、高々数万円なのだから、それなら数万円分の窃盗の方がよほど罪が軽いんじゃないの、と思うんだけど、どうなんだろう。

277日目 休日

さあ、明日は休日だーって、昨日、朝の8時に目覚ましをセットして、パチンコでも行くかー、街に出るかー、なんて寝入ったはずが、起きてみると、夕方6時である。小便がしたくなって起きた。
6時かあ。そうかぁ。6時かぁ。えっと、何時間寝たんだ、えっと、じゅう・・、17時間かあ。よく寝たなぁ。何するかな。
しばらく惚けて、着替えて、とりあえず街に向かった。
広島駅で、今月地元に帰るための新幹線の切符を前売りで安く購入してから、駅前のパチンコ屋へ。
つまらない休日だなー、なんか面白いことないかなー、と思って、空を見上げたり、山の方を見たり、閉まっているお好み焼き屋を見たり、点滅する信号を見たり、歩くカップルを見たり、客待ちするタクシーを見たりした。どこか知らない土地へ行くバスに乗りたくなった。でも、明日は朝から仕事あるしなー。
パチンコで勝ったので、キャバクラにでも遊びに行くかー、と思ったのだけれど、自分はキャバクラ遊びを知らない。世の男は、よくあんなところで遊べるもんである。自分なんか、遠慮してしまって余計ストレスが溜まる。でも行きてえなー、女がいるところ。そうだ、エロ本でも買って帰るかー、とテクテク歩いて、本屋の前を通り過ぎ、そうだ、酒でも飲んで帰るかー、とテクテク歩いて、居酒屋の前を通り過ぎ、コンビニでカップラーメンとポテトチップスと缶ビールを買って、そのまま寮に帰ってきた。
なんだ、これ。
一体なんなんだ、これ。
俺は何がしたかったんだ。
知らん、知らん。
部屋の中で、狭い狭い部屋の中で、結局ここが一番落ち着くなー、と思って、ああ、ああ、そうか、つまらないのは日常でも、休日でもない、俺自身だ、って納得して、ポテトチップスつまみに缶ビール飲んだ。
そんな休日。

278日目 幸せ野郎

工場の入門証をなくしてしまった。どこに落としたのか。リュックのポケットに入れておいたはずが、おかしい、ない。
あれっ、あれっ?アレッ?!何度、手を突っ込んでもない。
仕事帰りのことだったので、この工場内のどこかにあることは間違いない。朝はそれを使って工場に入ったのだ。同じ会社の人間なら、見つけたら守衛なりに届けてくれるだろうと思い、速攻で諦めてパチンコ屋に向かった。
最近、自分はパチンコを連勝していて運がいい。鉄は熱いうちに打て、今は行っておかねばならぬ。バイトが休みで、閉店まで2時間ほどあるので、寮に戻らず、そのままパチンコ屋へ行き、勝ってきた。
帰りにラーメン屋で餃子をつまみに生ビールを飲んで、ワンタンネギラーメンを食べる。CD屋にも寄って、CDを物色する。ワゴンセールで3枚200円にて売られていた、野狐禅の「ぐるぐる」を購入。ラーメンを大盛で食べたので腹が一杯だ。
いいなぁ、こういう日。

ついさっき、派遣会社の担当者から電話があって
「高沢くん、入門証落とさなかった?」
と言う。
「はい」
「届いてるから、後で持ってくね」
誰かがどこかで拾って守衛まで届けてくれたらしい。感謝である。

279日目 -1日

「人生とは何かね?」
と職場の同僚に質問したら
「挑戦だよ」
と、同僚はすかさず答えた。
「高沢くんはいいと思うよ。旅するってのは。でも、その後どうするかだよね。・・夢ってのは生き甲斐だし」
ほーん。自分はしばらくしてブツブツと続けた。
「人生ってのは・・昼飯だ」
「え?」
「今日の弁当、何かな」
「何だろうね」
「開けてみるまで分からない」
「うん」
「開けてみるまで分からないんだよ、人生は」
同僚はニヤッと笑った。自分もニヤッと笑った。
「腹減ったな、早く飯にならないかな」

Kさんが自分の仕事している姿を見て、
「どうしたの?高沢くん、今年はえらいやる気じゃない」
と言う。
「正月、休みましたからね」
「ずいぶんと顔色もよくなったわ」
「そうですか?」
確かにだいぶ体調がよくなった。くっきり出ていたクマが消えてきた。来週には友達の結婚式で地元に帰るため、また3連休となる。
年が明けて、早10日が経とうとしているが、今月はもう、少しずつバイトの量を減らして、旅に出るための準備と体調作りをしていこうと思う。広島の町もまだまだ堪能しておきたいし。
「旅なんか辞めてしまえよ。もう1、2年辛抱して、マツダの社員になりゃええじゃない、高沢くん」
「いやいや、出ますよ。旅は。終わらせにゃならんのんですよ」
別れの時期も刻一刻と近づく。

280日目 Nさん(上)

