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267日目 親父(4)

結局、その夢が叶うことはなく、その後も夢をすりかえては潰し、自分はいつの間にか成人して、いつの間にか24になり、まるでフヌケ太郎なのだけど、あの頃から今に至るまで、頭の片隅にあった「家業を継ぐ」という思いが片隅から消えることはなかった。
どんなに強く夢を追う時も心の隅っこでポツンと体育座りをしているような有り様で、年を重ねるにつれ、次第に体育座りからあぐらになって、しまいには一升瓶を持って立て膝をしては、自分の中でその存在を主張するようになってきていた。
大学を休学後、実家に戻ってきてからは、親父に
「俺はもう仕事を辞めるけど、お前がやるんだったら機械だけは残しておく。仕事を教えてやるから、やってみろ」
と、よく言われた。その度に自分は
「いや、やらん」
と断り続けてきた。
理由は多々あるが、一番大きなものを挙げろ、と言われたら、きっと自分に自信がなかったからだ。自分は他にまだやりたいことがあったし、親父の仕事を今まで見てきて、それを自分がやれるとは思わなかった。一度裏切った夢に、今さら飛びつくなんて、そんな甘さも嫌だった。
旅の途中、秋田で兄貴と再会して話したことは、兄弟で誰が家に入るのか、ということだった。仕事を継ぐ継がないは関係なしに、誰が家に入るのか。家族といえども人にはそれぞれ思いがあるわけで、兄貴も姉貴もやりたいことがあり、家に入らないのだったら自分が入るつもりでいた。親の意見もある。心の中では、やはり兄貴が家に入るのがベストだろう、とも考えていた。そして、もし自分が家に入る時が来るのならば家業を継いでみようか、と旅をしているうちに思うようになってきた。
旅の中で様々な人に出会うことによって、自分の気持ちに変化が起きた。その地その場所に、それぞれの日々を一生懸命に生きている人がいて、陽が当たろうが当たるまいが、今日を笑って暮らす人達と触れ合ううちに、きっと自分は素直な気持ちになれたのだと思う。
ただ、しかし、自分には今、やりたいことがある。この旅を周りに反対されつつ、友達のドタキャンにあい、一人になっても決行したのは、そのスタートラインに立つためで、家業を継ぐのなら、これは諦めねばならないかもしれない。旅をしながらも自分の心は揺れていた。何だろう、うまく言えないのだけど、自分は、自分のやりたい事と家業に挟まれて、苦しかったのだ。
自分が本当にやりたいものは何だ?
今さら家業を継ぐなんて逃げているんじゃないか俺は?
けれど、親父が今までやってきたことを自分もやってみたい。
俺はどうすればいいのだろう?
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プロフィール

高沢 里詞

Author:高沢 里詞
埼玉県行田市出身
S57・12・7生
26歳♂
B型
パンクロッカー・詩人
行田秘湯の会会長
S・O’S(スーパーアウトドアーズ)部長
行田不毛の会会長
行田死語の会会長

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