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450日目 国頭~国頭奥

20080702145214
6月28日。8時半起床。
あつい、アツイ、暑いっ!!暑いぞ熊谷!じゃなくて沖縄!
沖縄の人でも、熊谷が日本一暑い町だということは知っている。熊谷は暑いんだ。でも、沖縄もアツーイ!
溶けそうだ。ああ、俺は冷蔵庫でキンキンに冷えたラムネ、そのラムネ自体になりたい思いでアスファルト、通称フライパンロードを突き進んだ。なんだか蛇の道を歩いているような気分になってくる。この道の先に界王様がいそうだ。
東屋で休んでいたら、近くに車が止まって人が4人下りてきた。東京の目黒から来た家族だそうだ。親父さんに話しかけられた。じいちゃんと奥さんと息子さんの3世代4人家族だ。なんだか、スキューバダイビングが好きで、家族で全国回っているらしい。
「沖縄は10回以上来てますよ」
と言って笑っていたが、自分はこの人の職業が何なのか知りたかった。家族4人を全国連れ歩いてスキューバダイビングをやるだけのお金と暇がある東京の仕事って何であろうか。
今日、ついに沖縄最北端『辺戸岬』に到着する。
沖縄は那覇を中心として南部が栄えている。那覇に次いで中部も名護辺りまでは栄えているが、それから北はどんどん自然が色濃くなってゆく。特に東海岸と呼ばれる地域は、小さな集落がいくつかあるだけで、ジャングルのようだと聞いていたので、自分は沖縄攻略に関しては北東部が砦だなと考えていた。
この辺戸岬を過ぎればいよいよそのジャングルである。ちなみにこの辺りではヤンバルクイナの観察が出来るらしいのだが、もしかしたら自分も野生のヤンバルクイナが見れるかも知れないと期待した。ヤンバルクイナは飛べない鳥なので、道路を横断したりするそうである。
道を歩いていると野鳥が警戒してか、自分の頭を小突こうと挑発してくるので、自分は猿の物真似をして追い返した。目には目を、挑発には挑発を、である。

久しぶりに野グソをした。今季初。この旅で二度目の野グソである。人目がないことを確認して、道路脇の砂利道へ。更に砂利道の奥の死角まで進み、腰を下ろして出すものを出す。もしも現場を人に見られるようなことがあれば自分は精神的瀕死だ。
こんな時のために自分のポケットティッシュは水に溶けるタイプである。2008年、今年はエコを心がけている。
足し終えた用に、早速ハエが2匹やってきてブンブンしている。自分は一応、カモフラージュのために近くに生えていたシダ系植物を引っこ抜き、用の上にそっとかぶせた。そのカモフラ具合いがあまりに完璧で、まるで迷彩色、野グソ版ウォーリーを探せ、みたいなので感動してしまって写真を撮ってきた。この写真のどこかに野グソが隠れていますよ、みたいな。
国頭村の奥という集落で偶然に宿を見つけたので、泊まることにした。この宿が大当たり。自分のツボ的宿であった。
ご主人が
「飯は食ったか?」
と言うので、
「いえ、まだです」
と答えると、
「泡盛は飲めるか?」
と聞いてきた。

「・・はい、飲めます」
「じゃあ、今夜おじさんと飲み行こうね~」
「え?」
「集まりがあるから、一緒に行こうね~」
「ほんまっすかあ?!」

もう最高である。公民館に連れていってもらい、さっきシメたという豚肉料理を出してもらって、自称喜納昌吉の三線の師匠というおっちゃんが六線という三線の六弦バージョンの楽器で演奏を披露してくれた。
この演奏、ただの演奏ではない。ジミヘンよろしくの背面弾きである。地元の有名人だそうだ。カッコイイ!
宴もたけなわで宿に帰って、寝るのかと思いきや、おっちゃん、庭でまた泡盛を飲み出した。
「ここからが本番ですが・・何か?」
といった具合いに。最高だぜ、沖縄。

天候
晴れのち曇り時々雨
気温
朝33℃ 昼32℃ 夜28℃
歩数
35836歩
累計6818909歩
出費
飲料×4・・420円
焼きそば・・350円
カップラーメン・・160円
アイス・・52円
宿代・・3500円
計4482円
累計859796円
食事
朝・・カップラーメン、スポーツドリンク、アイス
昼・・焼きそば、コーラ
夜・・豚肉と野菜の炒め物、豚のスープ、ビール、泡盛
道中・・レモンティー、ジュース、ガム、きんかん×2
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451日目 国頭奥~国頭安波

20080705202257
6月29日。6時50分起床。
ヤンバルクイナの鳴き声で起きた。キョッキョッキョッキョッて鳴くんだな。キョッキョッキョッキョッって草むらの中で鳴いている。1羽が鳴くと、つられて皆鳴き出すらしいから、結構賑やかである。
自分は二日酔いだ。宿の主人であるおっちゃんは、朝飯に、昨日の集会所からわざわざ料理を持ってきてくれた。集会所ではまだ飲みが続いているらしい。さすが沖縄。そして、それと一緒に商店でおにぎり2個とコーヒーを買ってきてくれたようで、
「昼飯に食べなさい」
と言って、自分に渡してくれた。
そんなことをしたら、おっちゃんの儲けが減ってしまうじゃない、と思い
「おにぎりとコーヒー代は払いますよ」
と言ったのだが、おっちゃんは頑として受け取らなかった。ここは素泊まりしかやっていない宿なのだが、結局自分は一泊三食も付けてもらったことになる。
握手をしてお別れ。
宿ホームページのアドレス↓
http://i.citydo.com/showpage.php?cID=565001123&pDir=okinawa&tel=

ジャングル。この辺りまでくると、ハブをよく見かけるようになった。なんか、道路でひかれて一夜干しみたいになってるんである。よく見かける。しかし、まだ生きているのは見ていない。
いい所だなぁ、と思う。歩いていて気持ちがいい。コンビニはなくとも、チェーン店はなくとも、余りあるほどの自然がある。木陰をすり抜けながら、深呼吸をして歩く。
だけど、そんな山道にも時折顔を覗かせるゴミの山。誰がこんなところにゴミを捨てるのであろうか。家電が道路脇の草むらに放り投げられている。こんなことをする奴は誰だ。こんなことをする奴にも家族はあるのか。愛する人がいるのか。愛してくれる人がいるのか。どうなんだ、答えてみろ。自分は悲しくなった。
午後、日照りが一層厳しくなり、今日自分は一時くたばりかけた。熱中症だか脱水症だかの症状が表れ、手足の痺れ、意識がフワフワしてきてしまったのだ。昨日の飲み過ぎで体内の水分が飛んでしまったのが最大の原因であろう。
歩いていると、意味もなく笑いがこみ上げて、自分は狂人のようになって歩いた。休憩しようにも休憩ポイントがなかなか見つからない。自販機がないのには困った。
ついに自分は山中につぐんでしまった。救急車も考えたが、地図を見ると次の町まで、あと4kmほどである。
・・約40分。
太陽に雲がかかったのを見計らって、自分はヨロヨロ立ち上がり、歩き出した。

辿り着いた町は安波という集落である。商店前の東屋に倒れこむようにして、寝転がった。2時間ほど寝たろうか。電話が鳴ったので起き上がると、今朝の宿のおっちゃんからである。

「どこまで行ったか?」
「安波という町まで来ました」
「雨は大丈夫だったか?」
「ええ、大丈夫です」
「そこの東屋は毎晩地元の人間が酒を飲んでいるはずだが、いんかね?」
「え?いや、いませんね」
「そうか。・・今日はそこに泊まるのか」
「はい、そうしようかなと思ってます」
「そうするといい。店の人にちゃんと断ってな」
「はい」

電話を切ると、自分は周りを4、5人の大人に囲まれていることに気づいた。
「青年、生まれはどこか?」
一人のおっちゃんが話しかけてきた。皆、それぞれ片手に缶ビールを持っている。
「・・埼玉です」
「埼玉か。ようし、じゃあ飲もう」
おっちゃんの言っていたことは本当だった。その場ですぐに宴会が始まったのである。
テーブルに広げたつまみを食えと勧められたが、自分は暑さにやられた疲れで全く食欲がない。しかし、それでも食えと言うので、一口だけ頂いた。

「それ、何だと思う?」
「・・何だろう。魚ですか?」
「ヤンバルクイナの内蔵よ」
「ええっ?!本当ですか?ヤンバルクイナって天然記念物じゃないんすか?!」
「それは国が勝手に決めたことだろ?地域には地域の習慣ってもんがあるさね」
「はあ~、そうゆうもんなんすか」
「嘘よ」
「へっ?」
「嘘よ。ヤンバルクイナのわけあるかよ。そりゃ、サメの皮よ」
「サメっ?!」

なんて。疲れてはいたが、なかなか楽しい。
一人のおっちゃんが、
「おい、明日から3日間仕事を手伝えよ。3日で1万5千円でどうだ。免許持ってるか?」
と言うので、話を聞いてみると、パイナップル農園の手伝いらしい。このパイナップルやるから、とわざわざ自分の息子にパイナップルを持ってこさせて、自分にくれた。
「いいっすよ」
と言ったのだが、おっちゃんは酔っ払うと一人で帰ってしまった。話はオジャンである。一体、どうなってんの?
真面目な話もした。
「同和問題って、ヤマトンチュ(沖縄県外の人間)は、どうして部落差別なんてことする?ウチナンチュ(沖縄県人)はそんなことしないよ」
と言うので
「沖縄では無いんですか?あれは何が始まりなんですかね。もっとも、今の若い人達はしませんけど」
なんてことを喋った。

宴会は深夜にわたり、ピーク時には8人ほど集まった人々が次第に散り散りになっていった。自分は最後まで残っていたおっちゃんの家に泊めてもらうことになった。

ところが。

おっちゃん、家に帰って寝るのかと思いきや、畳に泡盛とつまみを広げて飲み始めた。
「ここからが本番ですが、何か?」
って感じだ。
最高だぜ、沖縄。

天候
晴れのち曇り時々雨
気温
朝28℃ 昼32℃ 夜29℃
歩数
27674歩
累計6846583歩
出費
アイス・・53円
飴・・63円
飲料×3・・360円
缶ビール×2・・420円
パン×2・・247円
計1143円
累計860939円
食事
朝・・豚肉と野菜の炒め物、おにぎり×2、コーヒー
昼・・おにぎり×2、アイス、スポーツドリンク
夜・・サメの皮の天ぷら、馬刺し、缶ビール×2、缶チューハイ×2、泡盛
道中・・ドクターペッパー