今年、自分が送った年賀状は全部で27枚。毎年送っている人や、旅中にお世話になった人へ、短い挨拶をしたためて去年の11月にポストに投函した。
その返信の年賀状が元旦以降、毎日2、3通ずつ寮に届く。仕事から帰り、部屋でそれを見るのが楽しみだ。
今日届いた年賀状の中にNさんというおばあさんからの年賀状があった。
Nさんとは、青森県むつ市で出会った。梅雨に入る前の時期であったと思う。大間から脇野沢に抜ける峠道を歩き、海岸線でブユに刺されまくれ、ヘーコラしながらたどり着いたむつ市。青森市を目指して、ひたすら歩いている途中で立ち寄った商店にNさんはいた。
店の入り口にある冷蔵庫の中で汗をかいている缶ビールが実にうまそうで、いやいや、でも昼から飲んだらまた歩けなくなる、なんて我慢しつつも、やっぱり堪えきれずに缶ビールを買って、店内でそれを飲みながら、しばし休憩させてもらった。この時、Nさんが自分の話し相手をしてくれ、たわいもない世間話をしたのだった。
Nさんは、
「ところてん食べる?」
と、自分に店の商品のところてんを持ってきてくれた。自分がありがたくそれを頂いていると、今度は納豆やら豆腐を持ってきて、自分に持たせようとする。
「いやいや、大丈夫ですよ。ありがとうございます」
そんなやりとりをして、自分はまた歩き出す準備をしていると、
「じゃあ、これ持っていき」
とポリコーンというお菓子を持ってきて、自分に持たせてくれた。
自分は、持っていたカメラを三脚にセットして、Nさんと2ショットの写真を撮った。
「後で、この写真を送りますから、住所教えてください」
と自分が言うと、Nさんは、いいよ、いいよ、と言いながら、店の奥に何やら取りに行って、戻ってくるなり一通の封筒を自分に差し出して言った。
「これがうちの住所なのよ」
なんともかわいいおばあさんであった。

281日目 Nさん(下)

「僕みたいな旅人が、来ませんか?」
「時々、来るねぇ」
「写真撮ったりするんじゃないですか?」
「何度か、写真を撮ってくれた人はいたけど、写真を送ると言って、誰も送ってくれないのよ」
「そうなんですか。写真、現像したら送りますよ」
「ええ」
「ありがとうございました」
「気をつけて」

去年の夏の終わり、広島にやってきた自分は、カメラを現像に出して、出来上がった写真を手紙と一緒にNさんに送った。こちらの住所は敢えて書かなかったので、返信はない。
そして年も暮れる頃に、自分は年賀状を送ったのだった。
Nさんからの年賀状には、こう書かれていた。

「あけましておめでとうございます。
昨年のお手紙と年賀状、写真もありがとうございます。
実は昨年八月店を閉めました。十月に手術をして、年末には肺炎をおこしました。
母は、字の読み書きができませんが、手紙を読んであげるととても喜んでいます。どうぞお体を大切にがんばって下さい。
平成二十年
広島には春までいるのでしょうね!
代筆 娘」

自分は複雑な心境になり、ペンを握って、手紙を書き始めた。
8月には福岡にたどり着いたこと、旅先で色々な人に出会い力をもらったこと、おばあさんもその一人だということ、素晴らしい景色をたくさん見たこと、おばあさんも是非元気になって、その景色を見てほしいということ。
僕は年内にゴールの北海道にたどり着けるよう頑張りますので、おばあさんも頑張ってください、と手紙に書いた。
人は皆、年を取っていく。体が衰えていく。だけども、この旅で出会ってきた人達がずっとずっと元気でいればいいのにな、とそう思う。皆皆様の健康を心よりお祈りする。

282日目 精神

昨日まで土砂降りだった雨が今朝は止んで、空にはまごまごとした雲が漂っている。曇り空を見ていると、まるで自分を見ているような気がする。はっきりしない。快晴でもなく、雨でもない。どよどよと空を覆う雲の塊が今日は何故か心地よかった。
ただ、ボーッと一日、流れる雲を見つめていたい日があり、ビールもいらない、音楽もいらない、今日、確かにそこにいたという事実だけでいい、そうやって吹いては消えてゆく風を肌に感じながら、過ごしたい日がある。
アンチ激動。アンチ激昂。アンチ、アンチ、全てをかなぐりすて、ただ、自分は静かに心臓を動かす存在でありたい。
誠実とは何だ?エコとは何だ?不誠実さに拍車をかけて、人が大人になっていく。気づかぬフリをしているのか、ホントに気づいていないのか。子供に喰らわす肩透かし。肩を無くした大人達。ゾンビの徘徊。生命が生命じゃない、精神が精神じゃない。
それが、誰の為の快楽で、誰の為の苦痛なのか。力はどこにあるのだろう。見つからない。

