スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

112~115日目 結婚式

20070730225131
※112日目から115日目までの4日間は、結婚式とまとめて書こうと思います。

26日昼、船の中で目を覚ました。自分がいた部屋は2等室と呼ばれる一番低級の部屋で、一部屋に16人が足を向けあい対になって寝る雑魚寝スタイルの部屋である。雑魚寝と言っても、一人ずつ枕と毛布があてがわれ、下はカーペットなのだから、自分には上出来の寝心地だった。
2等室がある一階から二階への階段を上り、窓から外の景色を眺めると、陸地は見えず水平線ばかりが広がっている。天気がいい。今は秋田の横ぐらいを走っているのだろうか。
青森、秋田、山形、新潟。自分がこの1ヶ月半歩いてきた本州を今、逆戻りしている。自分が歩く何倍ものスピードで遡っていく。深い青をした海を割るようにして船は進む。真っ白な水しぶきがあがり、船が通った跡は飛行機雲のような余韻を残していた。
昼飯に昨日買ったパンを食べる。昨日のあの衝動買いが良い方に転がり、船の中では全くお金を使わなかった。ただ、船内にある売店や食堂が別段高いわけでもない。700円払えば、水平線を眺めながらの風呂にも入れるのだ。無料の映画上映はあるし、エントランスなど高級感があって、とても快適な空間である。
船内では小説を読んだり、寝たりを繰り返して、苫小牧東港に着いたのは20時半。この時、自分の携帯電話に異変が起こった。メール機能が使えない。これは・・故障だ。参った。港に迎えに来てくれたN君とは無事落ち合えたが、なるべく早く携帯電話を買い替えなければならなくなった。
N君は、北海道の鵡川町という所で牧場を営む大学からの友人である。自分は彼に、大学時代からこの旅に至るまで大変な世話になっている。大学時代はしょっちゅう酒に付き合ってもらい、大学を離れてからは鵡川の名産であるししゃもを酒のつまみに送ってもらって、この旅においては札幌や小樽で酒を奢ってもらい、たらふく飲んだ。なんだか酒ばかりの付き合いだが、とにかく自分は彼に頭が上がらない。今回の結婚式でも、自分はほとんどの時間を彼と過ごすことになっており、彼の家にまで泊まらせてもらうことになっている。その家は祖父母の家だが、今は使っていないので気楽にやってくれとのこと。N君は自分に、今朝捕れたというカニと、同じ大学のサークル仲間からもらった夕張メロンを持ってきてくれ、二人で宴を催した。北海道の夜は、湿気がなく涼しかった。

27日。N君の家に、おかんに頼んでおいたスーツが届いていたのだけど、その荷物の中にカロリーメイト、飴、粉末のポカリスエット、ウィダーインゼリーなど、多量の食料も入っていて、気持ちは嬉しいのだが、これには困った。自分のリュックにこれを入れるスペースはないのだ。このまま送り返すのは気が引けるし、今は食べきらないし、どうしたものか。
今日は、N君に苫小牧の町まで買い物に付き合ってもらった。昼までに仕事を終わらせて、車を出してくれたのだ。何ヶ月ぶりになるのだろうか、肩まで伸びていた髪をバッサリ切って、この旅3足目の靴を買い、一緒に結婚式のプレゼントも買った。このプレゼントは、自分とN君、そして卓ちゃんと3人合わせてのプレゼントで、Wiiというゲーム機とソフトを買ったのだった。
夜、今日もN君と飲み。昨日は、とりあえずの宅飲みであったが、今日は結婚式前夜祭という名目である。近所の寿司屋を予約して、刺身の盛り合わせをつまみに日本酒でやった。N君なんか豪快なもんで、店員を呼んでウニの握りを10カン頼み、半分を自分にくれた。昨日も今日も、全てN君の奢りである。
これほどの人物であるN君だが、何故か恋人に恵まれない。二人の話題のほとんどはその話で、自分はN君に見合う女性が早く現れないかヤキモキしているのだが、出来る限りの協力をするという話にまとまって、この夜はお開き。その実戦として、自分は店員の女の子に声をかけるなどしたが、結局二人でN君の家に戻り、明日の朝早いからと言うN君を母屋に見送って、一人で寝た。