452日目 国頭安波~東

20080706172850
6月30日。7時起床。
おっちゃんの家にて起。

自分は本当におっちゃんが好きだ。

個人ではない。

おっちゃんという存在が好きだ。

ホモではない。

おっちゃんというジャンルに住まう人々が好きなのだ。

だから自分は、もしかしたら同年代の人達と一緒にいるよりも、おっちゃんといる時間の方が長いかもしれない。
世の中に疲れたような、増えるシワそのもののような、哀愁のような、喜びのような、色々を見てきたはずなのに、力強く生きている、その情けない背中、愛すべき背中、だからこそ越せない大きな背中、語る瞳が好きなのだ。
ちなみに、おっちゃんと一言で言っても、おっちゃんの中には更に細かいジャンルがあって、おいちゃん、おいさん、おじちゃん、おじさん、おっちゃん、おっさん、とあるのだけど、それぞれ違う。
どう違うのかは個人的なことなので割愛させて頂くが、大した差はない。要するに見た目とファーストインプレッションである。
自分には、来るべきおっさん時代のために、目指すべきおっさん像があり、実は毎日そのための訓練を欠かさないのであるが、それはどんな訓練かと言うと、まあ、はっきり言って、飲酒である。
これは、おっさんになるためには欠かせない要素の一つで、コレにも更に細かいジャンルがあるのだが、取り分け『飲んだくれ』なんかレベルが高くて結構好きだ。
で、そんなわけで今日も若干二日酔い気味なんだけど、朝から歩き始めた。

ポケットに入れておいた携帯電話がひどいことになっていた。同じくポケットの中に入れておいたガムとの癒着が発覚したのである。糸を引くネバネバした関係。
♪ネバネバしたくな~い
ってのは忌野清志郎である。そうそう!キヨシローはいつの間にか復活していたね。やったぜ。
今、自分が歩いているヤンバルという地域は米軍の演習地も多く、道の脇に立ち入り禁止の看板がよく立っている。聞いた話によると、そこでは米軍によるジャングル戦を想定した訓練が行われているそうだ。確かに、それだけ植物は鬱蒼としている。
また、この近辺にヘリパッドと呼ばれる米軍のヘリコプター基地が建設予定だそうで、それに反対する地元民の座り込み運動にも今日は何度か出会った。

昨日の暑さに打ち勝った自分は、今日は調子よく歩き、国頭を抜け東村の宿に到着。シャワーを浴びて、ゴロゴロして、眠。

天候
晴れのち曇り時々雨
気温
朝28℃ 昼33℃ 夜28℃
歩数
36774歩
累計6883357歩
出費
アイス×2・・108円
飲料×4・・410円
カップラーメン×2・・340円
缶ビール・・150円
宿代・・2625円
コインクーラー代・・100円
計3733円
累計864672円
食事
朝・・パン×2、メロンクリームソーダ
昼・・カップラーメン、スポーツドリンク、アイス
夜・・カップラーメン、缶ビール、レモンティー
道中・・サイダー、アイス、ミネラルウォーター、飴

453日目 東~宜野座

20080708135655
7月1日。9時10分起床。
朝から自分は泣きそうだった。

何故か。

歩きながら、クロマニヨンズの新曲『エイトビート』を聴いていたからである。

ただ生きる/生きてやる/呼吸を止めてなるものか

このワンフレーズが脳天に突き刺さり、自分は目をウルウルさせながらフンフン息をして歩いた。
ロックンロールを聴くと、自分はよく泣く。意味もなく泣く。きっと心が熱くなるから、汗として、結露として、水分が外に出るのだろう。至って自然な涙である。

宿を出てくる時に、女将とお客さんにそれぞれパインとクッキーを頂いてしまった。頑張って、と言って送り出してくれた。北部に来てから何度か、車乗るか?と声をかけて頂いたり、人に接する機会が増えた気がする。
と思っていたら、ウチナンチュ曰く、
「やっぱり北と南では、沖縄でも人が違うよ。北の人間は優しいんさね」
とのこと。そういうもんなのか、と思った。
今日驚いたのは、歩道を歩いていたら、自分の横に停まった車からおばちゃんが降りてきて、
「本土の方?」
と自分に聞くなり、
「これでお茶でも飲んで!」
と500円を自分にくれたことである。

そんな土地であるから、やはり虜になってしまう旅人も多いらしく、今日立ち寄った食堂では、そこに住み着いていた東京青年の話を聞いた。
東京からやってきた青年が、その地域で1ヶ月15000円という低家賃の家に住み着き、3年近く滞在していったそうである。毎晩、地元の人間と泡盛を飲んでいたらしいが、その気持ち、すっごく分かる。自分も思わず住み着きたくなってしまう空間なのである。
ところで今日は4日ぶりにコンビニを見つけた。
宜野座という町のローソン前で一人缶ビールを飲んでいたら、店にやって来たカップルに話しかけられた。
少し旅の話をして、帰るのかと思ったら、彼女の方が自分の分のビールまで買ってきてくれて
「じゃあ、飲みますか」
と、コンビニ前で飲みが始まった。
もう、なんか沖縄という場所が本当に日本なのか疑わしい。
『カップルが見知らぬ男と、深夜のコンビニで飲む』
そんなことあるだろうか。ウルトラCである。もう、トカチェフ、トカチェフ、も一つトカチェフって感じだ。沖縄って、すごい。

しかも、このカップルはその後自分を連れて、二人の思い出の場所みたいなところに連れて行ってくれた。
そこはダムに造られた公園で、彼氏の方がここでギターの弾き語りをしてくれたのであった。
「お兄さんも何か歌える?」
というので、3人でザ・ブルーハーツの『青空』を歌うことに。

♪生まれたところや/皮膚や/目の色で/一体この僕の/何が分かるというのだろう

星が綺麗だった。星空の中、うっすらと天の川がかかっているのが見えた。

帰り、彼氏が自分に
「お兄さん、今日はうちに泊まってって」
と言うので、
「ホント?」
なんちゅって、泊まらせて頂くことにした。

ところが。

この直後、彼氏の爆弾発言が。

「俺、こいつと交尾してくるからさ」

そう言う彼氏。

思わず
「・・え?」
と聞き返してしまった。

「交尾?」
「うん、こいつんちで交尾してくるからさ」
「交尾?」
「うん、交尾」
「交尾?」
「交尾」
「そおかあ、交尾かあ。ごゆっくり」

自分を家へと案内した後、
「シャワーは下にあるから自由に使ってね」
と言って、彼氏は彼女と二人、明け方の町へと消えていった。

とにかくスゲーんだぜ、沖縄。

天候
晴れのち曇り
気温
朝29℃ 昼33℃ 夜30℃
歩数
48917歩
累計6932274歩
出費
ソーキそば・・500円
飲料×4・・508円
カップラーメン×2・・365円
アイス×2・・113円
生ビール・・400円
缶ビール×5・・1088円
計2974円
累計867646円
食事
朝・・ソーキそば
昼・・カップラーメン、乳酸菌飲料
夜・・カップラーメン、アップルティー
道中・・パイナップル、レモンティー、生ビール、つまみ惣菜2品、アイスレモンティー、アイス×2、ポカリスエット、缶ビール×6

454日目 宜野座~うるま

20080709032012
7月2日。13時10分起床。
昼過ぎ、目覚めると家の中から人の声がする。彼氏のお母さんと弟さんのようである。
自分はどんな顔をして部屋から出て行こうか迷った。
昨日、話の成り行きで自分は彼氏の家に泊めてもらうことになったわけだが、肝心のその彼氏が、彼女のアパートに行ってしまって、自分はなんか見知らぬ家で一人で寝ていたわけである。
彼氏はあれから帰ってこない。きっとスローセックスだ。

いやぁ、これはなかなか困難な状況だよな、まるで間抜けな泥棒が人の家に入って寝入っちゃったみたいだよな、なんて考えつつ、二日酔いでガンガンする頭をフル回転させ、自分は荷物をまとめた。部屋のドアノブを回す。
カチャッという音にお母さんが気づいた。
「誰かいるの?」
とお母さんが言うので、自分は部屋からアホ面を覗かせて
「あの~、・・コンニチハ。僕、○○くんの友達で、昨日一緒にお酒を飲んで、泊めてもらったんですけど・・」
と、しどろもどろなことを言うと、お母さんの反応は意外なもので、
「あら~!そうなの?!○○の?今、ご飯用意するから待っててね」
と言って、自分の食事の用意を始めたのであった。
自分は、へっ?てな感じで拍子抜けである。
あら?ってな感じ。
普通、もっと怪訝な感じじゃない?という感じ。
だって、お母さんの立場からすれば、自分の息子の部屋から昼過ぎに見知らぬ男が出てきて、肝心の息子がいないのである。奇妙に思うだろう。
ところがお母さんは、そんな様子をオクビにも出さない。
「大丈夫です、大丈夫です!」
と、自分はもちろん食事を遠慮したのだが、なんだかんだいって用意してくれたのだった。

いや

ホンット、スゲーぜ沖縄、って思う。
沖縄、というまとめ方をしてもいいのだろうか。すっげー平和、隣人愛である。

そういえば、全く関係ない話だけど、沖縄ではでっかいゴキブリをよく見る。この前一緒に飲んだおっちゃんが言っていた。
「トービラ(ゴキブリ)は仲間よ」
戦後、食糧難の時代にゴキブリを食べて飢えをしのいだのだと話していた。
スゲーぜ、沖縄。

金武(きん)という町にある『キングタコス』というタコライス発祥の店でタコライスを食べた。タコライスうまいよなあ。タコスもうまいし。沖縄ソウルフード、いいわあ。

今夜も宿に泊まり。最近宿が多いけど、沖縄はいい宿が多いのだ。それもそのはず。宿の主人は大抵、こんな沖縄にやられて本土から移住してきた沖縄病患者達なのだから。
分かるなあ、その気持ち。

天候
晴れ
気温
昼33℃ 夜30℃
歩数
33934歩
累計6966208歩
出費
タコライス・・600円
宿代・・2000円
飲料×4・・439円
ボールペン・・105円
アイス×2・・115円
缶ビール・・215円
計3474円
累計871120円
食事
昼・・ご飯、豆腐汁、豚肉と野菜の炒め物、焼き鮭、サラダ
夜・・タコライス
道中・・レモンティー、チェリーウォーター、缶ビール、さんぴん茶、アイス×2、ミネラルウォーター