283日目 欲しいもの

京都の東が東京都、城の南が城南で、富士山見える富士見町、桜がキレイな桜ヶ丘。
さくさくさくさくらーがーおーかーにー、きーよーくけだーかくータララン、って、これ、自分の中学校の校歌。
われらーわれらの愛する行田、愛するぎょーおーだー、って、これ、行田市歌。
きーみーがーあーよーおーはー、って、これ、国歌。
はーずれーくじーだあよー、って、それ、スカ。
何が言いたいかっていうと、別に何も言うことがないんだよね。悲しいなあ、ついに何も言うことがなくなってしまった。何も言うことがないので、今、自分が欲しいものを羅列していこうと思います。
1、ニンジン
2、サンダル
3、ヨット
って、お前はなぎら健壱かっ!
ちなみにこの後は、よつぶでもゴマシオ、ごだいでもロケット、なんて続きます。ふっふっ。
いや、ホントはこう。
1、バディ・ホリーのドーナツ盤
2、キリンの逆立ちしたピアス
3、アンデルセンの童話の本
って、お前はジッタリンジンかっ!
ちなみに、これには、夢にまで見た淡い夢、なんてオチがつきます。ふっふっ。
いやいや、ホントはこうですよ。
1、温泉
2、馬
3、自家用セスナ(水陸両用)
4、雑煮
うっわぁ。4だけやん、手軽なのって。
あー足くさ。はよ寝よ。

284日目 甘味

どわーっ!忘れ物したーって、ぐわーっと駆けて、部屋の冷蔵庫からイチゴのシュークリームを取り出して、職場へ向かった。職場で食べるんです、イチゴのシュークリームを。
甘味、まあ、甘いものが最近よく食べたくなって、チョコとかよく食べるようになった。
Kさんが、職場の喫煙所に毎日チョコを買ってきて持ってきてくれる。クランキーとかガーナとか。Kさんも今年はパチンコが絶好調らしいのだ。
Kさんは、自分を夜釣りに連れていってくれた人で、38歳にして6人の子持ちだが、よく職場で話す。で、今度、同僚と3人で1日パチンコに行く予定。やー、楽しみだなー。

285日目 夜勤週

18時起床。冷蔵庫の中の弁当をチンして朝食。テレビを見ながらウォークマンでCD聴いてアゲ、歯をみがき、顔を洗って19時過ぎ、マツダへ出発。
20時10分より体操、仕事。途中、22時休憩、昼休憩、3時休憩などを挟みつつ、8時15分仕事終了。9時過ぎ、帰宅。そのまま毛布だけかぶって就寝。
10時半、起床。びっくりドンキーバイト、歩いて向かう。11時よりランチタイムのホール。
15時、バイト終了。しばし、休憩室に座り込んでからコンビニへ移動。ファミマ店長とシフト打ち合わせ。朝食の調達。16時帰宅。17時までブログ管理。17時、就寝。
18時、起床。風呂に入って、朝食。歯みがき。19時過ぎ、マツダへ向かう。
と、これが今日の動きであり、夜勤の週の動き。あまり変動はない。風呂に入るのが面倒で、毎日風呂に入ると洗濯物もすぐ溜まり殊更面倒なので、風呂は2日に1回。入浴時間は18時から23時なので仕事前に風呂に入ることになる。夜勤の週はビールを飲む時間がないので、禁酒である。

286日目 昼勤週

で、昼勤は、びっくりドンキーとファミマを入れ換えた感じである。昼勤の方が夜にまとめて睡眠が取れるので楽だ。
マツダは4勤2休で、この2休の日は、びっくりドンキーとファミマの組み合わせになる。労働時間は変わらないが、移動時間がかからないので、この日が一番楽かもしれない。バイト先は両方とも徒歩10分圏内である。
これにより1日実働15時間を1ヶ月30日フルで働ける計算だ。予定が立った時は、バイトを空けておく。
で、この生活4ヶ月目の去年12月はやばかった。歩きながら寝てしまうのだ。歩きながら寝るので、起きたら少し進んでて、ワープしたような感じであった。寝る、というより、気を失う、と言った方が的確かもしれない。夢遊病みたいだ。よく怪我をしなかったと思う。
あともう一つ、バイトで人手が足りていて穴が空いた時のために1日でも働ける短期スポットの派遣会社にも登録しているが、こちらは利用したことがない。バイトは3つやれば、フルで回ることが分かった。
このわがままなシフトに対応してくれているバイト先の両店長には深く感謝している。
しかーし、この広島バイト生活が終わったら、もうこんな生活絶対しねぇ、と心に誓っている。

287日目 準備

明日、帰省、というか、ジモッティに帰るということで、バイトを休んで、様々な用事を済ませた。
夜勤明けの仕事帰りに床屋に行って、歯医者に行って、銀行に行って、御祝儀袋を買いに行って、メモリースティックを買いに行った。
さすがに坊主頭を伸ばしたままのボサボサ頭じゃいかんだろう、ってことで床屋。最近、歯が痛い、こりゃ旅に出る前にしっかり治しとかんとやばい、この時間を活用しよう、ってことで歯医者。結婚式に包む御祝儀はピン札がよい、ってことで銀行。その御祝儀を包む袋は一体どこに売ってるんだ、いいやつが欲しいぞ、ってことで御祝儀袋を探し歩き、せっかく家に帰るのだから家のパソコンに入っている音楽データをメモリースティックに落としてケータイで聴きたい、ってことで、電器屋にメモリースティックを買いに行った。
果たして用事は意外と早く済み、早く済んだのだから早く部屋に戻って、今日、夜勤最終日のために早く寝ればいいのだけど、せっかくだからパチンコ屋に行こうという気分になって、パチンコ屋に行ったら、勝った。
広島パチンコ5連勝である。いつも、寝ながら打っている。