28日、結婚式当日。北海道全域で、朝から激しい雨が降ったようである。自分は遅くまで寝ていたから気づかなかったが、途中で電車が止まってしまって、このままでは式に間に合わないという参列者もいるらしい。N君から電話があり、これから急いで仕事を終わらせて、それらの人を迎えに行くという。自分もその車に乗り、そのまま式場入りすることにして、急いでスーツに着替えた。
式場は静内という町にある。鵡川からは日高地方を襟裳岬方面に車で1時間半ほど行ったところだ。まず、車はそれとは逆方向の苫小牧に向かい、参列者の一人を乗せた後、静内へ向かうことになった。本当は卓ちゃんも苫小牧からこの車に乗るはずだったが、都合上、彼は汽車で静内まで来ることになった。
静内へは、当初思っていたよりも早く到着。17時からの式を前に、空いた時間で自分は携帯電話を買い、母校である高校を訪問した。全くの偶然だが、自分が通っていた高校はここ静内にある。久しぶりの厩舎や寮を少し見てまわった。懐かしい人、そして馬がいた。
実は自分は、友人の結婚式に出席するというのは初めてのことである。なんだか場の雰囲気に慣れず、こっちまで緊張してくる。北海道の結婚式は会費制とのことで、受付に会費を渡して会場に入ったものの、会場内はなんだか大人の社交場といった雰囲気で、自分など場違いのような気がしてくる。ますます緊張して黙っていると、やがて式が始まった。
式は、挨拶から乾杯、余興へと流れていき、キャンドルサービスなどに至る頃にはすっかり自分も馴染んで、その幻想的な世界に酔っていた。新婦から父親への手紙には思わず泣いた。だいたい自分は、こういうことに対して感情移入し過ぎの傾向があり、泣き虫である。
式が終わり、二次会。式場となった同じホテル内に会場が設けられ、そこへ移動。用意されていたお寿司やお酒を飲みながら、新郎新婦を交え、今日出席した大学時代の仲間とたくさん話をした。誰かが「また集まりたいね」と言った。自分もそう思う。そして近く、またこのメンバーで会えそうな気がする。
それからは酷いものだった。何が酷いかと言うと、卓ちゃんと自分である。卓ちゃんと自分にとって、この静内は高校3年間を過ごした町であるから、皆よりも思い入れがある。周りは自分の部屋へと戻ってしまったが、二人はいつまでも騒いでいた。N君を説得して、ラーメンを食べに行くか行かないかで、3時間くらい騒いでいた。

29日。皆、結婚式場となったホテルで用意されていた部屋に泊まっていたので、朝食でまた顔を合わせた。改めて新郎新婦に祝福の言葉を、そしてお礼を言った。大学の頃から恋人同士であった二人の姿はあまり変わらない。この二人は6年前からいつも、周りに温かなオーラを振り撒き続けている。結婚ってやっぱり、少し、羨ましい。
朝食を終え、荷物を整理すると、お別れの時間。新居の話を少ししたら、今は二段ベッドで寝ていると話して笑っていた。二人に見送られ、ホテルを後に。N君の車に5人が乗り込み、出発した。皆、これから空港、駅、自宅、そして自分は港と、それぞれに散らばって帰っていく。ドライブをしながら、ゆっくりと回り、一人、また一人と車からいなくなっていく。札幌の自宅に卓ちゃんを降ろすと、ついに車の中は自分とN君だけになった。
自分はN君に「大学へ行ってみようか」と言った。
「そうだな」とN君。
大学。そこは新郎新婦を始め、ついさっきまで車に乗っていた5人、皆が出会い、過ごし、苦悩し、恋をして、時に恋にやぶれ、「将来」なんて簡単な言葉では一括りに出来ない、もやもやした闇の中をそれぞれに突っ走ってきた場所である。
大学に着いて、門をくぐり、車を止めて、構内を歩いていると、熱いものが胸に込み上げてきた。N君も同じような気持ちだったのだろう。「泣きそうだ」とポツリと漏らした。自分はN君が泣いたところを見たことがない。
いつも通っていた学食、中央館、講堂。林の中の近道、裏道、坂道。よく釣りをした池。仲間と別れる交差点。サッカーをやった芝生広場。駐車場。だいぶ変わったところもあるけど、そこを歩いていると、今にも昨日結婚した二人が現れて、自分達を学食にでも誘ってくれそうである。
「また幻想だ」と自分は言った。
その後も、世話になった下宿や、遊びまわった駅前通りを見て歩き、よく食べにいったチェーン店のラーメン屋で夕食にした。
苫小牧からフェリーが出るのは23時40分である。一旦、鵡川に戻り、スーツなどをまた段ボールに詰め、実家に送り返す段取りをして家を出た。おかんからの食料は、持てるだけ持った。港までの車の中でウルフルズの新曲を聴く。