455日目 うるま~沖縄

20080709125637
7月3日。9時50分起床。
うるま市内の宿にて起。
ここの主人もどうやら、沖縄の魔力にとりつかれて、沖縄へと移住してきた人らしい。
沖縄に移住してくる人、まあ、北海道に移住する人もなのだけど、関東圏の人間が多い気がする。埼玉の人も多い。
以前、何かのランキングで見たのだけど、埼玉の人間はあまり埼玉を好きじゃないらしい。それが自分には少しショックというか、そりゃあ北海道みたいに、沖縄みたいに、綺麗な海や大自然はないかもしれないけど、もう少し自分の地元に誇りを持ってもいいんじゃない?なんてことを思わせる。
「じゃあ埼玉の誇りって何だ?」
と笑って言う人間があるかもしれない。でも、もしそう聞かれたら、胸を張って
「ドーナツ化現象のホームグラウンドだ。埼玉が東京支えてるんだ、延いては日本を支えてるんだ、バカ野郎」
ぐらいのことを言っていいと思う。実際そうだと思うし、誇りってそういうものだと思う。
しかしね、

敵わんなあ、沖縄には。埼玉から移住する気持ち、分かる。正直言って。埼京線とか乗ってらんない、とか分かる。毎日ギュウギュウにされてたら、沖縄ハマるわ、そりゃ。

今日も一日暑いさね。昼飯に入った食堂で沖縄そばを注文。クーラーがガンガンに効いているので、生き返るような心地。
沖縄そば500円。代金を支払おうとしたら、財布の中に小銭がなく、1万円札を出した。すると、店のおばちゃんが、小銭はないか、と言う。

「ないんすよ~」
「小銭、いくら持ってんの?」
「え?・・260円しかないんですよ」
「じゃあ、それでいいよ」
「え?」
「260円でいいよ。お兄ちゃんカッコイイからまけとくよ」
「マァジっすかあ!」

なんて。
こんなところでも、沖縄。
いや、これは関西のノリか。

与勝半島をグルリと回って、沖縄県沖縄市へ。自分は沖縄に来るまで知らなかったのだけど、沖縄にも沖縄市があるのだね。
本当は今日、その沖縄市に住む友達と飲むはずだったのだけど、友達の都合で明後日に変更。
コザという沖縄市の中心街まで歩き、ゲストハウスに宿泊することにした。

このゲストハウスは偶然見つけたのだけど、雰囲気が『あいのり』っぽい。若者に人気の宿みたいだ。
自分は広島にいる時に、びっくりドンキーのパートさんが持ってきた『あいのり』のビデオを見て、いつの間に加藤晴彦がウエンツ瑛士に代わっていたのか、衝撃を受けたが、まあ、それは置いといて・・。
ドミトリーと呼ばれる相部屋にて、台湾人男性と二人で寝た。彼は彼女と沖縄旅行に来たらしく、彼女の方は女性用のドミトリー部屋に滞在している。
台湾と沖縄の行き来は結構手軽らしい。台湾か。なんとなく誘われるなあ。

天候
晴れ時々雨
気温
朝30℃ 昼35℃ 夜31℃
歩数
39148歩
累計7005356歩
出費
タコス・・700円
かき氷・・150円
飲料×3・・296円
沖縄そば・・260円
宿代・・1500円
アイス×2・・115円
カップラーメン・・138円
ポテトチップス・・135円
缶ビール×2・・366円
もずく酢・・99円
計3759円
累計874879円
食事
朝・・タコス
昼・・沖縄そば
夜・・もずく酢、ポテトチップス、缶ビール×2
道中・・アイス×2、コーラ、レモンティー、ウーロン茶、かき氷

456日目 沖縄~北谷

20080712111301
7月4日。9時40分起床。
宿にて起。クッキー、カップラーメンを食す。
今日はアメリカの独立記念日である。北谷に住むお姉さんから昨日メールが届いた。
そう、嘉手納のエアベースにて開催される花火打ち上げイベントの件だ。
先月20~22日の3日間、北谷にあるファミマ店長のお姉さん家族に散々お世話になったのであるが、その時に、今日のイベントでまた会いましょうと声をかけて頂いて、自分は今日を楽しみにしながら沖縄北部を回ってきた。
そんなわけで、今現在はどこにいて、北谷にはどう向かうかなどメールにて連絡していたのだが、急遽、お姉さんの旦那さんが今日自分と一緒に沖縄から北谷まで歩くことになった。
というのは前回お会いした時にそんな話があったので、自分が「どうですか?」とお誘いしたのである。旦那さんはそれをOKしてくれ、二人で
「沖縄~北谷間!本島横断徒歩の旅」
ということに相なった。
午後に市内のマックで落ち合い、そこから少し移動して、東海岸を確認した後、歩いて西海岸に渡る。
自分にとって二度目の沖縄横断だ。お姉さんに見守られながら、二人でいざスタート。
旦那さんは、ベース内でどういった仕事、訓練をしているのだろうか。前にも書いたが、ガタイがよくて、めちゃくちゃ強そうである。日本語は少し話すが、基本的に英語で喋る。
一方自分は痩せ型の日本人で、日本語以外喋れない、語学オンチである。いや、日本語も怪しい。
英語はと言うと、
「アップルがワン。オーケー?(リンゴが一個あったとします。いいですか?)」
レベルである。
使いこなせる単語を並べて、相手の想像をフル活用するという汚い話術しか出来ない男だ。
そんなもんだから、二人、歩きながら会話したが、全く会話にならない。言葉のキャッチボールが出来ないのだ。
それでも話していれば、少なくもお互いに通じるものはあるわけで、空を見上げて
「ベリーホット!(とても暑い!のつもり)」
「ハイ!トテモ、アツーイ!」
と二人同じ感想を話しては、笑いながら歩いた。

途中、旦那さんがトロピコー、トロピコーと言うので、
「トロピコー?」
と聞き返すのだが、自分にはトロピコーが何だかさっぱり分からない。
トロピコーって一体何であろうか、考えながら、トロピコートロピコーと呟き歩いていたら分かった。

「あー!トロピカル!!」
「イエッ!イエッ!トロピコー!」

丘の上から北谷の町が見えるようになった頃、自分と旦那さんは歩き始めの頃よりも、だいぶ意思疎通が出来るようになっていた。
後半、二人で
「ドリンク、ビアー!!イェーイ!!」
と言っては笑った。
暑い、暑い中を3時間も歩いたのである。
「この後にはビールが待ってるよ」
と語れば顔も自然と笑顔になる。

夕方、お姉さんが待つ北谷の家にゴール。いつもと変わらぬ歩き旅のはずなのに、自分はなんだか感動した。
シャワーを浴びてビール。
うまし!うまし!!うまし!!!
ビールはなー、ホンット、うまいよなあああ。

夜、嘉手納のエアベースに花火を見に行った。このイベントは今日と明日の2日間行われ、一般開放は明日らしいのだが、なんだか自分は今日見させてもらうことが出来た。
いや、本当はいけなくて、ちゃんとチェックの人間もいるのだが、うまい具合に潜り込んだというのか、旦那さんが
「今日、君とカジノに行けば絶対勝てたね」
とジョークを言うほどのラッキーボーイぶりで、守衛も手荷物検査もくぐり抜けて潜入したのであった。

夜は家に泊まらせてもらうことになり、お姉さん宅でビールを飲みながら今日の歩き旅について話をした。
そんな中、お姉さんが紙袋を持ってきて、自分に渡してくれた。
プレゼントらしい。

「開けてもいいですか?」
「うん、開けて開けて」

袋を開くと、中に入っていたのは、USマリーンのTシャツとコイン、キャメルバックのチューブカバー、それに前回自分がお世話になった時に「好きなんですよ」と話していたハリボーのハッピーコーラグミが2袋、スナック菓子であった。
思ってもいないことである。
何日間も家にお世話になり、珍しいところへ連れて行ってくれ、これでもかというほど自分を楽しませてくれた。お礼をしなければいけないのは自分の方なのに、プレゼントまでもらうとは。しかも、こんなに想いのこもったプレゼントを。
「ありがとうございます!サンキューベリマッチ!」
自分は二人に向かって頭を下げた。とても嬉しかった。

夜も更け、皆、2階の寝室に移動して眠。フカフカのベッド。自分は本棚にあった古谷実の『シガテラ』を読んでいたら熱中してしまい、それを読み終えてから眠。

天候
晴れ
気温
朝31℃ 昼34℃
歩数
20764歩
累計7026120歩
出費
チーズバーガーセット・・470円
マックシェイク・・100円
アップルティー・・88円
計658円
累計875537円
食事
昼・・チーズバーガー、フライドポテト、コーラ
夜・・サンドイッチ、枝豆、ウインナー、ウインナーパン、ピザ、生ビール、缶ビール×3、ゲータレード
道中・・ミネラルウォーター、マックシェイク、アップルティー

457日目 北谷~沖縄

20080712120444
7月5日。10時50分起床。
お昼ごはんをご馳走になった後、お姉さん宅を後にすることになった。
実は、お姉さんと旦那さんは、あと2年沖縄にいたら、その後アメリカへと行ってしまう。
というのは、軍人さんは世界各国にある米軍のベースを3年単位で転勤して回るそうなのである。
転勤が全世界なんだから話のスケールがでかいよなあ、と思うのだけど、そんなわけで、次また沖縄で会えるかは分からない。
「沖縄じゃなくても、アメリカに来ることがあれば、いつでも遊びにおいで」
とお姉さんと旦那さんは言ってくれた。
ゲートまで見送ってもらい、手を振ってお別れ。二度目のお別れだ。ケータイで音楽を聴きながら、力強く歩き出す。さあ、沖縄も終盤である。

北谷を発った自分は、一昨日お世話になった、あいのりな宿『ラブ&ピース』へと向かった。
今夜は沖縄市に住む友達と飲む約束になっている。
沖縄市の繁華街で、安いゲストハウスがあるような場所というと『コザ』という場所がある。ここは沖縄県の観光名所であり、音楽の街のようである。自分も気になっていた場所なので、今夜も自分はコザ泊まり。『ラブ&ピース』はコザ十字路という交差点のすぐ近くにあるのだ。
宿に飛び込みで行くと、一昨日顔を合わせたお客さんがまだ皆いた。
ここのスタッフさんは3人である。オーナーの『ボス』と、ボスの彼女『タエさん』と、熊本から来たという『ひでみん』。
前回も書いたが、若者に人気の宿で、スタッフも若い。和気あいあいとした雰囲気の宿だ。