288日目 移動

20080121065743
仕事終わりに直で広島駅へ向かい、新幹線で東京まで。
新幹線の中でビール飲んで爆睡。掃除のおばちゃんに起こされると、そこはもう東京駅であった。終点が東京駅でよかった。自分はよく、乗り過ごしというのをやってしまう。以前、電車で5時間ほど乗り過ごしてしまい、とんでもない所に行ってしまったことがある。
そして、降り口を間違えた。東京駅をぐるぐるしながら、山手線の文字が全く見当たらないので
「なんで東京駅に山手線がないんやっ」
と怒りながら歩いた。バカである。
しかし、東京はやはり人がすごい。雑踏、という言葉は東京にピッタシだ。行き交う人々。来年の秋頃にはここを歩いていくのだ、なんて思いながら、しばし迷子。
無事、実家に到着してからは、明日の結婚式の余興準備を兼ねてバンドメンバーと会い、スタジオへ向かった。知らぬ間に、地元には大きなショッピングモールが出来ており、ここに新しいスタジオがあるのだそうだ。メンバーが気を利かせて、自分の分のメンバーズカードを作ってくれていた。
高沢里司。
詞が違うやんけっ!なんて笑って話しながらスタジオ入り。

いやぁ、

いいなぁ、バンドは。早く帰ってライブがしたい。久々のバンド練習で、喉が腐っていた。新曲を2曲やって、そのまま飲みへ。
地元行きつけの「かもん」という居酒屋でタコ刺しを食べる。ここのタコ刺しはうまい。タコ刺しに力を入れている居酒屋って少ないんだ、これが、また。たまに解凍しきらずにシャリッとしたままのタコ刺しを出す店があるが、あれは反則である。
バンドのドラマーであり、明日結婚式の当事者である友達は、最後まで一緒に飲んでいた。彼曰く、男の結婚前夜ってこんなもんじゃないんかな、ということである。

289日目 結婚式2

20080121070648
結婚式。
午前11時半から教会式であった。

うーん、

とにかく、自分はすごく結婚したくなった。なんでだろう。去年の友達の結婚式の時もそうだったが、なんかこう、人生の節目みたいな、一大イベントみたいな、友達がそういうことを立派に成し遂げている感じがして憧れるのかもしれない。
この友達の結婚式に自分は十万円の御祝儀を包んだ。友達とこんな約束をしていたのである。
「先に結婚した方に十万な」
負けであった。完敗である。自分は一人もんだ。その約束をした時は同体であったのに、だいぶ差がついたものだ。
で、余興であるが、自分は友達に贈る曲を広島で作っていたのだが、結局バンド演奏は出来ないという話を事前に聞いていたので、昨日、友達以外のバンドメンバーとほぼ即興で完成させた
「全身タイツで人文字」
をやった。わずかにウケた。完成度が低かったので、悔しい。
後、家に帰り、家族で晩飯。しゃぶしゃぶを食べる。高沢家でしゃぶしゃぶは初である。
と、ここで親父が自分の旅のことで茶茶を入れた。親父らしからぬ発言だったので、自分も腹が立ち、
「なんで、そんなことを言うんだ」
と言ってしまったのだが、後で冷静になって考えてみれば、親父は自分を心配していただけであった。
せっかく帰ってきたのだから、そのままうちにいればいいじゃねえか、とでも思っていたのかもしれない。しかし、そうも言えなかったのだろう。やけに曲がった物言いをするので、正面から反抗したが、悪いことをしたと思う。
心配される、というのは辛い。
地元に帰る前、広島駅に向かう電車に乗る時に一緒にいたKさんが、
「高沢くん、このまま帰ってこなくなるんちゃうか?・・ちゃんと帰ってこいよ」
と言っていた。
あったりまえである。
「ハハ、帰りますよ」
と言うと、Kさんは
「そうか、じゃ」
と言って、そのまま振り返らずに反対ホームへ向かって歩いて行った。その背中がどこか寂しげであった。
心配されてばかりである。自分は初心忘れず、しっかりやるだけだ。
明日、広島に帰る。