♪なんだか泣けてくる
思わず泣けてくる
明日も頑張ろうぜ
って笑って歩きだす

フェリーターミナルに着くと、N君にお礼を言って握手を交わし、「サンキュー!」と堀内孝雄の物真似をして、自分は船へ向かった。
しかし、船に向かった自分は、3階にあるゲートの前に立って愕然とした。船とターミナルを繋ぐゲートが閉まっていたのだ。どうやら、自分が乗るのが遅すぎたらしい。ドアには鍵がかかり、そのずっと奥で係員が出航の準備をしていた。自分は、鍵のかかったそのガラス戸をドンドン叩き、「うおーい!その船待ってくれー!!」と叫んだ。その様子に気づいた係員が連絡してくれたのか、やがて2階の方から鍵を持った係員が現れて、一度切り離した乗降口をまた船につなげてくれた。自分は「すいません、すいません」と謝りながら乗船した。危ないところだった。
N君に手を振ろうと、自分の部屋を確認した後、甲板に出ると、N君の車はもうなかった。寂しかった。自分の横にいた人などは、見送る人達に手を振って「バイバーイ!バイバーイ!」などとやっている。自分もそれがやりたかったのだ。急に夜風が寒く感じて、船内へと戻った。
敦賀到着は明日の20時過ぎである。2等室で横になりながら、昨日買ったばかりの携帯電話をいじくっている内に眠りについた。

『S君夫妻と、この4日間に関わってくれた皆にお礼を言いたいです。ありがとう。また会いましょう』

4日間の出費
タバコ×4・・1200円
ジュース×4・・556円
宅急便代×2・・3480円
ラーメン×2・・1530円
ゲーム・・100円
結婚式会費・・10000円
携帯電話・・13380円
雑費・・1円
靴・・2890円
床屋代・・3900円
プレゼント代・・10000円
ハンバーガーセット・・400円
ハンバーガー・・100円
土産代・・3000円
競艇代・・2000円
計52537円
累計522684円
スポンサーサイト

comment

管理者にだけ表示を許可する

10 | 2017/11 | 12
Su Mo Tu We Th Fr Sa
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
プロフィール

高沢 里詞

Author:高沢 里詞
埼玉県行田市出身
S57・12・7生
26歳♂
B型
パンクロッカー・詩人
行田秘湯の会会長
S・O’S(スーパーアウトドアーズ)部長
行田不毛の会会長
行田死語の会会長

注※どの会も新規会員募集は行っておりませんが、もしも会員になりたい方がいましたら密談でどうぞ。

お知らせ
☆NEW TOPICS☆
リンク、追加しました(9/24)
当ブログがFC2ブログランキング
バックパッカー部門において
第1位を獲得しました!!
(過去のTOPICSはこちらへ)

☆くるみ長者☆
現在のアイテム
『赤いラジコンカー』
~これまでの交換履歴~
くるみ→
折りたたみナイフ&小説→
革のケータイケース→
キュウリの種→
赤いラジコンカー
青雲の最新動画
青雲HPは下記リンクより!!
最近のコメント
カテゴリ
月別アーカイブ
リンク
メールフォーム
ご意見、質問、ご要望等は、お気軽にこちらへどうぞ!

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QR
ブログ内検索
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。