夜、自分は友達と飲みに出掛けた。
この友達はT夫妻という。
T夫妻とは4年ほど前、自分が地元で働いていた時に、同じ職場で知り合った。カップルで沖縄から埼玉に働きに来ていて、自分は、まだ雪を見たことがないという彼らを軽井沢に連れて行ってあげた。
10月の軽井沢には、残念ながらまだ雪は降っていなかったが、1コースだけ人工雪を積もらせたスキー場で半日滑って、帰りに温泉へ寄って帰ってきた。
その後、すぐに沖縄へ帰った彼らが、結婚したという話を風の便りに聞き、沖縄へ行った時は会おうと話していたのだが、今回それがようやく叶ったわけである。
居酒屋で懐かしい話に花が咲く。T夫は車の修理屋、T妻は市内で小学校の先生をやっているが、今はオメデタで休業中だそうだ。
「あのスキーの帰りに食べたしゃぶしゃぶがおいしくってね、沖縄に帰ってきてから色々なしゃぶしゃぶ屋を回ったんだよ」
なんて話を聞きながら、自分はつまみのミミガーをつついていた。
島酒(沖縄で泡盛のこと)を飲み交しながら、おいしく楽しい夜はあっという間に過ぎ去って、気づけば深夜の2時過ぎ。
沖縄の店は、スーパーにしろ、飲み屋にしろ、結構深夜まで営業している。T夫曰く、
「沖縄の飲みは日付が変わってから」
とのことで、
「仕事?二日酔いが体調不良の理由になるさ~」
と話していた。
しかしまあ、今日は店仕舞いで切り上げようか、ということになり解散。

で、いつもの如く、ヨッパライは一人ヨチヨチ宿に帰って眠。

天候
晴れ
気温
昼34℃ 夜31℃
歩数
13016歩
累計7039136歩
出費
宿代・・1500円
洗濯機代・・100円
缶ビール・・200円
居酒屋代・・4000円
アイス×2・・115円
トランクス・・525円
さんぴん茶・・78円
計6518円
累計882055円
食事
昼・・パンケーキ×4、コーヒー
夜・・居酒屋メニュー(ミミガーの酢味噌和え、ラフティー等)、生ビール×3、泡盛
道中・・缶ビール、アイス×2、さんぴん茶、ミネラルウォーター

458日目 沖縄滞在

20080713175812
7月6日。10時起床。
宿のチェックアウトは正午である。
10時に起床した自分は、荷物をまとめ、宿を出るはずが、なんか今日は一日宿でのんびりしたいなという気分になり、ボスに一日延泊を願い出た。
諸用を済ませたかったという思いがある。だが、それ以上に『沖縄』にどっぷりつかりたいという思いがあった。皆が集まるリビングで、ゴロゴロしながらビデオを見た。
『マリリンに逢いたい』という昔の邦画である。
この映画には個人的な思い入れがある。
どういう映画かと言うと、犬の純愛ストーリーと言ったらいいのか、それを中心とした周りの人間模様の話であり、実はこの映画がリアルタイムで上映されていた頃、自分の実家で飼っていた犬が、この主人公の犬にそっくりだったのである。
自分が飼っていたのはケンという名の犬だったが、よくケンのことを映画スターを見るような目で見つめては、
「実は映画に出ているあの犬は、ケンなんじゃないか」
なんて、親に向かって本気で訴えたりしていた。
「お前はいつ、映画に出たんだよ!」
とケンに向かって言ったこともある。懐かしい思い出だ。
そんなケンも、自分が高校の時に白内障にかかり、老体を引きずって家出をしたまま行方不明になってしまった。
たまたま宿に置いてあったビデオであったが、子供の頃以来に見ると、色々と違う見方が出来て、今見ても面白い映画だった。
ラストの、マリリンが死んでしまうという展開には、思わず泣いてしまったが、はて、こういう展開だったかなあと首をかしげもした。

夜、新しいお客さんが宿に到着。東京から来たという『さとみん』。横浜で結婚式場の仕事をしているそうだ。
リビングで話をしていたら、
「私は明日ここのシュノーケリングツアーに申し込んでいるの」
と言うので、
「へえ、ここ、そういうツアーも企画してるんだ。知らんかったなあ。俺も、青の洞窟ってやつは行ってみたいんだよね」
なんて話したら
「えっ!明日行くの青の洞窟だよ!一緒に行かない?!」
と言う。
青の洞窟、というのは最近沖縄で人気のダイビングスポットで、ここはかなりイイらしい。魚も多いし、何より洞窟内の幻想的な雰囲気がたまらんという。どの沖縄情報誌もハズしていないスポットである。
で、自分は迷った。
明日シュノーケリングに行ったら、まあ、明日も泊まりだよなあ、ってことがネックだったからである。
2連泊は避けたいところだ。何故なら・・

沖縄病にかかりそうだから。

うーん、しかしなあ、せっかくだしなあ。
さとみんが言うには、二人で行けばツアー代が安くなるのだそうだ。一人だと3000円だけど、二人以上なら一人2000円らしい。

「よっしゃ、行こ!」
結局、自分も明日シュノーケリングツアーに参加することにした。
ボスにその話をしたら、その場にいた『めぐみん』も参加表明して、3人でのツアーということに。
めぐみんは、愛知県から沖縄に2ヶ月ほどの予定で遊びに来ている女の子だ。ラブ&ピースには10日前からいるらしい。
スタッフのひでみんも交えて、
「じゃあ、明日の夜は皆で夕飯を食べに行こう」
ということになり、今日は就寝。
明日が楽しみだ。

天候
晴れ
気温
朝33℃ 昼35℃ 夜31℃
歩数
計測なし
累計7039136歩
出費
宿代・・1400円
飲料×3・・346円
チョコ菓子・・105円
寿司・・300円
カップラーメン・・148円
カップ焼きそば・・148円
アロエヨーグルト・・95円
缶ビール×2・・366円
計2908円
累計884963円
食事
昼・・寿司、カップラーメン、クリームソーダ
夕・・アロエヨーグルト、ラムネ、チョコ菓子、レモンティー
夜・・カップ焼きそば、缶ビール

459日目 沖縄滞在

20080713180702
7月7日。9時10分起床。
10時に青の洞窟シュノーケリングツアー出発。
ボスに案内されるまま、ラブ&ピース、通称ラブピワゴンで行く。
このワゴン、というか、ラブ&ピースという宿自体、テーマはレゲエであり、リビングには四六時中レゲエが流れている。よって、このワゴンもレゲエ、というか、ジャマイカ、赤黄緑で全体がカラーリングされた派手なワゴンである。
しかも、そのペイントが、板金屋な仕事ではなく、ハケで塗りました調のなかなかスパイシーなもので、ますますエーア、エーア、バイブレーションな感じを醸し出している。
青の洞窟は恩納村にある。ワゴンは沖縄市から嘉手納を抜け、一路恩納へ。
目的地である真栄田岬に到着すると、駐車場は他の会社のダイビングツアー客でごった返していた。
「青の洞窟へ行く前に、まずあっちの浅い海で練習してみよう」
というボスの言葉で、誰もいない浜辺へと向かった。
講習を受けつつ、シュノーケルをセットして、海に潜る。

・・・

・・・

なんだか別世界に来たようであった。
自分は正直、これほどとは思っていなかったのだ。
沖縄を歩きながら、いくつかのビーチで海に潜ったが、どこか物足りなかった。だからこそ、今回のこともそれほど期待していなかったのだが・・

この熱帯魚のように色鮮やかな魚の群れ。ウニやナマコ。生きたサンゴ。
これだよ!自分が沖縄に求めていた画はコレなんだ!

いや、全く素晴らしい世界だった。ボスからもらったエサの魚肉ソーセージを手にしていると、自分の周りを魚が群がってくる。早くよこせと、手をつついてくる。
自分の頭の中では、パチンコ海物語沖縄バージョンがエンドレスで連チャンしていた。いつ、マリンちゃんが出てきてもおかしくない雰囲気だ。

あっという間に講習は終わり、昼ごはん。午後から、いよいよ青の洞窟に潜ることになった。

青の洞窟。こちらは特に感想を述べることもないと思う。その感動は『るるぶ』を見ればよく分かるはずだ。
ただ、人が多いのは若干ネック。さとみんは、
「最初に潜った海の方が、人がいないからよかった」
と話していた。
自分は、あの世界を味わえてよかったと思う。

ボス曰く、他のツアーではここまでやらない、とのことだが、素人の自分からしても、2000円でこれだけのツアーを組んでくれたボスはすごいと思う。
ラブピの『青の洞窟シュノーケリングツアー』、太鼓判を捺してオススメする。

夜、めぐみん、さとみん、ひでみん、さとしんの4人で、宿近くの食堂へ夕飯を食べに出掛けた。沖縄料理を食べようと、ボスに聞いて向かった店で4人、それぞれ違うメニューを注文して、それを取り合い食べた。
さとみんは明日、東京へ帰る。明後日から仕事だそうだ。
帰りに皆でスーパーに寄って、自分は缶ビールを購入。宿に戻って、やっぱり飲んで、深夜。
「シュノーケル、楽しかったわあ!」
と、めぐみん、ひでみんと話をして、眠。

天候
晴れ
気温
朝33℃ 昼35℃ 夜31℃
歩数
計測なし
累計7039136歩
出費
宿代・・1300円
シュノーケリングツアー代・・2000円
缶ビール×2・・383円
ゴーヤチャンプルー定食・・600円
飲料×3・・348円
カップラーメン・・138円
デジカメCD書き写し代・・1520円
冷やし沖縄そば・・700円
計6989円
累計891952円
食事
昼・・冷やし沖縄そば
夜・・ゴーヤチャンプルー定食、フー炒め、ネリ炒め、ナーベラ、缶ビール×2
道中・・コーラ×2、ハリボーハッピーコーラグミ

460日目 沖縄滞在

20080714112045
7月8日。13時10分起床。
昼過ぎ起床。起き上がって、リビングへ。もうチェックアウトの時間は過ぎている。
けれど、いいのだ。今日は洗濯を理由にもう1泊することに決めたのだ。はは。

完全に沖縄病だな、こりゃ。

もう、なんていうか、帰りたくないもの。ずっとここにいたい。ここで暮らしたい。連泊するごとに宿代が安くなっていくし。
さとみんはもうチェックアウトして帰っていったそうである。
「明日から仕事か・・。可哀想だな」
と思ってしまう。しっかりしろよ、俺。