290日目 帰宅

広島に帰る前に、まだやることがある。メモリースティックだ。
自分は旅に出る前、家のパソコンにCDをバンバンぶちこんでおいたので、それをメモリースティックに落として、旅中に聴こうと考えていたのである。
ところが、この作業に思わぬ時間を費やしてしまい、昼頃に帰る予定であったのが、今現在、自分は最終の広島行き「のぞみ」に乗車しているのであって、ただいま22時ジャスト。次は京都駅に停車するところである。
周りの乗客は缶ビールを飲んでいる。自分も飲んでいるが、あまり飲み過ぎると出来上がってしまうので、まだ1本である。反対の窓側に座っているおじさんは顔を真っ赤にして小説を読んでいる。酔わないんだろうか?
昨日、親父が
「これを持っていけ」
と自分に米を持たしてくれたのだが、自分は断った。だって、寮で米は炊けないのだ。しかし、それでも持ってけ、と親父は言う。
「この前の居酒屋に持ってけ」
結局、持ってこずに家を出てきたが、そういうことが一々、自分の心をチクチクと痛ませる。例え、自分が食べないとしても、誰にもあげる暇がなくても、いきなり人に「米、どうぞ」なんてのがおかしくても、この米はもらってくるべきだったのかもしれないと、自分を悩ませる。
新大阪駅に到着して、ホームで別れるらしいカップルがあり、彼女の方が居場所なさげにホームに立っている。こういう別れは苦手だ。でも、このカップルからしてみれば、逆に車内で缶ビールを飲んでいる自分はただの風景だろう。しかし、そうやって、一人一人に事情があり、そんなたわいもないような風景に隠された数々のドラマを想う。これも旅だ。
大阪を過ぎた頃から降りだした雨が、岡山を過ぎ、雪になった。地元の友達から電話があり、
「なに、もう帰っちゃってんの?」
と言う。
やはりね、自分はこの旅を終えるまで、地元なんかでなるべく会いたくないんだな、みんなに。ダサいもの。途中は。
ほら、広島到着。広島は寒い。埼玉より寒い。駅から外れた繁華街まで歩き、ラーメンを食べて帰宅。いつもの部屋は、いつものままでそこにあった。
あったりまえである。

291日目 贅沢

寒くなってきたので、掛布団の下にもう一枚、毛布を入れてみた。布団が一枚増えると、なんだか幸せである。あったかい。子供の頃に使っていた、冷たい布団の中の電気アンカを思い出す。
あったかい、って幸せだよな。ぬくぬく、って幸せだ。涼しい、よりも、あったかい、の方が幸せな気がする。
ところで、今使ってる布団なんだけど、この寮にきてから一回も干してないんだけど、どうなんだろう。というよりか、干す場所がないなあ。窓にはかからないし。そういえば、この寮に住む人達が布団を干してるところを見たことがない。どうしてるんだろう。
で、この布団は寮のレンタル品であり、毎月給料から布団代が引かれている。1日あたり約20円である。
人が生活をしていくのに必要な衣食住。布団は住になるのか。空飛ぶ布団と、空飛ぶラーメン、旅の途中、歩きながらよく夢を見た。生活が豊かになれば見なくなるだろう夢。実際、見なくなった。最近、布団のありがたみを忘れている。
食えるって幸せだな。布団で寝れるって幸せだな。そういうのに慣れてくると、今度は贅沢したくなって、晩飯に一人でとんかつを食べに行ったりして。
行ったんだよね、今日。実際に。

うめえなあ、もう。

292日目 メモリースティック

メモリースティックに落としてきた曲達が、いい具合いに自分の頭蓋を揺らしてくれる。
響く。
響くぜっ!
これが数百曲ある。まだまだ落とし足りなかったんだけど、メモリーの容量が一杯で落としきれなかった。
イェーイ、タイマーズ!真心!ジュディマリ!ホームシックス!ボックス!ブルーハーツ!ハイロウズ!クロマニマニマニマニヨンズ!イナ戦!スタパン!イエモン!エレカシ!ガガガ!ゴイステ!オザケン!スカパラ!ひばり!チャラ!クドウズ!爆風!フラカン!ジャパハリ!ホルモン!ハイウェイ!ブギー!マス!ミンマー!キャタピラーズ!!
まだまだあるぜー。アルファベット表記は、書くのがメンドクサイから省くぜー。個人名も、語呂が崩れるから省くぜー。微妙な線ついてくぜー。名曲は、時代、ジャンル関係なく名曲なんだぜー。ロックンロールは作曲じゃなく、産曲だぜー。吐くんだぜー。ゲロじゃないぜー。吐露だぜー。寿司ネタじゃないぜー。心だぜー。
音楽っていいな。なんて自由なんだろう。なんてわがままで、なんて闊達で、なんて愛らしくて、なんて残酷で、なんて生き生きしてるんだろう。
メロディーって奇跡だ。奇跡の子だくさんだ。
歌うぜー。

293日目 月の誘惑

工場の仕事の方が経費削減だかで、皆の残業がカットされた。というのは、昼勤と夜勤のそれぞれ最終日をノー残業デーにしよう、みたいなことになったのだ。
そして今日、昼勤の最終日、いつもより2時間早く仕事が上がり、バイトまで少し時間があるのでKさんと飯を食べに行くことにした。T君もその場にいたが、彼はパチンコに行くというので、自分はKさんと二人で居酒屋に。お好み焼き屋に行きたかったのだが、どういうわけか、居酒屋になった。
バイトに支障が出ない程度に飲みつ食らいつ、Kさんと職場の話や、旅の話をしていると、これまた、どういうわけか、話が飛んで、これから歓楽街に繰り出そうという話になった。
まあ、男同士だとよくある展開かもしれない。
しかし、自分にはバイトがある。

