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218日目 SOS

1月に地元で結婚式が行われる友達に用事があり、電話でなんやらかんやら話していて、ついでだったので気になっていたことを聞いてみた。
「子供はいるの?」
彼は
「それがさ」
と詳細を話しはじめてくれた。
それによると、今奥さんのお腹の中に4ヶ月になるお子さんがいるらしい。めでたいことである。○○の子供かあ、なんて感じ入っていると、彼は続けた。
「二人でかもん(居酒屋)に行ったんだよ。そこで向こうがグレープフルーツとかレモンとか柑橘系のばかり飲むから、冗談で、もしかして妊娠してるんじゃない、って言ったんよ。向こうも、えーっ、なんて言っててさ。で、後日、検査をしてみたら本当に妊娠してたんよ」
これを聞いて、自分は寮のワンフロアに響きわたる位のでかい声で笑った。失礼であったが、大笑いした。いやー、めでたい。めでたいなぁ。○○らしいわ、おめでとう。と言って電話を切った。
彼は中学からの親友である。自分は地元でSOS(スーパーアウトドアーズ)という、「身近で出来る誰もやらないアウトドアをやろう」をコンセプトにしたチームを組んでいるが、彼はそのメンバーである。ちゅっても、メンバーは自分と彼の二人だけなのだけど、主な活動として、一昨年の夏に地元を流れる川を下った。
ライフジャケットを着込んで、ゴムボートを手に、始発電車で50km上流の荒川へ。そこから、ゴムボートに乗って近所まで帰ってくるという作戦である。恐らく、その近辺でそんなことをしたのは自分らくらいなものだろう。コンセプト通りであったと思う。
スタート地点に選んだのは長瀞という埼玉県内の観光名所であったが、ここには本物の観光客を相手にしている川下りの舟がいて、その船頭に
「お前ら、どこまで行くんだ。この先、ダムだぞ」
と言われ、
「熊谷です(ダムのだいぶ先)」
と答えたら、鼻で笑われ、
「バカじゃねえの」
と言われ、舟に乗っていた観光客にも笑われたので
「バカです」
と返事して、その舟を追い越してやった。
途中、激流に揉まれて友達がボートから落っこちた。「おうい!」と叫んだが、どんどん離れていくので、仕方なく自分もボートを捨て、川に飛び込み、洗濯機に回されるように流れてくる友達と落ち合うと、遥か彼方を流れていくボートを見やって、「やべえ!」と叫んだ。
ライフジャケットを着ているから溺れることはない。二人、顔を合わせてニヤッと笑うと、川の流れが緩やかになったところで必死にボートを追っかけてつかまえた。途中で岩に腰を打ったらしい友達は「腰が痛え、腰が痛え」と嘆いていた。
川岸から上陸し、林の中をボートをかついでダム迂回。下流から更に漕ぎ出すと、今度は釣り人に怒られ、川原でバーベキューをしていた若者に手を振られながら進んでいくと、浅瀬の連続。一人がボートに乗り、一人がボートを押す、というようなことを繰り返して、日が暮れるまで漕いで漕いで漕ぎまくった。茂みの中を通り、橋の下を何度もくぐって、何かの死骸、でかい魚影、流れるスイカ、威嚇する鳥、川底から沸き上がる気泡、色々なものを見た。とても暑い日だったので、二人とも体が日焼けで真っ赤になってしまい、終盤は疲れ果てて無言になった。
「ここら辺で終りにしない?」
と言う友達と
「いや、熊谷まで行こうぜ」
と言う自分と。
日没。
結局、ゴールにはたどり着かなかった。記録はリタイア。真っ暗になった空を見上げ、虫の声を聞いた。川の水はもうしばらく膝ほどもなかったのだ。
二人はボートを降りた。ゴムボートの空気を抜き、小さく畳んで荷物をまとめ、濡れた靴で歩き出す。その時、自分は思わず「あっ!」と言った。暗くてよく分からなかったが、自分らがボートを降りた直後から、川がガクッと滝のように5m程落下しており、テトラポッドがむき出しになっていたのだ。二人、しばらくその光景を呆然と見つめた。あのまま、暗闇の中を無理に進んでいたら大変なことになっていたに違いない。お互い、顔を見合わせて「あそこでやめてよかった」とうなずいた。
見知らぬ町を歩きながら、見つけた線路をたどって駅へ。酒屋の自販機にて、なけなしの金で缶ビールを買って二人で乾杯した。
たった1本の酒があんな効いたことはない。何しろ、1日炎天下にいて、全く水分を取っていなかったのだから。
思い返せば、今でも最高の夏の思い出である。

話が遠回りしてしまったが、そんなこんなで彼とは今なお、次のSOS企画を練っているのだが、自分が挙げた
「サバイバル山菜狩り」
「自家製パラシュート」
「東京電波ジャック」
「天狗ジャンプ」
の案件は全て却下され、実現に至っていない。で、自分はついに一人「徒歩で日本一周」というSOS特別企画を発動した訳なのだが、さあ、帰ったら何しよう。彼は子供出来るけど、付き合ってくれるだろうか。
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プロフィール

高沢 里詞

Author:高沢 里詞
埼玉県行田市出身
S57・12・7生
26歳♂
B型
パンクロッカー・詩人
行田秘湯の会会長
S・O’S(スーパーアウトドアーズ)部長
行田不毛の会会長
行田死語の会会長

注※どの会も新規会員募集は行っておりませんが、もしも会員になりたい方がいましたら密談でどうぞ。

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