15時だったか、16時頃だったか、自分がリビングにいたら、宿が揺れた。
地震である。
結構グラグラッと来たのでビビった。めぐみんがやって来て、
「今、地震があったよね」
と言うので
「あったあった!」
と言い、TVをつけてみると、与論島(鹿児島最南端の島、沖縄本島まで23km)が震度5弱という。
えぇぇぇぇ。
なんでぇぇ?
沖縄、地震がないって聞いていたのに。
まあ、自分がいた沖縄市は震度3だったが、沖縄の住民が、こんなに大きい地震を経験したのは生まれて初めてだと話していた。
この旅で大きな地震は新潟に続き二度目だから、不吉ではあるけど、もう一回あるだろうな。地震、恐い。

その後は、屋上に干した洗濯物を取り込んで、皆でお茶会みたいなことをして、のんびり。

夜、めぐみんと二人で夕飯を食べに出掛けた。ひでみんは宿の仕事が残っていたので、お留守番。
ボスに聞いたステーキ屋に行こうと、コザのゲート通りを目指す。夜の街を二人、肩を並べて歩いていたら楽しくて、自分は、やっばい、恋をしそうだ、と思った。
夏の沖縄。そうなんだよな。本来はリゾートなんである。
自分はこれまでの旅を割とサクサク歩いてきたつもりで、確かに途中、
「しばらくここにいたいな」
と思うことはあったが、
「いやいや、ダメだ。自分にはゴールがあるのだ」
という気持ちでそれを振りきって進んできた。
北海道でも本州でも、広島でバイトをしている時も、それは同じだった。

しかし沖縄・・、なかなかやるわ。

自分は人生の中で『一夏の恋』みたいなことをしたことがないが、車のヘッドライト、テールランプの行き来する熱帯夜の通りを二人語らいながら歩いていたら、もしかしたらこれがその始まりなのかもしれないな、なんてことを思って、ますます沖縄病にかかってしまいそうだった。
ブラブラと夜の街を散歩した後、ステーキ屋ではなく、焼肉屋に入った。食べ放題だったので二人モリモリ食べて、食後に
「アイスが食べたいね」
という話になり、ゲート通りのアイスクリーム屋へ。
帰りの道中、めぐみんが自分に
「末っ子でしょ?」
と聞くので、
「そうだよ」
と答えると、
「末っ子っぽくないよね」
と話し初めた。

「いやいや、めっちゃ末っ子だけどね」
「えー、なんかお兄ちゃんみたいだよね!」
「ホント?お兄ちゃんなんて初めて言われたわ」
「お兄ちゃんだよ!」
「いや、でもお兄ちゃんって、あなたの方が年上だけどね」
「そうだけどさー、アハハ」

スーパーに寄って、ひでみんや皆の分のアイスを買って、
「ただいまー!」
と宿に帰った。

「おかえりー!」

本当にずっと居たくなってしまう。本気になってしまいそうだ。

だから去らねばならない。

「よーし、明日こそ帰る!」
リビングで自分は周りに宣言してから、横になった。今日はリビングで眠。

天候
晴れ
気温
昼34℃ 夜31℃
歩数
計測なし
累計7039136歩
出費
宿代・・1200円
洗濯機代・・100円
焼肉代・・3300円
レターセット・・200円
缶ビール×4・・796円
アイス・・197円
緑茶・・98円
計5891円
累計897843円
食事
昼・・カップラーメン、スナック菓子、ふがし、ハッピーコーラグミ、缶ビール×2、グレープティー
夜・・焼肉、ビビンバ、ワカメスープ、サラダ、キムチ、生ビール、ドリンクバー、アイスクリーム、缶ビール×2、緑茶

461日目 沖縄~那覇

20080714221451
7月9日。10時10分起床。
直前まで、挫けそうだった。今日も一泊しようかと思った。
ボスに
「さとしは、今夜どうすんの?」
と聞かれ
「帰ります!」
と言って、なんとか自分を吹っきった感じだった。

「もう沖縄に住んで、バイト探せばいいじゃない」
「いや、帰りますっ!」

みたいな。
もう、昨日から皆とこんなやり取りをしている。
油断すると、自分が
「沖縄にしばらくいようかな・・」
とかポツリと口にしてしまうためである。
昨日の夜は、屋上で一人、星を見ながらブルーハーツを聴いた。
進まなければならない。そう思った。
「旅なんだから、ゆっくりやればいいさ」
と言う人がいる。
それでもいいと思う。
でも、そう出来ないのは、自分が不器用な性格だからだ。
ここに長く留まってしまったら離れられなくなるのを分かっているから、早いとこ去らなければいけない。
逃げなければならない。

皆と写真を撮って、握手をして、宿を後にした。
「また来るといいよ」
ボスがそう言っていた。

今日で沖縄一周を終える予定だ。那覇まではもう、すぐである。
13時より、この前一緒に飲んだT妻と会う約束になっていたので、近くのファミマで待ち合わせ。
何の用だろうか、と思っていたのだが、何だか自分の知らぬ女性を一人連れて待ち合わせ場所に現れた。
エンダーというハンバーガーショップに移動して、話をする。
暫くは、旅の話やら世間話をしていたのだけど、T妻が切り出すようにして言った。

「実は今日、高沢くんをここに呼んだのはだね・・」
「うん」
「高沢くんが旅に出る前に話しておきたいことがあったんだよ」
「何、何?どうしたの?」
「高沢くん、○○会って知ってる?」
「○○会?知らない」
「△△△教なんだけど・・」
「△△△教?△△△教は知ってるよ」
「その△△△教の団体なんだけど・・」

まあ、早い話が宗教の勧誘であった。自分が一番嫌いなテの話だ。
しばらく話を聞いていたのだが、横にいた女性が、実はその団体の広報なんです、みたいな感じで話してきた。
自分としてはT妻に対して
「何、そんなメンドくさいもんにハマっちゃったの?!」
という気持ちである。
広報女性曰く、

○○会は幸運を運んでくる団体であり、今後日本はとんでもない時代を迎える、然るにその対処として、民は○○会に入信するしか助かる見込みはなく、○○○会以外の人間ははっきり言って地震とかで死にます。今は考えられないかもしれませんが、日本人口1億総数が○○会に入信する日が必ず来ます。何故ならそれが仏様のお導きだからです。仏様のお言葉がすでに現象としてこの世に現れていますよ。見て下さい、親が子を殺し、子が親を殺すという最近の風潮を。これらは全て仏様が予言なさっていたことなのです・・

とのことで、一通り話を聞いていた自分は、もう嫌んなってしまった。この人が女じゃなかったら、頭をひっぱたきたいと思った。

しかし、どこかで聞いたような話だ。そう考えていたら、広島ファミマの1860万のおっちゃんのことを思い出した。
そういえば、おっちゃんも同じようなことを話していたのである。為替詐欺のようなことをやっている会社の会員になって、儲かるんだと心底信じ、
「いつか皆が、俺も入れてくれ、って言うようになるよ」
と話していた。

なんだ。
程度が同じじゃないか。

まともに正面から話をしてもバカバカしいので、すっかり話を聞いた後に、自分は
「宗教って、何であるんでしょうね」
と話を振った。
「宗教って色々あって、どこの宗教の人もあなたみたいに、自分の宗教が正しいというようなことを言うけれど、僕はね、どの宗教も教えていることは根本的に同じだと思うんです」
「え?それは何ですか?」
「人に対する思いやりと、感謝の心を持て、って教えてるんだと思うんですよ。どの宗教も。聞いたところ、△△△教もそう教えているようですし」
「いや、それは・・」
「でね、僕は、この気持ちをいつも心に持ってる人は、必ず救われると考えてるんです。決してね、○○教だからとか、△△教だから救われるとかじゃないですよ。大事なのは、人への思いやりと感謝の心を持つこと。宗教なんて何教でもいいんです」
自分の言いたいことを言い切った。
それでも、まだ広報女性は
「いや、そうじゃなくて。○○会に入らない人間は、運がなくなって皆死んでしまうんですよ!」
と言うので、自分の方で話を切り上げた。

「いつか、入っておけばよかったと思う日が必ず来ますから。覚えておいて下さい、○○会です」

みたいな捨てゼリフを言っていた。
広報女性が席を外した時に、T妻に
「いつからやってんの?」
と聞いたら、高校の時からだと言う。
まあ、それは自分の信じたことなので、好きにすればいいと思う。善かれと思って勧めてくれたのだろうし、このことで別に付き合いが変わるわけでもない。
駐車場に出て、しばらく話をしてから、手を振り別れた。
歩きながら、ぼんやりとさっきの事を考え、
「あそこまで信じ切れるものがあるってのは、確かに幸せなことなのかもしれないな」
と思った。

20:01。与那原の交差点に到着。これで正式に沖縄一周完歩ということになる。
あとはここから那覇まで4度目の沖縄横断をして、終わり。
BGMはやはりクロマニヨンズの『エイトビート』。力が、勇気が、湧き出てくる。

段々、市街地に入ってきた。

22時過ぎ、那覇のゲストハウスに到着。

1泊800円という激安の宿で、夜遅くに飛び込みで行ったにも関わらず、泊めてくれたので助かった。
3段ベッドの最上段で眠。

天候
晴れ
気温
朝31℃ 昼34℃ 夜31℃
歩数
31527歩
累計7070663歩
出費
宿代・・800円
飲料×4・・396円
缶ビール・・222円
カップラーメン・・153円
おにぎり・・84円
メール便代・・400円
チーズバーガーセット・・450円
計2505円
累計900348円
食事
昼・・カップラーメン、おにぎり、アップルティー、ハンバーガー、フライドポテト、ルートビア
道中・・ヨーゴ、ポカリスエット、さんぴん茶、缶ビール

462日目 那覇滞在

20080715211951
7月10日。9時20分起床。
朝起きて、とりあえず顔を洗って、歯をみがき、
「さあ、今日はどうしようか」
と考えた。
どうしようか、と言ってもやることは一つで、
「鹿児島行きのフェリーに乗る」
のみなのだが、今日はもう船が出ていないようである。
「国際通りでも見てみてから、フェリーチケットの予約をしに行くかな」
と、宿を後にした。