「いやぁ、行きたいっすね」
「行こうや」
「でも、バイトがありますよ」
「休んじゃえや」
「そら出来んっすよ」
「いいじゃん、高沢くん、いつもバイト行ってんだから、たまにゃ休めよ」
「うーん」
「腹痛いです、って言やーいいじゃん」
「えー?いやぁ・・」
「考え中、考え中。決まった?」
「うーん」
「高沢くん、高沢くん行くなら店に電話しとくわ」
「どこ行くんすか?」
「ストリップよ。ええで~、ロシア、フィリピン、中国とあってな。まあ、たいがいロシアよ」
「ええんすか」
「ええよ~、この店のお姉ちゃんとは月とスッポンよ」
と、居酒屋の店員を指して言う。
その会話に至るまで、二人で店員の女の子の品定めみたいなことをしていたのである。
「どうすんのよ、高沢くん」
「うーん」
「おっぱいなんか、すごいで!」
「すごいんすか」
「すごいよ~、月ばっかじゃ。・・あれはスッポンよ」
と、居酒屋の店員の女の子を指して言う。
「いやー、あの子ええと思うんすけどねー」
「くぁー、高沢くん、ありゃスッポンやで」
(あれがスッポンかあ、月はどんなだろうな)
「行きたいっすね」
「行こうや」
「でも、今日はやめときます」

それで結局、自分はKさんと別れ、バイトに向かったのだけど、いけんよなぁ、頭の中に白くて綺麗な月が浮かんでは消えず、空が月だらけになってしまった。今宵、手に届かなかった悔しさから、柔らかいそれに飢えている。
男って、きっと誰にでもそういう時がある。情けねぇよなぁ、っていつも思うんだけど、チンポコと目玉がある限り、多分、永久不滅に見たくなる、手を伸ばしたくなる、白くて柔らかくて丸い月。
本能だよなぁ。
ダッサイようで、それが意外とロマンなのかもしれない。
なんて。
溢れて萎んで。

294日目 旅の話

先日、この旅について人と話をした時、自分は「アリとキリギリス」の童話を比喩にして話したのだけど、話しているうちに、果たして自分はアリなんだろうか、キリギリスなんだろうか、段々に分からなくなってきて話が落ち着かなくなった、なんてことがあった。
自分はアリだろうか。それともキリギリスだろうか。
童話の中のアリというのは日々マメに働き、キリギリスはその日その日を楽しむ生活をしている。物語の最後には、明るい灯りの下、家族で食事をするアリの家をキリギリスは寒々とした外気の中に見つめながら死んでいくのである。
自分はアリであろうか。キリギリスであろうか。
アリがリストラされ過労死し、キリギリスが株や発明で一発当てて、億万長者になる時代である。
自分は自分をキリギリスであると思っていた。しかし、今の自分はどちらかというとアリである。じゃあ、アリでありつづけるのか、というとそうでもない。狙っているのはキリギリス的な生活である。好きなことをやって暮らしたい。
恐らく、この世にはっきりと、アリかキリギリスかに分かれる人間なんて、そういないはずだ。アリだってハメをはずせば、キリギリスだってコツコツとギターだかバイオリンの練習もするのだ。
考えてみれば、あれもおかしな童話である。
今日、バイト先で旅の話をした。先日の結婚式のお土産を持って行ったら、
「高沢くんは、何で埼玉から広島に来たの?」
と聞かれたので、これまでの経緯と、これからの予定をその場にいた人達に話した。反応は人それぞれだ。
中学校の恩師からも電話があり、
「元気ならいい」
とおっしゃっていた。
家族も心配しているだろう、飯はどうしてるんだ、寝る時はどうしてるんだ、と話をして、最後に
「歩いていることで何か見えたことがある?」
と聞かれたので、自分は
「ありません」
と答えた。
旅をすることで何かが見えるとしたら、多分旅を終えた後であると思う。時々、思いついたことをここに書いているが、明確に見た、つまりは悟った、ということはまだない。自分は何かを見るだろうか。見ないだろうか。それとも、知らず知らずのうちに、もう見ているのだろうか。漠然としすぎていて、今はちょっと分からない。

295日目 面白い

日々、色々なことが身の回りに起こる。色々なことがありすぎて、今日あった面白いことをどんどん忘れていく。
えっと、
なんだったっけな
今日確かに面白いことがあったはずなんだけど
・・・
思い出せない。
あっ、そうだ!思い出した、思い出した!
とんかつ屋で、また一人、とんかつを食べてたんだな、自分は。そしたら、隣の席に座ったカップルがいて、男の方が
「うわー、マジ失敗したよ。マジ、ありえねー。マジ、どうしよー」
と言ってるから、隣を見たら、あの、そこの店は店員が持ってきたスリバチの中にゴマを入れてすり、そこに甘口とか辛口のソースを入れることで自分好みのとんかつソースを作る店なんだけど、男は先にソースを入れてしまったらしく、後から入れたゴマがすれなかったみたいだ。
「ゴマが水分吸っちゃって、すれねーよ」
とソースが入ったスリバチの中にスリコギ突っ込んで、グリグリやってるんだけどゴマが浮いてきちゃうから、それが面白くて笑ってしまったんだな。そうだ、そうだ。面白かったな、あれは。
何か他にも面白いことがあった気がする。
思い出せないな。
この前、コンビニに来たお客さんが、袋を一枚くれと言うのであげたら、ポケットからスロットのメダルを大量に取り出して、ジャラジャラと袋に詰め始めてね。
あそこは出ないよ、なんて言ってたけど、面白いよな、そういうの。パチンコ屋の玉とかメダルって持ち出し禁止なんだけど、多分、換金率が悪いから自分でメダルをため込んで、それでまた打ちに行くんだろうな。おばちゃんなんだけどね。おばちゃんって、おじちゃんよりも強い。タフだ。
全く、日々、色々なことが身の回りに起こる。

296日目 選ぶ

今日から夜勤で目を覚まし、飯を食べようと3階から1階に下りて、電子レンジで弁当を温めていたら、ちょうど、同じく1階にある風呂から競艇好きのおっちゃんが出てきたので話をした。
おっちゃんは、前から
「もう、ここはやめるけぇ」
と常々口にしていたが、今日も
「もう、やめるけぇ」
と言っていた。
名古屋に行くらしい。名古屋、というのはトヨタのことである。
今、自分が働いているマツダは皆さんご存知の通り、自動車の会社であるが、自動車会社の内、日本、延いては世界のトップにあるのが愛知に拠点を構えるトヨタである。
このトヨタ、自分もマツダに来た後知ったのだが、給料がべらぼうにいい。期間工と呼ばれる数ヶ月から1年ほどの短期社員みたいな形ではあるが、一人部屋の寮費がタダで、月々の食事補助が確か2万円出る。日給にそれほど変わりはないが、皆勤手当と、1年なら1年、契約期間通り働けば、最後に70万円ほどの契約満了金までもらえる。面接は全国各地で随時行われていて、体が健康であればだいたい受かると聞いた。派遣会社を通さずに直でやっているのがミソらしい。
おっちゃんは、その面接にすでに受かっているようだ。
「ここじゃ、金が貯まらんけぇのぉ」
と言うので、
「お金貯めてどうするんです?」
と聞いたら
「フィリピン行くのよ」
と言っていた。
なんでもフィリピンは物価が安く、月々4万円もあれば遊んで暮らせるらしい。Kさんも同じようなことを言っていたが、100万円持って東南アジアに行けば王様(気分)になれるらしいから、結構そういう人生を選ぶ人も多いようだ。
自分はというと、
日本という国に絶望したら、やってみたい。

297日目 夢

ピンクレディーを聴きながら出勤。
私の名前はカルメンでっす、もちろんあだ名に決まってまっす、っすっす言いながら、快調快調。
今日、夢を見た。夢の中で日本一周の旅を終えた自分は、北欧を歩いていた。世界一周の歩き旅に出たらしい。
UFO!
あ、ごめんなさい。ピンクレディーをまだ聴いてるんだな。
それで、北欧で自分は見知らぬ人の車に乗った。なんか装備が、いやに軽い。地図を見ると、北欧の地理をよく知らないからかメチャクチャである。うろ覚えで描いた子供の落書きみたいな地図を広げて首を捻っていると、一台の車が止まって、乗っていけ、と言う。車には自分以外に外国人が3人乗っていて、1人が日本語が話せるので話をした。髪の長い女性であったが、自分はなんだか安心して
「パスポートを家に忘れてきちゃったんです」
なんて言っていたが、それならどうやって北欧に来たんだという話で、しかし、女性も
「それは困ったわね」
みたいなことを言って、
「いいところへ案内してあげるわ」
と言うので、自分は財布の中の日本円を早く現地の金に両替しなくちゃ、と焦りつつもついていった。
「ここで待ってて」
と、古ぼけた家の庭みたいなところで待たされていると、なんだか変な生き物がいる。薄ピンク色をした羊のようであるが、ワンと鳴くので犬なのだろう。その犬と遊んだりして待っているのだが、いつまで経っても外国人は戻ってこず、ついに日が暮れ始めたところで目が覚めた。
変な夢だ。
昨日も夢を見た。昨日の夢は恐ろしい夢であった。自分がヤクザの抗争か何かに巻き込まれて、ヒットマンをやらされるのである。しかも自爆的な。
3tトラックの荷台に仲間二人と乗せられて、敵のアジトに連れていかれる。仲間二人はもう死ぬ気なのだ。自分は嫌だ、死にたくない。
アジトに着いて荷台から飛びおりると、二人とは逆方向に自分は走った。逃げたのである。路地裏を走り抜けて、遠くへ行こう、そう思っていたのだけど、どうしても仲間二人のことが気にかかり、こっそりアジトの裏口に近づき、中の様子を窺うと、悲鳴、銃声。裏口から、敵のアジトで働いていたと思われる板前が裸足で逃げてきて、それを見た自分はやっぱり怖くなって、逃げた。
あんなことするもんじゃない。命で命を攻撃するなんてバカげてる。そんなことを思いながら、川を渡り、対岸の町まで来た自分は、知らぬ居酒屋に入って酒を飲んだのだった。すぐに噂が飛んできたのか、店の女将が抗争事件の話をしていた。自分は落ちつかなかった。料理を運んできた女将が怪訝そうな顔で自分を見、
「まさか、あんた・・」
と言って、その後は覚えていない。
明日は、どんな夢を見るだろう。