今日も沖縄は暑い。でも、今日は別に長時間歩くわけでなし、気楽なもんだ。国際通りの土産物屋などを冷やかしつつ、プラプラした。

さんぴん茶。
沖縄でよく飲んだな、と思う。さんぴん茶は、ジャスミンティーのことである。
本州などにいる時は、はっきり言ってジャスミンティーなど、まず飲まない。それが不思議なもので、沖縄にいるとさんぴん茶が飲みたくなるのである。
先日、めぐみんとその話をしたら
「そうなんだよね!」
と話が通じた。やはり、皆そうらしい。
ゴーヤチャンプルーにしたって、本州の食堂にあっても多分食べない。でも、沖縄にいたら食べたくなるんだから不思議だ。

100円ショップで、小瓶を買った。波之上ビーチという砂浜に行き、これに一つまみの砂を詰めた。これから日本列島の太平洋側を縦断するにあたって、全国各地の砂浜で、一つまみずつ、砂浜の砂を小瓶に詰めていく予定だ。
ゴールの稚内の砂を詰めた時、自分の旅の証が完成する。きっと宝物になるだろう。

フェリーのチケットを予約した。出発は明日の朝7時。
今日はフェリーターミナル近くのゲストハウスに泊まることにした。

ゲストハウスにて三線を弾いたり、オセロをやったり、ドンジャラをやったり。
全く
沖縄って、
沖縄の宿って、
なんでこんなに楽しいんだろうな。恨めしくなってくる。
熊本から来ているというオサムさんが、夜、国際通りにストリートライブをやりに行くというので見学しに行った。
オサムさんは、ディグリジュという大きな木管楽器の奏者である。ディグリジュとは、オーストラリア原住民の楽器だそうで、オサムさんは現地で奏法を学んできたらしい。
宿にいたチヒロちゃん、ワダくんと3人で、途中、居酒屋に寄りながら、現場へ。
会場に着くと、
おお!
おお!
ゆんたくが始まっていた。
ゆんたく、というのは『飲み会』みたいな意味の沖縄方言で、自分は最近知ったのだけど、沖縄の人は、どこでも、誰とでも、この『ゆんたく』を始めるという印象が自分にはある。
オサムさんの回りにはすでに7、8人の若者が集まっていて、サークル組んで酒を飲んでいた。
オサムさんは、警察が来たので演奏はもうやめたのだと話していた。

ので、

自分もそこに加わって飲酒。
不思議である。沖縄は。
どうして皆こんなにすぐ、仲良くなってしまうんだろう。
サークルには、おばちゃんが加わったり、ギャルが加わったり、外国人が加わったり、風来坊のおっちゃんが加わったりしては、各々に散り、形を成していた。
酒がなくなると、誰かがどこからともなく酒を持って現れる。そして加わっては、誰かが抜けていく。
不思議である。沖縄は。
自分は何かの魔法にかけられたみたいだ。

明け方、皆にお礼を言って、チヒロちゃんとワダくんの3人でその場を後にした。そのまま、カラオケに向かう。もう、朝までコースである。
チヒロちゃんは仙台から来た女の子で、なんかひたすらパラパラを踊っていた。自分も踊らされた。
ワダくんは千葉から来た男の子で、沖縄には自分を変える為に来たらしい。流行りの歌をよく知っていた。
自分は埼玉から来た男の子で、明日沖縄を発つ。寂しさを紛らわす為にロックンロールをシャウトし続けていた。

天候
晴れ
気温
昼35℃ 夜32℃
歩数
10785歩
累計7081448歩
出費
宿代・・1500円
居酒屋代・・2000円
カラオケ代・・1600円
缶ビール×2・・430円
飲料×2・・193円
カップ沖縄そば・・195円
じゃがりこ・・145円
おにぎり・・84円
小瓶・・105円
チリドックセット・・504円
計6756円
累計907104円
食事
昼・・チリドック、フライドポテト、コーラ
夜・・居酒屋メニュー6品、アイス、デザート、生ビール×2
道中・・缶ビール×5、さんぴん茶、じゃがりこ、レモンティー、ドリンクバー、ワイン、スナック菓子

463日目 那覇~鹿児島

20080715212303
7月11日。徹夜明け。
一旦、ゲストハウスに戻って荷物をまとめる。
昨日買っておいたカップラーメンは、結局食べなかったのであげてきた。ゲストハウス宛に絵ハガキを書く約束をして、朝の沖縄を通りに出て歩く。
フェリーターミナルまでは僅かな距離である。5分位歩いたら着いた。
自分は相変わらず二日酔いだ。沖縄の半分位は二日酔いだった気がする。
予約してあったチケットを購入して、フェリーに乗り込む。
鹿児島⇔沖縄航路を結ぶ『フェリーあけぼの』は、まだ今月に就航したばかりの新造船だそうで、船内はピカピカだった。
この船はこれから与論島、沖永良部島、徳之島、奄美大島を経て、鹿児島港へと到着する。到着は明日の朝8時の予定だ。
自分は案内された2等室で、すぐに横になり寝入った。

目が覚めたのは昼であった。5時間ほど寝たろうか。
腹が減った。
何か船内に食べ物はないだろうか。
起き上がって船内をウロウロすると、幸いなことに食堂がやっていたので、食堂でラーメンを食べた。
部屋に戻り、もう一眠りしようと布団に横になって、うっすらと沖縄のことを想った。
自分の正面の布団にいた老夫婦が、船室の窓から、ただ青々と広がる海を並んで黙って見つめていた。

鹿児島に着いたら、その足で折り返し、屋久島に向かう予定だ。
時折、船内アナウンスに起こされながら、自分はなんとなく寝たり起きたりを繰り返し、船が鹿児島に到着するのを待った。

天候
晴れ
気温
朝32℃
歩数
1040歩
累計7082488歩
出費
フェリー代・・14800円
コーラ・・120円
おにぎりせんべい・・110円
いなりずし・・320円
ラーメン・・480円
計15830円
累計922934円
食事
昼・・ラーメン
夜・・いなりずし、おにぎりせんべい、コーラ

464日目 鹿児島~屋久島

20080720051813
7月12日。7時10分起床。
朝、船内アナウンスで
「シャワールームに財布を置き忘れて、お困りのお客様がいらっしゃいます。お気づきのお客様がいらっしゃいましたら、どうぞフロントまで御連絡をお願い致します」
と、何度か繰り返していた。
恐らく、誰かが置引きに遭ったんだろうと思う。
もし、そうだとしたら犯人は同じ船の中にいる。鹿児島港に着く前に、全員、身体検査をすれば出てくるかもしれない。
自分が被害者であれば、そのくらいのことをしたい。さあ、財布の主はどうするんだろう、と思っていたのだが、別に何もなく、船は鹿児島港に到着。皆、何事もなかったように下船していった。
財布はどうなったろうか。見つかったんだろうか、諦めたんだろうか。気になる。

港から少し歩き、屋久島行きのフェリーターミナルへ。
12:20発の高速船を予約した。
受付の人が
「出発1時間前になりましたら、座席指定をして頂き発券となりますので、その時間にもう一度こちらにお越しください」
と言うので、それまで時間を潰し、いざ1時間前、受付に行ってみると人が大勢並んでいる。
それだけ屋久島に行く人がいるのだ。
「混んでるなぁ」
と思いながら順番を待っていると、なんだか自分の前に並んでいたおっさんが落ち着かない。
時計をチラチラ見ながら、
「それにしても、おっそいなー」
とかブツブツ言っている。

と、そこで、それまで閉まっていた受付の窓口が一つ開いた。
それを見るや、フォーク並び(ATM並び)をしていた前の人を追い抜いて、窓口に向かうおっさん。
だが、おっさんはその受付の女性に
「先にお待ちのお客様がいらっしゃいますので」
と、ピシャリ、帰されてしまった。
スゴスゴと戻ってくるおっさん。自分がどこに並んでいたのかも分からなくなってしまったらしく、辺りをさ迷っている。
可哀想なので、自分は
「ここですよ」
とおっさんの還る場所を教えてあげた。
チケットを買い終え、船に向かう。
船内に入ってみると、あら?思ったよりも船内はガラガラであった。
どうやら混んでいたのは、窓口だけだったようだ。
3人席の窓側を独り占めして快適快適と思っていたら、さっきのおっさんが目についた。
おっさん、何か変な席に座っている。
おっさんは、4人掛けの席の端っこにチョコンと座っていた。隣には男3人のグループがいて、窮屈そうだ。
なんでこんなに席が空いているのに、おっさんはあんな席に座っているのだろうか、考えていて思い当たる節があった。

さっきの受付の女性である。

受付の女性が、おっさんにあの席を選択したのだ。きっと、先ほどのおっさんの態度が気に食わなかったのだろう。わざとその席を与えたようだ。おっさんの次にその窓口に行った自分がこんな良い席なのだから、おかしい。

少し複雑な気分である。
得をした自分と、損をしたおっさん。さらに損したおっさんの隣の男3人組。
受付の女性とおっさん、ひどいのはどちらだろう。そして、自分は誰に感謝しなければいけないのだろう。

自分は、ただ単におっさんが可哀想であった。
「おっさん、可哀想に」
自分は一人、快適な席でそう呟いた。
この事実を誰か自分以外の人間も見ていただろうか。気になる。

屋久島は、この『徒歩で日本一周』のルートには含まれない。ただ自分が個人的に行きたいから行くだけである。
よって、島を歩いて回るようなこともせず、ただ、縄文杉を見てくるだけの旅行だ。
屋久島について、何の情報も得ていなかった自分は、とりあえず島内の宿に泊まることにして、そこで様々な情報を得た。
明日のルートを考える。
荷物を準備する。

夜、自分の泊まった民宿で飲み会。こんなところでも、ゆんたくである。
外国人やら、東京の劇団員やら、神戸の消防士やらと様々なメンツが集まった。
屋久島の焼酎『三岳』を飲みながら、ワイワイ騒ぐ。
稚内から来たという一人旅の男性と知り合い、明日は彼と一緒に山へ登ることになった。

天候
晴れ
気温
朝31℃ 昼32℃ 夜27℃
歩数
7283歩
累計7089771歩
出費
飲料×5・・834円
高速フェリー往復チケット代・・9000円
宿代・・3000円
おにぎり・・110円
ハムマヨサンド・・250円
都こんぶ・・100円
りんご・・90円
カップラーメン×2・・210円
ポテトチップス・・60円
カロリーメイト×2・・210円
ガブリチュウ・・30円
缶ビール×2・・420円
計14314円
累計937248円
食事
朝・・おにぎり、ハムマヨサンド、野菜ジュース
夜・・缶ビール×2、ポテトチップス、カップラーメン、刺身、焼魚、カレーライス、焼酎
道中・・レモンティー、コーラ