298日目 結婚

20080129194939
子供が生まれました。
って言ってみたいなあ。自分は親バカになるだろうか、厳しくなるだろうか。それは、子供が生まれてみないと分からないのだけど、その前に相手を探せ、なんてことはうんざりするほど言われてきて、自分でもうんざりするほど理解している。
結婚である。結婚、結婚。その前に相手探し。
昨日、北欧を歩く自分を夢で見た、と書いたが、あれはあながちデタラメではない。自分の中に海外へ広がっていく思い、みたいのがある。内から日本を見つめたら、今度は外から日本を見つめたい、といったような。夢の中で感じていた、あのハラハラを感じてみたくなり、今日、本屋に立ち寄って、ワールドガイドの「北欧」を立ち読んできた。
ところが、結婚であるよ。どうだ、そんな日本だとか世界だとか、一ヶ所に安住せずフラフラしていたら、結婚どころか、恋愛さえもままならないのであって、なんだか自分は一生結婚出来ないんじゃないかという気がしてくる。それは直感的でさえある。自分の直感はよく当たる。
こんな時は、植村直己を考える。彼は結婚していたのだ。幾多の冒険の中にも、自宅で待つ妻があった。これは羨ましい限りである。男は外に出ていく生き物だ。やりたいことをやる、正に名前通りの、己に対して真っ直ぐに生きる生き方は、家庭を持つということとは相反したもので、それでも彼を支え続けた内助の功には、尊敬の念を禁じえない。
自分もそんな妻が欲しい、なんて言ったら誰かにひっぱたかれそうだが、そんな人と出会わぬ限り、自分が家庭人になるか、結婚せぬか、の2択しかない。
どうだろう。この旅を終え、地元に戻った後の自分は当初の計画通りに動くとしても、きっとまた旅欲、冒険欲の風が吹くだろうな。予定を立てる、とは別のところで、未来なんて本当に分からないものである。だから、自分は今やりたいことをやる、そうして旅に出たのだとも言える。
バイト先のコンビニで、店長夫婦の間に誕生したお子さんを抱いて、子供が欲しいと思った。
「高沢さんは結婚しないんですか?」
と聞かれて、答えに迷う。

299日目 広島生活

1月29日。夜勤最終日。
さっきから、エンジンの検査をしたり、ボルトの補充をしたりしている。エンジンの検査は1台につき10分位かかるのだけど、ここに来た当初より、だいぶ手際がよくなった気がする。不良品を見つけるにも、目が鋭くなった。
職場でのコミュニケーションも問題なく、ただ自分が仕事中にうつらうつらすることを除けば、職場に馴染んできた、という感じがする。
びっくりドンキー、ファミマでも同様、自分は自分なりのポジションをある程度作れた気がする。もちろん、一緒に働く人達の協力があって。
つまりは広島での生活に馴染んできた、ということなのだけど、こうやって、せっかく築きあげてきたものを捨てて、また旅に出るというのはどこか悲しい。別に今までもそんなことの連続であったし、今回の広島だって、初めから辞める日取りを考えて行動してきたので悔いはないが、なんだろうな、心に少し穴が空きそうな、そんな予感がしている。これも旅の醍醐味だろうか。世界ウルルンなんかで、お世話になった現地の人と別れる時みたいだ。まあ、まだあと2ヶ月あるんだけど。でも、そう考えると、あの、仁木で過ごした1ヶ月はだいぶ濃かったな、と思う。
よく、芸能人が付き合って1ヶ月でスピード結婚とか電撃結婚なんてニュースを聞くけど、互いの関係を深めるのに、時間って意外とそんなに必要ないように感じる。例えて言うなら、青春の一日が惰性の一年より充実しているような。要は、どれだけ濃く生きたかなのだろう。逃げず、隠れず、言い訳せず、前を向けたかだ。
この広島での生活は、アリンコのように働いているだけだったように思っていたが、自分が思っているよりも充実した時だったのかもしれない。
仲間と呼べる人達が出来た。それだけで、今は嬉しい。
12 | 2008/01 | 02
Su Mo Tu We Th Fr Sa
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール

高沢 里詞

Author:高沢 里詞
埼玉県行田市出身
S57・12・7生
26歳♂
B型
パンクロッカー・詩人
行田秘湯の会会長
S・O’S(スーパーアウトドアーズ)部長
行田不毛の会会長
行田死語の会会長

注※どの会も新規会員募集は行っておりませんが、もしも会員になりたい方がいましたら密談でどうぞ。

お知らせ
☆NEW TOPICS☆
リンク、追加しました(9/24)
当ブログがFC2ブログランキング
バックパッカー部門において
第1位を獲得しました!!
(過去のTOPICSはこちらへ)

☆くるみ長者☆
現在のアイテム
『赤いラジコンカー』
~これまでの交換履歴~
くるみ→
折りたたみナイフ&小説→
革のケータイケース→
キュウリの種→
赤いラジコンカー
青雲の最新動画
青雲HPは下記リンクより!!
最近のコメント
カテゴリ
月別アーカイブ
リンク
メールフォーム
ご意見、質問、ご要望等は、お気軽にこちらへどうぞ!

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QR
ブログ内検索
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。