465日目 縄文杉へ

20080725183135
7月13日。4時起床。
昨日の夜に友達になった『たにもっちゃん』は、航空会社で気象予報士の仕事をしているそうだ。
昨夜、
「先に起きた方が互いを起こそう」
と約束して、たにもっちゃんは今朝の4時に自分の部屋のドアを叩いて、起こしてくれた。
自分は二日酔いである。結構、重い感じだ。ヘビーと言ってもいい。吐き気を伴う類のやつである。吐けば楽になるやつだ。
「こんなんで、山登れるのか?!」
と思ったが、屋久島まで来て、二日酔いで縄文杉を断念するのは悔しすぎる。うつ向き、扇風機にあたりながら調子を整えた。
とりあえず朝食を食べなくては、と昨日買っておいたカップラーメンを食べる。
とんこつ味がさらに胃をヘビーにさす感じに耐えながら、5時発のバスに乗り、いざ登山口へ。やはり登山客は多いようである。バスの中は結構賑わっていた。
たにもっちゃんも二日酔いらしい。しかも寝不足だ。気づけば二人揃って、登山前にやっちゃいけないことをやっている。
周りにいる登山客は皆、ガイドを伴っているのだが、自分達はガイドを付けていない。別にガイドがいなくても縄文杉までは行けると聞いていたし、何よりガイド料が一人1万強と高価なので、敬遠したためである。地図すら持っていない。

二日酔い、寝不足、ガイドなし、地図なし、そんな一人旅の男二人組が一体どこまで行けるのか分からないが、とにもかくにも自分達は縄文杉に向け歩き出した。

一応、自分の装備を簡単にご紹介挙げると・・
・ハーフパンツ
・Tシャツ
・サンダル
・キャメルバック
・デジカメ
・カロリーメイト
・おやつ
である。
情報誌などを見ると、雨具だの着替えだの弁当だの、あれもこれもとたくさんの装備品を提示しているが、自分は最小限の荷物で登山を敢行した。
理由は『勘』である。
なめている、と言われればそれまでだが、自分は今までの旅の経験で身につけた勘と、地元の方からの情報によって、荷物はこれで十分だと判断したのだ。

そして、結局これが当たりであった。

自分はたにもっちゃんと
「旅の中で見た一番好きな山は何だったか?」
なんて話をしながら、景色を楽しんで順調に歩いた。
利尻富士、羊蹄山、岩木山・・。開門岳もいい。そんな話に夢中になりながら、タイムスケジュールで5時間かかるという縄文杉への往路を3時間で歩いてしまった。結果、一行から頭抜け出すことによって、人があまりいない中でゆっくりと縄文杉を観察することが出来たのである。

二日酔いは治っていた。
山の空気が清々しい。
自分はたにもっちゃんと二人、大きな、大きな縄文杉を見つめて、ため息をついた。

この木は、まだ人間が石器を使っていたような時代から、ここにあったのである。
卑弥呼の先輩であり、聖徳太子の先輩であり、織田信長の先輩だ。
今を生きる全ての人の大先輩は衰えることなく、この世の中を生き続けているのである。
なんて力強いのだろう。
なんて温かいのだろう。
なんてどっしり構えているのだろう。

しばらく、その場でボケーッとした後、段々に後続の人達で場が混み始めてきたので、自分達は折り返した。
復路を歩き始めると、往路で追い抜いてきた人達とすれ違う。しばらく、そんなことを繰り返しているうちに、誰ともすれ違わなくなった。時計を見ると、まだ正午である。
自分はたにもっちゃんと別れ、一人、白谷雲水峡方面の『もののけ姫の森』へと向かった。ここは、ジブリ映画『もののけ姫』のモデルになった、屋久島の森である。
縄文杉に次ぐほどの屋久島観光スポットで、時間があったらハズせない、と踏んでいた。
たにもっちゃんは昨日見たらしいので、自分はたにもっちゃんにオススメの太鼓岩というスポットを教えてもらい、併せて見学し、宿へと帰ってきた。太鼓岩からの景色は絶景であった。

夜、宿ではまた宴会である。
素泊まりのみの宿なのだが、夕食と焼酎をご馳走してくれる主人の心意気がカッコイイ。
屋上のテーブルで星空を眺めながら、打ち上げと称して杯を傾ける。
今夜もまた、皆、笑顔で話に耽った。

天候
晴れ
気温
朝27℃ 昼33℃
歩数
37465歩
累計7127236歩
出費
宿代・・3000円
バス代・・1860円
缶ビール1パック+ポテトチップス+カップラーメン(割り勘)・・1020円
計5880円
累計943128円
食事
朝・・カップラーメン、りんご、メロンソーダ
夜・・鹿カレーライス、豚しゃぶサラダ、きびなご、焼魚、ポテトチップス、缶ビール×3
道中・・都こんぶ、ガブリチュウ、パン×2、ミネラルウォーター、湧水

466日目 屋久島~枕崎

20080726133051
7月14日。6時50分起床。
朝、自分はたにもっちゃんとお別れの挨拶をしてから二度寝。12時発の高速フェリー『ロケット』で屋久島を発つことにした。
フェリー待合室のベンチに腰かけながら、ボーッとTVを見ていると、ワイドショーがとてもショッキングなニュースを伝えた。

『忌野清志郎さん、ガン転移』

つい、この前、復活したばかりである。全てのツアーはキャンセルになったそうだ。
自分は望んでいる。ストーンズのように、還暦を過ぎても表現することをやめぬ、ロックンローラー忌野清志郎の姿を。
この旅の中で何度と、自分を支えてくれたキヨシローである。
「頑張れ、キヨシロー!大好きだ!!」
帰りのフェリーの中で、自分はRCサクセションを聴き続けた。

鹿児島に到着したのは、14時近く。その足で自分は、枕崎へと向かった。枕崎、というのは、旅の途中で出会ったお坊さんのところである。
実は先日、お寺に電話したところ、お坊さんが修行から帰ってこられている、とのことだったので
「枕崎に向かわせて頂きたい」
とお願いしてあったのである。
お坊さんはこれを快く了解してくれ、自分は調子に乗って、もう一つのお願いをしてみた。

「実は・・」
「うん」
「お寺で10日間ほど、修行させて頂きたいんですが・・お願い出来ませんか?」
「え?」

ちょっと師匠に確認してみないと分からない、とのことであったが、とりあえず顔だけでも、ということで向かわせて頂いた。
一旦歩いてきたルートだし、歩きだと時間がかかるので電車を使う。旅自体は鹿児島でストップしたままである。

枕崎に到着したのは18時過ぎ。駅前のスーパーでお土産を買って、お寺に向かう。駅からお寺までは5kmほどの道のりだ。
電話をして
「これから歩いて向かいます」
と連絡したのだが、途中まで歩くと、お坊さんが車で迎えに来てくれた。

久しぶりの再会。

「おお~!ごくろうさん。あれからどやった?」
「いやぁ、あれからカクカクシカジカ・・」

早速、話が弾む。
車はお茶畑の間をどんどん山の上に登っていく。そして、やがて一軒のお寺に着いた。
『国見山・大国寺』
ここが、お坊さんが修行するお寺である。境内から、枕崎の夜景が綺麗に見渡せる。角度を変えれば、開門岳も一望できる景色の良さだ。
10人ほどのお弟子さんが自分を迎えてくれる。男性よりも、尼さんの方が多いらしい。自分は皆さんに自己紹介をして、ご飯を頂いた。お風呂にも入らせてもらう。
お坊さんは、自分のために道場を空けて寝場所を用意しておいてくれた。どうやら、修行もさせてもらえるようだ。

「明日はとりあえず6時頃にここへ来て、コウゼンさんに水行(みずぎょう)へ連れて行ってもらうといいよ」
お坊さんがそう言ってくれたので、自分はお礼を述べ、よろしくお願いします、と頭を下げた。
案内された道場は、お坊さんが断食行をする時などに使う道場だそうだ。少し前にチャリダー(自転シャー改め)のおっちゃんも泊まっていったらしい。
部屋を軽く掃除し、蚊取り線香をつけて眠。

天候
晴れ
気温
昼33℃ 夜29℃
歩数
12027歩
累計7139263歩
出費
コーラ・・120円
せんべい・・840円
野菜ジュース・・84円
おにぎり×2・・210円
電車代・・1770円
計3024円
累計946152円
食事
朝・・カップラーメン
昼・・おにぎり×2、野菜ジュース
夜・・皿うどん、中華丼、白飯、ビール、麦茶
道中・・コーラ、スイカ

467日目 枕崎修行初日

20080726173223
7月15日。5時半起床。
修行、と言ったって、たった10日間お寺に籠っただけで、果たして自分の何が成長するだろう。
だから、
「10日間だけ修行させてくれ」
というのは、なんだか相手にしたら
「ふざけた奴だ」
という印象を与えてしまうんじゃないか、という思いがあった。
それもあって、今回、自分はある目標を持って、お寺へとやってきた。

まだ先のことになるが、自分は四国へ行ったら『お遍路さん』をやってみるつもりである。八十八ヶ所参りというやつだ。
これは簡単に言えば、四国中に八十八あるお寺を巡る、というものだが、これには正しい巡り方、みたいなものがあり、正式には各お寺でお経をあげなくてはいけないらしい。
と言っても、もちろん皆がやっているわけではない。皆が皆、お経を知っているわけではないからだ。
しかし、せっかくだから自分は四国八十八ヶ所であげるお経を覚えてから行きたいと思う。
それで、そのお経をお坊さんに教えてもらい、10日間のうちに暗記しようと思ったのである。
その意思をお坊さんに伝えると、お坊さんが教えてくれたのは『般若心経』というお経であった。これを10日間のうちにマスターすることが自分のここでの目標だ。

朝焼けの開門岳が美しい。お寺での一日は、『朝のお勤め』から始まる。

ここのお寺にはお墓がない。
「お墓がない寺って、何じゃそら」
と思われるかもしれないが、そういうお寺は結構あるものらしい。
祈願寺、と呼ばれるそうで、『開運、厄除け大師』として、合格祈願、交通安全祈願などをするのがお勤めだそうだ。
お寺なので、もちろん住職さんがいるわけだが、今は北海道へ出張中なんだそうである。その住職さんが、お坊さん(以下、シンジョウさん)のお師匠さんだそうで、お弟子さん達からは先生と呼ばれている。
お帰りが8月とのことで、残念ながらお会いすることは出来ないのだが、自分の修行を許可してくれたのは先生だそうだ。
後から知ったことだが、本来はここで行をするのには、お金を払わなければいけないらしい。『おこもり』と言って、よそから来る行者とはそういうものなんだそうだ。自分は何も知らないで、ただお寺に行けば色々教えてくれるのかな、ぐらいに思っていたが、よく考えてみればもっともな話である。
だが、先生は
「お金が無ければ、少しお寺の仕事を手伝ってくれればそれでいいよ」
と認めてくれたんだそうだ。ありがたい話である。

コウゼンさんは、去年からこのお寺に修行に来たお坊さんで、自分よりも10歳年上のハーフの方である。
朝食の後、コウゼンさんに連れられて、自分は水行場へと向かった。

お寺の修行と聞いて、皆さんはどういったものを思い浮かべるだろう。
自分は道場で座禅を組んで、お坊さんに長い棒で肩をベシッと叩かれる画を思い浮かべる。
あと、もう一つ。
一心に滝に打たれているお坊さんの画を思い浮かべる。
水行は、後者と思って頂いて差し支えないと思う。

自分はコウゼンさんとお寺を出て、山の中へと入っていった。獣道のようなところを進んでいくと、小さな滝壺があり、ここで水を浴びながら、ひたすらにお経をあげるという修行であった。
山の川の水は、夏といえども冷たい。そこに肩まで浸かり、可能な限り、お経を繰り返す。ヤメドキは自分で決める。もうヤメようかな、と心に浮かぶ甘えをすり潰し、ひたすらお経を繰り返すのがこの修行である。
これを1年365日、毎日続けるのだそうだ。
「冬は本当に死にそうになる」
とコウゼンさんはおっしゃっていた。

水行を終えた後、自分は自分に気合いを入れる意味でも、頭をボウズにした。坊主頭にするのは、広島ボウズ事件以来である。
シンジョウさんは
「そっちのがエエよ~」
と言ってくれた。

夜、夕食を頂いて、道場にて眠。泥のように眠。

天候
晴れ
気温
朝27℃ 夜29℃
歩数
計測なし
累計7139263歩
出費
なし
累計946152円
食事
朝・・お粥、お茶漬け、ナスの味噌汁、キムチ、緑茶
夜・・白飯、あさりの味噌汁、餃子、とろろ芋、キムチ、緑茶、麦茶
間食・・サイダー×2、コーヒー、ソーメン、パン×3、チーズ

468日目 枕崎修行2日目

20080729180027
7月16日。5時半起床。
道場にて起。
シンジョウさんは、毎朝2時に起きているそうである。そうして水行に行くそうだ。
シンジョウさんは本当にすごい人だと思う。
旅中に出会った時にも、1日6、70km歩くと聞いて度肝を抜かれたが、何事もやることが人間離れしている。
例えば、お寺に大きなカメがあり、ここに水を張って浸かり、般若心経を21回唱える『カメ入水行』という修行があるのだが、これは真冬にやるとヤバいそうだ。
ところがコウゼンさん曰く、シンジョウさんは冬にこそ、これを毎朝やる。しかも、ただやるのではない。近くの港まで車で出掛け、大きな氷を買ってきて、それを砕いて水に浮かべ、その中に浸かるんだそうである。
冗談でなく、普通の人間なら死ぬ。生存率の問題である。だから、シンジョウさんは本当に人間離れしていると自分は思うのだ。
シンジョウさんを見ていると、自分がどこをどう甘えて生きているかがよく分かる。なんだか、自分でも気づかなかった自分の中のちっぽけな怠け心みたいなものをすぐに見透かされてしまうような気がする。
また、シンジョウさんは色々とありがたい話も聞かせてくれる。今日、印象的だったのは『感謝』についての話だ。

「自分に良いことがあって、ありがとう、ゆうのは簡単なことや。それは出来て当然やな。感謝ゆうのはな、自分に起こった悪いことに対しても、ありがとう思う気持ちを感謝言うんよ」

しっかり感謝が出来ていれば腹もたたないそうだ。一言に『感謝』と言っても難しいものである。

「人はつい自分の力で生きていると思ってしまいがちやな。でも、違うで。生かされてるんやで。だから、全てに感謝せなあかんよ。本当に自分が生かされていると気づいた時、人は自然と感謝が出来るようになるんよ」

シンジョウさんはそうおっしゃっていた。
そのことが、お寺にいるとよく分かる。朝の挨拶からして違うのだ。
膝を折り、額を床に付けて
「おはようございます、本日もよろしくお願いします、ありがとうございます」
と言う。
自分がじゃない。全員が自分に対して、そういう挨拶をしてきてくれるのだ。
目上だから、目下だからそういう挨拶をする、というのではない。相手が誰であろうとそうなのである。
だから自然、自分もそういう挨拶になる。すると、何か心が洗われるような不思議な心地よい気持ちになってくるのだ。これが挨拶、これが感謝だとよく分かってくる。

今日は水行の他に、八十八ヶ所参りとお百度踏みという行をさせてもらった。
八十八ヶ所参りは、境内にある八十八体のお地蔵さんに短いお経を唱えて回るというもの。
お百度踏みというのは、10m間隔ほどに建ったお仏像と石柱の間をお経を唱えながら100往復するというものである。
どちらも、腹の底から声を出してやるのだが、これがまたバテる。頭痛がしてくる。

朝と夜は、皆集まって食事をする。夕食が終われば、お風呂を頂いて、一日が終わりである。
やはり今日も爆睡な感じで寝入った。

天候
晴れ
気温
朝27℃ 夜28℃
歩数
計測なし
累計7139263歩
出費
なし
累計946152円
食事
朝・・お粥、味噌汁、お茶漬け、昆布、たくあん、麦茶
昼・・ソーメン、おはぎ、パン、サイダー
夜・・白飯、味噌汁、カツオのフライ、キャベツ
間食・・アイス、枝豆、チンジャオロース定食、バナナ

469日目 枕崎修行3日目

20080731162618
7月17日。5時起床。
お寺では毎朝、朝食の際に各人がその日の目標と行動予定を発表する。
自分の隣の席にいたシンジョウさんが、本日の予定を述べる時に
「お寺の前の焼却炉に灰が溜っているので、今日はそれを掃除しようと思います。で、彼にもそれを手伝ってもらおうと思います」
と自分を指して言われた。
というわけで、今日の自分の予定は、焼却炉の掃除と水行、お百度、八十八ヶ所参りである。
まあ、自分は行者とは呼べない居候の身で、何かお手伝い出来ることがあればどんどん言って頂きたく、これを遠慮されると返ってここに居づらくなる。シンジョウさんのお言葉はありがたかった。

ところが・・。

今日は朝からの大雨である。天気予報によると、台風が近づいているらしい。
シンジョウさんは外に焼却炉の掃除をしに行く。自分は後を追いながらも、何故、こんな天候の中でわざわざ外の作業をするのか、気にかかる思いもあった。

横殴りの雨。着ている服は瞬時にビショビショである。カッパなど着ても意味がないからか、シンジョウさんはカッパを着ようともしない。

作業をしながら、ふいにシンジョウさんが口にした。

「なんで、こんな雨の日に焼却炉を掃除してるか分かるか?」

それが分からぬ自分。

「え?・・いやぁ、分からないです。何でですか?」

聞いた。
すると、シンジョウさんは言われた。

「晴れてる日にやったら、灰が飛ぶやろ。皆さんに迷惑かける。だから、こういう仕事は雨の日にやるんや」

自分は、そこに立ち止まってしまうくらいのショックを受けた。

つまり、自分が雨に濡れるからとか、風邪をひくかもしれない、とかそんなことよりも、シンジョウさんは他人を優先して考えていたのである。しかも、ここは山の中で、誰も迷惑をかけるような人もいない。
その数少ない迷惑を考えて、自分を風下に立たせる。これは、なかなか出来ないことだ。

例えば、人というのは勝手なもので、ある晴れた日に車で道路を走っていて、横の畑から埃が飛んできた、とあったら文句を言いたくもなるだろう。しかし、これが雨の日に畑で作業をしている人を横に見て、埃が飛んでこないことに
「ああ、ありがたいな」
とは、なかなか思えないものである。下手したら、
「こんな雨の中で仕事してるなんて、変わり者だな」
くらいに思ってしまうかもしれない。

気づけないものである。自分が経験したことでもないと、人の奥深い思いやりには、なかなか。
そうして、人の思いやりに気づけないと、自分の中に感謝が生まれてこない。
だから、普通は思いやる方も疲れてくる。

「私はあなたのために雨の中で作業しているんですよ」
と言いたくもなるだろうし、
「もう、晴れの日にしてもいいんじゃないかな。誰も感謝してくれないし」
なんて思ってきてしまうものである。

ところがどうだ。シンジョウさんにはそんな見返りを求める心もない。
この思いやり。むしろ、人に気を遣わせぬよう配慮しているようにも見える。
シンジョウさんは昨日の言葉通りの動きなわけだ。自分はそんなシンジョウさんの心に気づけなかった己を恥じた。雨に濡れることばかり、自分の損得ばかり考えていたことを情けなく思った。
「思いやりとは、感謝とはこうなのだ」
頭を叩かれたかのようだった。

自分という人間のレベルなんて、まだまだちっぽけだ。
驕り、自惚れ、甘え。
ふと見渡せば、そんなエゴで今まで見過ごしてしまった大事なものが沢山あったかもしれない、と反省させられた1日であった。
(ちなみに、この後、シンジョウさんは自分を風呂に入れ、着替えの服を貸してくれて、洗濯した服を乾燥しにコインランドリーまで連れて行ってくれたのだった)

天候

気温
朝27℃ 夜26℃
歩数
計測なし
累計7139263歩
出費
チョコ・・100円
計100円
累計946252円
食事
朝・・お粥、味噌汁、お茶漬け、昆布、キムチ、玉子焼き、さつまあげ、たくあん、麦茶
昼・・ソーメン、ピザパン
夜・・白飯、味噌汁、フライドチキン、かぼちゃの煮付け、漬物、麦茶
間食・・コーヒー、源氏パイ、アイス、チョコ、冷やし中華
06 | 2008/07 | 08
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プロフィール

高沢 里詞

Author:高沢 里詞
埼玉県行田市出身
S57・12・7生
26歳♂
B型
パンクロッカー・詩人
行田秘湯の会会長
S・O’S(スーパーアウトドアーズ)部長
行田不毛の会会長
行田死語の会会長

注※どの会も新規会員募集は行っておりませんが、もしも会員になりたい方がいましたら密談でどうぞ。

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